インフィニット・オーケストラ   作:剣とサターンホワイト

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まもなく初投稿('16/09/01)から1年が経つと言うのに未だに(リン)さんすら出てこないと言う、この超スローペース。いくら序章のα社編があったからとは言えあまりにも遅すぎる。と喚いたところでこのペースは結局変わらないだろう。したがって今後も恐らくこの超ノロノロでお話は進んでいきます。

この作品に負の感情を抱いた方、早めのブラウザバックをおすすめします。

そんなことはないと言う方、ようこそ剣サタの世界へ…


1-8:史上初の対決 竹内VS一夏

一夏とセシリアの対決から10分が経過した。竹内は一足先に最終確認を済ませ、アリーナで待機していた。その竹内の最初の対戦相手は一夏だ。先程のセシリアとの試合、敗れはしたものの国家代表候補生を相手にあと1歩と言うところまで追い詰める善戦を見せた。ひょっとしたら、姉譲りの高いポテンシャルを秘めているのかも知れない。竹内はそう考えていた。

 

しばらくして、一夏がアリーナに姿を見せた。

 

「待たせたな優斗!」

 

一夏の白式は純白の輝きを取り戻し、竹内の前に立ちはだかる。

 

「機体の調整はもういいのかい?」

 

「あぁ…でなければ出て来ないさ」

 

竹内の問いかけにニヤリと笑いながら答える一夏。先程の試合とは違う異様な雰囲気が2人を取り巻く。

 

純白の機体に青いラインが施された白式と、黒灰色の機体にマゼンダレッドのラインがあしらわれた汐風。奇しくも、2人のISの色は対をなしていた。

 

―――――――――

 

「あれが竹内くんのIS…」

 

管制室の真耶が竹内の汐風を見て呟く。

 

「竹内対織斑…IS史上初の男対男の試合、後世に残る試合になるやも知れんな」

 

隣で立っている千冬が呟いた。その手には汐風のカタログスペックがある。

 

「(ナイフに拳銃…これはα社製のISの共通装備と聞いている…そして機関銃(マシンガン)にミサイル…少ないが悪くない武装だ。…しかしわからんのは手首辺りにつけられた円盤(ディスク)だ…ともかく、お手並み拝見と行こうか…新参会社α社…!)」

 

―――――――――

 

また竹内と一夏の対決を一目見ようと観客席には1年1組の生徒だけでなく、他クラス、他学年の生徒、さらには2人とはほぼ接点のない教師たちも観戦に来ている。

 

「…何かやり難いな…」

 

「…そうだね…」

 

まだこの学園の雰囲気に慣れない2人はこのようすにどうしても戸惑ってしまう。

 

『第2試合、織斑一夏VS竹内優斗、試合開始!』

 

そんなことはお構いなしに試合開始が宣言される。竹内が深呼吸し、マシンガンをコールした。

 

「でも、勝負は勝負だ織斑くん!僕は君に勝つ!」

 

「俺だって、もう負けるわけにはいかない!行くぞ優斗!」

 

一夏も雪片弐型を握り、竹内に斬りかかろうと正面から突っ込んできた。しかし、竹内はマシンガンを撃ちながら後ろに下がる。

 

「(織斑くんの武器は恐らくあのブレードだけ、つまり接近戦が主となる。相手のやりたいことをさせないためには…まずは距離をとることだ)」

 

竹内は代田から教わった通り、一夏に好き勝手攻撃させないために、出来る限り距離をとった。すぐにまた一夏が迫ってくるが、竹内は冷静にマシンガンで弾幕を張りながら間を広げる。ついでにチマチマと少しずつではあるが白式のシールドエネルギーを削っていく。

 

「(少なくとも距離をとっていれば近接攻撃は出来ない。そして今まで見たところあの剣からは放射系の技もないようだ…現時点で考えられる遠距離攻撃はその剣を投げること…だけど唯一の武器を投げるとは考えにくい…)」

 

竹内はマシンガンを乱射しながら、一夏がどうやって自分にしてくるだろうかを考えていた。そしてそのあらゆる方法の対抗策を練っていた。しかし、彼は自分の戦い方がまたしても後手後手に…代田の言う"腑抜けた"戦い方になっていることに気付いていない…。

