-8月28日午前9時/岐阜基地-
「とうとう完成したか...」
IS教導隊隊長佐々木琴音大佐は目の前に佇む二機のISを見上げていた。
一機はオリジナル・コアを搭載した機体、もう一方は量産型コアを搭載した機体だ。
その機体は隣に立つ五十嵐大尉が持っている第三世代IS“紫電”であった。
しかし目の前にあるのは五十嵐の試作機に改良を加えられ、レーダー波を特定方向に反射するために角度が付けられ、試作機の“紫電”とは一味違った。
「この二機種が実戦配備されればこの国の守りは万全となる。」
佐々木大佐は振り返り倉庫内にいる教導隊のパイロットと整備士そして開発元の国防軍技術本部と企業の研究員に向かって言った。
オリジナル・コアを搭載した機体の前に立つと佐々木大佐は説明する。
「オリジナル・コアを搭載した機体は領空内に侵入したISを主に要撃又は敵地への侵攻を目的とした機体だ!」
“対IS戦闘型紫電”
装備:・10式50口径12.7mm小銃(銃剣付き)
・12式55口径120mmライフル狙撃銃
・12式25mm汎用機関銃
・10式多連装小型誘導弾発射機(浮遊式発射器×4)
・10式チャフ&フレア発射機
・10式発煙弾発射装置
・J/APG-4レーダー
・MIDS-FDL
・戦術妨害装置
・光学迷彩
装甲: 強化微細粒子複合装甲(レーダー波吸収素材使用)
変わった部分は12式55口径120mmライフル狙撃銃の銃身を短くして射程を犠牲にして取り回しを軽くした点。次にステルス性能の向上と電子攻撃能力の付与だ。
「次に量産型コアを搭載した機体は敵国から発射された弾道誘導弾や巡航誘導弾を迎撃することを目的とした機体だ。」
“戦域高高度防空型紫電”
装備:・12式25mm汎用機関銃
・20mm多銃身機関砲
・浮遊式M902発射機×2(合計32発)
・小型AN/MPQ-53
・10式チャフ&フレア発射機
・10式発煙弾発射装置
・MIDS-FDL
装甲: 強化微細粒子複合装甲
この機体は成層圏のあたりで弾道誘導弾の迎撃を行う機体で、PAC-3“パトリオットシステム”をそのまま乗せたような機体だ。量産型コアの為、装備や電子機器に制限が掛かるが国防軍のC4Ⅰシステムに組み込む事で“戦域高高度防空型紫電”の射撃管制は横田の国防軍宇宙空間防衛司令部が担い迎撃を指示する。このため必要最低限の電子機器だけを載せることに成功した。だが光学迷彩及びレーダー波吸収素材を使用していない為に“対IS戦闘型紫電”の護衛が必要。
“拠点防空型紫電”
装備:・GAU-8機関砲×4
・03式中距離地対空誘導弾改
・11式短距離地対空誘導弾
・捜索兼射撃レーダー
装甲: 強化微細粒子複合装甲
こちらは“烈風改”の拠点防空型パッケージを発展させたパッケージ。基地や原発などの発電所、都市に撃ち込まれる巡航誘導弾などの各種誘導弾・航空機の迎撃を目的としている。
これらの機体の大きな特徴は光学迷彩が搭載されたことだ。
光の迂回型を利用した光学迷彩は試験運用で確かにIS自体の姿を消すことに成功した。
だがこの機能は大量のエネルギーを消費する為に量産型コアの期待には搭載できず、また静止している状況でしかつかえないのが問題であった。
だが他国ではまだ実験段階の装備を持つアドバンテージはとても大きい。
「この状況において試験をする時間は残念ながらもう無い。国防軍は本日を持って“紫電”を制式採用する。すぐに“対IS戦闘型紫電”の十五機の換装を行え。」
すぐさま整備士・研究員が協力して倉庫内に鎮座する“烈風改”から“紫電”への換装を行う。
整備工場に一度持っていく時間は無いので倉庫内に整備工場同等の設備を持ってきて行う。
佐々木大佐は五十嵐大尉を呼ぶ。
「五十嵐大尉、すぐにインストールを行いIS学園に戻れ。いつ戦争が起こるか分からない上に学園が攻撃目標になる可能性は高い。」
「了解しました。」
五十嵐大尉は数人の整備士と共に五時間ほどインストールを行うとIS学園に飛んで帰った。
第五十四話です。
今回の話は紫電が出来ましたよという話です。
故に短くてすみません、次話は少し長いと思います。
第四章終了まで後一話。
ではまた今度