インフィニット・オーケストラ   作:剣とサターンホワイト

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お待たせしました。
続きをようやく書き上げました。

しかし、ISを原作としてあげているのにまだまだIS要素は皆無。機体はおろか、原作キャラもまだ誰も出てきません。

ですが、今後必ず出てきます。

その前に、今回はオリキャラがたくさん出ます。私考案の完全なオリジナルではなく、マーチ出演キャラをもじった(それもかなり簡単で分かりやすいもじり方)という…コホン

苦手な方は申し訳ありませんがブラウザバックをおすすめします。

大丈夫だという方…さぁ、物語へようこそ…


序-2:予想外の再起 そして再会

「うわぁ!!」

 

その日、少年は久々に目を覚ました。

 

そこは彼にとっては見知らぬ場所だった。少なくとも自分の部屋にしてはあまりに綺麗すぎる。もっとも、彼の元々の部屋も散らかっている訳ではないが…言うならば、ここはホテルの一室のような感じなのだ。

 

ガチャッ

 

「!!」

 

誰かが入ってきた。

 

「あ、気がついたのね、良かったわ」

 

その人…女性は入ってくるなり目覚めている少年をみてそう声をかけた。状況が全く飲み込めていない少年はその人に尋ねてみることにした。

 

「あの~、ちょっとよろしいですか?」

 

「ん?なぁに?」

 

「すみません、ここは天国ですか?」

 

「…………(ポカーン)」

 

一瞬、空気が死んだ…少なくとも少年の方はそう思った。

 

「す、すみません!冗談が過ぎました!それで、えーと…」

 

「アハハ!もう面白いこと言ってくれちゃって~もうこのこの~♪」

 

言うが早いか、女の人が少年に抱きついてきて頬擦りまでしてきた。

 

「わっ! な、何ですか!?」

 

少年はベッドから逃げる間もなく、女性に捕まってしまい、されるがままな状態になっている。またこの女性、思いの外強く抱き締めているせいで、簡単には引き剥がすことができない。

 

ついでに言えばこの女性、遠目で見てもなかなかの美人だが、近くで見ても物凄い美人なのだ。ある意味、健全な男子ならば普通は喜ぶべきところなのかもしれないが、状況が全く飲み込めず、それどころじゃない。すると、

 

「先輩、そこまでです!彼もビックリして困ってるじゃないですか」

 

バンダナを頭に巻いた女性が入ってきて、少年にすり寄っている女性を引き剥がした。よく見るとバンダナの女性の他に、長い髪の女性が1人、小柄の男性が1人、そしてもう1人、見るからに怪しい人がいた。

 

「ごめんごめん、だって『ここが天国か』って、嬉しいこと言ってくれたんだもん♪ あそうそう、自己紹介もまだだったわね。私は(ひら)智子(ともこ)、ここα社(アルファしゃ)で整備主任と開発を担当してるの。よろしくね竹内(たけうち)優斗(ゆうと)くん!」

 

「はぁ…何で僕の名前を…?」

 

彼…竹内優斗の疑問はもっともである。自分は今さっき目を覚ましたばかりで、さらにさっきまで平にすり寄られていたため、まともに自己紹介などできていないはずである。もちろん、この人たちの中に知り合いはいないし、自分だって有名人ではないはずだ。

 

「ごめんね、竹内くんが眠っている時に君の身元がわかるものを探してて…見つかったのがこの学生証だったの」

 

そう言って平は小さなカードのようなものを見せた。それは間違いなく竹内の学生証だった。

 

「いろいろと気になる点があるんだけど…まぁ、その辺は後で話してもらうとして、まずは自己紹介を済ませちゃいましょ。じゃあ、林さんから1人ずつやっていってね」

 

「はい…改めまして、(はやし)青子(せいこ)です。このα社で機体整備を担当しています」

 

バンダナを頭に巻いた女性は林というらしい。

 

「この子ったら凄いのよ、入社以来どんどん整備の腕をあげて、今や私をも追い越しそうでヒヤヒヤしてるの」

 

「そんな、先輩やめてくださいよ。私なんて平先輩に比べたらまだまだですよぅ…」

 

「んもぅ、そんなに謙遜しなくても良いのに~♪」

 

