使われていない首相公邸の床を吹き飛ばすとすぐさま梯子を使って二人の隊員が突入する。
この兵士達は更識家実働部隊“楯”の兵士達であり、記録上は死亡した事にされている元国防軍人の精鋭が集められた部隊である。
この部隊の名の通りこの部隊は日本国政府が最後の“楯”として投入する特殊部隊であり世界各地で日本国に対するテロなどを阻止している。
すぐに杉崎大尉を含めた全員が登ると首相公邸の一階に出ると西側の庭園に出る。
「侵入者だ!」
庭園に出ると警備の機動隊員と警護官が拳銃を構えて接近する。
だが突入前の送電設備の爆破で官邸の電力は失い、さらには篠ノ之束のハッキングで周囲の建物の電気は止められ官邸の外は文字通り暗闇であった。
“盾”の兵士達は装着した暗視装置を用いてサプレッサー付きのMP7で一方的に位置を把握して銃撃する。
警官は暗闇から放たれる銃弾に次々と倒れ、防弾チョッキも役に立たず適当に撃って位置を暴露して撃たれる者もいた。
数分で首相公邸から首相官邸に移動するとガラスを割って突入するとすぐさま中にいる数人の警官を無力化すると五階にある執務室まで一気に上がるとフロアに出る扉をゆっくりと明けるとスネークカメラを用いて五階の様子を探る。
執務室の前には机や椅子で作られたバリケードの中で数人の特殊部隊員がMP5を構えて守っていた。
すぐに扉を開けて閃光音響手榴弾を投げ込むと扉を閉め、爆発音が聞こえると突入した。
辛うじて立っていた者に容赦無く銃弾を足や肩に撃ち込んで無力化し、倒れている者にはプラスチックバンドで拘束する。
「首相、お迎えに上がりました。」
杉崎大尉は執務室の扉を開くと漆原首相は恐る恐る聞いた。
「・・・貴方達は?」
「更識家の使いの者です。我々の事は後で説明しますので、国防省に向かいましょう。」
状況を掴めなかった漆原首相だったが、彼の言う通りに国防省に向かった。
「ここにいるはずの官房長官などは?」
「どういうわけか地下の危機管理センターに閉じ込められたようです。」
「そうか、では屋上へ行こう。」
首相官邸の屋上出るとタイミングを合わせたかのようにヘリポートにMH-60のステルス型“ブラックホークステルスヘリコプター”が舞い降りた。
ヘリのローターが叩きつけるダウンウォッシュの中、首相を乗せるとすぐに国防省に数分で向かい国防省のヘリポートに降りた。
「首相!」
ヘリのキャビンドアが開かれると国防大臣達の前にハイヒールの踵がコツコツと音を響かせ漆原首相が現われた。
「国防大臣、ご苦労であった。すぐに国営放送のカメラで会見を行う。すぐに近隣の部隊・・・いや、新たに創設中の“国家親衛隊”を出動させろ!」
「わかりました、首相。統合参謀長、すぐに取り掛かれ!」
「了解!」
首相の命令により陸海軍が動いた。
真夜中に宇都宮駐屯地の門が開かれると包囲していた警察部隊を蹴散らして、国防陸軍の五式機動戦闘車を先頭に次々と“国家親衛隊”の隊員達を乗せた装甲車やトラックが出動する。
漆原首相が作り上げた国家親衛隊は名称にあるように徴用兵と公安警察の人員から特に国家への忠誠心の高いものが選抜され集められている。
このような女性至上主義者による反乱の鎮圧を目的とした部隊であり、力を見せ付ける良い機会であった。
首都特別区の鎮圧は国家親衛隊に任され、その他の地域は国防陸軍各部隊が展開し鎮圧に当たった。
横須賀軍港では航空戦艦“信濃"を初めとした艦隊が次々と出港して東京湾を北上する。
「国民の皆様、こんばんわ。第九十二代内閣総理大臣漆原美由紀です。私はこの通り生きており、官房長官をはじめとする警察・女性真理教の大規模反乱は私の指揮下にある国防軍並びに国家親衛隊が鎮圧に当たっております。彼女らは自らの野心の為に私を亡き者にしようとし、国防を担う国防軍にクーデターの濡れ衣を着せました。私はこの反乱に加担した者に必ずや罪を償わせます。国民の皆様、あと数時間耐えていただきたい。」
国防省の会見場で行われた首相の会見は国営放送以外にも篠ノ之束の電波ジャックにより他の放送局の電波で流され、全国のすべての国民が真相を知ることとなった。
数時間後、特別区に入った国家親衛隊の部隊は首相官邸の他政府機関を奪還してIS学園周辺に展開していた警察部隊を制圧した。
朝になると都内では国家親衛隊の装甲車両や隊員が駅や市庁舎などの前で警備を行い、東京湾では航空戦艦“信濃”が自らの巨大な船体と砲を見せ付ける事により威圧した。
官房長官以下の反乱に関わった大臣や官僚などは全員逮捕され、一連の『二月反乱』は女性真理教信者の一斉逮捕を最後に終息した。
これらの対処に硫黄島まで接近していた米海兵隊の揚陸艦隊は回頭しグアムに帰還し、各国は軍への待機命令を解除した。
反乱が終息して数日後、元通りに修繕された首相官邸の執務室に戻った漆原首相は今後についてを相談していた国防大臣に聞いた。
「ここで私を救出してくれた部隊は“更識家の使いの者”だと言っていた。何者か知っているか?」