 

「(くそッ、これじゃブレードがいつまで経っても届かない…)」

 

対して、今まで竹内に攻撃を全く当てられていない一夏は少し焦り始めていた。

 

「このままじゃジリ貧だ…こうなれば…」

 

彼は呟くと、唯一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)零落白夜(れいらくびゃくや)を発動した。再び雪片弐型の刀身が別れ、白いエネルギーブレードが姿を見せた。一気に片をつけるつもりのようだ。

 

「(落ち着け…オルコットの時とは違って、攻撃は優斗のいる方向からしか来ない…それならさっきよりはやり様はあるはずだ…!)」

 

だが決して冷静さを欠いているというわけではないようだ。彼は一呼吸おいて竹内の右側に回り込んだ。しかし、当然竹内もただ見てるだけというわけではなく、マシンガンの乱射を止め、一夏の動きに合わせて銃を構える。

 

「今だ!」

 

右に右にと回り込んでいた一夏が急に突っ込んできた。実は一夏は右に回り込みながら竹内に気付かれないように距離をすこーしずつすこーしずつ詰めていたのだ。そしてある程度近づいたところで斬りかかってきた。

 

「ッ!?」

 

竹内は突然の事態に反応が遅れ、何とか回避しようとしたが一夏の雪片のエネルギーブレードが左手を掠った。竹内はマシンガンを数発撃って反撃しつつ、もう一度後ろに下がり大きく距離をとった。竹内の撃った弾は一夏の手や胸の装甲に直撃し、その衝撃に一夏は怯んだ。

 

竹内が汐風の状態を確認すると、シールドエネルギーが減っていた。しかしただ減っていたわけではなく、掠ったとは思えないくらいのエネルギー量が減っていた。

 

「(掠っただけでこれだけ持っていかれるのか!?…やっぱり近付いて戦うのは危険だ…!)」

 

竹内は改めて白式の近接戦闘の危険性を知り、またまた大きく距離をとった。一夏は雪片を握り直すと、さっきと同じように竹内の右に回り込みつつ距離を詰めていく。竹内は一夏から目を離さず、慎重に彼の動きを見極めている。

 

「ここだ!」

 

一夏が突っ込んできた。しかし今度は竹内も慌てることなく…

 

「そうはいかない!」

 

後ろに下がりながら右肩の上にあるミサイル砲を2発撃った。

 

「なっ!?」

 

皮肉にも今度は一夏が慌てることになった。何とか1発目のミサイルは斬り伏せたがその時には2発目が目の前にあり、打ち落とすことも避けることもできず直撃。何とかシールドエネルギーは残り、一夏本人も地面に着地した。しかし、残りわずかのシールドエネルギーは、もう長くは戦えないことを意味していた。

 

「(白式のシールドエネルギーも残りわずか…次の一撃を当てないと俺は負ける…)」

 

「(掠っただけであの減り方…織斑くんの次の一太刀を浴びれば僕の負け…)」

 

「(だったらあいつが反応する前に…)」

 

「(ならば彼が近づいてくるその前に…)」

 

「「(決着をつけるッ!)」」

 

互いの考えがまとまり、一夏が雪片を握り直し、竹内がミサイル砲の狙いを定めた。

 

そして試合が再び動き出す。

 

竹内が先に一夏目掛けてミサイルを撃った。もっともこれしきの攻撃では相手を撃ち落とすには至らず、実際一夏もあっさりミサイルを躱した。もちろんそれは竹内もわかっている。だから竹内は一夏の回避先を予想し、そこにもミサイルやマシンガンを撃ち込む。その予測は見事に的中し、砲弾が一夏に襲いかかる。

 

「(このままじゃやられる…!何とかここから加速ができれば…!)…うおっ?!」

 

一夏が悪足掻きで白式をいじると、白式が急にスピードを上げた。そのスピードで竹内の放った銃弾砲弾を振り切り、勢いそのままに竹内に突っ込んでいく。

 

「ゆうぅぅぅぅとぉぉぉぉぁぁぁぁ!!」

 

竹内が気づいたときにはもう一夏がわずか数センチまでに迫っていた。一夏は雪片を思いっきり振り抜いた。竹内は咄嗟に両腕を前でクロスさせ防御体制をとったが、零落白夜を発動させた雪片を前にそのガードは何の意味もなさず…

 

ビィーーー!!

