葉山隼人のようじょな日常 作:ペン豪ジェネラル☆★ZAIMOKU★☆
「──ふう」
幾度となく読み返している愛読書「若きウェルテルの悩み」を読了した俺は、身体をベッドに横たえてぼんやりと見慣れた天井を見上げながら、思考の海に身を沈めた。
幼女を恋愛対象の中心に据えてから、ずっと考えていたことがある。
──幼女って、何歳くらいから一人でトイレに行ける様になるのだろうか。
いや別に幼女のそういうシーンを見たい訳じゃないんだ。まあ、たまたま幸運にも目撃、いや拝観してしまったらきっと手を合わせて拝んでしまいそうだけど。
ありがたや、ありがたや。南無。
すっかり話が逸れてしまったね。
そんなこんなで今俺は、週末を利用してとある千葉市某所のビジネスホテルのシングルルームにいる。
俺はブリーフ一枚、そして目の前には紙オムツ。
ここだけ切り取れば単なる変態だ。しかし、今回の実験の目的を語れば皆納得しきりだろう。
では今回の実験の目的とは何ぞや。
ずばり、幼い頃の心を取り戻すことで幼女の気持ちを理解しよう大作戦、だ。
まずはシャワーで身を清める。そして、大人用の紙オムツを装着。あとは尿意を待つだけの簡単な実験だ。
さて実験開始だ。
既にシャワーを浴び終えた俺は、500C.C.のスポーツドリンクを一気に飲み干す。そして素早くブリーフを脱ぎ捨てて紙オムツを装着。その上から服を着る。
ベッドの縁に腰掛けた時にズボンの中からコンビニ袋を丸めた時のような異音が聞こえたが、着け心地は──ふむッ、案外悪くない。
× × ×
紙オムツを装着してから二時間が経過した。現在は夕方の四時である。
非日常な環境に身を置いているせいか、なかなか尿意は訪れない。
子ども向けのテレビ番組を見終えた俺は、ついに手持ち無沙汰になってしまった。
「このまま……ちょっとだけコンビニに行ってみようかな」
呟いた瞬間、身体の奥で細波が起こる。
ズボンの下には紙オムツ。そのまま外出する。何ならそのまま公衆の面前で人知れず放尿を行う場面を想像してしまう。
バレたら一巻の終わり。そこで葉山隼人という、今まで培ってきた理想的な人物像は崩壊してしまうだろう。
考えた途端、不安と恐怖、そして筆舌に尽くし難い高揚感が胸中を支配する。
あゝ、俺はすっかり変態になってしまったのだ。
だが。今ならまだ引き返せる。幼女偏愛だけならば子供好きで済ませられる。世間的にはそれすら変態と呼ばれてしまうのだが、脳内で妄想する分には法律には違反しない。
うん、やはりやめよう。俺は葉山家の長男だ。こんな些事で危ない橋を渡ることがどんなに愚かかは知っているつもりだ。
決断した俺は、ズボンのベルトを緩めて紙オムツを除去する決意をした。
その刹那。
自らの腹部を拘束していた力が消え、同時に下腹部が弛緩してしまう。
緊張感で気づかない内に確実に蓄積されていた尿意は、決壊した。
──とぷ、とぱ、とぱぷぽぽ。
紙オムツの中に熱水が広がる。水分は素早く吸収されて、熱だけが残る。
今、ズボンの中にあるのは不快感。だが胸中には、それと拮抗する解放感。
その二つの感情がぶつかり合って、解放感が勝利した瞬間、
「ああ、これが幼女の感覚……」
正しくは「幼児がかつて感じていた感覚」なのだが、この際どうでもいい。
快感の余り、俺はオムツに放尿という点において幼女と共通認識を持てたと確信したのだ。
何たる喜びッ。
何たる快感ッ。
心地良いッ。
超絶気持ち良いッ!
