女の子だらけの職場で俺が働くのはまちがっている   作:通りすがりの魔術師

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あくまでこちらは原作準拠です
八幡が入ることで話が広がりますし、あんなにうまい事出来ない(本音)


比企谷八幡は苦闘する。

 

 

突然だが日本の労働基準法に週2日の休日、最低でも1日を義務付けられている事はご存知だろうか。つまり、4週間を通じて4日以上の休日があるのだ。

 

他にも1週間の労働時間は40時間までとか,1日の労働時間は8時間まで。

という原則があったりするのだがそれは置いておこう。

 

会社にもよるのだが、休日は与えられており、それはイーグルジャンプにも与えられている。だいたい、休みのサイクルというのは決まっており、キャラ班は最低でも2人は出仕している状態になるように考えられている。

 

 

俺の休みは基本的に土日と公務員的な時もあれば、火曜金曜と飛び飛びになることもある。後者は新作ゲーム開発時のサイクルだ。

今はちょうど涼風と八神さんがメインをしている名称不明の新作のプロトタイプが終わって一息つけたのもつかの間。

さらにメインキャラや敵キャラを増やしていかねばならんのだが。

 

 

「青葉…ちゃん、そろそろ…新しいデザインがこないとキャラ班の手が空いちゃうんだけど…大丈夫…そう?」

 

 

「ごめんなさい、もう少しだけ待ってください。なんとか……!」

 

 

「何日くらい…?」

 

 

「それもわからなくて…」

 

 

「ううんいいの…!」

 

 

「まてまてー!」

 

 

デザイン担当の涼風の手が止まっており俺達は絶賛手空き状態なのだ。俺もアイテムの方はエフェクト班の方に引き継いでもらったので特にすることがない。

敵キャラはゆん先輩がやってくれるし、3Dモデリングはひふみ先輩がやるし……あれ?もしかして俺仕事ないの?

やったね!働かずにもらう金って申し訳ないから仕事ちょうだい!

 

 

「八神さんにこれでいいか聞いてきます」

 

 

「うん……行ってらっしゃい」

 

 

ゆん先輩のツッコミは華麗にスルーなのね。てか、ひふみ先輩と涼風仲いいよなー。べ、別に羨ましくなんかないんだからねッ!

 

 

俺の仲いい人って、誰だ?戸塚はクリスマス以来会ってないし…材木座って誰だっけ……?

最近、同性と遊んでないな……って、昔からか。なんか悲しくなってきた。そうだな、歌を歌えば楽しくなるっていうし

 

 

 

 

月曜日はちゃんと出勤。一人で乗り切きろう。

火曜日には調子出ます。多分ほんまなんです〜(ゆん先輩風)

愛想笑いしたら悲しくなってきた!

水曜日、画面に集中

木曜日 、もう画面に夢中

納期・ 新規・ 末期だって、金曜日だもん。

 

 

うん、これ俺の1週間かよ。締切破ったことないけど、守らないと周りに迷惑かかるからな。最悪、ハンドガンで脇腹を撃たれる未来が見える。締切三秒前と見た!

 

 

「うう…変なプレッシャーかけられた…」

 

 

八神さんに急かされることでも言われたのか、涼風がヨレヨレになって戻ってきた。あいついつも八神さんにプレッシャーかけられてない?気のせい?PP絶対削られてるでしょ。

 

 

「おーい八幡」

 

 

「なんすか、八神さん」

 

 

「かもん ひーあー」

 

 

何その雑な英語。ネイティブに怒られるぞ。てか、わざわざブース越しで呼ぶのね。席から立ち上がって、行ってみると数枚の紙を渡された。一応、何ですかこれという視線を向けるとあははと笑う。

 

 

「いやーアイテムの方、終わったから暇かと思ってさ。それ、キャラの指示書ね」

 

 

「え、指示書?モデリングじゃなくて1から描くんですか?」

 

 

「当たり前だよ。八幡もキャラ班なんだから。……ってのは、建前で青葉のが遅れてるからさ」

 

