So Am I 作:伊織
Prologue
「久しぶり、美桜」
そんな声が聞こえ飲んでいた紅茶を机に置き【彼】を見た。
「久しぶりね、ーー。元気にしてた?」
柔らかく微笑む少女に彼も口元を緩ませる。そしてそんな二人を見た周りは頬を染め指差した。まさに誰もが羨む美男美女だ。
「もちろん。皆元気だよ」
「…彼は、どうしてるの?」
柔らかく微笑んでいる表情は変わらない。しかしその顔はどこか泣きそうだった。【彼】はそれに困ったように笑う。
「相変わらずだよ。だけど君に会いたがってる」
「It's a lie.だってあの人は研究一筋だもの…」
困った様に、でも思いを馳せるかの様に視線を紅茶に向けた。
「It's not a lie!ナルは美桜が思っている以上に君を大切に思って「だけど私の想いとは違うじゃない」…はぁ」
【彼】は困った様にため息を吐いた。あーこの鈍感な目の前の美少女と見目麗しい弟をどうにかしてくれ、と。
「…もう、終わったのよ。あまりに不毛な片想いだった。私なんかじゃ彼と釣り合わないもの」
目を伏せる美桜の隣に彼は座り、肩を抱きしめる。美桜は肩に顔を乗せた。
「…なんで、だろうね…どれだけ離れても、時間が経っても、ナルが忘れられないの…」
ポツリ、と流れた涙が、彼の服に落ちた。
ゆっくりとした時間が流れる。クラシックが店内には流れ、目の前の紅茶は湯気が立ちその香りが鼻を掠める。
「…必ずまた巡り会えるよ」
ふと彼が言った言葉に顔を上げれば、何処か遠くを見つめていた
「一度繋がった縁は簡単には切れない。もし今は離れていて会えなくても、いつかまた再会できるから。
僕が二人の架け橋になりたいな」
こちらを向き私を見る彼。いつもその瞳は優しくて、寛大で、遠くを見ていて。その綺麗な黒い瞳は、ナルにそっくりで、私は大好きだった。
「…ありがとう」
そう呟いて、目を閉じた。
この時、この言葉があんな意味で真実になるだなんて
私は思いもよらなかったんだ。
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藤原 美桜
始まり時には15歳。麻衣と同い年。
イギリスと日本のクオーターのため少し日本人離れした顔立ち。
真面目で温厚、時々辛辣。姉御肌だけど、歳上の人には甘えたい。大人しく捉えられがちだが、言うとは言う。
中2の時に麻衣の学校に転校してきたので、一応内進組。その前はイギリスで4年暮らしていた。麻衣とは高校生になってからの付き合いだが、もう家族の様に打ち解けている。訳ありで高級マンションの一人暮らし。
成績は良好。
能力者でもある。詳しくは話中にて。