国防大臣は大きく溜息をつきながら統合参謀長に説明された事を首相に語った。
「更識家は我が日本の対暗部用暗部、日本の最後の盾である秘密組織らしいです。戦前から続く名家であり彼らはこの国の安全保障の為に尽くす組織だと。ソ連崩壊後の北方領土返還条約の際にロシアの情報をずいぶん正確に伝えてくれて交渉は我々の有利な形で終わることが出来たとか・・・しかし十六歳の女子高校生が当主だと聞いた時は驚きましたよ。」
「十六歳の女子高校生!?」
「はい、IS学園最強のIS操縦者である更識楯無という高校生です。」
首相はこの反乱を解決に導いた秘密組織のトップが十六歳の女子高校生だと聞き、驚いた。
「そんなすごい高校生が世の中にいるとわね。驚きだわ、一度会ってみたい。」
「では首相。これから二月反乱で活躍した兵士への勲章の授与式がありますので。」
国防大臣と今後について話し終えると執務室で温かいコーヒーの入ったコーヒーカップに口を付ける。
すると執務机にある電話が鳴り、慌ててコーヒーカップを置くと電話にあるボタンを押す。
部屋の前にいる秘書からの声が入る。
「首相、お客様がおみえになっております。」
「今日は国防大臣と合う予定以外ないはずだが?」
首相は記憶している予定を照らし合わせて予定がないことを確認すると秘書に言った。
「それが・・・“更識楯無”と言えば会うだろうと。」
「会おう、入れてあげて。」
執務室の扉が秘書によって開けられると目の前にIS学園の制服を身に纏い、多くの人が見ても美女だと感じるような容姿と見るからに感じるカリスマ性を持ち合わせた高校生であった。
「あなたが私を救ってくれた更識家当主の更識楯無かな。」
「はい、私が更識家第十七代当主更識楯無です。挨拶に参りました。」
目の前の女子高校生を首相は真面目そうな女性だと見て好印象を持った。
「あの時助けられたことには本当に感謝するわ。」
「それが更識家の務めであります。今日は首相にお見せしたいものがあります。」
そう言うと彼女は鞄から封筒に入った書類を取り出し、首相の前に差し出した。
「これは?」
「首相が一番気になることかと思いまして、IS学園医療局で手術を受けた五十嵐裕也国防海軍大尉の口内の粘膜を採取して首相が過去に受けた治療で採取したサンプルを使い我々でDNA鑑定を行いました。」
首相は勝手にサンプルを採取された怒りよりも鑑定結果が気になり、書類をめくった。
「結果を申しますと・・・」
書類の最後をめくると結果の欄に「99.999%の確立で親子である」と書かれていた。
首相は自分の息子を見つける事の出来た事に対して嬉しさが込み上げ、嗚咽を手で押さえ目から涙がこぼれる。
「首相、息子さんと会っては如何でしょうか?彼らを解放する前にまずは自分の息子と再会して、今まで出来なかった親としての責務を果たしたら如何でしょうか?」
更識楯無が再会を提案してから約一ヵ月後、回復した五十嵐裕也大尉は入学式の席上で他の新入生達と共に入学式に出席をする。
この入学式は五十嵐裕也にとって新たな戦場を迎える事を意味していた。
第十九話目です。
これで第二章を終わらせ第三章に移ります。
一昨日、センター試験を受けました。
推薦で受かっていますが、高校生最後の試験だと思い受けました。
得意な世界史Bが7割だったのですが、余った試験時間でAの方も解いて見ましたら9割も取っていました。EUの通貨は?←常識的にユーロ一択で簡単すぎて笑った。
4月あたりに成績通知が送られてくるのですがAを選んでおけばよかったと後悔しています。
国語は古文漢文はほぼ壊滅でしたが、現代文で何とか五割を超えました。
特に漢文はなんで竹の子の話で苦いか甘いか選ぶんだよ!と思いながら解いていました。
しかし後々ネット上でのセンター試験問題のネタを見て笑うポイントを見つけましたけどね。
ただ世界史の問題文を読むと少し頭で想像して笑ってしまう部分もあった。
エジプトは第一次中東戦争でイスラエルにシナイ半島を占領された←エジプト弱い!&イスラエル強い!
イタリアではユンカーと呼ばれる地主貴族が政治と軍事を担った。←たぶんイタリアは纏まって弱く無いと思う・・・
アメリカ合衆国のカストロは善隣外交を推進した。←アメリカで革命か!
ドイツのアイゼンハウアーは協調外交を推進した。←ドイツにもう一人名将が増えたな
19~20世紀のヨーロッパ国際関係はドイツ対イタリアの対立を軸にしていた。←イタリアは凄い!
ルイ14世はナントの勅令を廃止したためにカトリック教徒が亡命した。←フランスの人口激減!
オーストリア帝位継承者夫妻はロシア人に暗殺された。←何やってんのアンタ!
フランスはアメリカ独立戦争でイギリスを支援した。←何時の間にか仲良くなってアメリカオワタ
ルネサンス期に重装歩兵の発達によって騎士は没落した。←重装歩兵最強説
フランスがスエズ運河の国有化の宣言をした。←フランス強気すぎる
ではまた今度。