女の子だらけの職場で俺が働くのはまちがっている 作:通りすがりの魔術師
あと適当に引いたのですり抜けでエリザベートとニトクリスが来ました。共に宝具レベルが4になりましたやったね。エミヤも絆レベルMAXになったし、タカキも頑張ってるし俺も頑張らないと!
あ、本編クソ長いと思うから気をつけてね。
レッツ!みんなでアゲアゲゲーム製作大作戦! 〜強敵葉月しずくを倒せ!~的な感じのタイトルではじめさん主導から遠山さんに手綱が渡った俺達キャラクター班もとい、鳴海も混じってるからもうよく分からないチームの作業は最終フェイズに移行していた。
中身はほとんど完成、細かい修正作業は開発が認められてからで今はとにかくゲームの良さを前面に出していこうと作戦が決まり、鳴海が躍起になっている間、俺とはじめさんは葉月さんにプレゼンを発表すべく会議室へと向かう。
扉を開けば上座に葉月さんはもちろん出資者代表の大和さんも馳せ参じていた。遠山さんは既に大和さんの向かい側の椅子に腰を下ろしており、俺達を一瞥すると小さく頷いた。それに呼応するようにはじめさんは顔を強ばらせながら息を呑む。
これから始まるのは前代未聞の大博打。企画が通らないなら作っちゃえばいいじゃない!という望月の提案から始まり一致団結して作り上げた『爆殺★ドッヂボール(命名 比企谷八幡)』を披露するのだ。プレゼンのスライドは鳴海とはじめさんが作り、原稿ははじめさんが作ったのを俺が改稿した。それに練習もしたから大丈夫だろう。多分。確証はない。
プロジェクターを背にはじめさんは瞼を閉じて大きく深呼吸する。見守るのは俺を含めた4人で、俺以外はこの企画を推し進めるか破棄するかを決める裁定者。緊張するのは当たり前だ。
しかし、それでも篠田はじめはただ前向きにやってきたことを、ここまで付き添ってくれた仲間達を、そして自分を信じるのみ。
......はじめさんのプレゼンの前にちょっとした余談を挟ませてもらうとしよう。星の内海、物見の台、ある1人の傍観者として聞かせよう。
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ちょうど1週間も前のこと。俺の改稿作業が終わりそれを遠山さんに見せてOKを貰い、やっとプレゼンの練習をすることになった。
「はぁ!?いつもの服装でプレゼンする気やの!?」
「へ?ダメ?」
そう声を荒らげたのはゆんさんでそれに自らのパーカーをまじまじと見るはじめさんが唇を尖らせる。その反応にゆんさんは「論外や」とジト目を向ける。
「正装とまでは言わないけどキチッとしてる感じの方が...ね?」
苦笑を浮かべて遠山さんが言うとゆんさんは鼻息を荒らげて立ち上がる。
「しかたあらへん。選んだる」
昼休み、ということで外出は許可されている。はじめさんはゆんさんに連れられて昼のオフィス街を抜けて春山か青山にでも行くのだろう。さて、その間に俺は原稿の印刷でもしますかと振り返ると遠山さんが笑って立っていた。
「比企谷くんも一応...ね?」
なんですかその笑顔怖い怖い。さっきの苦笑いは消え失せてとてもいい笑顔で財布を持つ遠山さんに有無も言う暇もなく引かれて俺も紳士服売り場へと駆り出される。
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「なんだか新鮮だけど恥ずかしいね」
「…そっすね」
昼休みが終わる頃には共に会社に戻り、それぞれのパートナーに見繕われた正装に着替える。はじめさんも俺も共に黒を基調としたスーツ姿でチョイスしたお2人は満足そうに微笑んでいる。
「ど、どうかな?」
試しにと頭を下げて胸を突き出すような姿勢となったはじめさんにゆんさんは笑顔を破顔させる。
「いかがわしいから論外や」
「着せといてなんだよ!!」
まぁ女の子しかいない会社だから別にいいんじゃないですかね。でも、小さくてお悩みの人にはかなり心にくるものがあるのかもしれない。男の子的にも見る場所に困るからやめて欲しいが自然に目が引き寄せられてしまうので、やはり乳トン先生は偉大だな!
