遥かなる蒼   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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003

「〈鳳翔〉CDCよりブロッサム24。発艦許可発令」

【ブロッサム24、了解】

 数十分後。荷物を降ろし終えたC-130Hはエンジンを始動し、発艦体勢になる。

 

 その頃、ある無人島の護岸では、男達が双眼鏡を手にして第1護衛艦隊を観察していた。

「まずいな、日本の空母艦隊だ」

「関係ねぇ。いつもどおりぶっ潰そうぜ」

「馬鹿野郎。連中は質なら世界一といわれる軍隊だぞ! それに襲った所で見返りは無い!」

「きっと連中は海賊狩りから手を引くぜ」

「その逆だ! 徹底的に潰しに来るぞ」

 

〈鳳翔〉の甲板から、日本空軍のC‐130Hが飛び立つ。

その横の駆逐艦〈金剛〉の対空レーダーに何かが映る。

「艦長、SPYレーダーに反応です」

「本当か?」

「本艦隊の左舷・210000(メートル)で、小さい反応です。速度マッハ0・7。鳥、ですかね?」

 それを聞き、艦の攻撃責任者である砲雷長が叫ぶ。

「マッハ0・7(約秒速240メートル)で飛ぶ鳥がいるか! 戦闘機か爆撃機か、もしくは対艦ミサイルだ! 国籍を照会しろ!」

「りょ、了解!」

「鳳翔CDCに緊急連絡! 対空警戒よぉーい!」

 〈金剛〉の攻撃・防御の要ともいえるCIC(戦闘情報センター)に緊張が走る。〈金剛〉に搭載されたSPY-1対空レーダーと、それを管制するアメリカ製射撃管制システム「イージス・システム」が目標を捉え続ける。

「目標、3! なおもこちらへと向かってきます!」

 レーダー観測員が叫ぶ。

「ATCトランスポンダ(民間航空機識別システム)、IFF(敵味方識別システム)、両方とも応答無し! 国籍不明です!」

 艦長は、〈鳳翔〉からの指示を待っていた。

「目標視認圏到達まで、どれぐらいだ?」

「あと、2分程度です」

 艦長はいらいらする。

 

 その頃、〈鳳翔〉の飛行甲板では艦載戦闘機の出撃態勢が整っていた。2機のF-14DJ スーパートムキャットがエンジンを始動、搭載した2発の短距離対空ミサイルの安全ピンが抜かれる。

【グッドラック】

「了解、グラウコス01、出撃する」

 赤いジャケットを着た兵器担当作業員が敬礼をし、送り届ける。F-14DJのパイロットは敬礼を返す。そして艦首付近のカタパルトへと機体を動かす。

 〈鳳翔〉所属の第02海上飛行隊の1番機と2番機が艦首付近の電磁カタパルトに接続される。そして、後方にある戦闘機からの噴流を上方へとそらすジェットブラストディフレクターが立ちあがる。パイロットはそれを目視で確認、甲板作業員が右手を上に向けてくるくる回し、「エンジン出力を上げよ」というサインをパイロットに送る。パイロットは左手で握ったスロットルレバーを奥へと倒す。機体に装備された2基のIHI製F110Jジェットエンジンが唸り、最大出力。カタパルト管制員が機体の周りの安全を確認、〈鳳翔〉CDCから発艦許可が下り、カタパルト操作員はスイッチを押す。

 直後、F-14DJの巨大なボディは電磁カタパルトに引っ張られ、わずか90メートルで時速300キロメートルまで加速し、空に浮かぶ。2機のF-14DJは高度600メートルまで上昇、そこから水平飛行に移って目標へと向かう。

 

「何? 〈鳳翔〉からアラート機(緊急発進機)が?」

「はい。第02海上飛行隊のトムキャット2機、〈鳳翔〉から緊急発進しました」

 〈金剛〉CICでは、艦長がさらに顔をしかめる。

(全く、アラート機を発進させるとは。この〈金剛〉のイージス・システムの有効距離内で落としたかったんだが)

