女の子だらけの職場で俺が働くのはまちがっている 作:通りすがりの魔術師
つまり、八幡に付け入るスキはない……けど無理矢理入れるしかないッ!
まぁ、ネタバレ……というよりは2期(決まってないけど)に備えての予習くらいの気持ちで見て頂けたらと思います。
今回は3巻冒頭のひふみ先輩のファッションショーを見た八幡の休日から始まります。
祭りのあとの祭りとは多分二次会のことをいうのだろうがイーグルジャンプの打ち上げにはそんなものなく、祭りのあとの休みのあとに仕事というものだ。
休みの朝というのは非常に起きるのが遅く、だいたい昼前かあるいは昼過ぎに起きてしまう。起き上がって用を足してから洗面所で手を洗って顔を洗う。
「あー腹減った…」
鏡で自分の顔を見てたら腹の虫が鳴るし、さっき昨日食べた分は出したから余計に腹が減った。冷蔵庫を開けると牛乳とMAXコーヒーしか入っていない。…そういえば夏休みが明けてから小町も来てないし…そりゃ野菜も肉もなんもねぇわな。ついでに言うとご飯もない。ご飯おめぇの出番だぞ!
はぁ…買出しに行くか。
高校から使っている青のジャージを着てドアを開ける。
外に出れば木の葉もすっかり紅く色づいている。こうして見るとすっかり秋じゃのう…って何おっさんみたいなこと思ってんだろ。疲れてんのかな…。
ショッピングモールに向かうと客はオシャンティーな格好をしており、これも見るとやはり気候の変化を感じさせられる。しかし、まだ白い息は出ないし手袋やマフラーをしなくてもこのジャージで十分なことからまだ冬は先だろうと思える。
地下1階に向かうエスカレーターを降りて食品売り場に向かう。さてと、何を買おうか。最近料理してないからしたといえば味の素の冷凍餃子くらいだ。あれを料理というか知らんがフライパン使ってるし料理でいいだろ。
適当に惣菜と野菜と肉、冷凍食品を買い物カゴに入れてレジへ向かい、精算する。龍歴院ポイントなんてもらえないし、領収書なんかいらない..想像するんだ..。最近はセルフレジとかいうのがあるから新人店員のように横着して遅くなることは無い。高校の時にレジを担当しておいて良かったと思える手捌き!人呼んで、ハチマンスペシャル!!
ちなみに俺はデキる男なのでエコバッグと呼ばれる土の魔術を持っていたりする。これにより2円引きとなんとも素晴らしい。
そのまま帰っても暇だし、エスカレーターで1階に上がれば服屋やアクセサリーが集中しているフロアである。荷物を持ちながらなんとなくぶらぶらしているとあんまり興味無いのに新しいジャージが欲しいと思ってしまった。てか、ジャージならスポーツショップで買えばいいんでないの?よくよく考えたらそうだし、この格好で来たことを少し後悔してしまった。
ある程度進んだところでそれに気付いて道を引き返す。すると、見知った顔の人がファッションショーを楽しんだのか服をたくさん持って試着室から出てくるのが見えた。ひふみ先輩って1人だと結構笑ってるよな。やっぱり、1人の方が気が楽なんだろうか。
「お客様ー、何かお気に召した商品はございましたか?」
「!!」
ある店員さんが笑顔で話しかけるとひふみ先輩の顔が一瞬で変わり、いつもの慌てふためく顔になる。しかし、店員さんはそんなことお構い無しにペラペラと喋る始める。
「よければ今年流行のものなども取り揃えておりますよ。お客様大変お綺麗なのでなんでもお似合いに…」
「また来ます…!」
ひふみ先輩はそう言うと持っていた服を全てその人に渡して店から出ていく。いそいでいるのかあるいは周りが見えていないのか俺には気付かずエレベーターのボタンを連打していた。そして再び店内に目を移すと店長らしき人がさっきの店員と慌ただしい様子で会話していた。
「ちょ!あのお客様は強く押しちゃダメなんだって!」
「えええー!?」
ふむ、やはりあれだな。俺が昔提唱した説は俺以外にも当てはまることが実証されたな。服選んでるときに話しかけるのはほんとダメだ。服屋の店員さんはぼっちが放つ「話しかけんなオーラ」を感じ取るスキルを身につけたほうがいい。そのほうが確実に売り上げ上がるぞ。
だって、ひふみ先輩は話しかけられなきゃ全部買ってただろうからな。
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休みがあれば休めない日もあるわけで今日はそういう日である。
と言っても特に仕事がないから手持ち無沙汰なのだが。あるといえばバグの修正……はうみこさん達の仕事だからな。
なので、俺達は今は動かしやすいモデルのためしてガッテンをしている。まぁ、俺は見てるだけなんだが。だって先輩達がアイデア出してくれてるんだぜ?何も言わない方がいいだろ。違うこと言って『それは違うよぉ』とか言われて論破されたら泣く。
「ごほん、楽しそうだね」
俺が何もされてないのに被害妄想していると葉月さんがやってくる。それに軽く挨拶を返すと葉月はにこやかに微笑む。
「何を話していたのかな?」
「はじめさんの提案で動かしやすいモデルの試行錯誤してて、ひふみ先輩がいろいろアイデアを出してくれて凄いんですよ!」
「そんなこと…ない…けど…」
涼風が褒めると褒められたひふみ先輩は恥ずかしそうに声を細める。しかし、それが可愛かったのか葉月さんは写真を撮り始める。
「はっ!ごめん!可愛かったからつい」
変な人だなぁ…と思ったけどまぁ、仕方ないね!ひふみ先輩は可愛いからね!
