PERSONA3:Reincarnation―輪廻転生―   作:かぜのこ

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■Priestess:II「デッドライン・ラン」

 

 

 

 4/21・火

 タルタロス 「世俗の庭テベル」

 

「順平、“アギ”よろしく!」

「オウ! 行くぜ、《ヘルメス》ッ!!」

 

 順平の召喚(コール)に合わせて現出した翼持つペルソナ――“魔術師”《ヘルメス》が、その代名詞とも言える一対の翼を広げる。

 ドンッ、と重たい破裂音を仄暗い通路に響かせ、火炎魔法(アギ)が臆病のマーヤに炸裂した。

 弱点攻撃をモロに受けたシャドウは無様に転倒し、耳障りな断末魔を残して影時間に溶けていく。

 

「よっしゃ!」

「バッチリ完勝!」

『シャドウの全滅を確認。なかなか様になってきたじゃないか、お前たち』

 

 ナビゲートを勤める美鶴の凛とした声が一同の耳朶を打つ。戦闘終了の合図で、弓矢を携えていたゆかりも構えを解いた。

 

 現在奏たち三人は、澪の課した課題である「独力による一四階の到達」を達成すべく、タルタロスの迷宮に挑んでいた。

 ちなみに澪は「勘が鈍る」などとのたまい、単独で上層階を蹂躙して回っている。二組分のナビをしなくてはならないのはかなりの負担らしく、寮のラウンジでは時おり不満を漏らす美鶴の姿が目撃されている。

 

「順調順調。いやぁ、俺たち最強?ってカンジだよなー」

 

 などと調子の良いことを言いながら、順平は奏たちの側に戻ってくる。

 ふと奏は、彼の左腕の袖に血が滲んでいるのを発見した。

 

「ジュンペー、またケガしてるよ?」

「おろ? ホントだ、さっきカスッたときにできたんかな」

「ったく、毎度毎度考えなしに突っ込むからよ? いま治して――」

「ゆかり、今度はあたしがやるよ。《ピクシー》、お願い」

 

 言いながら、白魚のような指先が太もものホルスターから召喚器を引き抜く。すっかりなれた疑似自殺により、奏が現在宿している“恋愛”のアルカナ――《ピクシー》が召喚される。

 およそ体長三〇センチほどの愛らしい妖精が、順平の周囲をくるりと周回する。彼女の落としたキラキラとした燐光が、治療魔法(ディア)となって傷を癒していく。

 

「おお、サンキューな、奏っち。……しっかし、ペルソナ変えられんのってちょっとズッこくね?」

「うーん、“愚者”のアルカナは()()だから、いろいろなアルカナを宿せる――って如月くんは言ってたけど……」

 

 不安げに言葉尻を濁した奏は、初めてタルタロスに入った日のことを思い返す。

 

 初日の探索(レクリエーション)を終え、エントランスを訪れた奏は、皆が帰り支度する中、気になっていたあの不思議な青い扉に手をかけた。

 そして再会する謎の老人、イゴール。そこで奏は自身の“力”について少しだけ知る機会を得た。

 以来、その青い扉の先――“ベルベットルーム”には戦力(ペルソナ)強化のために足繁く通っている。なお、青い扉はタルタロスのエントランス以外にも、月光館学園ほど近くにある商業施設“ポロニアンモール”の路地裏にも設置されていた。

 ベルベットルームで解説されたことについてな、他の皆に言っても信じてもらえないだろうし、何よりイゴールのそれは抽象的で奏にはいささか難解に過ぎたので黙っている。どうやら澪と美鶴はある程度把握しているようだし。

 

「ふーん」明確な説明を求めていたわけではないのだろう、順平は曖昧な相槌を打って愛刀を肩に担ぐ。

 と、彼は奏とゆかりに交互に目をやり、何やらニヤニヤとし始める。

 それを見ていたゆかりは、「コイツ、またバカなこと考えてるな……」とつぶやいて眉間にしわを寄せた。

 

「なんつーか、今の俺っちってまさに両手に花ってカンジ?」

「バカ言ってんじゃないの」

「あうち」

 

 すぱーん、とゆかりのよう容赦ないツッコミが炸裂した。

「いつつ……」そこそこいい一撃だったらしく、ギャグっぽく頭を抱えて唸っていた順平。「大丈夫?」と奏に心配されてすぐさま立ち直るあたり、いかにもという感じだが。

 立ち直った順平は、模造刀を無造作に肩に担ぎ、気を取り直したように発言する。

 

「ま、タルタル探索続けよーぜっ。いつまでも半人前扱いじゃシマんねーしな!」

「ま、そうかもね」

「うん。たまには順平もいーこというねー」

「ちょ、タマにって……そんなにレアもの?」

「「うん」」

「ヒデェ、即答っ!?」

 