道徳という枠の外に見える禁忌の扉を少し開けただけだというのに、身体中を快感という名の電気信号が駆け巡る。
気がつけば俺は夕暮れの街へ飛び出していた。
× × ×
ホテルを飛び出した俺は、至る所で失禁を試みた。
信号待ち。女子たちが集うクレープ屋の前。さっき見たばかりの映画の余韻を楽しむ若者の群れの中。
それは非常に刺激的であり、ある種の自由を味わえる行為だった。
快楽に流されるまま俺は公園に着いた。
親娘で手を繋ぎながら歩く幼女。ベンチでソフトクリームを舐め上げる幼女。
ああ、こんな時間に幼女が一人でいたら危ないよ。俺の理性が。
幼女……幼女、幼女ッ!
そうだッ。
この実験は幼女の前で実行してこそ意義がある。理屈は分からない。
ソフトクリームをぺろぺろぺろと懸命に愛撫、もとい舐め上げる幼女の側へと近づき、ベンチの端に腰を下ろす。
幸いにも近くにこの幼女の母親はいないようだ。
気づかれないように、なるべく正面に俯いたまま、視界の端に幼女を捉える。
おっ、見えた。視線に気づく様子も無い。夕方という時間帯と、長めの前髪が功を奏したな。
慎重に慎重に、幼女の口元を見る。
真っ白な半固形の冷たい物体に幼女の舌が埋まり、その一部を小さな舌が掬い取る。その往復運動を見ている内に、自然と前屈みになってしまう。
だが大丈夫。
今日は紙オムツを着ける都合もあって、若干ルーズなズボンを履いているのだ。多少股間が盛り上がったくらいでは人目をひくことは無い。
見たかッ。俺は日々学習し、進化しているのだッ。
手に持ったペットボトルの水を一気に飲み干す。チャージ完了だ。
あとは尿意を待って、それを人知れず解放するだけ。
何も難しいことは無い。誰にもバレることは無い。
冷たい秋風が吹き、背中から体温を奪い去る。
ふるる。
お、出る。出る。出そうだ。
我慢して我慢して……それ、一気に解放ッ!
その時の俺は忘れていたんだ。
紙オムツを着けたまま失禁を繰り返すこと三回。既に紙オムツの許容量は限界に達していることを。
とぱぱぱ──ぱふんっ。
吸水量の限界を迎えた紙オムツから溢れ出る生暖かい液体は内腿に流れ、足を伝っていくに従い外気に熱を奪われる。それが足首に到達する頃には冷え切っていた。
……などと悠長に解説している場合ではないッ。これではただの失禁マニアではないかッ。
「あー、このお兄ちゃん、おもらししてるー!」
幼女の無情な叫びが公園内に木霊する。それに気づいた人々が一斉にこちらを見る。
俺は素早くパーカーのフードを被って顔を隠し、猫背のまま走り出した。
日は暮れかけていた。
× × ×
ホテルに逃げ戻った俺は、即座にシャワーを浴びた。
ぱんぱんに膨れ上がった紙オムツは既に汚物入れの中だ。
腰にバスタオルを巻いて、念の為に用意しておいた着替えの中からズボンを取り出す。
ちくしょう、なんで俺がこんな目に。
一人ごちりながら替えの紙オムツに手を伸ばす……じゃないッ。
真新しいブリーフを身に着けた俺は、淀みない動作で颯爽と着替え、すぱぱんと手際よく汚れた服を纏めた。
ふとドレッサーの鏡を覗き込む。映っていたのは……うん、いつも通りの葉山隼人だ。
安堵してシングルのベッドに寝転ぶ。いつもの寝具とは違った感覚が新鮮だ。
今日は貴重な体験が出来た。
結果は散々だったけど、収穫は大きかった。
ふむ。大学は心理学を取ろうかな。
幼女と失禁の相互補完に関する考察、なんて論文を綴ったら面白そうだ。
──その夜、二回オネショをした。
これ、倫理的にアウトですね……(汗)