二限目の授業が終わり休み時間を迎える。
「ちょっと、よろしくて?」
机の前に現われた女子は金髪でブルーの瞳から白人だと主張した。
五十嵐は身に纏っている雰囲気で彼女がある程度地位の高い人間だと分かった。
彼女の態度と外国人であるが為に警戒を高め見えないように腰にあるホルスターの9mm拳銃の安全装置を外す。
「訊いてますの?お返事は?」
「へ?」
彼女は織斑に話し掛けているらしい、五十嵐の様な低い身分の人間には眼中に無かった。
「悪いな。俺、君が誰だか知らないし。」
彼はSHRの自己紹介を思い出して、セシリア・オルコットという名前を思い出す。
「わたくしを知らない?このセシリア・オルコットを?イギリス代表候補生にして、入試主席のこの私を!?」
知るわけが無いだろう、国家代表なら有名であろうが候補生など自国以外では知られないだろう。
まだ成果も上げない人間が有名になるなどありえない。
すると織斑はオルコットに質問する。
「代表候補生って、何?」
その言葉にオルコットはすごい剣幕で怒りをあらわにしていた。
五十嵐は思わず織斑に説明してしまい、火に油を注ぐ。
「国家代表候補生は国家代表IS操縦者になるための候補生制度だ。それぐらい名前でわかるだろう。」
「そう言えばそうだな、ありがとう裕也。」
オルコットは五十嵐が割り込んできたのに激昂した。
「わたくしの前であなたは口を開かないで貰いますか!汚らわしい、
五十嵐は何も言わず、姿勢を正すと満足したのかオルコットは織斑へ自慢話を始めた。
頭の中で彼はオルコットをブラックリストに入れ、警戒することにした。
だが織斑の答えにオルコットは自爆するが、鐘が鳴り三時間目が始まる。
織斑先生は教壇に立つと授業の説明をすると何かを思い出したかのように生徒の方を向く。
「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな。」
クラス代表者を教育団での経験から学生分隊長にあたるものだと五十嵐は思った。
生徒会の開く会議や委員会そして対抗戦に出る重要な立場だと付け加えて説明する。
教室がざわめく中で一人の女子が立ち上がる。
「はいっ!織斑くんを推薦します!」
彼女を皮切りに次々と織斑を推す声が高まり、織斑で決まる流れになっていた。
「では織斑一夏....他にはいないか?自薦他薦は問わないぞ。」
一夏が反論するが織斑先生に抑えられる。
すると一人が机を思いっきり叩き、この流れを断ち切った。
「待ってください!納得がいきませんわ!」
席を立ったのは五十嵐のブラックリストに入ったセシリア・オルコットであった。
「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!」
彼女は自らのプライドを傷つけられたのかのような激怒する。
「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいという理由で極東の猿にされては困ります。わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」
次々とオルコットの言葉から日本を馬鹿にする言葉が並び、織斑は怒りが込み上げてくるのを感じた。
「いいですか!?クラス代表は実力トップのがなるべき、そしてそれはわたくしですは!」
五十嵐は織斑の手が小刻みに震えて起こっているのを感じ取った。
「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で・・・」
「イギ」
「日本を馬鹿にするな...後進国の負け犬が。」
織斑を遮って五十嵐が立ち上がってオルコットに面を向かって対峙した。
護衛対象が不利にならないように彼は自ら彼女達の不満を被ることにした。
「今なんとおっしゃいました、こ、後進国と....」
五十嵐少佐は立ち上がり、オルコットに言い放った。
「ああ、世界を散々荒らしまわった海賊国家だったのに今では経済も軍隊も後進国レベル。我が国より劣っている、おまけに軍縮した隙に荒らしまわされた国々に恨まれてテロを起こされていい気味だ。」
五十嵐の言葉にオルコットは顔を真っ赤にする。
すると日本の国家代表候補生達が青筋を立てて怒って、五十嵐を罵る。
「徴用兵が口答えするんじゃねえ!」
「何様のつもりだ屑野郎!お前みたいな人殺しに何が言えるか!」
「さっさと死ね!消えろ、気持ち悪い!」
他の生徒たちは巻き込まれないようにこの状況を無視する。
ここで異を唱えれば国家代表候補生の学閥から目を付けられ、追い出されるか死ぬまでいじめぬかれるからだ。
一人の生徒から金属製の筆箱が投げられ頭にぶつけられる。
頭の皮膚を浅く切り付けて血が滲み出る。
「おい!もうやめに」
織斑が彼女達を止めようと立ち上がろうとすると五十嵐は片手で彼の肩を押さえて席に座らせた。
「静かにしていろ。」
五十嵐の力は腕の太さからは想像がつかない力で押さえつけられ立ち上がることは出来なかった。
すると織斑の前で彼はオルコットに頬を思いっきり殴られる。
さすが代表候補生は基本的な戦闘訓練を受けているのか力任せに殴られた反動で床に肘をついた。
「この
そう言うとオルコットは瞬時に専用機の狙撃銃らしき武器を部分展開し、砲口をこちらに向ける。
五十嵐は拳銃を抜こうとしたが、オルコットの目を見て悟り取り出すのをやめた。
立ち上がるとオルコットに近づき銃身を持ち上げ、砲口を自らの頭に合わせた。
国家代表候補生達もこの状況に口を閉じるしかなかった。
「撃て、撃てるものなら撃て。俺を殺したとしても問題は無いぞ。」
オルコットは引き金に指を置くが手が震え、顔には冷や汗を流していた。
こいつは撃つ勇気は無い、五十嵐はそう判断した。
「撃てないのか?撃てない奴の銃なんか怖くは無い、もはや滑稽に見えるだけだ。」
挑発するが一行にオルコットは引き金を引かなかった。
するとオルコットの肩に織斑先生が手を置き、諭した。
「オルコット、展開を解除しろ。ここは教室だ、ISは展開することは許されないぞ。」
オルコットは息を切らしながら狙撃銃を仕舞った。
「五十嵐、保健室へ行きなさい。」
五十嵐はお辞儀すると教室を出ようとした。
するとオルコットは俺を指差して言った。
「あなたを推薦します!決闘ですわ!」
五十嵐は頷くと教室を出てゆっくりと保健室に行った。
第二十二話目です。
ここから数話は一日目の話が続きます。
やっと課題文が終わり書く時間が取れるようになってサクサク書けます。
ただこのような時に怖いのが誤字脱字ですね。
もし見つけた際はすぐに報告をお願いします。
ではまた今度。