 すると、レーダー警戒装置が突然警報を鳴らした。電子戦担当員が叫ぶ。

「大変です! 目標にロックオンされました!」

「何!」

 〈金剛〉CICにいた者達全員が、血の気が引いていくのを実感した。ロックオンされる、すなわちいつ対艦ミサイルが飛んできてもおかしくない状態である。

 艦長は決断する。

「〈鳳翔〉CDCに緊急連絡! 左・対空戦闘・対電子戦用意! ミサイル発射準備! 他の艦にも連絡しろ! 板橋曹長、レーダーから目を離すなよ!」

「イエッサー!」

 〈金剛〉に緊迫した雰囲気が流れる。

「〈鳳翔〉CDCより連絡! 迎撃許可発令されました!」

 その時、3つの目標が分離した。3つだった目標が、9個になったのだ。

「目標、分離しました! 最初の3つより小さく、速い!」

艦長は確信する。

「対艦ミサイルだ! 最優先で迎撃しろ!」

 砲雷長が叫ぶ。

「総員、対空戦闘よぉーい!」

「了解! 艦隊防空システム起動!」

「火器管制システム、オールグリーン!」

「目標、方位そのまま、距離150(キロメートル)!」

「目標への電磁妨害開始!」

「CIC指示の近付く目標、SM-2攻撃始め!」

「前部甲板VLS(ミサイル垂直発射装置)、1番から4番開口!」

「発射よぉーい! ってえ!」

 〈金剛〉前部甲板に埋め込められたミサイル垂直発射装置から、4発のSM-2中距離対空ミサイルが発射される。〈高雄〉や〈足柄〉もそれに続いてSM-2を発射する。

 

 そして、2機のF-14DJに、SM-2発射の知らせが届く。

「艦隊が対空ミサイルを発射?」

「それ以前に、目標から何か発射されてるし」

 前席のパイロットと、後席のレーダーオペレーターが会話をする。

「じゃ、野郎を潰しにかかりますか。02、バーナー・オン」

【ラジャー、01】

 2機はエンジンをフルパワーにして加速する。このF-14DJは、アメリカで開発された可変翼艦載戦闘機・F-14Dをベースとしている。この戦闘機の最大の特徴は可変後退翼で、これにより超音速飛行時は翼が閉じて空気抵抗を減らし、近接格闘や発着艦時には翼を広げて揚力を高める。そのため、旋回性能であれば世界一とも言われている。

 そんな2機のF-14DJは目標を目視で発見する。

「01、タリホー(目標視認)。ありゃMiGだ」

 それは3機の旧ソ連製戦闘機・MiG-29(通称ファルクラム)だった。旋回性能や加速性能ではF-14といい勝負な戦闘機だ。

【どうするよ? リーダー】

 2番機パイロット・神田中尉が、1番機パイロットにして第02海上飛行隊リーダーの源田大尉に訊く。

「どうもこうもあるか。国際法に則って国籍を確認、まあ既に対艦ミサイルを発射してるから必要はないがな」

【ラジャー!】

 2機のF-14DJはMiG目掛けて急降下する。源田大尉はそんな中で搭載兵装を確認する。20ミリバルカン砲が500発、短距離対空ミサイルが2発。

(近接格闘には充分な量だな!)

 源田大尉は操縦桿を手前に引き、機体をMiG-29の後ろに付ける。

「Unknown, this is Japan Navy. You took hostile action for us. We use the right of self defense!(国籍不明機、こちらは日本海軍だ。貴機は我々に対し敵対行動を取った。我々は自衛権を行使する!)」

 警告した後、加速。そして回転してMiG-29の上4メートルで背面飛行する。MiG-29のパイロットがよく見える。

「調子はどうだ、凸助野郎!」

 そう叫び、源田大尉は左の中指を立ててそれをMiG-29のパイロットに見せる。後席の女性レーダーオペレーター・川口中尉はため息をつく。

 

