女の子だらけの職場で俺が働くのはまちがっている   作:通りすがりの魔術師

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ひふみ先輩とのデート?の八幡視点版です。こっちの方がイキイキしてて文字数が多いです。ほとんど地の文ですが。もうラブコメ書く時は八幡視点にしよう。うん。

ついでに言うと全体的にネタが多いです。


その先に何が待つのか比企谷八幡は知らない

 

 

 

 

わたし、比企谷 八幡!1998年生まれ!A型獅子座。どこにでもいる普通の会社員! なのに、ある日突然ゲーム会社で働くことになっちゃって、締め切りや現実と戦うことに!?これからわたし、どうなっちゃうの~!?

 

 

うん、俺以外女性ばかりだから合わせて俺も女性っぽくなろうとしたら気持ち悪くなってしまった。無念!

 

 

ちなみに季節は春!俺の誕生日まで4ヶ月!関東の春はそこらへんの春とは違う。どう違うかと言うと俺にもわからねぇ!

ちなみに俺の誕生日が同じキャラは氷と炎のカーニバル使いのお父さんの燃焼系ヒーローだったり、ラッキースケベ系ラブコメの1人と被っていたり、麦わら帽子のゴム人間に最初にやられた海賊の船長と同じなのだが、覚えている人は少ないのだ。残念!

 

 

 

そもそも、夏休みでメル友が少ない俺が祝われる確率なんてほとんどない。なんなら、家族にも2日経ったくらいで思い出されるくらいだ。妹はちゃっかり深夜におめでとうメールを送ってくれるんだけどね。

 

 

会社に入ったから夏休みとか関係ないと思ってたら、夏休みはイレギュラーでしかも忙しい時期だったこともあって、俺も自分の誕生日を妹のメールで思い出してしまった。大丈夫かな俺。

 

 

「は、……は、八幡!!」

 

 

 

「な、なんですかひふみ先輩」

 

 

 

屋上で孤独な昼休みを満喫していたら、突然、声をかけられびっくり、顔を赤くしたひふみ先輩がいた。

 

 

ひふみ先輩が来たことにより、この空間は浄化魔法が作用し、楽園と化した。

そう、俺が目指したのはここだったのだ。欲望は抑えきれずに空想にまみれた自由を探し求めた。今なら言えるだろう。そうさ、ここが楽園さ……。

 

 

「あ、明日、2人で……ご飯…食べ……ない?」

 

 

あぁ、さらば蒼きどうしようもない青春の日々よ……ってちょっと待て。今ひふみ先輩なんて言った?ご飯?2人で?えぇー!?

いや、この前一緒にご飯行こうとか言った気はするがタイミングを失ってたんだよな…。さて、どうしたものか。ここで断ってまた自分で誘うほうがいいか。

 

 

「……ダメ……かな?」

 

 

あ、行くわ。

 

 

 

###

 

 

 

夜。仕事を終えた有象無象が我を解放する時間。そこに上司も部下も関係ないと言わんばかりに食い飲み食う。子供は寝る時間であり、大人は忙しい者もいればエンジョイする者もいるだろう。例えば、あそこの大学生グループとか噂で聞いたヤリサーとかじゃないだろうか。女子2人、男子6人とかどういう構成だよ。合コンなら人数合わせるだろうし、あれはヤリサーで間違いないな。さっさと男だけで屋上で焼いてこい。

 

 

 

「にしても、早めに終わったな」

 

 

 

ひふみ先輩にご飯に誘われたはいいが、指定された日がちょうど仕事だった。クソッ!出来れば朝から夜までご一緒したかったが、仕事があるんじゃ仕方ないな。

 

 

しかし、定時前に上がれてよかった。妹と久しぶりに飯行くから早めに上がらせてとか通じるんですね。よし、これから毎日飯に行こうぜ!

 

 

まぁ、ご飯に行く前に着替えさせられたんだけどね!

 

 

『うわぁ、お兄ちゃんその服はないわ……。小町があげたやつだけど女の子とデートするのにその服はないわぁ……』

 

 

 

と、俺を見るなりゴミを見せつけられたかのような目をした小町ちゃん。てか、なんで会社の前にいるの?ついでになんでひふみ先輩とデートすること知ってんの?

 

 

『ほらほら、これに着替えて。早く早く時間ないよー?女の子待たせるとかほんとにありえないからねー』

 

 

そう言われ、公園のトイレで着替えさせられてしまった。誰もいないからって男子トイレに入ってくるのはどうかと思いましたよ…。お兄ちゃん、妹のそういう部分がほんと心配……。

 

 

着替えの時間さえ無ければもう少し早くついていたが、走ったおかげでほぼ予定通り5分前だ。待ち合わせの時計の見えるお店の下につくとふつくしい服装の女性を見つけた。

 

 

「すみません、遅れて申し訳ないです」

 

 

肩で息をしながらそう謝るとひふみ先輩は気にしなくていいと首を振る。優しいなぁ…。

 

 

「……もしかして……着替えて……来たの?」

 

 

「え?あ、いや、ちょっと……」

 

 

流石に妹の服装チェックに引っかかったからお着替えしたとは言えない。だが、誤魔化そうとする俺の態度が不服なのかひふみ先輩にジト目を向けられる。

 

 

「……妹に会社の前で出待ちされてて、それで着替えるように言われました」

 

 

「そ、そうなんだ……」

 

 

観念して正直に言うと微妙な反応が返ってきた。ほんとすまない…空気が読めないやつでほんとすまない。

 

 

「じ、じゃあ、行きましょうか」

 

 

「え、あ、うん……」

 

 

とずっとここにいても気まずいままなので歩き出すことにした。それに続くようにひふみ先輩も付いて来る。てか、どこ行くか知らないんだけど、こっちで合ってるのか?