 

『試合終了。勝者、織斑一夏』

 

ワァーーーーーーー!!

 

沸き上がるアリーナ。試合は先にシールドエネルギーがなくなった竹内の負けで決した。ただ、そう時間が経たない内に白式のシールドエネルギーも底をついた。

 

「…勝った…のか?………あ……あぁ…………ヨッシャーーーーー!!!」

 

最初は自分の勝利がいまひとつわかってなかった一夏だが次第に実感が沸いてきたのか、雄叫びをあげた。

 

「おめでとう、織斑くん。良い勝負だったよ」

 

汐風を解除した竹内が駆け寄ってきて一夏の勝利を祝福した。

 

「ありがとう。優斗もなかなか強かったぜ。オルコットとの試合、頑張れよ」

 

「うん!」

 

2人は真剣勝負の約束をした時と同じように互いの拳を合わせた。

 

「織斑くーん、おめでとー!」

 

「竹内くんもかっこよかったよー!」

 

鳴り止まぬ歓声、観客席のクラスメート達は惜しむことなく2人に賛辞を送る。

 

『おーりむら!おーりむら!おーりむら!』

 

『たーけうち!たーけうち!たーけうち!』

 

それぞれのコールが響き渡るアリーナを、2人は照れ臭そうにしつつもそれぞれのピットへ引き上げていった。

 

―――――――――

 

同じ頃、管制室

 

「織斑先生。弟さんの初勝利、おめでとうございます」

 

真耶が一夏の初勝利を祝して千冬に言った。

 

「いや、あれはほぼ竹内の判断ミスだろう。アイツのISなら、織斑のあの急加速も容易く躱せるだけのスピードがあるはずだ。それに織斑も相手のミスに助けられての勝利じゃまだまだ未熟。どちらともISをしっかりと使いこなせていない何よりの証拠だ」

 

しかし千冬の言葉は相も変わらず厳しいものだった。

 

「厳しいですねぇ~…」

 

「当然です」

 

とは言うものの…

 

「(だがどんな形であれ、勝利は勝利だ。よくやった、一夏…)」

 

と、目を閉じて内心素直に弟の勝利を祝う千冬だった。




一夏との対決に惜しくも敗れてしまった竹内。しかし、彼にはくよくよしてる暇はない。次はセシリアとの対決だ。代田との訓練の成果を遺憾なく発揮する竹内にセシリアの様子が変わる…そしてそれと同時に竹内にも異変が!

to be continued...

どうも、ガンパレシリーズとISシリーズの共通点を何故か躍起になって探す偏屈作者、剣とサターンホワイトです。

つい先日、生意気にもこの作品のオープニングテーマとエンディングテーマでも考えようと思ったら、ISのOPとガンオケ(青)の主題歌の歌手が同じだと言うことを思い出しました。…そっちに頭を持っていかれて、結局は何1つまとまりませんでした…。

さぁ、今回のハイライト。なんと言っても竹内くんと一夏くんの対決。IS史上初の男vs男の戦い。いかに女性優位のご時世といえど、どうしても注目を浴びちゃいますよね。まして片やブリュンヒルデの弟。これだけでも注目度は高いでしょうに。

軍配は一夏くんに上がりましたが…彼、緊急事案の勝利ばっかりでこういう試合での勝利ってあったっけ?…私の記憶では、試合の度に緊急事案が発生していずれも試合としての決着がついてなかったような気が…。…強いて言うなら入試の山田先生との対決か…。

さて、プロットの時点では次の試合は竹内vsセシリアになるはずでしたが、私が考える展開で最終戦が竹内vs一夏では締まらないと思ったので、急遽予定を変更してセシリアさんとの対決は最後に回しました。…別に今回の竹内vs一夏が締まらないと言いたい訳じゃないけど…

…やっぱり、戦闘描写は手こずりますね…どうにも思うように進まなくて行けねぇや…お陰でただでさえ雑な作りなのに尚更雑になってしまったよ…すみません毎度毎度…。心の広い読者の皆さん、こんな雑な作者の雑な作品ですが、今後ともよろしくお願いします。

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