問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ?   作:ほにゃー

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第4話 “創造主達の決闘”だそうですよ?

“サウザンドアイズ”の店を出ると熱い風が頬を撫でた。

店を出た先は北側一帯が見渡せるような高台だった。

赤壁の境界壁、鉱石で彫像されたモニュメント、ゴシック調の尖塔群のアーチ、巨大な凱旋門、色彩鮮やかなカットグラスで飾られた歩廊。

見れば見るほど東側とは造りも文化も違う街並みだ。

飛鳥は美しい街並みに瞳を輝かせている。

確か、飛鳥は戦後間もない時代から来たんだっけ。

なら、これから見るもの聞くものが新鮮だろうな。

「今すぐ降りましょう! あの歩廊に行ってみたいわ!」

「そうだの。まぁ、続きは夜に話そう。それまで、遊んでくるとよい。」

白夜叉からの許可がおり飛鳥は今にも飛び出しそうだった。

すると空からなにかが降って来た。

「見ィつけた―――――のですよおおおおおおおおおお!」

ドップラー効果の聞いた絶叫と爆撃のような着地で現れたのは俺達の仲間黒ウサ――――

「ふ、ふふ、フフフフ、ようぉぉぉやく見つけたのですよ、問題児様方!」

ギ・・・・・だよな?

髪の色が桜色になり、怒りオーラ全開の黒ウサギだ。

あれが、帝釈天の眷属かよ?

どうみても閻魔か死神の遣いに見えるぜ。

「逃げるぞッ!」

「え、ちょっと、」

十六夜はすぐさま飛鳥を抱きかかえて高台から飛び降りる。

俺も翼を出し、それに飛び上がり、耀も旋風のギフトで空に逃げようとするが一足遅く、黒ウサギによりブーツを掴まれた。

「耀さん、捕まえたのですよ!後デタップリ御説教タイムナノデスヨ。御覚悟シテクダサイネ♪」

「りょ、了解」

黒ウサギのいつにない迫力に耀は怯えながら頷く。

「余所見とは余裕だな」

後ろから声が聞えたので振り向くとそこにはレティシアがいた。

「な、ど、どうして!?“境界門”を開くほどの蓄えは無いはず!?」

「私のポケットマネーから金貨を出して“境界門”を開いた。お陰で財布が空っぽだ。

さて、今はメイドとしてではなく、貴様の従姉としてお仕置きだ」

良く見るとレティシアの口元から血が出てる。

「もしかして、血、吸った?」

「あぁ、ジンからな」

「え?」

下を見るとジンが青ざめた顔をして仰向けに倒れていた。

「ジ――――――――ン!?」

「だから余所見をして大丈夫か?」

気が付くとレティシアはもう目の前にいた。

「はぁ!」

どこから出したのか、ハリセンを掴みそれで俺の頭を思いっきり叩く。

血を飲んで力が強くなった純血の吸血鬼がフルパワーで殴ったらどうなる?

当然、

「のはぁ!?」

めちゃくちゃ痛いです。

強烈な痛みを頭に抱えながら地面に落ちていく。

「あ、頭割れる・・・・」

俺が半吸血鬼だからいいものもし、耀や飛鳥なら全治五か月にはなるぞ。

十六夜は・・・・・・ケロッとしそうだな。

「さて、それっじゃ、私は黒ウサギと共に飛鳥と主殿を捕まえに行くとする。白夜叉、耀と出来の悪い従弟を頼む」

「うむ」

そう言ってレティシアは再び空に飛びあがり黒ウサギを探しに行った。

「まぁ、なんじゃ、大丈夫か?」

「大丈夫?」

「あまり大丈夫じゃない」

ゆっくりと立ち上がるがまた頭がくらくらする。

耀に手伝ってもらいながら“サウザンドアイズ”に戻った。

「さて、取りあえず何故、黒ウサギがあそこまで怒っているのか理由を聞かせて貰おうかの?」

「・・・・実は」

 

 

 

「なるほどのう。おんしららしいがコミュニティの脱退とは穏やかではないの。ちょいと悪質ではないかのう?」

「まぁ、今思えば冗談にしては笑えないな」

「私も少しそう思ったけど説明してくれれば私達だってこんな強硬手段に出たりしなかった」

「普段の行いが裏目に出たとは思わんのか?」

「それはそうだけど、それも含めて信頼の無い証拠。少し焦ればいい」

拗ねたように耀は言い、お茶と一緒に出された和菓子を食べる。

「そう言えば、大きなギフトゲームがあるらしいが本当か?」

「本当だとも。特に耀、おんしに出場して欲しいゲームがある」

着物の裾からチラシを取り出し耀に渡す。

『ギフトゲーム名:“創造主達の決闘”

・参加資格、及び概要

 ・参加者は創作系のギフトを所持

 ・サポートとして、1名までの同伴を許可

 ・決闘内容はその都度変化

 ・ギフト保持者は

創作系のギフト以外の使用を一部禁ずる

 

・授与される恩恵

 ・“階層支配者”の火龍にプレイヤーが希望する恩恵を進言できる

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、両コミュニティはギフトゲームを開催します。

                            “サウザンドアイズ”印

“サラマンドラ”印』

創作系ギフトか。

耀の“生命の目録(ゲノムツリー)”は確か父親が創ったものだから創作系に分類されるのか。

確かにあのギフトならこの程度のゲームなら勝ち抜くことはできるだろう。

「ね、白夜叉」

「なにかな?」

「この恩恵で・・・・・・黒ウサギと仲直りできるかな?」

その言葉に白夜叉は驚いたような顔をした。

確かに俺達は問題児だ。

でも、“ノーネーム”が嫌いな訳じゃない。

むしろ、好きだ。

だからこそ、黒ウサギと仲直りがしたい。

基本的耀も、飛鳥も、十六夜も・・・・・・十六夜も・・・・・・根は良い奴だよな?

「出来るとも。おんしにそのつもりがあるのならの」

優しく温かい笑みで白夜叉は言う。

「そっか。それなら、出場してみる。」

耀は頷いて立ち上がる。

折角だし、見にいくか。

 

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