 ピシャリと言い切られ、順平が撃沈する。

 そんなこんなで、デコボコ三人組は不気味な迷宮の探索を続けるのだった。

 

 

 

 

 4/24・金

 月光館学園高等部 廊下

 

 放課後、奏は一人ぶらぶらと校内を歩いていた。

 

「部活かぁ……あたしもなんかやろうかな」

 

 一人語ちる奏。若干の寂しさと、それを上回る好奇心が口をついてでた。

 これまでは親戚の家に厄介になっていた手前、そういった集まりには参加できないでいた。だが今は寮住まいともなれば、時間と空間をそれなりに自由に使うことができる。

 両親を失って以来の初めての自由、独り立ち――不安ではあるが、同時に面倒な(しがらみ)から解放された気持ちにもなる。

 部活はもとよりバイトもしたいし、旅行とかにも行ってみたい。やりたいことは山ほどあった。

 

「ん? なになに……?」

 

 ふと目に留まった壁の張り紙には“運動部見学者募集中!”と手書きで記されていた。参加要項を読む限り、女子はバレー部、テニス部に参加できるらしい。

 それはまさしく今の奏の気分にお誂え向きの内容で。

 

「よーし、ちょっくら行ってみるとしますかっ」

 

 奏は善は急げとばかりに(きびす)を返し、軽やかな足取りで目的地に邁進した。

 

 偶然選んだテニス部で、とあるポニーテールの女の子と意気投合した奏は早々に部活を決定、翌日から参加するようになったのは余談である。

 

 

 

 

 4/27・月

 月光館学園高等部 2‐E

 

 教室には、少年少女の喧騒で満ちている。

 授業の合間の休み時間、奏はゆかりと談笑中。ちなみに順平の姿はない。

 なんでも次の授業の教科書を忘れたとかで、他所のクラスに出張中だ。どこか粗忽な彼らしいお約束的なアクシデントである。

 

「やっぱ桐条先輩になったねー、生徒会長。……あたしも先輩に入れたけどさ」

 

 背もたれにしなだれかかるゆかりを前に、奏は切り出す。

 今回のおしゃべりの主題は、今朝の全校集会にて決定した今期の生徒会会長について。

 当然といえば当然のごとく、“月高の女帝”こと桐条美鶴が全会一致――対抗馬すら現れなかった――で当選した。

 

 クラスメート(順平含む)曰く――

 お高く留まっているようで、気さくに挨拶してくるし結構親しみやすい。

 たまに駅前のワックでフライドポテトを食べてる。

 時々見せる天然なところがイイ!

 ――などなど。

 あれでそれなりに月高生徒から慕われていたりする。

 

 そんな彼女の高校生らしからぬ完璧すぎる初心表明演説には、全校生徒のみならず先生方も面食らっていた。

 もちろん奏も同様にぽかんとしたが、そんな微妙な空気の中で同じく副会長としての演説を何食わぬ顔で完遂し切って見せた如月澪には、もはや呆れを通り越して感心してしまったのはきっと奏だけではないはずだ。

 もう卒業してしまった去年の生徒会長は、こんな扱いにくい役員ばかりでさぞややりにくかったことだろう。

 

「ま、収まるところに収まった、ってカンジ?」

「だねー。如月くんも副会長になったし」

「……」

 

 澪の話題が出ると途端に不機嫌になるゆかり。奏は、ほとんど毎日の恒例となった光景を前に呆れ顔を浮かべた。

 

「……ゆかりってさぁ、基本如月くんに敵対心ムキ出しだよね」

「べ、別に! そういうワケじゃ……」

 

 言葉とは裏腹に、ゆかりの態度は歯切れが悪い。彼女と出会ったその日からこの調子なのだから、わからない方が無理というものだ。

 しかし、臨時リーダーとしては直属の上司的な相手との不仲はあまりよろしくない。とりあえず、おちょくる方向に話題の舵を取って探りを入れてみる。

 

「んふふー、もしかしてもしかして。ゆかりってば、如月くんのこと好きだったり?」

「んなっ!? じょ、冗談言わないでよっ、誰があんな陰険なヤツ!」

 

 途端にムキになり、挙動が不信になるゆかり。図星か。

 普段の話題の端々から伝わってくるゆかりの面食いっぷりを鑑みれば、納得のいく話である。奏のタイプ――強いていえば包容力のある、年上の男性が好みだ――ではないが、確かに彼は目鼻立ちもよく体型もスマートで何より所作が洗練されている。背が低いのはマイナスポイントだが、水泳部のエースであることも手伝ってクラスにもファン的な女子が多いようだ。

 そういう不躾で胡乱げな視線を感じ取ったのか、ゆかりがやおら気炎をあげて言い返す。

 

「か、奏こそっ、アイツと仲いいみたいじゃん! 毎日なんかお喋りしててるしさっ!」

「うーん、実際アリかも?」

「うぇえっ!?」

 

