とある四葉の心理掌握   作:トサキント

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皆さんいつも評価ありがとうございます。

視点変更が分かりにくい。とても読みづらいなどの感想を頂きました。作者の力が至らないばかりに不快にさせてしまい申し訳ないです。これからも精進していきますので気になることがありましたら、どんどん意見を送ってください。作者なりに改善していこうと思います。


8話

深雪姉さんはモニターを眺めるのを止めお母様に兄に対してどうしてあのような冷たい対応をとるのだと問う。

お母様はその問いに対して「まぁそろそろ話しても問題無いでしょう」と前置きし話し出す。

 

その話を聞き流しながら俺は自分の迂闊さについて落ち込んでいた。

もっと真剣に自分の能力の欠点について理解し其れを考慮した行動を行っていれば、お母様に能力が露見する事もなかったのでは無いかと考えずにはいられない。また、俺はこの能力について理解力がとても乏しい。

どんなことが出来るかは分かるのだが、どんな対策を取られ能力が無効化、もしくは対策をされるかまでは考えていなかった。

今まで俺の周りに俺の能力を知る人間がいなかったので、読心などの能力を使い放題やり放題でバレる事はなく完全に失念していた。

これからの課題はこの能力の欠点というか弱点を洗い出しそれ何らかの形で補う。もしくは弱点が周りに露見しないように立ち回ることが必要である。

 

今後の課題を打ち立て終えると深雪姉さんとお母様の話は終わっていた。多分、達也兄さんの感情のどうじゃいこうじゃいを話していたのだろう。

 

「ねえ、操祈。」

 

深雪姉さんが話しかけてくる。

 

「なぁに?」

「あなた先程精神に関することなら何でも出来るといいましたよね?」

「えぇ、言ったけどぉ。それがどぉしたの?」

 

深雪姉さんは俺の目を覗き込み、声に力を入れて俺にお願いしてきた。

 

「お願い、お兄様の感情を戻してください!」

 

いつの間にか達也兄さんの呼び方がお兄様に変化していた。これは修正力なのか何なのか知らないが何故この呼びかたになったのかは予想がつく。大方今もモニターの中で、再生で味方を直し分解で敵をチリすら残さず消している姿を見て、自分の兄はとんでもなく優秀な魔法師だと判断した結果なのだろう。

それはさて置き達也兄さんの感情を一時的に戻すことは可能だろうが、完全に戻せるかどうかは分からない。

俺の能力はあくまで脳の分泌液や血液を操作し脳を弄っているだけで、お母様の魔法のように想子<サイオン>を使って直接、情報を書き換え脳の構造を変えているいる訳ではないのだ。

脳の構造を常人と同じ様に戻す事は多分出来ると思うが達也兄さんの元の脳の構造を知らないのでどんな副作用が出るか分かったもんじゃない。

その事を考慮し深雪姉さんに告げる。

 

「ごめんなさい深雪姉さん、直接ぅ達也兄さんの頭をぉ見ないと何とも言えないわぁ。」

「…そう。…分かりました。ではお兄様が戻って来たら見てください。」

 

深雪姉さんに肯定の意を伝えるとモニターに映る達也兄さんに目を戻した。

深雪姉さんにその様に話したが、実は裏技がない事もないのである。確かに達也兄さんの頭は魔法演算領域を無理やり植え付けることで脳の容量がパンクし、代わりに一定以上に高まる感情を消すしか方法は無かったのだが、俺が常に達也兄さんの脳を掌握し感情に関するところを俺の能力で補完出来るのでは無いかと考えている。

つまり、達也兄さんは一定以上に感情が高まらないだけで感情は残っているのである。其処で達也兄さんの感情が高まろうとするのを俺の能力で補助するのである。

 

そうやって達也兄さんを如何するか考えながらモニターを見つめると、質量爆散<マテリアルバースト>をぶっぱした瞬間だった。

画面が真っ白に染まり目がくらむ、其処で身をそらさず画面を注視すると其処に映し出されるのは光り輝く太陽であった。それに見惚れて固まっていた。

 

しばらくすると風間大尉と達也兄さんが戻って来て戦況の報告をしてくれた。敵は残らず殲滅しとりあえず落ち着いたらしい。

俺たちは別荘に戻り、帰りの支度をしたら直ぐに四葉家に戻るらしい。

 

 

 

 

 

 

 

別荘に戻り帰りの支度をしていると深雪姉さんと達也兄さんが俺の元に訪れた。まぁ理由は言わずもがな感情の件である。

其処で達也兄さんの頭を初めてじっくり見た。はっきり言って戻す事は出来ると確信した。簡単である魔法演算領域を消せばいい。それ以外だとやはり脳の構造が常人のそれと違い感情の機能が乏しいので俺の能力で補完するかたちになる。

その旨を伝えると達也兄さんは俺の提案を拒否して、深雪姉さんは魔法演算領域を消してでもと賛成した。見事に二つの意見に分かれた。

俺はというと深雪姉さんに如何してもやれと言われたので達也兄さんに対して能力を行使する事にする。

 

「いくわよぉ〜。」

「ま、まて。」

 

そんなの聞こえないとばかりに無視する。

其処で達也兄さんには確かに感情が戻った事は確かなのだが、達也兄さんが反射的に再生の魔法を使い想子<サイオン>が吹き荒れる。其処にはさっきまでの達也兄さんがいた。

 

「あららぁ〜。戻っちゃったわぁ。」

「何故ですかッ⁉︎お兄様ッ!せっかく感情が戻るというのに何故それを拒むのですか⁉︎」

 

深雪姉さんは達也兄さんの行動がまるで理解できないと言わんばかりに捲したてる。

其処で達也兄さんが深雪姉さんをなだめる様に頭に手を置き告げる。

 

「深雪、俺はねこのままで満足しているんだ。魔法演算領域が無ければ、これから魔法科高校に進学するであろうお前達と一緒にいられなくなってしまう。それは避けたいんだ。分かってくれるか?」

 

深雪姉さんは嫌々と首を振りならと、俺がもう一つ提案した案を実行する様に言う。

俺としてもたった一人だけならあまり離れなければ負担にはならない。

すると達也兄さんは首を振る。

 

「俺の魔法を見ただろう?俺の魔法はとても危険なものなんだ。もし俺が感情を取り戻して何かの拍子に暴走でもしてしまったらお前達を傷つけてしまうかもしれない。それはとても耐えられない。だからこのままでいいんだ。」

「そ、そんな…。」

 

と、深雪姉さんは言葉を続けようとするが続かない。

俺の提案は感情のみに対して補助を補なうというものだったので行動や思考を操る訳では無いのだ。

まぁ操る事は出来るがそれは深雪姉さんが許さないだろう。

となるとこれ程の大魔法を行使した事で、これから軍の人間などと密接に関わっていく事になるだろう事は想像に難くない。

まだ子供である達也兄さんに感情が戻ってしまうと何かと問題が出てくるかもしれない。

そうなると今のままがいいのかも知れないと思えてしまう。ままならないものだな。

 

この出来事を終え俺たちは飛行機に乗り四葉本家まで戻って来ていた。

 

「御機嫌よう。操祈さん。」

 

満面の笑みでしかし目は笑っていない四葉真夜が待ち受けていた。

 




操祈ちゃんの口調がちゃんとできているか不安な今日この頃…。

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