  その頃、〈金剛〉はSM-2命中を待っていた。

「SM-2命中5秒前!」

 レーダー観測員が叫ぶ。

「目標撃破! いや、2発ミス! 残存目標2、さらに接近!」

 艦長は冷や汗を流しながら指示を出す。

「機関全速、面舵20度、右転舵回避! 見張り退避! チャフロケット発射! CIC指示の近付く目標、主砲攻撃始め! CIWS(シウス)スタンバイ!」

 直ちに〈金剛〉に搭載されたガスタービンエンジンがうなり、船体は右へと方向転換を開始。前部艦橋・操舵室外縁にある見張り台から見張り員が撤退し、後部艦橋からミサイルの誘導電波を乱反射させる特殊なアルミ片を搭載したチャフロケットが発射され、艦の上空で爆発してアルミ片が撒き散る。

「弾種・対空砲弾、主砲撃ちぃー方ぁ始めぇー!」

「主砲発砲!」

 砲術員がコンソール下からピストル型コントローラーを取り出し、トリガーを引く。

 前部甲板にあるイタリア製127ミリ単装速射砲が対空砲弾を連射し、前部艦橋に設置された20ミリ対空バルカン砲・ファランクス CIWS ブロック1Bが旋回し、飛来する対艦ミサイルをロックオンする。

 連射された対空砲弾は次々と対艦ミサイルに命中する。そしてファランクス CIWSが毎分6000発、つまり毎秒100発という驚異的な速度で20ミリ高速徹甲弾をばら撒く。

 そして、対艦ミサイルは全弾迎撃された。

 

 その頃。

【01、シックスオクロック(敵機後方)! 1機だ、ロックオンされている! ブレイク・レフト、ブレイク・レフト(左旋回)!】

「分かってるよ!」

 同じ頃、2機のF-14DJは3機のMiG-29と交戦していた。1番機の後ろに1機のMiG-29がつき、ミサイルをロックオンする。源田大尉は操縦桿を左へと倒し、機体を左急旋回させる。

「クソッタレめ! 当たんなよ!」

 MiG-29が30ミリ機関砲を発射する。F-14DJはそれを間一髪でかわす。しかし、まだMiG-29は後ろにいる。機体の後方警戒レーダーが警鐘を鳴らし、レーダーオペレーターである川口中尉が首を回してMiG-29の位置を伝える。

【01、任せろ。綺麗に羽を断ち切ってやる】

 2番機・神田中尉機がMiG-29に向けて20ミリバルカン砲を発射する。放たれた銃弾はMiG-29の右主翼を切り飛ばす。バランスを崩し、大きく回転しながら海面に突っ込んだ。

【撃破(スプラッシュ)! パイロットの脱出は確認できず】

 2番機は、残りを狩るために旋回を開始する。1番機もそれに続く。

【全く、後ろを取られるとはあんたらしくないな、リーダー?】

「本当、恥ずかしいぜ。かつての大戦でアメリカ印のB-29相手に紫電改で挑んだ爺さんに顔向け出来ねぇ」

 そんな雑談しつつも、2機のMiG-29目掛け飛んでいく。

 正面に捉え、操縦桿にある兵装選択レバーを動かし、「OFF」から「SW」にする。主翼下に取り付けられた2発の短距離対空ミサイルが起動、ヘルメットに取り付けられたHMD(ヘルメット装着型照準具)が正面の2機のMiG-29をロックオンする。

 ピィーという音がヘルメット内に響く。ロックオン完了という意味だ。素早く操縦桿のミサイル発射ボタンを押す。

「喰らえ! FOX2(ミサイル発射)!」

 2機のF-14DJの主翼下から計2発の短距離対空ミサイルが発射される。当然MiG-29は急旋回して回避しようとする。が、ミサイルはMiG-29に搭載されている2基のRD-33ジェットエンジンに炸裂し、機体は炎上しながら海へと落ちていく。

