大和型戦艦三番艦で一九四五年に就役したが、就役直後に終戦。
だが対馬紛争勃発により帝国海軍最後の旗艦を努め、実戦に参加。
その後、アメリカ海軍に接収されて数回に渡る近代改装を行いながらアメリカ海軍艦艇として湾岸戦争に参加した後に一九九八年に日本に返還された。
返還直後の日本政府と国防省は日本海海戦の記念艦となった戦艦『三笠』と同じように記念艦として広島の呉に置こうと計画した。
しかし三年後の二〇〇一年に起きた白騎士事件の影響で在日米軍は撤退した穴埋めの戦力として復活。
その際に大規模改修が行われ、対IS戦闘を意識したイージスシステムの搭載と多くの対空兵装の搭載、それと共に後部の46cm三連装砲一基を撤去して開いたスペースを飛行甲板に改造した。これにより、多種多様の回転翼機を搭載・運用することに成功。
また省人化により余ったスペースに物資と人員を乗せることにより、強襲揚陸艦としての機能も追加された。
スペック
排水量
・基準:64,000t
・公試:68,200t
・満載:71,100t
全長
・263.0m
全幅
・38.9m
速力
・30ノット
乗員
・五〇〇名
兵装
・45口径46cm三連装砲 二基
・MK.45 62口径5インチ単装砲 十基
・高性能20mm機関砲 二十基
・RAM近SAM21連装発射機 六基
・九〇式艦対艦誘導弾四連装発射筒 二基
・MK.41 VLS 十二基96セル
艦載機 最大十五機
・SH-60K『シーホーク』
・AH-64D『アパッチ・ロングボウ』
・AH-1S改『スーパーコブラ』
・OH-1『ニンジャ』
・CH-47JA『チヌーク』
・V-22『オスプレイ』
・その他各種無人機
収容能力
・歩兵一〇〇〇名
・車輌 最大四〇台
一週間に亘る対馬海峡航空戦は日本海側の諸都市と軍事基地に損害を与えたが、日本国防軍の防空システムの前に韓国空軍の航空戦力は多くが損耗した。
また海軍と海兵隊による対馬上陸作戦は日本の勝利に終わり、主力の海軍艦艇を失い多くの海兵隊員が捕虜になった。
韓国は弾道誘導弾と巡航誘導弾を毎日のように打ち上げたが、白騎士事件以後に強化された日本の防空システムの前には歯が立たず、発射台が発見されるとステルス爆撃機と無人攻撃機による攻撃で次々と破壊された。
そんな中、日本政府は現状打開の為に国防軍に対しに“対韓作戦計画”を発動。
命令を受けた国防省統合参謀本部は作戦計画通りに、半島上陸の足掛かりとなる港湾施設と空港がある釜山を攻略する作戦を行った。
この作戦で重要なのは港湾施設と空港の確保であり、韓国側が破壊する前に確保しなければならなかった。
そのために金海国際空港と釜山港を確保する為に徴用兵主体の三個空挺師団四万五千人の空挺作戦を行うことを決めた。
陸軍には空挺師団と海兵師団と呼ばれる師団があり、危険な空挺作戦と上陸作戦を行う為に編成され徴用兵を主体にした戦力だ。
空挺作戦を成功させる為に、対空兵器や市内に展開する地上戦力の撃滅に向け空爆が空挺作戦五時間前に行われた。
第四機動艦隊の空母『瑞鶴』から五十嵐少尉を含めた十二機のF/A-3A『流星』戦闘攻撃機が発艦した。
彼等の任務はB-52戦略爆撃機による空爆前に釜山周辺や沿岸部に展開する防空部隊を叩く為に機体には四発の〇七式対レーダー誘導弾を四発搭載されていた。
五十嵐少尉と五反田少尉の乗る機体は四機編隊の左翼側を飛行していた。
「五反田、機器のほうは大丈夫か?」
「なんとかな、敵の妨害電波がうざいがな。」
五十嵐少尉は夜間の海を赤外線暗視装置で僚機との距離を確認しつつ計器を見ながら低空を飛行する。
現在、韓国南部に点在するレーダーサイトは巡航誘導弾の攻撃で破壊され、レーダーサイトに発見されることはない。
遥か上空には電子戦機型の流星も飛行して、搭載された高度の電子戦システムにより敵のレーダー波を発見すると同時に電子妨害を行う。
すると編隊長から指示が飛ぶ。
《電子戦機が敵のレーダーを感知した。各機は散開後、任意で攻撃を開始しろ。》
「こちらシュウター、了解。」
四機は散開すると、釜山の海岸に近づく。
五十嵐は機首を空港に向けたまま海上で機首を上げると、レーダー警報装置が鳴り響く。
空港を防衛する韓国軍のレーダー波を機体各所のアンテナが感知して妨害装置が対抗措置を行うと同時にコンピューターが分析を始めた。
電子戦装置に分析結果が出ると五反田は五十嵐に結果を伝えた。
「探知したのはSA-22の捜索レーダーの可能性が高い!方位0-2-6!」
「方位0-2-6...」
レーダーの捜索範囲より低空に入ると、五十嵐はその方向に機首を向けた。
流星はSA-22に接近しつつジグザグに飛行しながら、何度か上昇してSA-22の発信電波を探った。
何度か観測したSA-22のレーダー発信方位に、GPSによって記録される自機の位置を重ねれば、三角測量の原理で目標の敵の精密な位置を測定できる。
「目標の大体の位置が分かった!」
「了解、仕掛けるぞ。」