 あっけらかんと肯定してみせると、ゆかりは何やら動揺した。

 内心でうまく釣れたとニヤニヤしつつ、奏は真意の一端を明かした。

 

「いやー、あたし恋愛ってまだよくわかんないけどさぁ。如月くんはすっごく頼りになるなー、とは思ってるよ?」

 

 順平とは大違い、と言葉を結ぶ。順平本人がこの場にいたならば、泣き崩れ落ちること請け合いだ。

 ゆかりもその点については同意見なのか、特に反論をすることもなく「ま、まぁ、たしかに頼りにはなるけどさぁ……」と言葉を詰まらせている。大変不本意そうではあったが。

 事実、彼は頼りになるのだ。

 同じ寮で共同生活をする上では、嫌でも顔を突き合わせることになる。特に、炊事に関して奏は率先して参加している――料理は嫌いではない。むしろ好きだ――ことから、現在厨房の“主”を代理している澪とはよく会話する。ちなみに、本来の“主”とは、入院中の先輩のことらしい。

 また、奏は暫定リーダーを任されている立場上、副部長にして本来の現場リーダーに相談を持ちかける機会も多い。彼のアドバイスは相変わらず簡潔かつ的確であり、押し付けられた仮の役職とはいえずいぶんと助けられている。

 そうして日々細々とした会話を交わした奏の印象では、無気力・無感動・無関心に見える彼だが実のところかなり真面目でマメな人物である。タルタロスを登るあたりに渡された資料には、交戦したシャドウの詳細なデータや各階層の様子が事細かに記されており、感心したものだ。

 

「まあなんにしてもさ、ゆかりって結構カンジ悪いよ? 命がけで戦う仲間とは、仲良くしてた方がいいんじゃないかなぁとワタクシは思う次第です」

「……わかってるってば、そんなこと……」

 

 冗談めかした忠告にむっつりと言い返し、ゆかりは口を尖らせる。

 その仕草の子どもっぽさに、奏は思わず苦笑してしまいそうになる。が、そんなことをしたらゆかりの怒りを買うのは目に見えていたので、すんでのところで我慢した。

 

「ふーん。わかってくれてるなら、いいんだけどね」

 

 やや含みを残しつつ、奏は会話を打ち切る。

 ゆかりがこうまで頑なな理由は理解ができないが、せっかく作れた友達を詰まらないことで失いたくなかったのだ。

 

 

 

 

 

 5/ 1・金

 辰巳ポートアイランド とある病院

 

 奏は、ゆかり、順平とともに検査入院することになった真田の見舞いに、桐条参加の病院を訪れていた。

 

 真田の怪我は順調に快方に向かっており、五月の半ばにはまず間違いなく復帰できるとのこと。

 成り行きで現場リーダーを任されてしまった奏としては、あわよくば真田にその役目を押しつけたかったが、選ばれた理由を考えればそれは難しそうだった。

 

 

「ここだ、有里、順平。お前たちに会わせたい奴がいる」

 

 と、言う真田に連れられて、彼のとは違う別の病室にやってきた。

 なお、流れでついてきたゆかりは、その“会わせたい奴”に心当たりがあるそうだ。

 

「入るぞ、シンジ」

 

 おう。と言う短い返答にかぶせるように、真田はドアを開いた。

 

「おいアキ、テメェ今返事確認しねェで開けやがったな?」

「ん、そうだったか? 相変わらず細かいな、シンジ。ハゲるぞ?」

「ハゲねぇよ! 仮にハゲたとしたらテメェのせいだよ!」

 

 真田の不躾な仕草を、この部屋の住人であろういささか目つきの悪い青年が咎める。ずいぶんと仲が良さそうだ、と奏はぼんやり思った。

「ま、まあまあ」とゆかりがヒートアップする両者を取りなした。

 

「こんにちは、荒垣先輩。お加減はいかがですか?」

「おう、岳羽か。まァ、ボチボチってとこだな」

 

 ゆかりに、ぶっきらぼうな返答を返す青年。頭に巻いた包帯が痛々しい。

 彼は、ゆかりとの会話を切ると、奏と順平に視線を向けた。

 

「で、そこの二人は例の“新入り”ってヤツか?」

「あ、はい」

 

 彼は、奏と順平に視線を向ける。鋭い視線に二人は思わず身構えた。

 

「月高三年、荒垣真次郎だ。お前らの好きに呼べ」

「コイツ、シンジも俺たち特別課外活動部の一員なんだ」

「まあ、この前のデカブツ相手に不覚を取っちまってな、見ての通りこんなザマだ」

 

 青年、荒垣はニヒルな自嘲を浮かべる。そして改めて、奏たちに目をやった。

 プレッシャーを意識から追いやりつつ、奏は普通に無難に自己紹介をしようと努める。

 

