問題児たちとウロボロスが異世界から来るそうですよ?   作:問題児愛

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〝終末に向かう歯車に終止符を〟のリメイク版になります。何度も書き直してすみません。

内容は箱庭を知らない、異世界から来たウロボロスとなります。なので〝ウロボロス〟連盟とは全くの無関係です。

〝ウロボロス〟連盟はただでさえ不明点が多すぎるため、無理と悟って設定の改変はやめました。殿下編で行き詰まったのもありますが。


YES!ウサギが呼びました!
α


 其処は散りばめられた無数の星々が輝く漆黒の空間―――宇宙だった。

 そんな真空で生身の人間が存在出来ようの無い宇宙空間に、ポツン、と一人の少女が膝を抱えた状態で浮遊し漂っていた。

 その少女の髪は、星々の輝きが照らし出して虹色に煌めき、揺らめいていた。

 服装は無酸素の空間だというのに白い薄布――ワンピースを身に纏っているだけである。

 だが、少女は息苦しそうには見えず、瞼を閉じて平然と宇宙空間に存在していた。

 そんな少女の下に、不意に光り輝く一枚の封書が舞い降りてきた。それが舞い降りてきたのと同時に少女は閉じていた瞼を開ける。まるで封書が来るのを予期していたかのように。

 少女は瞼を開けて現れた炎のような青白い瞳で、光り輝く封書を見つめる。

 

「……ほう。我に手紙か……」

 

 少女はそう呟いて、目の前にある光り輝く一枚の封書を手に取る。

 

『ウロボロス殿へ』

 

 ある人々によって与えられた少女の名―――ウロボロスが達筆で書かれていた。

 少女は青白い瞳を細めて、面白そうに封書を眺めた。

 

「どうやって我の居場所を引き当てたかは知らぬが……折角の手紙だ。読まぬわけにはいかないな」

 

「くく」と愉しそうに笑って少女は封を切って手紙の内容に目を通す。

 

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

 その才能(ギフト)を試すことを望むのならば、

 己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、

 我らの〝箱庭〟に来られたし』

 

 

 それを読んだ瞬間、少女の小柄な全身は眩い光に包まれて、この宇宙(せかい)から消えた。

 

 

α

 

 

「わっ」

 

「きゃ!」

 

「ぬ……?」

 

 四人の視界は間を置かずに開け、彼らは上空4000mほどの位置で投げ出される。

 落下しながら虹髪の少女は、眼下の見覚えのない風景を見て笑みを浮かべた。

 視線の先に広がる地平線は、世界の果てを彷彿とさせる断崖絶壁。

 眼下に見えるのは、縮尺を見間違うほど巨大な天幕に覆われた未知の都市。

 彼らの前に広がる世界は―――完全無欠に異世界だった。

 

 

α

 

 

 少女は未知な光景に気を取られていたため、気づいたときには着水していた。

 しかしずぶ濡れになっても、少女は特に気にした様子はなく岸に上がる。

 一方で先に岸に上がっていた黒髪リボンの少女と、金髪ヘッドホンの少年が罵詈雑言を吐き捨てていた。

 

「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺り込んだ挙げ句、空に放り出すなんて!」

 

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」

 

「………いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」

 

「俺は問題ない」

 

「そう。身勝手ね」

 

 互いに「フン」と鼻を鳴らして服をの端を絞る、金髪ヘッドホンの少年と黒髪リボンの少女。

 最後に岸に上がった茶髪ヘアピンの少女は、服の端を絞りながら、

 

「此処………何処だろう?」

 

「さあな。まあ、世界の果てっぽいものが見えたし、何処ぞの大亀の背中じゃねえか?」

 

 茶髪ヘアピンの少女の呟きに答える金髪ヘッドホンの少年。

 適当に服を絞り終えた金髪ヘッドホンの少年が三人に問う。

 

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」

 

「そうだけど、まずは〝オマエ〟って呼び方を訂正して。―――私は久遠飛鳥よ。以後は気を付けて。それで、そこの猫を抱き抱えている貴女は?」

 

「………春日部耀。以下同文」

 

「そう。よろしく春日部さん。次に、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

 

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃った駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

 

「そう。取り扱い説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

 

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

 金髪ヘッドホンの少年―――逆廻十六夜はケラケラと笑って返す。

 それを黒髪リボンの少女―――久遠飛鳥は傲慢そうに顔を背ける。

 そんな二人に、茶髪ヘアピンの少女―――春日部耀は我関せず無関心を装う。

 だが、三人は急に表情を引き締め、先程から一人だけ圧倒的な存在感を放っている―――虹髪青眼の少女に視線を向ける。

 そして、代表して十六夜が前に出て、不敵な笑みを浮かべながら訊いた。

 

「最後に、其処のオマエは?」

 

「………ん?我か?我は―――ウロボロスだ」

 

「何?」

 

「それと最初に断っておくが、我は人間ではない。龍………若しくは蛇だ、汝らよ」

 

