えー読者の皆様、遅くなりましたが明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
はい、4話+資料1つ書いてようやくこの小説の適量が見えてきました。これからほとんどの場合はこれくらいの文字数になると思われます。…相変わらず読みにくい出来になっていると思われますが…
それは置いといて序章4話、始まります
わずかでも苦手意識を感じた場合、早急にブラウザバックすることをおすすめします
ようこそ、我が世界へ…
※あとで読み返した際に、設定的な矛盾を発見したため修正しました(1/22)
「へぇ~…『世界初の男性IS操縦者現れる』ねぇ…」
「しかしまぁこの織斑一夏って人も大変だね。聞けば彼、藍越学園を受験するはずだったらしいけど間違ってIS学園の試験会場に入っちゃって、んでもって誤ってそこにあったISに触れたら動かした…要は不運と偶然が積み重なって引き起こされたようなものだよ。それにしても、どうして織斑くんは会場を間違えたんだろうね」
まず岩崎の疑問に答えると、織斑一夏は受験日であるこの日に限って、まさかの寝坊をしてしまったのである。その後どうにか市立ホールにたどり着いたが、今度は藍越学園の試験会場を探し出さなければならない。しかしこの広いホールで目的の一部屋を見つけるのに一夏には時間が足りなかった。そこで彼は「次に入った部屋が大体正解の部屋だ!」という所謂当てずっぽう作戦を使い、近くにあった扉を開いた。これが大きな間違いだった。一夏が扉を潜り抜けた先にあったのは、目的の"
…というのが真実なのだが、これを知るはずもない竹内は「さぁ…」と首を捻ることしかできない。
『なお、政府はこの事態を受け数日以内、早くて明後日にも男性IS適性テストを各都道府県で行うことを明言しました』
ニュースキャスターが最後に適性テストのことを伝え、次のニュースに移った。
「このIS適性テストって僕たちも受けるんですかね?」
竹内がやや興奮したように尋ねた。
「うーん…僕は出来ることなら受けたくはないけど…そうもいかないだろうなぁ」
対して岩崎は気乗りしないのか、どこか落胆したように返した。
この2人の反応の違いには理由があった。まず岩崎の落胆の理由は、彼がかなりの平和主義者であることにある。元来暴力を嫌う性格である岩崎は前にいた世界でも
一方、竹内も平和主義者であることは変わり無い。彼も上司である
この竹内優斗という男、夢は航空パイロットとなって空を飛ぶことであり、実際これまでも翼のあるもの(例:紙飛行機やラジコン飛行機など)なら自由に操っていた。自分の大きな夢を叶えるために飛行学校を経て航空軍に入ることを志していた。しかし、戦時中ということもあり燃料は貴重品、さらに国内の石油工場での製造も追い付かない状態である。これでは軍を動かすことも難しく、大半の学生に航空軍入りを諦めさせるしかなかった。竹内も泣く泣く航空軍入隊を断念、陸軍の『第108警護師団第3連隊第2大隊第4中隊第1小隊』、通称:3241ヒロイン天国小隊に配属されたのだった。陸軍、ひいてはヒロイン天国にも一応航空機…ヘリコプターはあったが、死亡のリスクが高いと搭乗を制限され、ここでも空への夢を断たれることになった。その後竹内は飛行学校入学のために身に付けた機体整備の知識を見込まれて、岩崎同様整備班へと回された。大空への夢路を閉ざされたことは悔しかったが、それで自分の仕事を疎かにして良い理由にはならない。竹内はその悔しさを拭い去るように仕事に打ち込んだ。しかしどれだけ整備や訓練に打ち込んでも、出撃不能の戦闘員に代わって戦場に出て多くの敵を撃破しても、やっぱり空を飛ぶ夢を消し去ることは出来なかった。そして月日が流れ、いろいろあってこのIS世界へ迷い込み、ISの存在を知った。しかしそれと同時に、女性にしか動かせないということも知り、またしても空が遠のいたと思った。その矢先に今回のIS騒動、さらには今後実施される男性IS適性テスト。竹内にとってはまたとない大チャンス。彼は「もし自分に適性があった場合、本格的にISの勉強を始めるのもいいだろう」と考えている。
翌日、竹内と岩崎は仕事の合間に適性テストの情報収集を始めることにした。まずは実施日。これは朝礼の時に
「先日、男子中学生がISを起動したというニュースは知ってるな。その一件により男性IS適性テストが全国で行われる。IS委員会からの連絡によると、我が社では明後日の午後に実施される。男性社員はその事を頭に入れておけ。いいな」
次にテスト内容。これは女性に聞くしかない。竹内は平に話を伺うことにした。
「平さん、少し聞きたい事があるのですが…」
