問題児たちとウロボロスが異世界から来るそうですよ?   作:問題児愛

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『ギフトゲーム名〝白夜を穿て〟

 

 ・プレイヤー一覧

 逆廻 十六夜

 

 ・勝利条件

 ホストマスターに一撃与える。

 

 ・敗北条件

 降参か、上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 〝サウザンドアイズ〟印』

 

 

契約書類(ギアスロール)〟を見終えた十六夜は白夜叉を見つめて嬉々とした笑みを浮かべた。

 

「白夜叉に一撃与える、か。いいぜいいぜいいなオイ!やっぱゲームはそうじゃないとな!」

 

「ふふ、喜んでもらえて何よりだの。さて―――では始めるとしようか」

 

 白夜叉の合図と共に、十六夜は大地を踏み砕く勢いで飛び出して彼女に肉薄した。

 そのまま第三宇宙速度で白夜叉に殴り掛かる。

 

「ほう。確かに速いが―――単調だの」

 

 白夜叉は感心するも簡単に十六夜の拳を弾く。そしてカウンターの一撃を彼の腹部に叩き込む。

 だが十六夜はニヤリと笑って白夜叉の腕を掴み、

 

「ハッ、効かねえな!」

 

「む。ちと手加減し過ぎたようだの」

 

 そう言って白夜叉は地殻変動級の蹴りを十六夜の脇腹目掛けて振り抜く。

 力の変動に気付いた十六夜は腕で防御するも吹き飛ばされた。

 数メートル飛ばされた十六夜は「チッ」と舌打ちし、

 

「何だよ。まだ出せるじゃねえか」

 

「ふん、当たり前だ。まだまだこんなものではないぞ小僧」

 

 白夜叉は扇を取り出して縦一閃。一刃の風の斬撃となって十六夜を襲う。

 しかし十六夜は腕を横一閃で掻き消した。

 

「ふむ、やるのう。これはどうかな?」

 

 白夜叉は扇を広げて振り上げる。すると十六夜へと鎌鼬の如く無数の風の刃が殺到した。

 十六夜は「ヤハハ」と笑いながら俊足を持って風の刃を潜り抜け、大地を踏み抜き白夜叉へ跳躍。第三宇宙速度を凌駕した速度で拳を振り抜く。

 

「なんの!」

 

 白夜叉は十六夜の拳を扇で受け止め、左手に溜めた衝撃波を彼の腹部に叩き込む。

 

「ぐっ………!?」

 

 凄まじい衝撃波の直撃を受けた十六夜は後ろに吹き飛び、地面に叩き付けられた。

 十六夜が起き上がると同時に、白夜叉は扇を仕舞って双掌から火柱を生み出し彼へと振り下ろす。

 

「カッ―――しゃらくせえ!!」

 

 迫る火柱に拳を叩き付けて跡形も無く粉砕する十六夜。

 白夜叉は「ほう」と驚嘆の声を洩らし、

 

「ふふ、おんしも夜叉の神格は通用せんか。ならば―――」

 

 白夜叉は右手を十六夜に向けて突き出し、熱閃を放った。それに十六夜は拳で迎え撃とうかと考えたが、その炎は明らかに先程の火柱とは格が違っていた為、躱すことにした。

 

「………へえ。今のが太陽光線みたいなものか?」

 

「ふふ、まあそんなところだ。さて小僧………第二ラウンドと行こうか」

 

 白夜叉は指を鳴らす。すると自身の周りに極小だが無数の太陽の光球が発生していた。

 十六夜はそれを見上げて「呵ッ!」と笑い、真正面から挑むのだった。

 

 

χ

 

 

 白熱する白夜叉と十六夜の戦いを見て、飛鳥・耀・黒ウサギ・ジン・レティシアの五人は唖然としていた。

 

「やっぱり十六夜君は異常だわ。彼は本当に人間なの?」

 

「うん。種族偽ってる?」

 

「いや、彼は紛れもなく人間だぞ飛鳥、耀」

 

 二人の疑問の声に、苦笑いで答えるローズ。黒ウサギ・ジン・レティシアも苦笑した。

 二人の戦いを見て、ふと飛鳥がローズに向き直り、

 

「楽しそうな十六夜君を見ていると、私もローズさんの試練を受けたいわ」

 

「ほう。個々で我が試練に望みたいと?」

 

「ええ。それに十六夜君やレティシアだけ狡いもの。私だってギフトが得られるゲームをしたいわ」

 

 飛鳥がそう言うと、横から耀も割り込んできて、

 

「私も、ローズの試練を沢山受けて幻獣の友達増やしたい」

 