「はじめまして、有里奏です」

「伊織順平っす! よろしくお願いしまっす!」

 

 横の順平も威圧感を感じたのは同じようで、自己紹介のセリフが上擦っていた。

 そんな二人の態度に、荒垣は呆れたようにため息をこぼした。

 

「お前ら、そんな堅くなんな。別にとって食いやしねェよ」

「シンジは強面だからな。もっとにこやかに、愛想良くしたらどうだ?」

「ウルセ、余計なお世話だ。てか、愛想だなんのとテメェにだけは言われたくねェな」

「何? どういう意味だ」

「人様に講釈垂れるんなら、まずはバイトでもしてから来いってこった」

「ぐ、ぐぐ……!」

 

 またぞろ揉め始める先輩方。よくもまあ下らないことで争えるものだ。

「いつもこうなの?」奏が困ったように傍らのゆかりに視線を向けると、彼女は肩を竦めて苦笑を浮かべた。

 どうやら寮でも概ねこのような感じらしく、奏は呆れ混じりに。

 

「なんか、先輩なのに子どもみたいだね」

「ま、男子ってそんなモンなんじゃない? よくわかんないけど」

「んー、確かにそうかもねー」

「って、なんで二人してそんな目で俺っちを見んのよ?」

 

「「別に」」

 

 順平をオチにして、荒垣との会合はとりあえず終わりを見たのだった。

 

 

 

 5/ 4・月

 辰巳ポートアイランド ポロニアンモール

 

 たまの日曜、奏はゆかりと連れ立ってポロニアンモールへとやってきた。

 

 こちらに越してきてまだ日が浅い奏。寮の部屋は未だに殺風景だし、足りない物なんてごまんとある。

 あまりゴチャゴチャと物を持たない質の彼女とて一端の女の子、いろいろと入り用な品はたくさんあるのだ。

 というわけで、事情通のゆかりに案内され、近場のショッピングモールへと足を運んだ次第である。

 

 定番の服屋――安くてかわいいデザインのものが揃った量販店だ――を冷やかして、店内から出たところで、見知った女の子と見覚えのある女の子の二人連れに出くわした。

 

「あれ? 岩崎さん?」

「有里さんじゃない、こんにちは。今日はショッピング?」

「うん、そうなんだ」

 

 岩崎理緒。テニス部で知り合い、意気投合した同学年の女の子だ。

 サバサバとしたある意味男前な振る舞いをする少女で、ゆかりとは別の意味で馬があった相手である。

 

 ゆかりは理緒とその連れとも顔見知りらしく、無難に挨拶している。

 一人、疎外感を感じて密かに膨れる奏。彼女は案外寂しがり屋なのだ。

 

「ちょっとちょっとお二人さん、そちらのお嬢さんはどなたかね?」

「何のキャラよ、それ」

「あ、ごめんごめん。このコは結子、私の親友よ」

「初めまして、西脇結子です。有里さんのことは如月君から聞いてるよ」

 

 如月くん? 意外な名前が意外なところから出て、奏は首を傾げる。

 すると理緒が事情を説明しだした。

 

「私と結子って、如月君とは幼なじみなの。初等部と中等部とで、会った時期はまちまちだけどね」

「そうそう。で、巖戸台分寮におもしろいコが入った、って言ってたんだよ」

「お、おもしろい……さ、サヨウですか」

「うん。サヨウサヨウ」

 

 なんだか珍獣扱いされているようで、奏はショックを隠し切れない。

 もっとも、そんな言動が面白がられる原因なのだからどうしようもない。墓穴である。

 

「あ、そうだ岩崎さんに西脇さん、立ち話もナンだし、よかったら私たちと一緒にお茶でもしない?」

「え、いいのかな。どうする、結子?」

「うん、いいんじゃない。私、有里さんとお喋りしてみたいし」

 

 さすがに空気を読んだらしく、天敵()の話題が出ても微塵も動揺を見せないゆかりが二人を誘う。彼女は澪が絡まなければ基本的に、気さくでサバけた少女なのだ。

 

 そうして合流した女子四人は、和気藹々とお喋りしながら移動を開始したのだった。

 

 

   †  †  †

 

 

 ポロニアンモール内、“カフェ・シャガール”。

 美容に大変よろしいと噂のコーヒーを嗜みつつ、優雅な午後を満喫する四人である。

 

「二人は如月君と知り合ってどれくらいなの?」

「結構長いよ? 如月君が月光館学園に来てからだからになるかな」

「アタシは中等部編入組だから、三年くらい。水泳部のマネージャーやってて、その関係でね」

「へぇー」

 

 話題になるのは共通の知り合いである如月澪について。彼はあれでよくも悪くも目立つので、話題には事欠かない。 

 やはり、ゆかりはここでも空気を読んで普通にしている。なにげに耳をそばだてている辺り、あるいは単純に彼のことが知りたいだけかもしれないが。

 

