ややポエム調かもしれませんが、1000文字程度の短文ですのでもし読む余裕がありましたら読んでみてください。
停電だったり防風林が倒れたり十勝川が氾濫したり…どうなってんだ今年は!?
「♪〜」
ここは街でも観光名所とされている有名な奴隷市場の中………その小さな牢屋の中で、足枷で自由に歩く事を禁じられた私は小さく歌を口ずさんでいました。それは今は亡き祖国の歌であり、唯一私が姫であったという実感を感じられる歌であり、そして私の唯一の娯楽でした。
「ほら安いよ安いよ!!!お客さん。この女の子はどうだい!肌は雪みたいに白くてスベスベ!亡国の妃譲りの美麗な顔が綺麗だろう?」
私は牢屋から出されると奴隷商の方に顎を触られ、上に持ち上げられる
「ダメだね。奴隷の管理がなってないじゃないか!逃がさない為ってのは分かるが
奴隷商の手が怒りで震えるのを感じました。また失敗したのですね…そう感じた直後、私は再び牢屋へと蹴り戻されました。
「ケッ!テメェ、約束を守れよ!目が見えてるフリをしろって言ったろうが!!!」
「………」
これで27回目です。何度も怒鳴られて叩きつけられた私の体にはきっと痣が出来ているのかもしれません。或いは血が流れていているのかもしれません……それとも、体の何処かが悪くなっているのかもしれません…。
でも、私は何も出来ません…それが私なのだから。
「せめて愛想笑いでも作ってろ!!!」
そう怒鳴ると奴隷商の方はまた景気良く声を上げました。ずっとこうして側で彼の話を聞いていますので彼の今置かれている悪い状況について嫌でも聞き知ってしまいます。
「……♪〜」
目が見えなくなった代わりに最近耳が良くなって来ていると思います。静かに市場の喧騒を聞いていると色んなお話が聞けます。砂漠に建つ美しい宮殿だとか…白馬の王子様の冒険忌憚とか…東方にある黄金の国だとか……そんなお話を私は牢屋の中で静かに聞いています。
その度に私は想像の世界を広げます。物語の中で、私は真っ白なドレスを着て、パッチリと開いた瞳で青空を見上げているんです…そして、紡がれる物語の中を私は駆け抜けてその登場人物になりきる……。そんな想像をしながら私はそっと小さな歌を口ずさみます………それは祖国の歌であり、唯一私が姫であったという実感を感じられる歌であり、そしてメクラな私の唯一の娯楽です。
「♪〜」
今日も私の歌がか弱く響き、奴隷市場の喧騒の中に消えていきます………。
いかがでしたでしょうか?現在、停電の訳のない寂しさから執筆したものですので暗い作風でしたが、今後はもう少し明るい作品を考えております。