「ふむ?幻獣(とも)を増やしたいか」

 

「うん」

 

 耀が首肯すると、ローズは飛鳥と耀を見回して頷き、

 

「ふふ、良いだろう。して、汝らはマスターしたい属性は有るか?」

 

「「属性?」」

 

「ああ。〝火〟〝水〟〝風〟〝地〟〝雷〟〝氷〟〝光〟〝闇〟など他にも有るが………どれにする?」

 

 ローズが問うと、二人は考え込み、まず飛鳥が手を挙げて、

 

「私は〝水〟がいいわ。ローズさんがお風呂の時に見せてくれた〝水球〟とか作ってみたいもの」

 

「ほう、〝水〟―――【ネロ】か。飛鳥が水を操る、中々様になっているじゃないか」

 

「そうかしら?そう言われると少し照れ臭いのだけれど………ふふ、ありがとうローズさん」

 

 ローズに褒められて照れる飛鳥。一方の耀は、決定したのか挙手して、

 

「私は〝闇〟がいい。以前、白夜叉と戦った時にローズが見せたあの黒々としたのを自在に操りたいかな」

 

「ふむ、〝闇〟―――【スコタビ】か。予想外なチョイスだが………本当に良いんだな?」

 

「うん。大丈夫、問題ない」

 

 ローズが確認すると、耀は変更無しの意思を見せる。それにローズは分かった、と頷き、

 

「最終確認するが、飛鳥は〝水〟で耀が〝闇〟で良いな?」

 

「「うん」」

 

 飛鳥と耀は異論は無い、と首肯する。それを確認したローズは頷いて、虚空から混沌色(ダークネスブラック)のギフトカードを顕現させ手に取る。

 そしてギフトカードを掲げると、飛鳥と耀の手元にそれぞれ別の試練が記された―――黒く輝く〝契約書類〟が二枚舞い降りた。

 

 

《飛鳥の〝契約書類〟文面》

 

 

『ギフトゲーム名〝海を支配する者〟

 

 ・プレイヤー一覧

 久遠 飛鳥

 

 ・勝利条件

 ホストマスターが異界より召喚した龍を支配する。

 

 ・敗北条件

 降参か、上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

 ・ルール

 このゲームはプレイヤー側が敗北条件を満たさない限り、無期限開催とする。

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 〝ノーネーム〟無限の魔王 印』

 

 

《耀の〝契約書類〟文面》

 

 

『ギフトゲーム名〝暗闇を掴みし者〟

 

 ・プレイヤー一覧

 春日部 耀

 

 ・勝利条件

 ホストマスターが異界より召喚した龍に認められる。

 

 ・敗北条件

 降参か、上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

 ・ルール

 このゲームはプレイヤー側が敗北条件を満たさない限り、無期限開催とする。

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 〝ノーネーム〟無限の魔王 印』

 

 

 それぞれの〝契約書類〟を見終えた飛鳥と耀は瞳をキラキラと輝かせると口を揃えて、

 

「「龍?」」

 

「うむ。ギフトが欲しいなら、今から喚び出す龍神達のゲームをクリアするんだな」

 

 そう言ってローズは再度ギフトカードを掲げると、飛鳥と耀の眼前に少女が二人現れた。

 

「「え?」」

 

 龍と聞いて心が躍っていた飛鳥と耀。しかし登場したのは少女達だった為きょとんとしてしまった。

 飛鳥の前に居るのは、青髪と蒼色の瞳に水玉模様のワンピースを着た少女。

 耀の前に居るのは、金髪と金色の瞳に闇を彷彿させるようなロリータを着た少女だった。

 

「………え?ここ、は?」

 

「ふむん?あぺの知らぬ場所のようじゃのう」

 

 青髪の少女と金髪の少女が物珍しそうに辺りを見回す。

 だがローズが視界に映ると、驚いた表情で青髪の少女は声を上げた。

 

「あれ?ウ、ウロボロス………さん!?」

 

「ふむん?主様が居るということは―――此処は宇宙じゃな」

 

「いや、違うからな?此処は箱庭という場所且つ白夜叉のゲーム盤だよ」

 

 勘違いする金髪の少女に説明するローズ。しかしそれだけでは理解出来るはずもなく二人は小首を傾げて、

 

「箱庭、って何ですか………?」

 

「げーむばん?とは何なのじゃ主様。あぺには理解出来ぬのじゃが」

 

「………そうだな。後で詳しく話してやる。だが今は―――な?」

 

 ローズが飛鳥と耀を指差して促す。二人は飛鳥達に向き直り、

 