五十嵐は操縦桿を引き、一気に上昇すると再びレーダー警報装置が鳴り出した。
だが五反田は探知したレーダー波が捜索用レーダーと違うこと気がついた。
「新たな発信電波を確認!発信点はこれまでと同一!追跡レーダーだ!」
追跡レーダーに捉えられたという事はSA-22が流星に照準を合わせている事だ。
そしてもう一基のSA-22からも捉えられる。
「別のレーダーから照射を受けた!方位3-5-6!」
「すぐにデータを入力しろ!」
五反田はふたつのレーダー波を解析し、そのデータを〇七式対レーダー誘導弾に入力した。
「一番及び四番に目標の情報を入力!」
後席の報告を聞いた五十嵐は機首の一方のSA-22に向けた。
「よし、グローリー10!マグナム!」
最初の目標に向け〇七式対レーダー誘導弾がまず一発、発射された。
そして、つかさず機首をはふたつ目の目標に向ける。
「マグナム!」
二発の〇七式対レーダー誘導弾がそれぞれの目標に向かって進んでいった。
同時にSA-22からも誘導弾が発射され、計二発向かっていた。
「来たぞ!敵の誘導弾だ!」
五反田の怒鳴り声を聞くと同時に五十嵐は操縦桿を横に倒し、急旋回をした。
それと同時に後席の五反田は電子戦装置の出力を上げてミサイルの妨害を開始した。
流星に有利だったのは、〇七式対レーダー誘導弾が敵のレーダー波を追う撃ちっ放し型のミサイルであるという点で、発射してしまった今は逃げることに専念できる。
それに対してSA-22はレーダーによる誘導を受ける必要があり、地上の発射機は逃げることができない。
だが一方で流星も対空兵器の破壊が目的である以上、簡単に逃げることは出来ない。
最も簡単な回避行動には超低空を飛行する方法があるが、相手のレーダー画面から消えれば相手はすぐにレーダーの電源を切り移動するだろう。
そうなれば撃ちっ放し型の〇七式対レーダー誘導弾は目標の無い地面に突き刺さるだけで終わってしまうため、射程内に留まりつつミサイルをやり過ごすという難しい飛行が要求される。
「見えた!二発が追ってきているぞ!」
五反田が叫ぶと同時にチャフを放つが、地上から誘導を受ける誘導弾は惑わされずに向かって来る。
五十嵐は必死に急旋回、回転、急上昇に急降下を繰り返し、五反田はその間も妨害装置を絶えず操作して妨害パターンを変える。
だがその努力もむなしく二発の誘導弾は徐々に距離を詰める。
「くそ、限界だ!五反田、レーダーの射程外から出る!」
その言葉と同時に五十嵐は操縦桿を一気に押し倒して、流星は機首を海面に向けて一気に急降下した。
海面がぐんぐん迫ってきて、後席に座る五反田はまるで流星が海面に向かって突っ込んでいくような錯覚を覚えて悲鳴を上げる。
五反田の悲鳴を無視し五十嵐はキャノピー越しに見える海面と、コクピットの様々な計器を交互に見ながらタイミングを計っていた。
海面との距離は一〇〇〇mを切っている。
「今だ!」
五十嵐は操縦桿を手前に引いき、機首が一気に持ち上がり流星は水平飛行に移る。
海面との距離は一〇〇mもなく、海から見れば海面スレスレを飛んでいるように見えた。
二発の誘導弾は海面に突っ込み爆発する。
「なんとか避けたぞ!」
「もうやだ...」
避けきった五十嵐は素直に喜んだが、後席の五反田は恐怖から開放され機器に伏せていた。
一方、〇七式対レーダー誘導弾がSA-22を破壊することに成功した。
空港方面からふたつの発光が見え、爆発だと分かった。
すべての機体が攻撃を終えると編隊長から無線が入る。
《電子戦機からの報告で敵のレーダー照射を検知できないと報告があった。皆、よくやった。》
するとAWACSから無線が入る。
《グローリー各機へ、これから爆撃部隊による空爆が始まる。空母へ帰還せよ。》
「こちらグローリー10、了解。五反田、帰るぞ」
五反田はただ頷く事だけしか出来なかった。
その後、B-52戦略爆撃機による空爆と交代で来た流星により地上部隊は壊滅。
その直後にC-2輸送機とC-130J『スーパーハキューズ』輸送機による空挺作戦が展開され、多くの戦死者を出しながらも金海国際空港と釜山港の確保に成功し、港湾施設には多数の輸送船が入港して兵員と戦車や装甲車などの車輌と大量の物資を揚陸する。
空港では輸送機を使って兵員と物資を運び込み、一方では近接航空支援の為に戦闘ヘリ部隊や空軍と海軍の航空部隊が空港に配備された。
韓国軍は地上兵力と航空戦力を投入したが、航空戦艦『信濃』を始めとする海軍艦艇と航空戦力によって阻止され多くの兵力を失った。
それに対し日本国防軍は態勢を整えると三十三万人の兵士を黄海側・内陸・日本海側の三つの軍に分けて進撃を開始した。
第四話を投稿しました。
なんとか期末試験を乗り切って、卒業は確定しました。
まあ卒業できないようでは大学にはいけませんが。
これで私はあと三~四ヶ月で大学に入ることになるが、楽しみである一面英語が苦手なのが心配で毎日勉強しつつ作品を少しずつ書いている日々です。
ではまた次話で。