「ん?私に?良いわよ、何かしら?」
余談だが平は何故か竹内をやけに気に入ったらしく、話し掛けられた時など他の人にくらべて妙に反応が良い。
「ISの適性テストっていったいどういったことをやるんですか?」
「適性テスト?そうね…シミュレーターで自分がどういった戦闘タイプが向いているかを調べるテストだけど…ん~今回は男の人がISを動かせるかどうかが焦点になる訳だから、今はそんなに身構える必要はないんじゃないかしら?」
「なるほど…メモメモ…じゃあ、僕たちが用意するものは何かありますか?」
そして必要な持ち物。忘れ物をして受けられないなんて事になってはあとが大変だ。竹内は真剣な顔でメモを取ろうとしている。しかし…
「そうね、今回は特にないかな。あってもそれは会社の方で用意するものだったり向こうの方で用意してくれるものだったりするから、キミたちはその身1つあればOKよ♪」
用意するものはない。そう聞いて力が抜けたのか、竹内は少しよろけてズッコケる仕草を見せた。
「…わ、わかりました。ありがとうございます」
体勢を立て直し、深々と頭を下げ礼を言った竹内は持ち場に戻った。
「ん、また分からないことがあったらいつでも来てね。おねーさんがまた色々教えてあげる。ふふっ♪ …なんちゃって」
平のからかうような一言が聞こえ、竹内がまたズッコケそうになった。
一方、竹内が平に弄ばれていたちょうどその頃、岩崎も
そしてテスト当日…
「それではα社男性IS適正テストを行います。男性社員、及び紫波副社長は順にこのIS・打鉄に触れてもらいます。なお、時間短縮のために3人ずつ受けてもらいます」
試験官らしき人物がテスト方法を説明している。しかし内心彼女は「ISなんて男が動かせるはずもないのに…面倒臭い…」と思っている。所謂、女尊男卑思考に染まったIS絶対主義者である。もっともこういう考え方の人が多いのがこの世界の常、α社にそういう人が少なかっただけのことである。
「ではまず紫波
最初は竹内と岩崎にとってかなり近い3人が呼ばれた。各々自分の目の前に鎮座する打鉄に手をのばす。しかし…
「…反応なし、次!」
過去に数回ISに触れたことがあるこの3人、そのいずれもISは無反応だった。今まで反応がなかったものが突然動くようになるはずもなく、3人は敢えなく適性なしとなった。しかしこうなることが分かっていたのか、3人とも「まぁ、こんなもんだろ」といった表情を浮かべて下がっていった。
この後も男性社員の適性テストは続くが、適性者は1人も現れず。とうとう残るは竹内と岩崎の2人のみ。
「竹内優斗、岩崎仲俊、以上2名は前へ」
緊張した面持ちで打鉄の前に出る2人。そして一呼吸おいてそれぞれ目の前にある打鉄に手をかざした。すると、今まで見てきたものとは違う現象が起きた。
かつて味わったことのない不思議な感覚。続いて頭の中に膨大な情報が流れ込んできた。
「(えっ? 何? 何!?)」
「(……………)」
予想外の事態に内心冷や汗ダラダラの竹内に、何やら悟ったような表情を浮かべる岩崎。すると打鉄が強く発光したので、2人は思わず目を閉じた。
しばらくしてから竹内が目を開けると、打鉄は目の前から姿を消していた。
「(あれ?)」
代わりにかざしていた手には籠手と言うべきか、装甲というべきか…いずれにせよ、そこには鋼鉄が纏われていた。そして改めて己の身体を見てみると、手だけでなく脚や胴体にも纏ってある。「共にテストを受けているはずの岩崎くんは?」ふとそんなことを思った竹内は岩崎のいる方を見た。ちょうど同じことを考えていたのか、岩崎も竹内の方を見ていた。しかしその姿はまるで自分と変わらない。岩崎も竹内と同じような装甲を纏っていた。どうやら頭にもヘッドセットらしきものが着いている。
「(これってつまり…)」
「(…動かしちゃったってことだろうなぁ)」
この時やっと竹内と岩崎は、自分たちがISを起動させ、身に纏っていることを理解したのだった。
てんやわんやの最中、1人の試験官がとある人物に連絡をする。
「そうだ、あの人に連絡を…!」
またIS適性者となった竹内と岩崎も男性適性者である織斑一夏同様、世間に報道されて一躍時の人となる。
「フッ、全くお前たちに驚かされたのはこれで何度目だろうな…」
そんな2人に更なる転機が訪れる。
「お前たち2人には、IS学園に入学してもらう」
続く
オッス、オラ、剣サタ(略称)
2017年初の投稿となります。が、今年も私の文章力の向上は望めないでしょう。
が、構うものか、私は我が道を進むのみ。
一先ず次で序章は終わりになるという風に考えています。句切りがついたら皆さんお待ちかね(?)の登場人物紹介をしようと思います。
では次の話で