学園の守護者   作:新稲結城

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・烈風改(2011年現在)
名称:烈風改
型式:烈風改(領収年号)(世代)(機種区分)001(製造番号)
世代:第二・五世代
国家:日本
分類:全距離対応万能型
装備:・十式小銃(銃剣付き)
   ・五式44口径76mm狙撃銃
   ・四式空対空誘導弾
   ・中距離多目的誘導弾
   ・十式チャフ&フレア発射機
   ・十式発煙弾発射装置
   ・五式火器管制レーダー
装甲: 反衝撃性硬化装甲
仕様: 高機動
概要
日本の量産型ISであり、シェアは世界第二位の“打鉄”の軍用版IS。
装備の搭載と高機動性の為に防御シールド高速修復を捨て、武装・高機動性を得た。
しかし幾度ものプログラムの更新や武器の更新などの改修を行ったが、第三世代ISの登場で高機動性のアドバンテージが失われた。

・拠点防衛型
装備:・GAU-8機関砲×4
   ・九三式近距離地対空誘導弾
   
概要
“クアッド・ガトリングパッケージ”を模倣・強化したパッケージ。
違いは30mm機関砲弾を使用している部分・地対空誘導弾の追加搭載・多少の移動可能。
名前の通り、重要拠点の防衛用に装備されるパッケージ。


第四十二話 シルバリオ・ゴスペル迎撃戦

―現在/太平洋・石廊崎から南に約40キロ洋上―

 

 

 

 

 

 

 

五十嵐は紫電を駆って、水面近くを高速で飛び続ける。

最後に報告された新島に向かって飛行すると、遠くから黒煙が上がっているのが見えた。

あの煙の下では多くの国民が殺されている、俺がもっと早く来れば抑えられたのかもしれない。

俺は徴用兵、親の欲の為に捨てられ国民の為に犠牲になるのが使命。

親の欲の為に捨てられ、それは本当なのかと疑問を抱く。

今まで見たことのない母親の涙、本当に欲の為に捨てたのか?

 

「うっ!」

 

考え込んでいると戦場の記憶を思い出して取り乱す。

戦闘に集中するんだ、五十嵐。

 

《シュウター、大丈夫か?》

 

機体をモニタリングしている佐々木大佐から通信が入る。

 

「...大丈夫です。」

 

《五十嵐!なにを勝手な行動をしている!》

 

通信に織斑先生の怒声が入ってくる。

 

「先生、私は自主的に軍務に復帰。条約違反ではありません。」

 

《違う!お前の体では戦闘は無理だ!》

 

怒っている理由は佐々木大佐と同じであった。

 

「先生、私は徴用兵です。国民の為に犠牲になるのが使命。戦闘空域に入るので無線封鎖を行います。」

 

五十嵐はISの通信機能を一切止める。

新島の隣にある地内島の陰に入り、禿げた山の上に陣取ると十式55口径120mm狙撃銃を展開させる。

照準器のレンズを通して目標の“シルバリオ・ゴスペル”に十字レクティルを合わせる。

名前の通り銀色の機体は赤々と燃える市街地の上空を滞空している。

特別な銃弾を入れた弾倉を挿入して、ボルトを引いて装弾するとすぐさま狙いを付けて銃撃する。

一発の銃弾は真っ直ぐと飛翔してシルバリオ・ゴスペルの背中に命中する。

目標は衝撃で体を仰け反るが、砲弾は爆発もせずに突き刺さっていた。

五十嵐は紫電を見せ付けるように飛行すると一気に加速して洋上に向かう。

 

《敵機確認。迎撃モードへ移行。“銀の鐘”シルバー・ベル、稼動開始。》

 

シルバリオ・ゴスペルは紫電を見つけると一直線に飛んでくる。

とにかく進み続けて、どの有人島からも離れている恩馳島に誘導する。

数分で到達すると恩馳島上空を飛び越え、シルバリオ・ゴスペルもそれに倣う。

 

《目標視認、防空戦闘開始!》

 

恩馳島から四つの火点から濃密な弾幕が形成され、シルバリオ・ゴスペルを阻む。

島には事前に国防陸軍のV-22J“オスプレイ”によって輸送された拠点防衛型烈風改が配置されていた。

拠点防衛型とはフランス第二世代IS“ラファール”のパッケージ“クアッドガトリングパッケージ”を参考として強化させた烈風改のパッケージである。

A-10攻撃機“サンダーボルトⅡ”に搭載されたGAU-8機関砲を四門搭載して濃密な弾幕と30mm機関砲弾の脅威的な威力をシルバリオ・ゴスペルに浴びせる。

また地対空誘導弾を備え、弾幕の中を縫ってシルバリオ・ゴスペルに襲い掛かる。

 

《第一艦隊旗艦“信濃”、艦対空誘導弾発射!》

 

近海に展開している艦隊から誘導弾による攻撃が行われる。

高いステルス性を誇るシルバリオ・ゴスペルだが、先程撃った“目標弾”により捉えられた。

電波を出して誘導弾を誘導する装置で、発射された誘導弾は次々と襲い掛かる。

五十嵐は十式多連装小型誘導弾発射機を全弾を発射すると島に着陸、立て続けに十式55口径120mm狙撃銃で狙撃する。

多方向からの銃弾・砲弾・誘導弾に包まれながらも、シルバリオ・ゴスペルは多方向推進装置の能力をすべて出し切って回避し続ける。

だが、多数の弾幕に命中弾が多く片翼が破損した。

 

《異物の付着を発見。》

 

するとシルバリオ・ゴスペルは目標弾の存在に気付いて、付着する部分の装甲をパージする。

ここから流れが変わった。

 