 

涼風が成長も納期も遅れてることは知っているが、1からキャラデザするのは当たり前なのか。COWCOWはそんなこと言ってなかったぞ。

 

 

「それなら俺じゃなくてひふみ先輩とゆん先輩が……」

 

 

いるからその2人の方が適任だと、その言葉は最後まで言うことは出来なかった。なぜなら、八神さんに人差し指で口を封じられたからだ。

 

 

「ダメだよ。八幡も来て1年経つんだからこれくらい出来るでしょ」

 

 

これくらい出来る……というのは俺への期待なのかそれとも、八神さんは1年目でできていたということか。

 

 

「分かりました、片付けてきますよ」

 

 

「うん、それでよろしい」

 

 

軽く肩を落として了承すると、八神さんは突き出していた人差し指を戻してニコリと微笑む。なんだよ、その顔、反則だろ。遠山さんが好きになった理由がよくわかったよ。多分、こういうところなんだろうな。

涼風も……八神さんのカリスマ性とまでは言わないが人を奮い立たせてくれるところや、適切なアドバイスをくれることに好意と、自分の絵に向かう姿勢とそのキャラの美しさに憧れを抱いたのだろう。

 

 

###

 

 

「2人とも調子はどう?」

 

 

八神さんから貰った指示書に従ってデッサンやらしてイメージを固めていると後ろから声をかけられた。

 

 

「遠山さん……って今日はスーツなんですね」

 

 

「ええ、これから取引先にご挨拶に行くから」

 

 

ADの仕事も大変なのは知っていたが、外部の取引先にも行くのか。うん、絶対やりたくない。まぁ、おそらく高卒に務まる仕事ではないんだろうが。

 

 

「あ、この下の女王様。その取引先の人にちょっと似てるわ」

 

 

「ええ、怖い人なんですか!?」

 

 

「ふふ、ちょっとね。でも話してみると案外いい人だったりするのよ」

 

 

「へぇ…」

 

 

涼風が感心するように言うと、今度はこちらの絵に目が向けられる。

 

 

「比企谷くんは博士キャラ描いてるの?」

 

 

「ええ、八神さんに頼まれまして」

 

 

本当に指示しか描いてないから、本当に困る。1から!いいえ、0からだよ。

 

 

「2人ともそのキャラは好き?」

 

 

突然の質問に涼風は困ったような笑顔を浮かべるが、すぐにそのキャラについて話し始めた。

今のところ、主人公のペコ以外で唯一の人間キャラでぬいぐるみ達に恐怖政治を強いている。何故そんなことをするのか涼風には分からないらしいが、それが分かればデザインが固まるのではないかと、ひらめいたように言う。

 

俺はさっき知ったキャラだからそこまで好きになるポイントもキャラへの理解もない。だから、理解できれば好きになれるかもしれない。

 

 

「デザインのお仕事をしていれば全部のキャラが好みなんてことは難しいけど、でもやっぱりどこか好きなポイントは持っておいた方がいいわよね」

 

 

遠山さんの言う通り全てのキャラを好きになるなんてことは難しい。たいてい、ラスボスというのは主人公と同じくらい惹かれるものがあるが、非道すぎると逆にそうも思えない。まぁ、メタギアのラスボスは基本的に好きになれないんだよなー

 

 

涼風は初心に帰ることにしたそうだ。楽しんでやるということを忘れてしまっていたらしい。わかるぜその気持ち。俺もこの会社にいるとたまに童心を忘れそうになる。

俺は童心に帰るか。涼風は葉月さんに女王様について聞きに行ったから俺も誰かに聞くとしよう。

 

 

「ゆん先輩」

 

 

「ん、どうしたん?」

 

 

「博士ってどう思います」

 

 

「……はぁ?」

 

 

あぁ、ダメだこれ。コミュ症丸出しの聞き方になってしまった。とりあえず、八神さんに押し付けられたキャラがラスボスの部下というか参謀の博士キャラで男であることを説明した。