「二人って、如月君と付き合い長いんだよね? 小学生の如月君とか、ちょっと想像できないなぁ」

「如月君? 昔からあんな感じよ? クールっていうか、物静かっていうか。けど人付き合いがやけにいいから、あんまりネガティブに取られないのよ」

「それに、ブンブリョードーを地で行ってるしね。中等部からトウカクを現してたってカンジだったし」

「たしかに、“月光館学園のミスター・パーフェクト”なんて呼ばれるよね。何のこっちゃ、って思ったの覚えてる」

 

 理緒、結子の述懐にゆかりが追従を示す。

 と、ゆかりの言葉に出た聞き慣れない名詞に奏が首を傾げた。

 

「パーフェ……? なに、それ?」

「あだ名よ、あだ名。如月君のね」

「まさに“的を得てる”ことだよね」

「結子、そこは“的を射る”よ。まあ、誤用じゃないって説もあるけど」

「え、そうなの?」

 

 と、脱線しつつ。

 

「それはともかく。いろいろ隙がないんだよね、如月君って」

「で、ミスター・パーフェクト?」

「安直だけどね。ちなみに、月中の~とか月高の~とかって呼び方のパターンがあるんだよ」

 

 そんな解説。奏が思わずツッコむ。

 

「学年主席に水泳部のエースで、見た目がアレでしょ? その上、クールなわりに案外気さくなところがあるから、勘違いしちゃうコも結構いるみたい」

「ほほう。じゃあ、ファンみたいな子たちもいたりするの?」

「まあねぇ。ここだけの話だけど、アタシら影ではファンのコたちから結構突き上げ食らってるんだよ?」

「私たち、普通に友達付き合いしてるだけなのにね。ほんとオンナって陰湿で嫌っ」

「わかる~。そういうコ、いるよね。○○くんと仲良くしないで!とかよくわかんないインネンつけられたりさ。そんなヤツのことなんて知るかっての!」

 

 二人のグチに乗っかって、不満をぶちまけるゆかり。何やら苦労しているらしい。

 あまり宜しい類の話題ではないが、それぞれ溜まった鬱憤をぶちまけて盛り上がった。

 

 ――なんだか、絆が深まったような気がした。

 

 

 

 

 5/ 6・水

 タルタロス エントランスフロア

 

 ついに奏たちは一四階に到達、門番シャドウを見事撃破することに成功した。

 またついでとばかりに一六階までたどり着き、月のレリーフが施された不思議なバリケードも確認している。

 これは美鶴曰く「《タナトス》の力でなれば突破できない特殊な関門」らしく、とりあえず捨て置くことに決まっていた。澪たちの手ですでに起動している転送ポータルを用いれば一応迂回はできるのだし、問題はない。

 

「どーよ? 俺っちの活躍!」

「うん、よく頑張ったみたいだね。伊織、女子二人をちゃんと守っててカッコいいじゃん」

「おう!」

 

 密かに澪に対して対抗心を燃やしているらしい順平が、その相手から称賛を受けて誇らしげに胸を張る。人心掌握はお手の物といったところか。

 

「これであたしも臨時リーダーのお役ゴメンだねっ! いやぁ、肩の荷がおりた気がするであります!」

 

 一方、奏もテンションが高い。下手くそな敬礼をしてしゃちこ張っている

 押しつけられた役目からようやく解放されるとあって、気分はサイコーである。

 が、しかし。

 

「そんなこと、一言も言った覚えないけど」

 

 澪の言葉で笑顔が凍り付いた。

 

「え?」

「え?」

「ええーっ!?」

 

 思いも寄らぬ澪の返しに、奏は目を見開いた。

「断固説明をよーきゅーするっ!」奏の猛抗議にも澪は全く動じず、眠たげに目を向けるだけだ。

 

「前にも言ったと思うけど、僕と有里さんたちのペルソナの実力差は相当なんだ。だから僕が参加するとシャドウが脅えてしまって、まともな経験にならない。経験を積めないからペルソナが成長できなくて、強くなれないから上層階のシャドウに太刀打ちできない」

 

 つまり、安易なパワーレベリングはダメってことだね。淡々と説明する澪。何やら感じ入る物があるらしい順平が脇で納得顔をしている。

 未だ不満を浮かべる奏を見やり、澪は素知らぬ顔で二の句を告げる。

 

「次の目標は第二エリア“アルカ”の三六階まで到達すること。もちろんそこの門番シャドウを倒してもらう。大丈夫、そろそろアキ先輩が復帰するから、そっちについてもらう予定だよ」

 

 それなら安心かもしれない、と奏は真田の初対面での様子を思い返して「あ、やっぱダメかも」と訂正した。

 と、一連の話題を受けて、彼女の脳裏に疑問が浮かんだ。それを静観していた美鶴にぶつける。

 

