問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ?   作:ほにゃー

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エピローグ

ゲーム開始から十時間後、勝負は俺達の勝ちで終わった。

残念なことに“サラマンドラ”から五名の死亡者がでてしまった。

ラッテンとヴェーザーがやられたことによりペストが時間稼ぎを止め、触れだけで死ぬ死の風を撒き散らし、他の参加者を守るため命を落とした。

その後、十六夜、飛鳥、サンドラ、黒ウサギ、ペストは黒ウサギの持つ月神の神格を持つギフトを使い、月面の“月界神殿”に連れて行ったそうだ。

そこで、飛鳥が黒ウサギから渡された“叙事詩・マハーバーラタの紙片”というギフトでインドラの槍を出し、ペストを打ち抜き勝ったとのことだ。

ゲーム終了後、白夜叉も封印から解放され、祝勝会を兼ねた誕生祭の続きを行うと言ってた。

そして、現在はその祝勝会の真っ最中なのだが………………

「はい、あ~ん」

俺は耀により部屋で看病(監禁?)されていた。

「耀、飯ぐらい一人で食えるから」

「その手で食べれるの?」

「………………」

ヴェーザーが放った最後の一撃は予想以上に強く俺の右手の骨は折れ、左手はヴェーザーの膨大な熱量を含む一撃で大火傷。

「無理だがら私が食べさせる」

「せめて、他の奴にしてくれ」

「十六夜と私、どっちがいい?」

「………………耀で」

「よろしい」

ちなみに、新しいギフトに関してはもう十六夜達に話している。

話し終わると飛鳥はなんか嬉しそうにしていたが、どうしたんだ?

後、飛鳥に懐いていた精霊はメルンという名前が付けられ“ノーネーム”の一員になった。

「修也、次は体拭くから服を脱いで」

「それこそ、十六夜かジンに頼めよ!」

「修也の看病は私が全て引き受けることになってる。だがら、脱いで」

「やめてくれ!」

耀は俺の服に手を掛け脱がそうとして来る。

対する俺は脱がされてはたまらないので抵抗するが右手骨折、左手大火傷のため碌に抵抗できず、徐々に服をはぎ取られていく。

そして、残るは下だけになった。

「それじゃあ、下も」

「そこは本気でやめろ!」

「入るぜ」

「修也君、体はどう?」

「体調の方はどうですか?」

「怪我の具合はよろしいでしょうか?」

扉をノックされ入って来たのは“ノーネーム”のメンツだった。

上から、十六夜、飛鳥、ジン、黒ウサギの順番だ。

今の俺は上半身裸、耀は俺のズボンに手を掛けている。

あぁ、終わった。

「すすすすす、すみません!」

「そういう関係とは思って無くて、その、ごめんなさい!」

「黒ウサギは何も見ておりませんよ!」

ジン、飛鳥、黒ウサギは早急に部屋を出ていき十六夜はまだ残ってる。

「修也」

「………なんだ?」

「避妊はしろよ」

「お前絶対分かって言ってるよな!」

涙が出た。

割と本気で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「以上でこれが今回のゲームの真相だ」

あの後、耀には部屋を出てもらい十六夜と二人だけになった。

そして、今回の一件がサンドラを除く“サラマンドラ”全員によるやらせだったことを教えてくれた。

たしかに、“ノーネーム”名義でハーメルンの笛吹きにまつわるステンドグラスが一〇〇枚以上あったら不審に思う。

それなのにあったということは意図的に見落としたということだろう。

「それで、その話を聞いて十六夜はどう思うんだよ?」

「別にどうもしねーよ。死んだ連中が承諾済みだってんならとやかく言うつもりはねーし、結局損したのは“サラマンドラ”で俺達“ノーネーム”は得したんだ。わざわざ水を差す必要もない」

なんというか、十六夜らしいな。

「修也はどうなんだよ?」

「外は祝勝会でお祭り騒ぎだ。ここで空気を壊す必要はないだろ?」

「だな」

ヤハハと十六夜は笑い席を立つ。

「そんじゃ、俺はあいつらの所にでも戻って誤解を解いてきてやるよ」

「なんか、悪い」

「気にすんなよ」

手を軽く上げ十六夜は部屋を出ていこうとすると耀が入ってくる。

「話終わった?」

「おう、終わったぜ」

「そっか、それじゃあ……体拭き。始めよっか」

 

覚 え て や が っ た

 

忘れてくれることを願ってたのにきっちり覚えていやがった。

最悪だ。

「はい、修也。脱がすよ」

「十六夜―!助けてくれってもういねーし!」

「それじゃあ、始めるよ」

「いやあー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、一週間語。

俺達はコミュニティに帰ってくるなり早速農園跡地に向かった。

メルンの力で農園を元に戻せるかもしれないということで子供たちも期待している。

「むり!」

農園を見るなりメルンは首をブンブン振りながら言う。

「………無理?」

「むり!」

即答だ。

メルンは地精だがら、ここまではっきり言われると本当に回復の余地はないんだろうな。

「ごめんなさい。期待させるようなこと言って」

「き、気にしないでください。また機会がありますよ」

「そうだよ、飛鳥。また次のギフトゲームで勝てばいい」

しょんぼりと落ち込む飛鳥を、耀と黒ウサギが励ましている。

そんな中、十六夜は冷静に農園の土に触っていた。

「おい、極チビ」

「ごくちび?」

「そ。“極めて小さいメルン”略して極チビ。それより、もしも、土壌や肥しになるものがあったら、それを分解して土地を復活させることは出来るか?」

十六夜の意見にメルンは考えるような仕草をする。

そして

「できる!」

「ホント!?」

「かも!」

できるかもかよ!

まぁ、可能性があるだげマシか………

飛鳥は苦笑しながら、ディーン(手に入れることができたそうだ)を召喚する。

「ディーン!すぐに取り掛かるわよ!年長組も手伝いなさい!」

「「「「分かりました!」」」」

「DeN」

ディーンと年長組ははりきって農園復活の仕事を始めた。

俺も手伝うか。

ちなみに右手の骨はもうくっ付いた。

左手の火傷も完治した。

吸血鬼の回復力でやっぱすごいな。

「修也」

隣にいた耀が話しかけてきた。

「どうした?」

「あのね、私、強くなる」

「?そうか」

「だからね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度は一緒に戦わせてね?」

 

決意のある瞳がそこにあった。

たくっ、女ってのは強く成長するもんだな…………

「ああ、分かった」

「うん。じゃ、行こ」

俺の手を掴み、年長組達が作業する農園に向かって走り出した。

子供みたいにはしゃぐその姿に俺は思わず笑みが出た

 

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