インフィニット・オーケストラ   作:剣とサターンホワイト

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何だかインフィニット・ストラトスの原作11巻が発売されたみたいだけど…原作を読んでいない私には関係ない話…
ボクはボクで好きなようにお話を書き進めるだけなんダナ(失礼←

さぁ、「こんな無礼者の作品なんて読めるか!」と仰る方、悪いことは言わないのでブラウザバックでお早めに引き返した方が良いッスよ…

気にしないと仰ってくださる方、偏屈作者の偏屈世界へようこそ


1-6:トレーニングinα社 負けないために…! 

今、竹内優斗の目の前には彼がかつて見たことのないISがあった(もっとも竹内はISをそんなに見ていないのだが…)。

 

「…これがお前の専用機"汐風"だ」

 

「(これが…僕の専用機…"汐風")」

 

紫波の説明を聞きながら竹内は自分の専用機となったISをじっと見ていた。

 

「代田から聞いたが、お前は飛行操縦や空中での機体制御が非常に上手いらしいな」

 

そう、温和な性格の竹内が、攻撃的な性格の代田に唯一勝るもの…それが飛行能力だった。元々竹内は空軍入りを夢見て、いずれはそこで大活躍することを信じて疑わなかったほどである。つまりどういう形であれ、空を飛ぶことに関してはこれ以上ないほどに勉強してきたのである。それがIS操縦時の飛行能力に反映されているようで、とにかく空中での動きの良さは群を抜いていた。

 

「この機体はそんなお前の特徴やクセをデータとして取り入れた。うまく立ち回ることができれば空中で敵無しになれるやもしれんな…ともかく、思いっきり空中戦を楽しんでこい!」

 

「はい、ありがとうございます!」

 

竹内は嬉しそうに礼を言った。

 

「じゃあ、初期化(フィッティング)最適化(パーソナライズ)を始めるので、竹内くんはこちらへ」

 

林の指示に従い、竹内は汐風に近づいた。

 

「これからよろしく、汐風」

 

―――――――――

 

設定が終わった汐風を手に、竹内はバトルコロシアムへ向かっていた。先程代田に「設定が終わり次第来い」と言われたからだ。一方竹内も、代田に何やら用があるらしく、道を急いでいた。

 

「遅くなりました」

 

竹内がコロシアムに入ると、代田が仁王立ちで待っていた。

 

「ああ、本当に遅かったな。まぁ来るなら何だって構わねぇけどな」

 

そう言うと代田は屈伸やら伸脚やら準備運動を始めた。

 

「今日来てもらったのは他でもない。お前も専用機を手に入れたわけだ。そこで…どうだ、本気(マジ)でオレと()り合わねぇか?」

 

「えぇっ!?」

 

代田の提案に、竹内は驚いた。

 

「オレはな竹内、昨日お前のISが完成するってのを聞いて、さらにお前が帰ってくると聞いてな、1度本気で戦ってみたくてウズウズしてんだよ…さぁ、そのISを展開しろ!お前と汐風(そいつ)がどれだけ出来るか、このオレが試してやる!」

 

代田が自分のIS"清純(せいじゅん)"を展開した。竹内は少し考えてから

 

「わかりました。ですがこれが終わったら僕の相談に乗ってください」

 

と言って汐風を展開し身に纏った。

 

「よし、そう来なくっちゃな!いいぜ、この試合(ケンカ)が終わったら相談でも何でも聞いてやる!行くぞ!」

 

代田が竹内に向かって突っ込んできた。武器も何も持たずに。

 

「うわわわっ!」

 

それがいつもの手だとわかっているのに、竹内は代田の気迫にビビり、後ろに飛び退いた。その時、竹内は飛び退いた移動距離にいつもとの違いに気がついた。普段使っていた量産ISを使っていたときはせいぜい3mくらい飛び退いていたのだが、汐風を使っている今同じぐらいの力で9mほど飛び退いていた。

 

「チィ!こんのぉぉおおお!」

 

すかさず代田が追撃してくる。いつもならこの追撃で1,2発くらいもらってしまうのだが、いつもより距離がある分出方を見る余裕がある。

 

「(見えるッ!)」

 

竹内は代田の拳をヒラリヒラリと躱していく。

 

「クソッ!いつもならここで確実に当ててるのに!」

 

拳を避けられた代田が悔しそうに呟く。

 

「(あの代田さんを相手に近接戦闘は危険だ…ナイフで切りつけるなんてもってのほか、こちらが当てる前に見切られて反撃をもらってしまう…)ならば!」

 