「上着脱いでカッターシャツにしたらいいんじゃないんすか?」
「...うん、そうするよ」
理不尽なもの言われに肩を落としたはじめさんは脱衣所となっている会議室へと入つていく。その同情せざる得ない姿を見つめながらMAXコーヒーを口に流し込む。
「スーツだとそれもなんだか様になるわね」
「...そうっすか?」
隣で見ていた遠山さんがふふっと口元に手を当ててそう言うのを見て、居心地悪そうに俺は目を逸らす。
「はじめちゃんが戻ってきたら練習始めましょうか」
「うっす」
そう返事したものの、俺は何もしないわけだから必要ないのでは?と首を傾げたのはプレゼン当日の朝になるのだが、今は置いておくとしよう。
更衣室となって使えない第1会議室に変わり、普段はあまり使われないという第2会議室を使ってプレゼンの練習開始である。降ろされたスクリーンに画像を投影するプロジェクターが机に置かれた一室で何故かうみこさんが鎮座していた。
「服装も落ち着いたことだし、次はプレゼンの練習ね」
「よろしくお願いします!」
プレゼンの準備を始めるはじめさんを一瞥してから遠山さんはうみこさんの座る隣へと座る前に声をかける。
「うみこさんを大和さんだと思ってプレゼンしてみてね。うみこさん怖い顔でお願いしますね」
「なんで私が...」
大和さん役として呼ばれたことに不服そうにしつつも、仕方ないとため息をつくと腕を組んで睨みつけるようにはじめさんを見る。
「さっさと始めてください。私の時間を無駄にする気ですか?」
見る物が見れば怖気付くようなトゲトゲしたオーラを放つうみこさんだが、見慣れている俺とはじめさんは顔を見合わせる。
「な、なんかいつものうみこさんなのであんまり怖くないですね」
「むしろ、無理して怖く見せようとしてるところに可愛げ...」
俺が最後まで言葉を言い終えることはなく、うみこさんが普段携行しているモデルガンの銃口がこめかめに押し付けられる。
「早くしなさい」
さもなくば引き金を引くと、うみこさんの目と人差し指が物語っていた。怖くて顔が全く見れないが怒ってることは間違いない。だって、足も踏まれてるからね。
そうしてやっとの事で始まったプレゼンの練習だがいきなり良くないところを言ってマイナス印象を与えようとしたりするはじめさんに咎める遠山さん。それを直すべく推す方向性を間違えるはじめさんに何度も遠山さんからのストップが入る。おかしいな、原稿渡したのにあの人緊張しすぎて頭から飛んでるな。
「大丈夫でしょうか」
心配そうに呟くうみこさんの声はあーだこーだ言う2人には届かず、取り残された籠の中の鳥のようにただこの時間が終わるのを待つ俺の耳だけに残ったのだった。
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「いやぁ、なにかやってるなぁとは思っていたけどテスト版を作ってしまうとはねおどろいたよ」
プレゼンが終わり、葉月さんはそんな感想を述べるとはじめさんを席につかせる。その隣で大和さんは疑いの目を葉月さんへと向けた。
「白々しい。またしずくの差し金?」
「いやいや本当に知らなかったよ。誰もえこひいきしてないし」
たしかに葉月さんは誰もえこひいきしていない。試しに俺も企画を一つだけ持っていったが具体的な感想を言わずに抽象的な言葉で改善点を言うだけだった。それは企画班、はじめさんも同じだったらしい。良くいえば言葉通りだが、悪く言えば誰もよく見ていてその実、見てはいない。ということだろうか。
「バジェットは?」
「へ?バジェット...?」
突然繰り出された意識高そうな言葉にはじめさんはキョトンと汗を浮かべるが、遠山さんが言葉を引き取る。
「はい、バジェット...予算案も含めた計画書はこちらに用意してあります」
言って紙束を出すと俺に手渡してくる。ここで俺の役目を理解した。席から立ち上がり、大和さんと葉月さんに計画書を渡すと2人は目を通す。その間にはじめさんがカバーしてくれた遠山さんに小声で話しかける。
「すみません。助かりました」
「大丈夫だから今は前を向いて」
そこからは数分、もしかするとそれに満たない時間ペラペラと紙をめくる音のみが谺響する。先に読み終えて顔を上げたのは葉月さんで、葉月さんは俺に目を合わせると微笑んでまたプリントへと目を落とす。反対に大和さんが見終わり口を開いた。
「やりたいことは分かりました。計画案も妥当だと思います」