「「「………龍?」」」

 

 虹髪青眼の少女―――ウロボロスが淡々と告げる。〝龍〟と聞いて十六夜達は瞳を輝かせる。

 その反応にウロボロスの少女は小首を傾げて三人を見つめ返す。

 

「なんだ汝ら?我の顔に何かついてるのか?」

 

「別に、何でもないぜ。ただ―――」

 

「ただ、何だ?」

 

 ウロボロスの少女は青白い瞳を細めて十六夜を見る。彼の雰囲気が変化したことに気づいたようだ。

 そして十六夜は、ニヤリと獰猛な笑みを浮かべ、

 

「アンタが()()()〝ウロボロス〟かどうか………その身で確かめさせてもらおうじゃねえか!」

 

 十六夜はそう言って、爆撃音のような踏み込みで地を蹴り、ウロボロスの少女に第三宇宙速度で飛び込んだ。

 予想外の速さにウロボロスの少女は「ほう」っと驚嘆の声を洩らす。

 

「人間の汝にしては(はや)いな。だが―――」

 

 第三宇宙速度で打ち出された十六夜の拳を、ウロボロスの少女は片手で受け止めてみせた。

 

「なっ………!」

 

「所詮は汝も人間(ヒト)だ。龍たる我には勝てぬよ」

 

 片手で受け止められて、驚愕する十六夜を、ウロボロスの少女は余裕の笑みで見つめた。

 十六夜は「チッ」と舌打ちして跳び退き、追撃のチャンスを窺う。

 しかし彼は、ウロボロスの少女に隙が見当たらないことを悟ったのか臨戦態勢を解いた。

 それを不思議に思ったウロボロスの少女は、小首を傾げて訊く。

 

「どうした、少年。我に喧嘩を吹っ掛けておいて逃げるのか?」

 

「いや、別に逃げるわけじゃねえよ。()()()オマエが本物の〝ウロボロス〟かどうか知りたかっただけだしな。俺なら、俺並み以上の相手はいつでも歓迎するぜ、()()()

 

「ヤハハ」と笑って返す十六夜。しかし彼の瞳は、ウロボロスの少女を真剣な眼差しで見つめていた。

「そうか」と少し残念そうな表情を見せたウロボロスの少女だったが、

 

「………ん?龍ロリ、とは我のことか、少年?」

 

「ヤハハ、オマエ以外に〝龍〟の存在は近くにはいないんだが?それに、龍にしてはちっこいからな。龍ロリで十分だろ」

 

「そうか。まあ、呼び方は気にしないから好きに呼ぶといい。空星(うろぼし)でもローズでも何でも、な」

 

 そう言って、背後からひっそりと忍び寄ろうとしていた耀や飛鳥に振り返る。

「バレてたんだ」と苦笑しながら耀と飛鳥が観念したようにウロボロスの少女の前に堂々とした態度に直す。

 

「じゃあ、私は貴女のことをローズさんと呼ばせてもらうわ。ウロボロスはちょっと女の子っぽくないもの」

 

「ぬ?」

 

「それは私も思った。だから私もローズって呼ばせてもらう」

 

「………ふむ、よかろう。別に正体を隠すつもりは更々ないが、我の考えた即席の偽名ローズと呼ぶといい、娘ら」

 

 自分の考えた偽名を早速使ってくれたことが嬉しかったのか、飛鳥と耀に笑顔で返すウロボロスの少女―――改めローズ。

 だが、ローズに〝娘〟と呼ばれることが不快なようで、飛鳥と耀が睨んできた。

 

「〝娘〟ではないわ。飛鳥と呼んで」

 

「私も、耀でいい」

 

「そうか。それは失礼したな、むす―――飛鳥に耀」

 

 危うくまた〝娘〟と言い掛けて、飛鳥と耀に睨まれたことにより何とか名前で呼び直せたローズ。

 そんなローズ達の会話を物陰から聞いていた青髪ウサ耳の少女は、

 

「(うわぁ………なんか問題児ばっかりみたいですねえ………)」

 

 召喚しておいてこんなことを思うのはアレだが………彼らが協力する姿は想像できない。それに、

 

「(何だか一人だけ圧倒的に恐ろしい力を持った子がいますね………お呼びしたのは三人で人間だけでしたのに………り、龍だなんて)」

 

 青髪ウサ耳の少女は頬に冷や汗が伝っているのを感じた。ウロボロスという龍がどんな存在かは彼女は知らないが、〝神格〟を持っていることだけは確かだった。

 

「(と、とはいえあれほどの大物を獲得できるのでしたら、この際は細かいことは気にしないのです)」

 

 そう思いながらローズ達の様子を暫く観察することにした、青髪ウサ耳の少女だった。




お気づきかもしれませんが、オリ主の容姿はストライク・ザ・ブラッドのアヴローラです。髪色は金髪じゃなくて最初から虹色にしてますが。

文字数は3000から5000字の間を目安に書いていこうかなと思います。
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