竹内はマシンガンをコールした。

 

「ええい!」

 

竹内は再び距離をとると、代田へ向けて乱射した。こうして距離をとって弾幕を張ることで代田の得意な近接戦に持ち込まれないようにしようと考えたのだ。しかし…

 

「ヘヘッ、そんなことじゃこのオレは止まらねぇぜ!」

 

銃弾などお構い無しに代田は突っ込んできた!その予想外の動きに、竹内は思わず怯んでしまった。

 

「ウォラァ!」

 

その隙を逃すほど代田は甘くない。代田は拳を握り、思いっきり竹内を殴った。竹内は殴られはしたが、後ろに飛ぶことによってその衝撃を逃がした。

 

「ケッ!どうした!そんなモンなのかテメェの本気ってやつは!」

 

代田が大声で語りかける。

 

「逃げてばっかじゃ、相手のシールドエネルギーを先に0にすることは出来ない、勝つことなんざ出来ねぇぞ!ビビってねぇで、もっと本気出してかかってこい!」

 

代田の一喝で竹内はハッとした。

 

「…代田さん…お陰で目が覚めました…腑抜けててすいませんでした…気合い入れていきます!」

 

「オシ、来い!」

 

―――――――――

 

数分後コロシアム近くの整備室。

 

代田が自分のISの調整をしている。

 

「代田さん、コーラ買ってきました」

 

「よし、ご苦労。そこら辺に置いとけ」

 

竹内が赤いラベルのペットボトルを持って入ってきた。勝負の結果竹内は負けてしまい、勝った代田に飲み物を奢る羽目となったのだった。

 

「…で?オメーの乗ってほしい相談って何なんだ?」

 

代田が竹内に尋ねた。

 

「はい、実はですね…」

 

竹内は次の月曜日(この日の2日後)にクラス代表決定戦があること、その対戦相手が織斑一夏とイギリス代表候補生のセシリア・オルコットであること、その他色々な事情を説明し、彼らに勝つにはどうしたらいいのかを尋ねた。

 

「なるほどなぁ、織斑千冬の弟にイギリス代表候補生と…まぁ、何とかならないでもないぜ」

 

「えっ、本当ですか?」

 

代田の答えに竹内は期待を込めて聞き返した。

 

「こういうのはまず、相手のバトルスタイルを理解する。まぁオレみてぇに出たとこ勝負ってのもおもしれぇが、オメー向きじゃねぇしな…」

 

代田はコーラを一口飲んだ。

 

「織斑千冬の弟のデータは無い。ぽっと出だし、何より世界初の男のIS操縦者だからな。だが代表候補生なら資料はゴロゴロ転がってるはずだ」

 

「なるほど、つまり…」

 

「あぁ、相手のできることを調べて、それをさせない手を打てば、勝つ可能性は格段に上がる。ケンカだろうがゲームだろうが、コトを優位に進めるには敵のやりたいことをさせず、自分は好き勝手やりたい放題やることだ。そのためにはまず頭で戦闘パターンを覚え、次に実戦で体に染み込ませ、そこから対抗策を練り上げる!」

 

「…!」

 

2人の顔つきが変わった。

 

「オメー、明日も戻ってくるんだろ?」

 

「はい、そのつもりです」

 

「今日と明日の2日間しかないが、やるっきゃねぇ!行くぞ!」

 

「ハイ!」

 

2人はまず、セシリアのISについて調べることにした。

 

―――――――――

 

一方その頃、岩崎は…

 

「ほぅ、思ってた以上にいい調整がなされているじゃないか。これなら出撃可能どころか出撃準備万端だな」

 

「ほんとね…私も初めて整備した時もここまで上手くできなかったのに…」

 

別の整備室で、課されていた課題を林、西、石山田に見てもらっていた。課題は「各々預けられたISを調整し、出撃可能判定をもらえ」というものだ。

 

「いえいえ、石山田さんが貸してくださったメカニックサポートマニュアルのおかげですよ。あれがなかったら手も足も出ませんでしたよ」

 

「フフフフフ、なんならそのままパクっちゃっても構いませんよ?何せ私にはもう必要ありませんからねぇ」

 

「…オメいつの間にそんなん渡してたんだ…?まぁそれはさておき、次の課題だ」

 

西は置いてあったライフル銃を手にとって岩崎に差し出した。

 

「これはお前に預けてたIS備え付けの銃だ。こいつをお前の思う通りに改造してみろ」

 

「ちょっと太介、もうそんなところやらせちゃうの?」

 