《敵機B~Eまで確認。優先順位をB~Eの撃破に変更。シルバー・ベル、最大稼動開始。》

 

艦隊からの誘導弾攻撃がなくなると島に展開する拠点防衛型烈風改に急襲する。

 

《くそ!》

 

弾幕を張り続けるが横方向に飛び続け、旋回速度が追いつけずに背後に回られる。

 

《ウワァァァ!》

 

背後から接近を許して、零距離からエネルギー弾を浴びせられる。

もともと“打鉄”の装甲を削って強力な武装と機動性を確保した機体。

防御拠点型にある増設された装甲も焼け石に水、瞬く間に引き裂かれ爆発する。

目標弾の装填に手間取っていた五十嵐の目の前にあるバイザーは一人の戦死を示した。

 

《こっちに来る!落ちて!》

 

一人の死で一人が混乱に陥る。

地を這うように移動して突然目の前に現われたシルバリオ・ゴスペルに無我夢中で銃弾を送る。

だが瞬時にシルバリオ・ゴスペルは真下に移動して、その先にいた同じ友軍機に命中する。

瞬時に穴だらけで大破してパイロットは機体を捨てて退避した。

 

《え!》

 

誤射した友軍機は辺りを見回すが姿が見えなかった。

 

《ん?》

 

すると周りが暗くなり、真上を見上げるとシルバリオ・ゴスペルの姿があった。

エネルギー弾の一斉射撃を受けて爆散した。

 

「退避しろ!」

 

《了解!》

 

最後の友軍機は装備をパージして上空に逃げようとしたが、自機を上回るスピードで追いつかれる。

そして強力な回し蹴りを喰らって地面に落とされるとそこにエネルギー弾を撃ちこまれ、戦死した。

残るは五十嵐大尉ただ一人のみとなった。

五十嵐は加速して島の上空から離れると海上で格闘戦に持ち込んだ。

訓練では出来た戦闘だが実戦で使うのは初めてであった。

十式25mm汎用機関銃を展開させると右に旋回する。

そして無反動旋回ゼロリアクト・ターンで正面を向き合うとシュウターフローで銃撃戦に持ち込む。

相手も乗って円軌道で射撃を行いながらも同時に回避も行う。

しかしこの戦技は射撃と高度なマニュアル機体制御を同時に行う為に、意識を両方に割いて戦闘を行う。

五十嵐の体は異常をきたしている中での戦闘は難しかったが必死に機体制御を行う。

またシルバリオ・ゴスペルを倒す為には25mm機銃弾では決定打に欠け、十式55口径120mm狙撃銃による銃撃が必要だった。

だが運用中に分かった欠点があり、長銃身の巨大な狙撃銃はとても速い戦闘では取り回しが聞かない事が判明した。

また狙撃するには射撃管制装置の補助があったとしても高速下では不可能に近かった。

この銃撃戦は増援の到着を待つ為の時間稼ぎに過ぎなかった。

五十嵐は必死に機体を制御して、シルバリオ・ゴスペルに銃弾を送り込む。

だがシルバリオ・ゴスペルのシルバー・ベルの36の砲門を使い分けて着弾修正しながら砲撃してくる。

少しずつ回避の空間を失い、とうとうエネルギー弾を数発、紫電に着弾した。

 

「グフッ!」

 

衝撃で銃創が開いて出血して、肋骨が何本かが折れた感触がした。

その間に直線飛行をしてしまい、さらに一斉射撃を浴びせられる。

 

《スラスター一番・四番損傷、戦闘飛行不可能》

 

《十式射撃指揮装置破損》

 

《十式多連装小型誘導弾発射機が危険温度に上昇、投棄します。》

 

《十式25mm汎用機関銃破損。》

 

機体から発せられる電子音声は叫ぶ、『戦えない』と。

だが五十嵐は戦いをやめない、戦いこそ自分が解放される場所。

そして望む死に。

 

「オリャァァァァアア!!」

 

《!?》

 

叫びながら十式55口径120mm狙撃銃を腰に抱えると瞬時加速で一気に突撃する。

シルバリオ・ゴスペルは予想外の攻撃に動きが止まった。

これなら行けると五十嵐は思った。

弾倉に入れられた特殊貫通炸裂弾を至近距離から撃ち込んだ。

五発の砲弾はシルバリオ・ゴスペルに命中して爆発して、機体は黒煙に包まれる。

一瞬撃破出来たのかと思ったが、そう甘くは無かった。

黒煙の中から幾つものエネルギー弾の連射が撃ち込まれ、機体は操縦者生命危険域を遥かに超えて紫電は強制解除された。

 

「こいつ!」

 

空中に投げ出された五十嵐はシルバリオ・ゴスペルへの闘志を捨てずにホルスターから9mm拳銃を抜いた。

だが銃口を向けた時、目の前に迫ったシルバリオ・ゴスペルは翼を羽ばたかせた。

翼の縁には磨かれた刃が付けられ、五十嵐の体は左脇腹から右胸のあたりにかけて一筋に切られた。

目の前に血が噴出して、五十嵐は自分が切られた事に気付いた。

入学式前の戦闘のように血を見て気付いたように。

五十嵐はそのまま海面に向けて落下した。




第四十二話目です。

今日は連投となりました。
第四十一話と第四十二話を一話として書いてましたが、途中で区切った方がいいと思い区切って二話に分けました。誤字脱字に気をつけてください(睡魔・一応確認した)。

そういえば先日、オーバーラップからIS9巻の発売が4月25日に発売の“予定”になりました。
この作品の予定では出来れば冬まで原作沿いで行き、その先は独自のストーリーにする予定です。

??「何が始まるんです?」

??「第三次世界大戦だ!」

...お楽しみに....
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