ここまで聞いた限りでは意外にも好印象な反応だ。しかし、この手の話の始め方には覚えがある。飴と鞭。褒めてから落とす。そう呼ばれる手段だ。
「ただ決定的なこととして今隣に座っているしずくが新作を作ればその利益率には到底叶わないということです」
葉月しずく半端ないってもぉー!アイツ半端ないって!ここまでしたはじめさんよりも良いもん作れるもん...。そんなん出来へんやん普通、そんなんできる?言っといてや、できるんやったら...。と嘆きたくなるような言葉が俺達の胸につき刺さる。
「しかも計画通り完成までこぎつけられるかも怪しい。リスクにおいてもリターンにおいてもこの2択は明らかに片方が劣っています。出資する側としてそれでもなお、しずくを差し置いて篠田さんを推す理由はなんでしょう?」
そう聞かれて声を上げる者はいない。はじめさんも遠山さんも苦虫を噛み潰したような顔で大和さんと目を合わせることが出来ない。ただ1人、俺だけが顔を上げていた。
「じゃあ聞きますけど、葉月さんがこれ以上のものを作れるなら企画班はいらないのでは?」
俺の発言に俯いていた2人は顔を上げ、大和さんは目を細め、葉月さんは「へぇ」と興味深そうに唸る。
「それは...いえ、しずくの企画を形にするには企画班が必要です。しずくの案にさらに良い案が加わる可能性があります」
「それは逆もまた有り得るんじゃないですか?」
大和さんの言い分を正当とするなら、はじめさんの案に葉月さんの意見を付け加えることも可能だ。喧嘩腰になる俺を宥めようと遠山さんが待ったをかけようとした時、ガチャりと葉月さんが試験機を持ち上げた。
「...とりあえずまぁ...さ。このテスト版を遊んでみようよクリスティーナ。まだやってないんだろう?」
「やったところで判断は...」
「ふーん、さては負けるのが悔しいのかな?」
消極的な大和さんに挑戦的な微笑みを浮かべた葉月さんに釣られたのか大和さんも体験機を手に取る。
「わかったわ1戦だけよ」
「そうこなくっちゃ」
そうして対戦を始めた2人を神妙な面持ちで見つめるはじめさん。先程のことを咎めるように遠山さんは俺を射るような目で見据える。怖くて直視出来ないくらいに。
しかし、もしもあそこで葉月さんが試験機で遊ぼうと大和さんに提案していなかったらどうなっていただろうか。俺はあのまま『やってもいない物をつまらないと断言する権利は出資者であろうとあるはずがない』と言うつもりだったのだが、結果的には大和さんはゲームをプレイをしている。
「うそ、必殺技がキャッチされた!?」
「一気にゲージが溜まったから私も必殺技が撃てるわね」
「ふふふ、クリスティーナにキャッチ出来たんだ。私だってキャッチできるさ」
「そう?ほら!!」
「あああ〜〜〜〜! 負けちゃった...」
「甘いわね」
画面が見えなかったから2人がどのような戦いを繰り広げたのかは言葉から理解出来た。それに画面を見なかったことで2人の表情はしっかりと観ることが出来た。試験機をプレイしている目は俺からは楽しげに映った。それははじめさんも同じだったらしい。
「......?なんですか?」
2人が楽しそうにプレイする姿を見て嬉しかったのかはじめさんは心配事が晴れたかのような表情で後頭部をかく。
「いや、これでつまらないと思われたらどうしようって少し不安だったのでせめて楽しんでもらえてよかったなって...。あ!弱気になってるわけじゃないですよ!でもせっかく、なる...鳴海さんが睡眠を削って形にしてくれて、飯島さん達に何十時間もテストプレイに付き合ってもらったので…」
慌てたために早口で言葉を走らせるはじめさんに対して、大和さんは冷静に穏やかな口調で首肯した。
「...そうですね。人の苦労の上にゲームができていることは私も分かっているつもりです。そしてその苦労が無駄にならないよう決断するのが私の仕事です」
大和さんは俺を見ると少し目を逸らしてから再び口を開いた。
「先ほどのあなたの言う通り、篠田さんの企画にしずくの意見を付け加えれば良くなる可能性はあります。しかし、それは結果としてしずくの企画に変わってしまう場合の方が大きいです」
それは涼風の提案した着ぐるみを八神さんが描いたことにするという過去の事例からよく分かっている。いや、そんなことは俺はとうの昔から理解している。