「撃破(スプラッシュ)! グラウコス01より〈鳳翔〉CDC、全機撃墜した。燃料はまだあるが、帰投許可を願いたい」

【〈鳳翔〉CDCよりグラウコス隊、了解した。現在そちらに陸軍の第08支援攻撃隊が向かっている。帰投を許可する】

「ラジャー、グラウコス01、RTB(帰投する)」

 2機のF-14DJは〈鳳翔〉へと目指す。

 

 途中、軽空母〈加賀〉から発艦した陸軍のステルス垂直離着陸戦闘機・F-35BJ ライトニングⅡとすれ違う。

【〈鳳翔〉CDCよりグラウコス隊、これより管制指揮は〈鳳翔〉プライ・フライ(航空管制室)に移る。ランディングアプローチを開始せよ】

「ラジャー。アプローチを開始する」

 空母への着艦は1機ずつなので、2番機は上空を旋回して待機する。1番機は高度を落としつつ、〈鳳翔〉プライ・フライと〈鳳翔〉LSO(着艦誘導安全士官スペース)に連絡を取る。

「着艦許可、確認」

「ギアダウン、ロック。アレスター、ダウン。ミートボール(着艦誘導用信号機)・インサイト」

 F-14DJの降着脚、そしてアレスターと呼ばれる着艦用フックが降りる。艦後尾に設置されたミートボールには「最適な体勢」という意味の点滅が出る。

「さあて、愛しの鳳翔ちゃんのお尻が見えてきたぞ。川口、衝撃に備えろ」

「了解。つーか、下ネタ止めてくんない? 私女なんだけど」

「いいだろうが。グラウコス01、ファイナルアプローチ」

 川口中尉は肩をすくめ、風防ガラスの枠に取り付けられた取っ手を握りしめて衝撃に備える。

 そしてF-14DJのアレスターは、飛行甲板のアングルドデッキと呼ばれる細長い着艦スペースにぴんと張られた3本のワイヤーの内1本に引っかかる。それによって機体は甲板に叩きつけられ、2人の内臓が強く揺さぶられる。F-14DJは完全に止まった。

 直ちに甲板誘導員が駆け寄り、「アレスターを上げよ」という意味のサインを送る。源田大尉はすぐにアレスターを上げ、主翼を畳む。そして機体を駐機スペースへと動かす。

 見れば、アングルドデッキでは作業員達が安全を確認し、退避していた。そして2番機が着艦する。

 

 

 

 

 その後、第02海上飛行隊(グラウコス隊)の4人の乗員は艦橋・艦長室に呼ばれた。艶やかな長い黒髪を持つ麗しい女性艦長・南雲大佐がデスクに座っていた。

「で、国籍マークは付いていなかったんですね?」

 南雲大佐は資料を手に問いただす。

「ええ、主翼にも垂直尾翼にも。岸辺少尉(2番機レーダーオペレーター)が写真を撮っているので証拠もあります」

「その写真は見ました。それで、貴方達は無線で警告した後、どうしました?」

 源田大尉が口を開く。

「その後、私は真ん中を飛んでいたMiGの上で背面飛行し、こうしてやりました」

 そう言って左の中指を立てる。が、すぐに右手で隠した。

「おっと失敬。これは女性に見せてはいけませんでしたね」

 南雲大佐は額に青筋を浮かべながらも資料の束をめくる。

「先程、岸辺少尉が撮影した国籍不明のMiGの写真を検証した結果、これはMiG-29Kである可能性が判明しました」

 それを聞き、グラウコス隊の面々は驚く。

「K型ってことは、まさか――」

「ええ、まさかです」

 

 MiG-29K、それは旧ソ連製の艦載戦闘機である。旧ソ連が建造したクズネツォフ級航空母艦の艦載機として、Su-27Kと共に開発されたが、性能面でSu-27K(後にSu-33という名称に変わる)に負け、長い事使用されていなかった。が、ソ連が崩壊し、新ロシアとなった際、新ロシアはインド海軍にクズネツォフ級航空母艦4番艦〈アドミラル=ゴルシコフ〉を〈ヴィクラマーディティヤ〉という名称で売却、そして同時にMiG-29Kもインド海軍に引き渡されたため、MiG-29Kを運用しているのはインドだけである、はずだった。