林が西の出した課題に食いついた。普通ならこの課題は入社して半年以上経ってから出されるものだからだ。

 

「ああ、その通りだ義姉さん。こいつの腕なら、もう基礎を重ねる必要はない。もう基礎は出来上がっているからな」

 

「それはそうかもしれないけど…」

 

林はまだ納得がいってないようだが…

 

「面白そうですね、是非やらせてください」

 

岩崎はニヤリと笑いながら快諾した。

 

「よし、期限は無しでいい。出来次第見せてみろ」

 

「はい、了解です」

 

岩崎は敬礼してみせると銃を量子変換して仕舞い、この場をあとにした。

 

―――――――――

 

さて、代田と共に対策を練ろうという竹内。セシリアの戦い方を研究する中、竹内は彼女の攻撃方法にある感情が沸き上がっていた。

 

「あぁ?どうした、震えちまってよぉ。もうビビったのか?」

 

代田が竹内の様子に気づき声をかけた。

 

「い…いえ、そういう訳じゃないんですけど…」

 

竹内はそれを否定した。

 

「まぁいい…いいか、ヤツの攻撃はほとんどが射撃攻撃だ。相手から距離を取り、レーザーライフルで狙い撃ち、そして4機のビット兵器で死角をついた攻撃。かといって、接近しようとすればミサイルでドカンっつー寸法だ」

 

「……………」

 

「だが、どのデータを見てもアイツが近接戦闘をしているところは無かった。ここから考えられることは接近戦においてまだ公開していない奥の手があるのか、それとも単に苦手なだけか…とにかく、勝つためにはアイツに接近戦を仕掛けるのが有効だろう。いいか、ヤツの撃つレーザーやミサイルをお前のスピードで掻い潜り、直接攻撃を叩き込む。これを徹底的にやるぞ」

 

代田はそう言うと席を離れ、出口へと歩いていく。

 

「10分間の休憩の後、バトルコロシアムで訓練開始だ。それまでISを調整するなり、しっかり休むなりしておけ」

 

そう言い残し、代田は去っていった。彼女にとってここまで頭を使う仕事は久し振りだったので、休息を必要としていたのであった。

 

竹内は返事をすると自分のISの調整にかかった。

 

――10分後

 

ISの調整を終えた竹内はピットのカタパルトで代田が戻ってくるのを待っていた。しかし、いくら待っても代田は姿を見せない。どうしたのだろう…。竹内がそう思ったその時。

 

『こちら代田、聞こえるか竹内ィ!応答しろ!』

 

代田がオープンチャネルで話しかけてきた。

 

「は、はい!こちら竹内!代田さん、今どちらに…」

 

『そんなことはどうでもいい!…オメー、コロシアムにいるんだろうな?』

 

竹内は慌てて応答し、代田にどこにいるのかを尋ねようとしたが、逆に彼女からコロシアムに来たのかと確認をとられた。

 

「います…カタパルトにですけど…。これから何をするんですか?」

 

『対策訓練だ…まだ飛び出すんじゃねぇぞ』

 

代田がそう言って一呼吸おいた。

 

『いいか、今このフィールドの至るところに砲台が設置されている。それはオレの操作で一斉射撃が始まる…このようにな!』

 

代田が説明を句切ると一時の間を空けて四方八方から雨のような銃弾が放たれ、フィールドはまさに戦場と化した。しばらくすると代田は砲撃を止め、説明を続けた。

 

『使用できる武装はナイフのみ!今からオメーはナイフ一本でこの無法地帯に飛び込み、多くの弾を避け続けろ。一定時間凌ぎきれば、ターゲットが現れる。そいつを近接戦闘で潰せ!』

 

「はい…わかりました」

 

竹内は自信無さげに、だが真剣な顔で答えた。

 

『よし、フィールドに出て5秒後だ。5秒後に砲撃を開始する。…自信を持て、お前なら出来る…!』

 

代田の言葉に後押しされ、竹内はフィールドに飛び出していった。そしてフィールドに出て5秒後…

 

『よっしゃあ!行くぜェ!』

 

代田の掛け声と共にフィールドはまたまた銃弾砲弾の雨あられとなった。カタパルトから見てたさっきとは違って今はその真っ只中にいるため、弾を避けなければならない。

 

「はっ、くっ…うわっ!?」

 

竹内は縦横無尽に飛び回る。前方からの弾は簡単に避けられるが、後方からの攻撃にはまだ対応しきれず、30秒に十数発もらってしまう。

 

『同じ場所に留まるな!止まればその瞬間が的になる!常に動き回れ!敵のロックを振り切れ!』

 