「あれ? 如月君のペルソナって、真田先輩よりも強いんですか?」

「そうなる。お前たちの実力から見て、明彦の方がまだ近いんだ。現在の攻略ペースから仮定すると、明彦が復帰した頃には実力的に丁度釣り合うだろう」

「そ、そうなんですか」

「へーっ、真田さんって案外ショッパいのな」

「ちょっと順平、それ言い過ぎ」

 

 本人がいないことをいいことに、順平は言いたい放題だ。ゆかりが咎めれば、澪は苦笑を浮かべて先輩のフォローを口にする。

 

「もちろん、それはペルソナ使いとしての話だよ、伊織」

「じゃあお前と真田さん、生身じゃどっちがつえーのよ?」

「たぶん五分五分かな、単なる殴り合いだと」

「…………。いや、いやいやいや。ボクサーと互角とか、ないわー」

「ほら、僕って基本()る気だから」

「理由になってねーって! つーか怖いわ!」

 

 何食わぬ顔で吐かれた恐るべき見解に順平が戦慄している。奏もまったく同意見だった。

 妙な空気が流れることなどお構いなしの澪は、相変わらず眠たそうな半眼をうなだれている奏に向ける。

 

「ま、いろいろ大変だとは思うけど、頑張って」

「はぁい」

 

 

 

 

 5/ 9・土

 「あねはづる」巖戸台駅前

 

 不気味な黄色い満月が見下ろす緑色の夜闇――影時間。

 奏はゆかり、順平とともに完全武装してモノレール“あねはづる”の駅前にいた。

 通学の際、毎日通っているなじみの深い場所だが、影時間ともなるとその印象を一転させている。

 

 タルタロスに向かうでもなく、ぐっすりと寝ていたところを突如叩き起こされた彼女らは、階段に(たむろ)して暇を持て余していた。

 

「急に呼び出されたけど、なんなんかなー?」

「さあ? 桐条先輩は緊急事態って言ってたけど……」

 

 缶コーヒー片手にぼやく順平に、ゆかりがやや困惑したように答える。

 そんな二人の様子をぼんやりと眺めていた奏は、耳を劈く轟音に気がついた。

 

「あ、ねぇねぇ! 先輩たち来たみたいだよ」

 

 時を置かず、白いオンロードタイプのオートバイにタンデムした美鶴と澪がやってくる。当然と言えば当然だが、真田の姿はない。

 タンデムシートから澪がスマートに降り立ち、次いで美鶴が彼のエスコートを受けつつ颯爽と言った感じで降車する。どちらも奏たちと同じく完全武装だ。

 ちなみに、オートバイが動いていることをわざわざ指摘する者はいない。というか、タルタロスにも持ってきているのだし今更と言うところだ。

 

「遅くなってすまない」

 

 開口一番、謝罪を口にする美鶴の一方、澪はあねはづるの路線の方を見上げて微動だにしない。

 

「どうだ、澪。わかるか?」

「うん。……たぶん、“アレ”だね」

「お前が“アレ”と言うことは……例の“DEATH”とやらか?」

「正確に言うとその一部、アルカナの順番的におそらく“女教皇”。《タナトス》がやる気満々だし、間違いないと思う」

 

 澪と美鶴が二人にしかわからない会話を繰り広げる。

 そして、澪の言葉を肯定するように、彼の背後でじわりと半透明の蒼い死神(タナトス)の像が揺れる。視界の端で、ゆかりがビクッと驚いていた。

 説明を求めようにも空気がシリアスすぎたので、軽々しく口を挟めない。

 

「ともかく、行ってみるしかないよ」

「……そうだな。よし、突入するぞ」

 

 どうやら話がまとまったようだ。

 

「有里、今回の作戦の指揮は澪が執る。私はいつものようにここからバックアップするから、君たちは彼の指示に従って行動してくれ」

「あ、はい。了解です」

「有里さんには悪いけど、任せてもらうよ」

「ううん、むしろタルタロスの方もお任せしたいかなぁ……なんて?」

「それはダメ」

 

 密かに願望を打ち明けてみたが、一考だにされなかった。

 

 

 その後、あねはづるを乗っ取っていた(くだん)の大型シャドウ――“女教皇”(プリーステス)は討たれた。

 順平の独断専行、あねはづるの暴走というアクシデントはあったものの、特に苦戦を強いられることもなく全員無事に生還することができた。

 