からかうような口調で林をイジる平。

 

竹内がポカンとしていると

 

「…義姉(ねえ)さん…林は平さんをすごく尊敬してるんだ。だからあぁやって誉められるといっつもこうなる…あと平さんの性格も、オフだったらあんな感じ…」

 

と、小柄の男性がボソボソと教えてくれた。なるほど、それならあの照れ具合も納得がいく。

 

「僕は西(にし)太介(たいすけ)、α社のメカニックで、この中じゃ一番の下っ端だ。あと義姉さんと苗字が違うのは…気にするな」

 

西の苗字について聞こうと思っていた矢先、本人に釘を刺されて出鼻を挫かれたことと、目の威圧感に負けてしまったことにより、竹内は聞こうと思った質問を飲み込んだ。

 

次は、先程からしかめ面をしている長髪の女性だ。女性に言うべきことかはさておき、力強そうな腕をしていて、ガタイも良さそうだ。

 

「あー。代田…代田(しろた)(かおる)。テストパイロット兼メカニックだ…あーあ、強い女でも降ってくればオレの喧嘩相手にでもなったかも知れねえけどな…」

 

あくびを噛み殺しながら彼女…代田薫は自己紹介をした。

 

「代田さんは元々はメカニックとして誘ったんだけど、『それじゃつまらない』って言って乗ってくれなかったの。だから、『テストパイロットも兼任』って言った途端に目の色を変えて食いついてきたの。今じゃほとんどテストパイロットメインで、整備の方はからっきしになっちゃったけどね」

 

そう言ってきたのは先程まで林をからかっていた平だった。思う存分からかい倒したからか、真面目な表情の中にもどこか満足げな様子も伺える。その一方、からかわれていた林はというと…どんなからかわれ方をしたのか、ゼェゼェと最早肩で息をしている。

 

「ケッ…ほっとけ」

 

代田の方はというと、図星を言われて面白くないからか、それともからかいの対象が自分に来るのを躱すためか、そっぽを向いてしまった。

 

そして残る1人…そう、あの物凄く怪しい人物が残っていた。その人は顔に妙な化粧を施し、腰を高速でクネクネさせている。美麗な平とは全く異なる意味で目立っていた。男か女かも判別するのが難しい…竹内はそう思っていた。

 

「…オイ、石山田(いしやまだ)

 

代田が怪しい人物…石山田に声をかけた。

 

「てめぇいつまでそうやって踊ってやがる…とっとと自己紹介を済ませろ」

 

「フフフフ、いよいよ私の番ですね。ようこそ、α社へ…私がこの会社のボスで…ゴフア!?」

 

自己紹介もまだなのに変なことを口走った石山田だったが、その瞬間代田によって思いきり殴られ、壮絶に血を吐き、動かなくなった。

 

「…あの…流石にやりすぎなんじゃないですか…?」

 

一連の流れに圧倒されていた竹内が声を絞り出すようにツッコんだ。

 

「…放っておけ、どうせしばらくしたら復活する…オレは先に行ってるぜ…」

 

代田は気絶した石山田を引き摺ってこの場を後にした。

 

「竹内くんが心配するのもわかるけど、彼ってああいう人なの。だからあんまり気にしないでね」

 

「は、はぁ…それで結局、石山田さんはどういう人なんですか…?」

 

石山田(いしやまだ)比呂己(ひろみ)、α社のメインメカニックの1人。」

 

「腕は間違いなく一級品なんだけど…さっきも見た通り、見た目と性格に物凄い癖があってね…」

 

「一言で言ってしまえば、奴は変態だ」

 

バカと天才は紙一重とはよく言ったものだが…竹内はそう思ったがそれはひとまず置いておくことにした。

 

「あ、そうそう、君が目覚めたら社長たちの前に通すように言われてたの忘れてたわ」

 

平が思い出したかのように言い出した。

 

「歩けるかしら?無理なようなら松葉杖も車イスもあるし…なんなら私が肩を貸してあげるわよ…?」

 

平は冗談めかして言った。竹内は慎重にベッドを降りた。

 

「…!いえ、どうやら自分でしっかり歩けるようです。…せっかく色々と用意してくださったみたいですが、大丈夫です!」

 