「だって滝本くん、昔と比べて表情が柔らかくなったから。いいことだと思うよ」
「…はい」
うん、いいことだ。非常に素晴らしい。なんだろうこれが神の作り出した芸術品の完成系。まさにパーフェクト!とか言っちゃうレベルでひふみ先輩は可愛いからな!だが、小町と戸塚の方が可愛い。それだけは絶対に揺るがない。
「ところで…君が比企谷君かな?」
「あ、はい」
「ふむ…よろしく頼むよ」
握手を求められたので握手をするが、綺麗な手をしているな。肌も白いし、多分この会社で一番肌が白いんじゃないだろうか。でも、ディレクターってことは結構歳食ってるよな?ファンデーションでも誤魔化せるか。まぁ、手はマジで白いな。まじまじと見つめていると再びシャッターが切られる。あれ?私って可愛いのかしらうふふ?
「そういえば、次のゲームってどんな感じになるんですか?」
「ん?ああ。今考え中だよ。完全新作の予定だからなかなか難しくてね」
「そうなんですか」
「別に涼風君たちでもいい企画書を作れればそれが採用されるんだよ」
「え、ほんとですか!?」
可愛いの定義について考えているとそんな会話が聞こえてきたので我に返る。とりあえず戸塚は最強で最高ということがわかったからいいとしよう。
「じゃあ私戦隊物がいい!あ、でも魔法少女も捨てがたい…」
「そればっかやん。私はシリアスっぽいのかな」
「私はファンタジーかな…」
はじめさん、ゆん先輩、涼風とそれぞれ口々だすが全員バラバラだりまぁ、全員一緒だとそれはそれで気持ち悪いが。
「比企谷君と滝本君は?」
「え…?…私も青葉ちゃんと…一緒で…」
「……そっか…やっぱり作り慣れたファンタジーかな」
葉月さんにそう言うひふみ先輩の言葉はとても本心と思えなかった。それは葉月さんも同じだったようで少し間が空いたものの足りない言葉を補っていた。
「で、比企谷くんは?」
「俺は…」
どんなゲームをしたいかではなく、どんなゲームを作りたいか…か。イーグルジャンプはファンタジー世界を題材としたゲームが。そこから抜け出した新ジャンルに入るもよし、ファンタジーで新しい要素も入れるのも良い。でも、それは俺が作りたいと思うことではない。ならば、俺は……。
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昨日の質問に答えれず、後で話しますとか言っといてそのまま定時になったので帰ってしまったからなんにも言えなかったな…。まぁ、特にないんだが。強いて言うならぼっちが活躍するRPGが作りたいです。くらいだ。
早めに寝たので6時くらいに起きてしまい、家にいても暇なので少しゆっくり準備してから外に出て会社に向かった。
会社についてパソコンの電源を入れると今来ているのは俺とひふみ先輩、葉月さんだけのようだ。八神さんも今日は会社で寝ていないらしく、パンツ姿は拝めなかった。べ、別に見に行ったとかそんなことしてないんだからねっ!
あ、葉月さんに一応言っとかねぇと。ぼっちが孤独に戦って活躍するRPG…そう!ダークヒーロー的立ち位置のやつが世界救う冒険譚!世にも奇妙な物語!俺が求めるのはこれだ。最近のゲームは協力とかみんなで繋がるとかぼっちには優しくないゲームばかりだ。いくら、見知らぬ友達とも協力できるからと言っても限度がある。地雷とかいるしな。
葉月さんのいるブースに向かうと先に先客がいたのか、誰かと話している。声を潜め、気配を消してその場に潜む。なんだかいけないことをしている気分だ。
「私…昨日青葉ちゃんと…同じがいいって言いましたけど…えっと…ほんとは現代ものというかスタイリッシュな世界が…好き……です……以上…です。」
「ふふっ…」
「っ!」
「あ、いや、ごめん違うんだびっくりしただけだよ。よく言ってくれたね。ありがとう参考にさせてもらうよ。」
「は、はい……!」
カシャっとそんな音がしたのを聞くとどうやらひふみ先輩はいい笑顔で返事を返したようだ。ひふみ先輩が鼻歌まじりで上機嫌で自分の席に帰るのを見てから俺は隠れていた場所から姿を現し、葉月さんに俺の要望を伝えると彼女は紅茶を1口飲む。
「それはそれで面白そうだね。それも参考にさせてもらうよ」
「うっす」
よし、伝えることは伝えたし俺も自分の居場所に…と思って身体の向きを変えたところで声をかけられる。
「ところで比企谷くんは好きな女の子はいるのかね?」
「妹以外ですか?」
「う…うん、そうだね。できればその方が嬉しいかな」
考えてみるが小町以外となると…戸塚?でも、戸塚は女の子じゃないからな。あとは誰だ?平塚先生?まぁ、あの人は好きっていうより面倒見なきゃダメな気がするってだけだし…
「特にいませんね。妹以外の女の子では」
「そうか…ごめんね、変なこと聞いて」
そう言うと葉月さんは軽く手を振る。俺は頭を軽く下げて自分の席へと戻る。給湯室でコーヒーを入れて出てくると
「これは可愛い見物だなぁ…」
と、そんな声が俺の背中に届いた。
ガッデム!
新作予告(詐欺の可能性があります)
この素晴らしい世界に平穏を!
「私はなんとしでも生き延びてみせる…!この世界では…!」
……To be continued?