「えっと………誰、ですか?」

 

「………ふむん?なんじゃ、うぬらは」

 

「それは此方の台詞よ。貴女達は………龍であってるのかしら?」

 

 飛鳥の問いに二人は顔を見合わせて頷き、

 

「私は、メソポタミア神話出身の………原初の海女神―――海神龍ティアマト、です」

 

「あぺはエジプト神話出身の悪の化身―――暗黒龍アペプじゃ」

 

 自己紹介した青髪の少女―――改めティアマトと、金髪の少女―――改めアペプ。

 やっぱり龍なんだ、と飛鳥と耀は驚嘆し、互いに顔を見合わせた後、龍二人に向き直り、

 

「私は久遠飛鳥よ。貴女が私を試してくださる龍なのね?」

 

「え?あ、はい………よろしく、お願いします」

 

「私は春日部耀。貴女が私と友達になってくれる龍?」

 

「ふむん?うぬはあぺと友達になりたいのじゃな?ならばうぬの力をあぺに示すがよい」

 

 飛鳥とティアマト、耀とアペプが対峙し、それぞれのギフトゲームが開始された。

 

 

ψ

 

 

 飛鳥達のギフトゲームも始まり、現在三つのゲームが進行された状態だ。

 観戦していた黒ウサギが驚愕の声でローズに詰め寄り、

 

「ロ、ローズさん!?飛鳥さんと耀さんの試練に用意したあのお二方は龍なのですか!?」

 

「うむ。ティアマトとアペプは我が世界と繋がった異世界の龍達でな。我が監視下においていた世界だ」

 

「か、監視下ですか!?」

 

 ローズの言葉に驚くジン。レティシアは瞳を丸くしてローズに訊いた。

 

「メソポタミア神話の世界とエジプト神話の世界を監視下においていたということは………我が主が宇宙を漂っていたというのはそういう意味だったのか?」

 

「ああ、そうだ。ちなみに彼女らも我と同じで〝混沌〟を司る龍だな」

 

「「「は?」」」

 

 一瞬固まる黒ウサギ・ジン・レティシアの三人。だがハッと我に返った黒ウサギが愕然とし、

 

「え?じ、じゃあ今、飛鳥さん達はとんでもない龍達とギフトゲームをしているという事で御座いますか!?」

 

「そうなるな。だが案ずるな。あのゲームは決闘というわけではないからな。飛鳥達が我の友らを手に入れるに相応しいかどうかを―――」

 

「………へ?友ら?ローズさんって、この箱庭に来る前は友達居なかったんじゃ」

 

「ん?―――あ、」

 

 ローズは失言に気付いて額に汗が伝った。流石に他の世界と係りがあるのと、且つ異世界に友達がいるというのは口走るべきではなかった。まあ、箱庭とは今まで無縁だったのは本当だが。

 黒ウサギは怪しい笑みを浮かべてローズを見つめ、

 

「フフフフ、嘘はいけませんよローズさん?居るなら居ると黒ウサギ達にも教えて下されば良かったのに」

 

「………ああ、済まぬな。というより嘘を吐くなとは汝には言われたくないんだが?」

 

「う、返す言葉も御座いません………」

 

 一転して弱気になる黒ウサギ。まあコミュニティの状況を隠し通そうとしていた罪があったからそうなるのは仕方が無いことだった。

 それにジンとレティシアは苦笑して、ふとレティシアがローズに歩み寄り、

 

「我が主。私の騎士としての腕も、磨いてくれると嬉しいのだが」

 

「ふむ。そうだな。レティシアは我の眷属。良いだろう、我が直々に汝を鍛えてやろうじゃないか」

 

「そうか!ありがとう我が主」

 

「ふふ、礼は要らぬよ。さて、ゲーム形式にする必要は無いからな。どっからでも掛かって来いレティシア」

 

「分かったぞ、我が主―――では行くぞッ!」

 

 そう言ってレティシアはギフトカードから長柄の槍を取り出して構え、ローズに突貫したのだった。

 その様子を黒ウサギとジンは眺めて、

 

「………どうせなら黒ウサギ達も強化してもらえば良かったのです」

 

「そ、そうだね黒ウサギ」

 

 黒ウサギとジンはガクリと肩を落とした。

 こうして〝ノーネーム〟強化プロジェクトは指導したのだった。




はい、次回から二巻です。

海神龍ティアマトの容姿と口調はデート・ア・ライブの四糸乃です。なお、よしのんはなしです。

暗黒龍アペプの容姿と口調はデート・ア・ライブの星宮六喰です。
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