代田のアドバイスが飛び、竹内は実行に移す。するとどうだろう。十数発もらっていた後方からの攻撃が、2分に1発程度に抑えられるようになってきた。

 

――そしてひたすら避け続けること50分…。

 

これだけの時間連続でISに乗ったことの無かった竹内はもう疲れの色を隠せなくなってきた。その証拠に飛行移動にキレがなく、訓練開始当初はビシッビシッと回れていた旋回行動も今になっては小回りが利かず下手をしたらコロシアムの壁に激突しそうになっている。しかしここで…

 

『ターゲット出現、接近してヤツを潰せ!』

 

代田のオペレートと同時にターゲットシンボルが現れた!竹内は何とか残りの力を振り絞り、フルスピードで砲台の攻撃を振り切り、ターゲットに接近。勢いそのままにナイフで切りつけた。

 

『よし!それまで!休んでいいぞ!』

 

その声を聞いた竹内は力なく着地し、ISを解除してため息をついた。

 

『今日はこれをあと2,3回やる。ISとお前自身ゆっくり休めておけ』

 

「ハァ…ハァ…わかりました」

 

竹内はもうクタクタだったが、あの嵐を凌ぎきったことは自信になった。もっと動きを良くすれば…。竹内の頭の中は疲れたことよりも、どうやったらうまく躱せるかを考えることでいっぱいだった。

 

―――――――――

 

そして訓練は続き、気付けばもう午後6時。

 

「よし、今日はここまでだ!」

 

「ハァ~…」

 

代田が終了の号令をかけると、竹内は糸が切れたようにへたり込んだ。

 

「なんだぁ?こんなにヘトヘトになりやがって、だらしねぇなぁ…体力つけろよ?」

 

「いえ…体力には自信があったんですが…慣れないことをやったもので…疲れちゃいました」

 

「あっそ、まぁそういうことなら明日は今日よりは大丈夫だろ…んで?お前はこの後どうするんだ?」

 

「えぇ…今日はもう学園に帰りますよ、外泊届は出してませんし」

 

「そうか…ゆっくり休めよ」

 

「はい…今日はありがとうございました。明日もよろしくお願いします」

 

竹内は代田にお礼を言ってバトルコロシアムを出た。

 

この後竹内は岩崎と合流し、共に学園へ帰宅。なお夕食の時間に間に合わないことに気付き、近くの小料理屋で食事をしてからの帰宅となった。

 

―――――――――

 

そして翌日。この日も竹内は代田と訓練するために、岩崎は上司たちに課題の銃改造のヒントをもらいにα社へ向かった。その結果竹内はさらに自信をつけ、岩崎は改造に向けての参考を数多く得ることが出来、2人にとってはなかなか充実した土日となったのだった。

 

―――――――――

 

そして、ついに迎えた決戦当日。クラス代表の候補者がそれぞれの思いを抱き戦いに臨む。

 

「…なぁ、ISのことを教えてくれるって話はどうなったんだ…?」

 

「…………………………」フイッ

 

「目を逸らすな!」

 

…果たしてどうなることやら。




ついに決戦。3人の候補者がそれぞれの思いをアリーナにてぶつけ合う!第1試合は一夏vsセシリア。しかし、一夏の専用機がまだ届いていない!試合開始までに間に合うのか…!?

続く…

注)一応言っておきますが代田さんはいわゆるオレっ娘です…基本的には。

どーも、作中の進行スピードが思っていたより遅いことに気付いてしまった剣とサターンホワイトです。←

やっぱりというべきか、予想通り手こずりましたね。もっとも私自身執筆を忘れていたって言うのもありますが(コラコラ←)。

竹内くんは専用機"汐風"を手に入れましたが岩崎くんの専用機は?ご安心(?)ください、まだ完成してないだけでこれから出てくるはずです。

…でもって、セシリアさんとブルーティアーズの資料を探ってる途中、ある感情が沸き上がったという竹内くん。今回は特に語られませんでしたが…先に言っておくとどうしてもやりたいネタがあるんです。大した内容じゃありませんが、ガンオケを既プレイの方には共感してもらえるだろうと踏んでいます。

しかしやっぱり作りが雑だな…私に文才とか表現力がもっとあればこんなことにはなるまいに…。

えー、毎回チラシ裏まで来てこの作品を読んでくださる皆さん、いつもありがとうございます。次回の更新はいつものことながら本当にいつになるかはわかりませんが必ず書き上げるので、これからも宜しくお願いします。

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