 特筆すべきはやはり本来の現場リーダー、澪の活躍だろう。

 的確な指示と判断、端々で見られるきめ細やかなフォローは流石の一言であり、またその戦闘力は圧巻で、格の違いを奏たちにまざまざと見せつけた。

 道中の雑魚シャドウは元より、彼女らだけなら苦戦を余儀なくされたであろうプリーステスすら澪によって半ば一方的に葬られた。

 核熱魔法“メギド”によって無惨にも焼き尽くされる様子は一応、隣で戦っていた――ペルソナチェンジでそれなりに貢献できたと思う――奏が気の毒に思ってしまうほどだ。

 新人三人には死線の上でも、影を刈る死神にとってはこれも日常の延長でしかなかったのだろう。

 

 なお、翌日の新聞にあねはづるのオーバーランについての記事が小さく掲載された。だが、オーナーが桐条グループ本体であることもあり、運転手等の責任問題に発展することはなかった。

 影時間に関する被害の後始末とアフターフォローも、桐条グループの大事なお仕事の一つである。

 

 

 

 

 5/11・月

 月光舘学園高等部 昇降口

 

 学業から解放された生徒たちが晴れやかな表情を浮かべて帰宅の途に着く。あるいは校庭から、部活動に精を出す生き生きとしたかけ声が聞こえる。

 上履きから学校指定のパンプスに履き替えた奏は、鞄片手に一息ついた。

 

「さて、と。今日はなにしようかな」

 

 特に予定もなく、さりとてやってみたいことは山ほどある。何から手を着けたらいいか迷うほどだ。

 ふと、何気なく昇降口を見渡してみる。すると喧噪のその中に、特徴的な紅い髪を見つけた。

 奏はふらりと“彼女”に近寄った。

 

「桐条先輩」

「ん、有里か。今から帰りか?」

「はい。先輩も?」

「ああ。今日は生徒会の活動日ではないからな。用事がないならば、速やかに下校すべきだ」

 

 模範的優等生的な回答に、奏は少し面食らう。用事もないのに校内をうろついている自覚があるからだが。

 ……どうやら美鶴は、それなりに暇なようだ。

 

 ――もしかして、今なら“コミュ”作れるかも?

 

 奏は長っ鼻ことイゴールの言葉を思い出し、女は度胸とばかりに切り出した。

 

「あの……桐条先輩」

「なんだ?」

「ええと、あたしと一緒に帰りませんか?」

「ふむ。いいぞ」

「あ、いえ、別に無理にとは言いませんけど――って、い、いいんですか!?」

 

 あっさりとした了承に奏は動揺してしまう。挙動不審な後輩を訝りつつ、美鶴が真意を明かす。

 

「同じ寮生として、部員として親交を深めるのに否やはないよ。それに君とは、個人的に一度襟首を開いて話をしたいと思っていたしな」

「は、はあ」

 

 とりあえず、そういうことになった。

 

 

   †  †  †

 

 

 巖戸台商店街、“ワクドナルド”。

 萎びたポテトフライと冒険し過ぎな新メニューが悪い意味で有名なファストフード店だ。

 

 あねはづるを降り――道中もそこそこ話が弾んだ――、奏は美鶴の主導でここを訪れていた。

 一応、「まっすぐ帰らなくてもいいんですか?」と訊ねてみたが、美鶴的にはアリらしい。自由な校風を謳う月光舘学園高等部の校則には、道草や買い食いについての禁則事項は基本的にないのだ。

 

 特にアクシデントがあるわけでもなく、無難に商品を受け取った美鶴がトレイを手に席に座る。

 ぽかんと口をバカみたいに開いている奏を見やり、美鶴がため息を漏らした。

 

「……有里、私がこのような店を利用していることを意外に思っているだろう?」

「え、いや、そんなことは……あははは……はい」

 

 内心を見抜かれ、奏は取り繕うように愛想笑いする。次いで、同じ席の対面にいそいそと着く。

「どうして皆、同じリアクションをするのだろうな。私はそんなに世間知らずに見えるのか?」やや拗ねたようにこぼす美鶴。鞄から取り出した自前らしいおしぼりで手を拭い、萎びたポテトフライを摘みつつ、事情を説明する。

 

「昔、澪に連れられてな、それ以来(たま)に利用している。この萎びたポテトやチープで大味な味付けが、時々無性に食べたくなるんだ」

 

 と語る彼女は確かに、美味しそうにポテトフライを食べている。

 チキンナゲットのバーベキューソースにつけるという高度なテクすら身につけている辺り、確かに常連なのだろう。

 

「正直に言うと意外です。桐条先輩って、見るからに“お嬢様”って感じだし」

「私だってコンビニやファストフードくらい利用するぞ。上にある“はがくれ”というラーメン店を知っているか? あれは荒垣がアルバイトをしている店でな、その縁でよく立ち寄る」

「一人でですか?」

「稀に、だな。基本的には澪や明彦、荒垣に付き合う形だ」

 

 女子高生が一人でラーメン屋を訪れるのはかなり敷居が高いはずだが、この麗人には関係ないようだ。

 もっとも、奏とてよくやるが。

 