 

 

「で、どこの店行くんですか?」

 

 

「え、えっとね…」

 

 

尋ねると可愛いケースに包まれたスマホを取り出して、あらかじめスクショでもしておいたのであろう写真を見せる。その写真には店の外観と場所とどういう料理のお店なのかが記載されていた。

 

 

「バイキングですか」

 

 

「う、うん……嫌……かな?」

 

 

「いいや、全然、むしろドンと来いですよ」

 

 

俺の返事によかった……と胸を撫で下ろす。うん、可愛い。行き先が分かったので人通りの多い大通りを避けて長い通りを進む。人通りが少ないとはいえ、この時間のこのあたりは右も左も飲食店や娯楽施設、商業施設がばかりでどこの店を多くの人が常駐していた。

 

 

 

「そういえば、なんで今日俺、誘われたんですか?」

 

 

「えぇ、とそれは……」

 

 

普通、誘うなら涼風あたりだと思うんだが。この前も2人でパスタを食べたと涼風に自慢されたし。しかし、その質問はタブーなのか露骨に悩んだ顔をすると話題を変えられる。

 

 

「は、八幡は、普段どういうところ行くの?」

 

 

「えっ……あー、図書館とか本屋……あと、家ですかね」

 

 

よかった、同じような質問を数年前にされてるから答えるのは余裕だぜ。ありがとう、一色。お前との時間は無駄ではなかったようだ。だが、ひふみ先輩は何やら引っかかるところがあったらしく「家……家……?」と小声で首を傾げていた。

 

 

「ほら、借りたり、買ったりした本とか家で読みたいじゃないですか」

 

 

これはいけないと、すぐさまフォローを入れる。我ながら完璧なフォローだ。ほら、買ったエロ本は外では読まないからな。家で読むもんだ。読んだらすぐに処分しないと親に見つかるから注意な!

 

 

「服とかは買わないの?」

 

 

「あー、ある程度揃ってますから基本的には。千葉関係のがあれば買いますけど」

 

 

服は欲しいと思わないから買わないんだけどな。千葉限定!とかそういうのを見ると欲しくなってしまう。まぁ、服屋いかないから買わないんだけど。

そんな話をしてるうちに目的の店についたのだが。

 

 

「え、ここって……」

 

 

んん?ここのガードレールとか店の看板とか見覚えあるぞ。なんでだ?昨年、確かここで……うっ、頭が!何故か、トラウマスイッチが起動してしまい行動不能に陥っているとひふみ先輩が店員さんに話しかけられていた。

 

 

「いらっしゃいませーご予約されてますでしょうか?」

 

 

「よっ、よっ、予約してた…た、たきもとです……」

 

 

「たきもと様……はい、2名様ですね!どうぞ、こちらへ」

 

 

通されたテーブル席に座って、店員さんがお絞りを置く。簡単にバイキングのシステムを言って「ごゆっくり」と笑顔で新しいお客さんの相手に向かう。教育が行き届いているなーと感心しているとぐぅ、と美しいお腹の鳴る音が聞こえた。まさかと思って前を向くとひふみ先輩がお腹を抑えて顔を赤くしていた。その様子に悶えそうになるのを頬を掻いて目を逸らすことで緩和する。ずっと見ていたいんだけど、どうもそうはいかないらしい。

 

 

「……えっと、じゃあ……ご飯食べよっか…」

 

 

 

ひふみ先輩は恥ずかしそうに口ごもって言うと席から立ち上がり料理の並ぶ方へと向かう。俺もそれに続くように立ち上がった。

 

 

 

###

 

 

 

1人あたりの料金を払って店の外に出ると、すでに月が出ていた。もうサテライトキャノンも撃てる頃合いか。バイキングの時間は2時間あったがそんな時間まで食わねぇよとか思ってたが会社の話やお互いのペット話をしていたらあっという間にすぎてしまった。

 

 

「さて、帰りますか」

 

 

「うん」

 

 

仕事終わりで疲れた体も一気にリフレッシュした事だし、明日も1日頑張れる気がする!だって、金曜日だしね!次の日が休みと考えれば自然にテンションが上がるものだ。

 

 

「家、あっちですよね?」

 

 

「え…送ってくれるの?」

 

 

「え、あー、嫌じゃなければ……」

 

 