「〈ヴィクラマーディティヤ〉はインド海軍によって28機のMiG-29Kと共に売却されています。購入したのはパナマの企業ですが、」

 神田中尉が口を挟む。

「ペーパーカンパニー(実態の無い架空企業)だった――」

「そうです。恐らく空母〈ヴィクラマーディティヤ〉は海賊の手に渡っています。当然、大量のMiGと共に」

 そう南雲大佐は言い切り、大きな液晶ディスプレイにリモコンを向けて電源を入れる。そしてある表が表示される。

「これが、日本皇国国防省・統合情報調査部(日本の諜報機関)が入手した例のペーパーカンパニーが購入した物品の一覧表です」

 そこには、旧ソ連製の戦闘機や巡洋艦、駆逐艦、高速ミサイル艇、さらには中華の最新鋭イージス駆逐艦である旅順Ⅱ型までもがあった。

「うっそ、中華製のJ-10型戦闘機にソ連のTu-160爆撃機、さらにアメリカのペリー級フリゲート艦まで!」

 川口中尉が表を見て驚く。そして源田大尉が腕を組みながら言う。

「一国の空軍と海軍の出来上がりだな。奴らが潜水艦と対潜哨戒機を買ってないのが不幸中の幸いだ。こっちには原子力でないとは言え、潜水艦が2隻いる」

 すると、神田中尉が口を挟む。

「待て。ここにある、中華が手放したHMA-2っていうイギリス製ヘリコプターって確か、対潜哨戒にも使えるんじゃなかったっけ?」

「その通りです、神田中尉」

 南雲大佐は資料の束をデスクの上に放り投げながら言う。

「限定的とはいえ、対潜哨戒能力を持ったヘリコプター、さらに旅順Ⅱ型にはアメリカ製対潜ミサイルが搭載されています。今やPMC(民間軍事警備会社)ですらフリゲート艦や戦闘機を有する時代、それでも海賊退治は『本物の海軍』が対処しなくてはなりません」

「全くの同感ですよ、艦長(キャプテン)」

 源田大尉は立ち上がる。

「我々第02海上飛行隊、襲ってくる海賊は片っ端からやっつけてやりますよ」

 

 そして4人は艦長室から出る。すると、岸辺少尉が神田中尉に訊いた。

「何か、うちのリーダーとキャプテンは仲よさそうというか、結構打ち解けてません?」

 川口中尉が答える。

「そりゃそーよ。新人君には分からないと思うけど、元々うちらグラウコス隊は第7護衛艦隊・空母〈長門〉に配属されてたの。そん時の1番機パイロットだったのが今のキャプテン」

「そうなんですか?」

「2003年のイラク戦争の時、日本は政治的判断から空母の派遣を見送ってね。その代わりにいくつかの海上飛行隊が派遣されて、そこで戦った。あれで日本人撃墜王(エース)になったのは、南雲大佐と源田大尉と神田中尉、あと空軍のパイロット2人」

 岸辺少尉は驚く。イラク戦争で11人のエースが生まれたのは知っていたが、その半分近くが日本人であるのに驚愕した。

 

 

 

 

 

 

 その頃、ある船では――

「いいか、奴ら日本海軍は空母〈ホーショー〉を中心に、巡洋艦3隻にイージス駆逐艦4隻という戦争でもおっぱじめるような艦隊を繰り出してきている。俺らのスポンサーは海賊との繋がりが露呈するのを恐れて、俺達に奴らに引き返させるように言ってきている。それに仲間が3人もやられた。だから――」

 そう言って、男は甲板に置いてある数機の戦闘機を指差す。

「あれで片を付ける。これならイージス駆逐艦や五月蝿い艦載機を気にする必要は無い」

 それは、中華製ステルス戦闘機・J-20であった。

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