「そう?残念…さ、こっちよ」

 

平に案内されるままに一行は社長のいる場所へと向かっていく。しかしその途中…

 

「あ、平さん。そういえば竹内が目覚めたらあいつも連れてくるようにって、言われてましたっけ?」

 

これまた西が思い出したかのように切り出した。

 

「そうだったわね、じゃあそっちは西くん、林さん、彼の方は任せてもいいかしら?」

 

「「はい、わかりました」」

 

二人は声を揃えて別の道へと進んでいった。

 

「あのー、『彼』とは?」

 

事情を全く知らない竹内が平に尋ねた。

 

「竹内くんが発見される数日前に我が社の前に倒れていた男の子のことよ。…そういえば服装が少し似てるわね…まぁいいわ。さ、ここよ」

 

そうこうしているうちに社長のいる部屋の前についたようだ。

 

「さっきも言ったけど、君の事について気になることがたくさんあるんだけど、それは社長たちも同じはずだから、そこでいろいろ吐いてもらうわよ♪」

 

「は、はぁ…」

 

結局最後まで平にからかわれっぱなしの竹内だった。

 

「平です、社長。竹内くんが目を覚ましたので連れて参りました」

 

「ご苦労、お前も此奴の話が気になるならこの部屋で待機せよ」

 

「ハッ」

 

扉が開き前に進むと、奥の方にいかにも偉そうな人が2名いた。1人は強面で大柄の男性、もう1人は仕事のできそうな女性だった。ちなみに脇の方には先に来ていたと思われる代田と石山田(いつの間にか復活していた)がいた。…石山田は性懲りもせず腰をくねらせている。その様子に代田は完全にあきれ果てて、ツッコミを入れる気も失せたようだ。平は頭を下げると、代田たちの横に並んだ。

 

「目覚めてすぐだと言うのに来てもらって申し訳ない。俺はこのα社の長、紫波(しば)だ」

 

「副社長の板内(いたうち)です。お体の方はもう大丈夫ですか?」

 

「はい、もう大丈夫です。…もうご存知かと思いますが、竹内優斗です。この度は見ず知らずの自分を助けていただき本当にありがとうございます」

 

「なに、当たり前の事をしたまでの話…礼には及ばぬ」

 

それぞれ、三者三様のあいさつを済ます。すると、

 

「西です、社長。????を連れて参りました。」

 

西と林が到着したようだ。しかし、扉を挟んでいるせいか、誰を連れてきたのか、竹内には聞き取れなかった。

 

「ご苦労、通せ。お前たちも脇に下がっておれ」

 

「「ハッ」」

 

扉が開き、西、林、そして二人に連れてこられた男が入ってきた。灰色の髪、竹内とそんなに変わらない背格好、そして何より竹内とほぼ同じ服装…竹内はこの人物を知っていた。同時に、相手の男も竹内のことを知っていたらしく、目を見開き、竹内の名を呼んだ。

 

「た…竹内くん…?」

 

そして竹内も大層驚き、その男の名を呼んだ。

 

「い…い…岩崎(いわさき)くん!?」




思わぬ再会を果たした竹内と岩崎。

お互いが知り合いであることを知った紫波社長は2人にこの世界の情勢を教え、さらにある提案を持ちかける。その提案とは何なのか…?
そんな中、世界を驚愕させる事件が起きる!


そんなわけでどうも、剣とサターンホワイト(自称)です。予想以上に長くなってしまいました、そして文章もめちゃくちゃ、尚且意味不明…時間がかかった上にこの出来って…(汗)

実は冒頭に少年(竹内)の独白がつらつらと続いていたわけですが、何を言いたいのか(言わせたいのか)さっぱりパーになってしまったので、バッサリカットしましたw

一応予定では次回、原作キャラを出そうと思っているのですが…出番がわずかになるかも…

また、今回で現時点私が考えていた非原作キャラは全員出たので、次回に入る前にキャラ紹介を挟むかもしれません。

しかしそれがいつになるのか、私にもわからない…下手したら年が明けるかもわからない…

でも、まだまだ投げ出したりはしません。ペースは激遅ですが、なんとか次回も書き上げていきたいと思います。

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