意外そうな顔をするひふみ先輩を直視出来ずについ目を逸らしてしまう。ほら、アレだ。俺が見るに値しないというか、調子に乗ってごめんなさいという感じだ。

 

 

「お、お願い…します…」

 

 

なんでそっちまで照れるんだ……。そんな疑念を抱きつつ歩き始める。あれだよな、今の感じは付き合う前の方が仲良かった男女とよく似た雰囲気を醸し出している。気まずいとは思わないが話すのをつい躊躇ってしまう。

 

 

以前にも送り届けた覚えがあるのだが、うろ覚えのため確認のため分かれ道の度に振り向いてどう進めばいいかを尋ねる。美少女な先輩とこんなやり取りをしてたらそろそろ、ヒットマンに撃たれるんじゃないかと心配になる。それでも俺はひふみ先輩に止まるんじゃねぇぞ…と俺を置いていくように促すのだろう。うわ、俺マジで優しい。でも、無駄死にとか言わないで!

 

 

 

そんなこんなで比較的明るい道に出るとひふみ先輩の住んでいるマンションの下にたどり着く。あれだなその人の住んでいる場所でその人の器量やらは推し量れるというがまさにその通りだな。ここで一緒に暮らしてる宗次郎ってのが羨ましいぜ。

 

 

「今日は誘ってもらってありがとうございました。では」

 

 

あまり居ても会話もラブコメ展開も生まれないだろうと思って言ってそのまま前に突き進む。飯も美味かったし、メインディッシュのひふみ先輩の可愛らしい姿も見れたので満足満足。

 

 

「ま、まっ、待って!」

 

 

突然の呼び止めにピタッと足を止めて、少しだけ後ろを振り返る。そこには先程まで沈鬱な表情を浮かべていたのに顔を赤くして涙目になっているひふみ先輩がいた。

 

 

「きょ、今日、八幡を……ご飯に…誘ったのは…」

 

 

 

なぜ今頃、あの時の質問の答えを返そうとするのか。俺にはそれがわからない。でも、ひふみ先輩はどうしてもそれを伝えたいらしい。喉まで出かかってるであろうその言葉の続きを待つ。

 

 

 

 

 

 

「……誘ったのは……」

 

 

 

2分は経っただろうか。それだけ待ってもひふみ先輩の口はずっと同じ言葉を繰り返していた。そのまま行ってしまうのもあれかと思ったが今の俺に何か出来るとも……

 

 

『そういう時は愛してるでいいんだよ、お兄ちゃん』

 

 

不意に妹の言葉を思い出してしまった。いやいや、この状況で愛してるとか言えるかよ。ばっかじゃねぇーの、ばーかばーか!言えたら苦労しねぇっての。

 

 

……言えるわけがないだろう。なぜなら、俺はひふみ先輩を愛しているわけではない。愛されているわけでもない。それに俺のような男に急にそんなことを言われてもひふみ先輩は驚き最悪拒絶するだろう。そんな人だとは思わなかったと。

 

 

人間には他の動物と違い、感情を言葉にすることが出来る。言葉を持つからこその表情があり、感動があり、残酷さがある。

言葉の持つ力は偉大だ。例えば、今まで散々批判していたことを有名人が一言何か言えばそれに同意するように掌を返す人間がいることが顕著だ。

 

 

しかし、人には言葉以外にも気持ちを伝える方法はある。プレゼントやジェスチャー。それらを駆使して人は自分の想いを伝えるのだ。

 

 

「理由はどうあれ誘ってもらって嬉しかったですよ…」

 

 

だから、俺の精一杯をひふみ先輩に伝えた。気持ちを落ち着けさせるように頭に手を置く。すると、俯いていた顔が俺に向けられ目が合う。ひふみ先輩の表情の抜けた素の顔に自然に笑顔が零れた。

 

 

「では、また会社で」

 

 

頭から手を離すと自分の帰路へと歩き出す。点々と光る街灯の夜道を一人孤独に。独りでいると変なことを考えてしまう。

 

 

 

そう、もし、もしもだ。俺と共に隣を歩いてくれる人がいるとすれば、俺はその人に自分をさらけ出すことが出来るのかとか。そもそもそんな人が現れるのか。人生はわからないことだらけだ。だけど、わからないからこそ面白いのだと今に名を残す人物達は言う。その通りだ。

 

 

だから、ほんのちょっぴりだけ期待しよう。未来の俺が今よりも幸せであるように。この小さな幸せなひとときが大きな幸せになるようにと。

 

 

 

出会いの季節は終わり、旅立ちの季節へと向かっていく。それがどんな旅立ちなのかは俺にはわからない。だからこそ、希望もあるのだと。絶望しか未来でも一筋の光があれば進んでいける。人生そんなものだ。

 

 

海に風が朝に太陽が必要なのと同じように俺を必要としてくれる人が現れることを信じて、俺は進み続ける。止まることなくーー。






いかがだったでしょうか。最後のは僕の好きな曲の出だしから取ってます。たまたま聴いて『使える!!』となったのだ。曲名も八幡にあっている気がします。わかる人がいたら嬉しい。
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