学生生活を彩る文化祭は貧乏くじを引いた人間達の活躍の元に成り立っていることは身に染みるほど痛感した。体育祭も学年種目を決めたりもしもの場合のアフターケアのことまで頭を回さねばならないということを知覚させられた。
しかし、それらの体験もたった一人の主役の前では霞んでしまう。俺はいつだって影の役者、いやワルモノになるしかないのだ。
だから今もそうなろうとしている。誰のために?そんなものは自分のために決まっている。はじめさんや俺やここまで尽力してくれたあいつらの努力や時間が葉月しずくという人物1人に劣る?今までやってきたことがたった一人に?それだけの天才ならとっとと企画を練ればいい。企画書を書けばいい。そして俺達に業務命令を出せばいい。
なのにそうしないのは何故か。
葉月しずくも結局は凡人なのだ。多大なる信頼を寄せる大和さんのそれは言ってしまえば大いなる過信とも言える。万能の人でもない限り、様々なサブカルチャーが発展している業界でヒット作を何本も飛ばすことは不可能に近い。もしそれを可能にするのが葉月さんなら、仮に葉月さんがいなくなったらこのイーグルジャンプはどうなるのか。
俺はここで1つの結論を出した。大和さんの言う通り、葉月しずくが天才ならば何故PECOを出してから今まで企画を出さなかったのか。
「葉月さんは自分の後釜になれる人を見つけたかった。ですよね?」
大和さんの言い分をぶった斬って葉月さんへと言葉の矢を向ける。放たれた矢が向かった先にいる葉月さんは一瞬不意を突かれたような表情になるもすぐに不敵に笑ってみせた。
「さぁ、どうかな?」
一切取り乱す様子のない葉月さんに対して、先ほどまで自信満々、慢心せずして何が出資者か!みたいなオーラを出していた大和さんは「え?そうなの?しずく?ねぇ?そうなの?」と葉月さんに詰め寄るが全く相手にしてもらっていない。立場的には出資者だから大和さんの方が上のはずなんだけどなぁ...。
とりあえず俺の仕事はここまで。ラスボスの目的を看破した後は裏ボスの説得のみ。しかも予想以上にダメージを受けているので落とすのは容易いだろう。
そしてここから水先案内人を務めるのはやはり我らがボス、遠山りん以外に他ならない。
「部下が失礼なことをたくさん申してすみませんでした」
あれ?
てっきり、かっこよく啖呵を切ってくれると思っていた遠山さんに頭を押されて無理やり謝らされる形になっていて俺は困惑する。俺のおデコと机がキスする中、遠山さんは「でも」と言葉を紡ぐ。
「フェアリーズ1で八神がキャラデザに抜擢された頃はいろいろと問題も起こりました...それは八神にも問題はありましたが、それでも実力主義を通すことがいかに大変なことかは身をもって感じているつもりです。
だからこそ、今のチームはとても成熟していると分かるんです。少なくとも、制作リスクの心配は小さく完成までたどり着けると私は確信しています。大和さんだって本当はわかっていると思います。
そしてそんなチームを私達が信じてこそ新しいゲームが出来るのだと思います。目先の利益ではなく、人を信じてもらえませんか?」
遠山さんの心からの熱弁が終わり、ついに頭から手が離れたと思うと首の根っこを掴まれ無理やり立ち上がらされる。それを見て隣で引き気味に口元を引き吊らせたはじめさんも
立ち上がる。
「芳文堂様からの御出資の程よろしくお願い致します」
3人で頭を下げると、しばしの静寂が流れる。いい加減頭をあげてもいいと思うのだが、遠山さんの力が弱まらずに顔を上げることが出来ない。
「...私はそこまで人を信じることは出来ません。裏切られるのが怖いので」
唐突に聞かされた大和さんからの独自はどこか寂しげにかつて誰かに裏切られたことがあると物語っているような口調だった。
「...それでもこれまでイーグルジャンプを支えてきた遠山さんがそう言うのなら...感情論で企画を通す気はありませんが、確かに今のチームの新しい風を信じる価値はあると思います」
けれどもそこから先は一変して明るく芯の通った声で背中を押すように言葉を繋いでいく。それによって遠山さんの力が緩んだために俺は僅かに顔を上げた。そこにいたのは裏ボスではなくある1つの可能性を見つけた清々しい表情をした女性だった。
「分かりました。弊社からも出資させてください。こちらこそお願いします」
「ありがとうございます!!」
感激のあまり大きな声で感謝の意を述べたはじめさんだったが、大和さんの「ただし!」という声に「へ」と困惑した声と共に顔が固まる。