 はがくれについて盛り上がる二人。

 美鶴の言う裏メニューの話は、奏を大いに食いつかせた。常連客ならではの話題である。

 

 

「時に有里」

「はい?」

 

 紅茶――銘柄不明――の入った紙コップをテーブルに置き、美鶴が切り出す。

 

「月光舘学園での生活にも、大分慣れてきたようだね。理央から聞いたよ」

「あ、はい、ぼちぼちと……って、桐条先輩、岩崎さんと知り合いなんですか?」

「うん。彼女は“友人”だ」 

 

「澪の幼馴染みなら、私にとっても同様さ」どこか得意げなドヤ顔を浮かべる美鶴。なぜか“友人”という部分に、強いアクセントをつけている。

 なるほど確かに、一理ある。奏は納得した。

 

「じゃあもしかして、西脇さんとも?」

「ああ、勿論結子とも頻繁に連絡を取り合う仲さ。所謂“メル友”という奴だな」

 

「へぇー、そうなんだ。桐条先輩って、なんだか友だち多そうですよね」“メル友”という表現自体がズレているということはとりあえず棚上げし、奏は無邪気に思ったことを口にする。

 すると美鶴は「うっ」と息を詰まらせる。たらりと額に汗を浮かべ、気まずげに視線を泳がせた。

 

「その、なんというかだな……私は一般生徒から見ると、些か近寄り難いらしくてだな」

「まあ、そうですよね。先輩って、すごくキレイですし」

「ん、ありがとう。……で、でだ。その所為で同級生などからも、距離を置かれているというか、その……つまり――」

「つまり?」

 

 美鶴はらしくなく歯切れの悪い。奏が聞き返すと、僅かな間をおいて。

 

「あの二人以外に、プライベートで付き合う女友達はいないん、だ」

「……」

 

 衝撃の事実。奏は言葉を失い、思わずまじまじと見つめてしまう。

 その視線に堪えられなかったのか、美鶴は目を逸らした。

 

「もしかして桐条先輩って……ぼっち?」

「!!」

 

 ぼそっとつぶやいた一言で、美鶴が机に突っ伏(ダウン)した。どうやらウィークポイントだったらしい。

 つい癖で追撃しそうになった奏だが思い直し、彼女の様子を伺う。

 

「あ、あのー、桐条先輩……?」

「……弟分の振り付けがなければ、友人一つ作れない我が身のふがいなさを呪うよ」

 

 ふふふ。と壮絶に乾いた笑い声をあげる美鶴。その様は、いっそ哀れと言っていいだろう。

 一見完璧で隙のないように見える彼女にも、弱点もあれば悩みもある。それはとても人間らしく、そして親しみを感じさせることだった。

 奏は笑みを浮かべた。

 

「じゃあ桐条先輩、あたしと友だちになりましょうよ!」

「友達……? 私と、君が?」

「はい! ていうか、一緒にお茶してお喋りしたら、もう完全に友だちじゃないですか」

 

 溌剌と屈託のない言葉に美鶴は毒気を抜かれたように、きょとんとした。

 そして、ゆっくりと相好を崩して笑みを浮かべる。それはさながら野に咲く花のような笑顔だった。

 

「ふっ、そうだな。もう私たちは友人だな」

「はいっ」

 

 奏もまた満面の笑みを浮かべて応じた。

 

「では“友達”として、一つ言っておく」

「?」

 

 首を傾げる奏に、美鶴はどこか悪戯っぽい表情を見せる。

 

「有里、いろいろと頑張っている君にこんなことを言うのは些か心苦しいが……来週の中間試験では、無様な成績を見せてくれるなよ?」

「うげっ」

 

 思わぬところからの切り返しに、奏が女子にはあるまじき呻き声を上げる。

 こう見えて、奏は勉強はあまり得意じゃないのだ。実際、巖戸台分寮の二年生組では四人中下から数えた方が早いんじゃないかと自覚している。

 

「あ、あたしたち友だちですし、ちょっとぐらい大目に見てくれてもいいんじゃないかなぁ……なんて思ってみたり?」

「駄目だな。寮長として、特別課外活動部の部長として、何より君の友人として学業を疎かにはさせられんよ」

 

 無駄だった。正論で追撃された。

 さっきの仕返しか!と奏が戦慄する。

 そんな“友人”に、美鶴は年相応に幼く見える子供のような笑顔を向けた。

 

「ふふ、案ずるな。私が君の勉強を見てやる。一息ついたら、またどこかに行こう」

「……はぁい」

 

 すると奏は観念したように、がっくり肩を落とした。

 絆が深まったような気がした――のはいいが、次に美鶴と出掛けるのはいつになるだろう。中間試験で頑張っていい結果を出せば、また付き合ってくれるかもしれないが。

 来週から始まる試験のことを考えて、今から憂鬱となる奏だった。

 

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