なんでこんな使い勝手の悪い転生特典を俺にくれたんだよ神様ァァァ!な話。

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右手はパーで左手もパーで、仙法・木遁真数千手ゥゥゥゥゥ!

 

 

転生者…それは不慮の事故によって命を落とした者が超常の存在である神様の手によって、別の世界で新たな人生を刻む者のことを言う。

 

そして、実は俺も転生者(その一人)だ。

 

つまり、俺はこの世界の人間ではない。

 

あと、俺は転生特典というモノを神様から貰った。

 

転生特典とは別の世界へと転生する際に神様がくれる特典のことだ。俺はそれを一つだけ受け取っている。

 

…正直、俺はこの転生特典を使用したくない。何故なら、この転生特典を使用すれば周囲への被害が甚大になることは目に見えているからだ。

 

が、使わせてもらう。俺もまだ死にたくはないんでね。

 

パンッ、と手のひらを叩きつけるように合掌すると、俺は目を閉じて意識を集中し、転生特典を発動させた。

 

目元や額に仙人モードへと入った証である仙人の隈取りが現れると、俺の全身には力がみなぎってくる。

 

すると、俺はヤケクソ気味に叫んだ。

 

 

 

 

 

仙法(せんぽう)木遁真数千手(もくとんしんすうせんじゅ)ゥゥゥゥゥ!」

 

次の瞬間、ボフンという間の抜けた音が聞こえると共に、俺の全身は白煙に包まれる。数秒経って白煙が晴れると、俺は高度数百m付近に立っていた。

 

俺の足場にあるのは木像だ。それも巨大な木像ーーー無数の手を背負っている木で形作られた巨大な仏像だ。

 

俺はその像の頭上に合掌したまま立っていた。

 

頂上化仏初手(ちょうじょうけぶつしょて)蝿叩き(はえたたき)ィィィィィ!」

 

俺が心の中で念じると、手の一本がゴゴゴという音を立てながら動き始め、地上のほうからこちらを見上げて呆然としている背中に黒い翼を生やす女へと巨大な掌を無造作に叩きつけた。

 

蝿でも退治するような動きだ。が、たったそれだけのことで周囲には甚大な被害をもたらした。

 

なんと叩きつけられた巨大な掌を中心にして地面に亀裂が走っていき、俺がいる公園にあったオブジェや遊具は掌を叩きつけた瞬間に生じた衝撃波で破壊されていき、公園の周囲に生い茂っていた木々すらも凄まじい轟音と共に全て巻き込んで吹き飛ばしてしまったのだ。

 

俺がいる公園は最早原形を留めていなかった。というか、草木のひとつも残っていない更地になっていた。

 

まるで嵐でも過ぎ去った後のようだな。いや、この光景を生み出した張本人である俺が言うのもなんだけど。

 

…これは言い訳ではないが、一応言わせてくれ。これでも手加減はしたんだ。よく考えてみてくれ。この巨大な仏像の背後には、まだまだ無数とも言うべき数量の手が残っている。

 

要するに俺が何を言いたいのかというと、これらすべての手を放たずにたった一発で終わらせた俺を褒めて欲しい、ってことだ。

 

というか…

 

「なんでこんな使い勝手の悪い転生特典を俺にくれたんだよ神様ァァァ!!!」

 

神様のことを某クレイジーサイコホモのように『柱間ァァァ!!!』な言い方で呼ぶと、俺は喉が張り裂けんばかりの大声で神様に対して思いつく限りの罵詈雑言を真夜中になるまで叫び続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに俺が転生したのはハイスクールD×Dというラノベ作品に登場する主人公である兵藤(ひょうどう)一誠(いっせい)だ。

 

そして、転生特典はNARUTOに登場するキャラクターの中でトップクラスの強さを誇る千手柱間が使用する術ーーーのひとつである仙法・木遁真数千手だ。

 

この術は千手柱間が使う術の中で最強の術であり、地図を書き換えなければならないほどの被害を辺りに及ぼす近くにいれば味方であっても巻き込んでしまう傍迷惑な術でもある。

 

が、俺は()()()()()()使()()()()。何故なら、それ以外の転生特典は渡されていないからだ。

 

ふざけんなよ、神様ァァァ!

 

 

 




評価次第で続ける予定。

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