「やはり懸念材料がたくさん...特にそこの方。ので、しずくがスーパーバイザーとして常にチームを助けることが条件です。いい?」
「分かってるよ」
まさかとは思うけどそこの方って俺のこと?いきなり懸念材料扱いされたんですけど不服なんだけど、遠山さんが怖いので何も反論しません。
「それでは正直まだまだ頼りないですが...篠田はじめさん。ディレクターとして頑張ってください」
「はい!!」
感極まって涙を溜めるはじめさんだったがなんとか我慢して今日1番の元気な声を出すと嬉し涙と共に白く綺麗な歯のとびっきりの笑顔を見せた。
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会議室を出て大きくため息を吐いた3人で向かい合うと真っ先に出たのははじめさんへのお疲れ様の一言だった。
「まあこれからが忙しいんですけどね」
「そうね。とりあえず今日は休んで明日から計画を実行して行きましょう」
あははと和気あいあいとした和やかな空気から一変して俺を見た途端に般若もビックリな形相を浮かべる遠山さんに思わず後ずさりしそうになるも逃げられないと悟り、俺は遠山さんからのお説教を素直に聞くことにした。
「全く君は...結果的にはまとまったけど、もしかするとこの話が無くなってたかもしれないのよ?」
「いやまぁ、そこは終わりよければすべてよしってことで」
「そうだけど、ちゃんと身の程は弁えて。大和さんが寛容だったからよかったけど、怖い人だったら最初の一言の時点でプロジェクターを投げつけられてたわよ」
そんなおっかない人この業界にいるのかよ。怖すぎるだろ。それ絶対出資者じゃなくてヤクザとかヤベー奴だから頼まない方がいいと思います。
「身の程弁えろって言われても...てか、なんで俺も呼ばれたんですか?明らかに必要なかったでしょ」
プレゼンをするならまだしも俺今回大和さんの不機嫌を買って、推論したけど葉月さんに言葉濁されたおじゃま虫だったからね。完全にいらないよね。
「仕方ないじゃない。葉月さんが呼べって言ったんだから」
「あの人の仕業かよ...」
葉月さんならやりかねないと腑に落ちてしまって思わず遠山さんの前で愚痴をこぼすように言ってしまうが遠山さんは咎めることなくため息を吐いた。
「とにかく、今回は見逃してもらえるだろうけど、次からは気をつけてね。コウちゃんが帰ってくる前にあなたにいなくなられたら困るし...」
「どうでした!?」
遠山さんの最後の方の言葉は俺達の姿を見た涼風によってかき消され、何も答えていないというのにはじめさんと遠山さんの表情から察した面々の中から見知らぬ顔が1歩前に出る。
「おめでとう。悔しいけどもっともっと面白いゲームにしよう」
「うん、皆ありがとう。これからよろしく...!」
うんうん、イイハナシダナー。
でもこれからもっと忙しくなると考えると全然いい話じゃねぇな。で、マジで知らないのが3人くらいいるけど誰?聞こうにもそんな空気ではなく、俺は隅っこの方で団欒するはじめさん達を傍観していると背後から肩をちょんちょんとつつかれる。振り向けば暖房のきいた部屋ではその服暑いだろうという格好をした桜がいた。そう言えば随分見てなかったな。
「おっひさー。何か楽しげだけど何かあったの?」
「ん?あぁ、実は...」
確か、大学の卒業のための単位を取ってたのか卒業試験があったのだか知らないが、状況に馴染めない俺と違い何一つ知らない桜に今日までの激動の出来事を余すことなく語っているうちに桜の頬は膨張していく。
「いいんです。どうせねねっちは単位取るのに必死だったので手伝えませんでしたし...」
話を終えると拗ねた桜が俺の椅子の上でぶーぶーと文句を口にし、それを涼風が宥めるという形になり先程までの大団円の雰囲気は桜の来襲と共に去ってしまった。まぁ、こちらの方がいつもの涼風達らしくて見てて微笑ましいか。
締めていたネクタイを緩めて壁に背を預けて紅く燃ゆる太陽に染められた空を見ながら彼女達の日常の音を聞いていた。
結構書いたと思ったけど8474文字でした。
1万行ってると思ったんだけどなー
さて、次で最終回...とは味気ないのでオリジナル話て最後にしたいと思います。
詳しくは活動報告にて。
最終回だからといって、この俺が消え去るわけではない。夢がひとつあればいいのだ。その夢を持って希望せよ。足を止めるな。その先に俺はいるぞ!