 

 

「ほーん、で、他になんか指示は?」

 

 

「男であることと何かしらの戦闘手段を持ってるキャラにしてくれればいいみたいな感じで」

 

 

「なるほど、丸投げされたんやな」

 

 

「悪くいえばそうですね」

 

 

ため息混じりに言うと、それは違うよとひふみ先輩が立ち上がる。

 

 

「こ、コウちゃんは…は、八幡に…期待…してるんだと思う……よ?」

 

期待はあまりされた事がない。親にも小町関連のことを抜けばこうしろああしろとは言われたことは無い。ただ健康に生きていてくれればそれで良かったのだろう。学校の先生も、ただ見ているだけだった。

いや、平塚先生は別だ。あの人は俺をちゃんと視て、俺にきっかけを与えてくれた。あの人も俺に期待していた。自分だけでなく雪ノ下雪乃を変えてくれることに。

残念ながらそれには応えれなかった。

 

だったら、今回は応えてみせよう。

俺なりに、形はどうあれ。ちゃんとやってやろうじゃないか。

 

 

考える時は、考えるべきポイントを間違えないようにする。俺の恩師はいいことを言うのになぜ結婚出来ないのか。仕方がない、また今度やけ酒なり愚痴なり付き合ってあげよう。

 

 

 

 

「じゃ、やりますか」

 

 

 

言うと、2人は笑顔で頷いてくれた。

 

 

「まず、八幡はどうしたいのかやな」

 

 

「俺的には…」

 

 

そこからは意見の出し合いだ。俺は人格破綻、つまりサイコパスチックな研究者がよい。悪者だし、そこは譲れなかった。2人もそれには賛成でそこからどのあたりが破綻しているかを決めていった。

 

 

「次は……見た目……だね」

 

内面が決まったとなると、容姿はトントン拍子だ。女王様の手下という設定はあったので年齢が定まればよりイメージしやすいのだが。

 

 

「涼風、女王様の年齢はどれくらいだ?」

 

 

性格が決まったあたりで涼風は戻ってきていた。葉月さんに色々とヒントを貰ったのか、先程よりは手が動いていた。つまり、キャラの方向性は固まったということだろう。

 

 

「うーんとね、10歳台かな」

 

 

「じゃあ、歳上の方がええんかな?」

 

 

「でも、人格破綻者が歳下につきますかね?」

 

 

「狡猾な性格だから…女王様の方が…強いし…つくんじゃないかな?」

 

 

ひふみ先輩の意見に全員が納得したので男は歳上で30代くらいに見えるようにした。これ、書いてて思ったけど白衣着た材木座っぽいな。目元が違うから分かりにくいけど、ちょっと調子のって逆立てた白い頭髪とか、知力上げにかけさせた眼鏡がよりそう見させる。

まぁ、中身は勘のいいガキは嫌い系男子だからあいつとはかなり離れているんだが。

 

 

 

ゆん先輩とひふみ先輩の助力もあって、俺は人格破綻した研究者のイラストを完成させることが出来た。何故か設定も考えさせられたが、概ね出来ていたのでそれもすぐに出来た。

八神さんは2日で持ってくるとは予想外だと言って驚きつつも感心していた。

涼風も1日遅れであったが、子供の女王様を描きあげることが出来たらしい。

 

 

余談だが、八神さんならどうするか聞いたら2分くらいでそれは見事にグレートな博士キャラを描きあげてきた。俺のよりこっち採用しませんか?って言いたくなるくらいだ。しかし、先に出てきたのは苦闘の言葉だった。

 

 

「俺の2日が2分で……しかも1人で……」

 

 

「え、あーなんか……ごめん」

 

 

去年の今頃も歓迎会でそんな感じで謝られたのを思い出した。うん、めげないしょげない。明日は休みだし、別にいいか!え、遠山さん休日出勤ってなんですか?





投稿ペースが早い理由→アニメに追いつかれたくない

以上(もう追いつかれてそう)
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