ようこそ、ファンタジー世界へ。   作:zienN

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第30話:情報収集

二日後。

 

今僕は、ラストと2人でコロッセオの前にて賭けのおっさんのところにいる。

その理由はこれから始まる第二回戦の対戦相手の情報を集めるためだった。

マイは最前列の席をとるために先に中に入っている。

おっさんは僕とラストを見ると露骨に嫌な顔をする。

 

「げえ、二枚目のあんちゃん…また来たのか。後、そこの赤い帽子のあんちゃんは…前回の大穴、サンタクロースじゃねえか…」

「よおおっさん!おとといはごちそうさん!今日も会いに来てやったぜ!」

「けっ。もうお前の顔は見たくなかったよ…。聞きたくはないが、今日は何の用だ?」

「ああ、次のこいつの対戦相手がどんな奴か、聞きに来たんだ」

 

ラストは優勝を本気で狙ってるのか、サポートする気満々で、昨日もポーションを大量に作ってくれたし、今日も今日で女の子に声をかけたりして情報を集めたり、今もこの賭けのおっさんからも情報を聞き出そうとしている。

 

「へ、情報ねえ。俺は情報屋じゃねえから売りもんにはできねえが、ただじゃ納得いかねえなあ」

 

おっさんは金の入った袋を揺すってわざとらしく金属音を鳴らしてそう言う。

 

「わかってるって。それじゃあ、今日の対戦カードの倍率を教えてくれよ」

 

おっさんとラストはニヤリと笑うと、交渉成立の握手をした。

なんかこういう荒っぽいやりとり、冒険者っぽくてワクワクするな。

まあ非力なラストと賭けのおっさんじゃ、ただの屑の馴れ合いにしか見えないが。

 

「今日のカードは冷徹なビーストテイマー、レディオと、赤い帽子のサンタクロースだ。レディオが1.1倍で、サンタクロースは3倍だ」

「サンタの倍率高いな。それでも3倍には下げたのか」

「またなんかの間違いで大穴とられちまったら俺も食ってけねえしな。だから今回は少し前回の反省で下げた。まあ、今回こそ間違いねえだろ」

「じゃ、今日もサンタクロースに50万ユインで」

 

そういってラストは50万ユインを渡す。

因みにこの金は僕の先日の勝ち分の金だ。

ラストが自分の金を賭けないのはおそらくまたマイにむしられるのがいやなのと、僕がわざと負けて大会を終わらせないようにするためだろう。

まあ僕が勝てばいい話だから僕の金をいくら賭けられようが構わないが。

 

「あんたもよくこんな新参者に肩入れるんだねえ。そんなに自信があるのかい?」

「強さじゃねえんだ。こいつは俺が今まで見た中じゃ最高に面白いやつだからな。俺に言わせてみれば、強いやつより面白いやつに賭けるのが博打の醍醐味ってもんよ」

 

最もらしい立派な賭博師の答えだが、きっと自分の金じゃないからこんな大口が叩けるんだろう。

 

「なるほどねえ。お前、なかなか洒落た価値観を持ってるんだな。それじゃあ、レディオのことを教えてやるよ。一回しか言わねえからよく聞けよ」

「おう、待ってました!」

 

やっと本題に入った。

おっさんが口を開く。

 

「ビーストテイマーレディオ。その名はビーストテイマーの中では知らないものはほとんどいないほどの有名人だ。本人は非力だが、その分、頭がすこぶる切れるやつでな。指示に無駄が無く、自分の計画通りに物を進めるために自分の使役する獣に無理をさせてでも相手を追い詰めようとするその姿勢から、冷徹者としての名も高い」

「そいつは何を従えているんだ?やっぱりカラアレオンなのか?」

 

半端な知識でおっさんに質問をする。

以前マイがカラアレオンはビーストテイマーでも有名とか言ってたしな。

 

「いいや、そんなもんじゃない。やつの使役する獣はそんな温厚なやつじゃない。やつの一回戦での対戦相手に相当な重傷を残したクレイジーなやつさ。やつの獣の名は――――」

 

真面目な顔をして一呼吸おいて、おっさんはその名を口にする。

 

「――――二頭を持つ、ケルベロスだ」




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