学園の守護者   作:新稲結城

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第五十九話 襲撃

-9月1日午前9時/IS学園島-

 

 

 

 

 

 

国会議事堂爆破事件の翌日、行事予定に沿ってIS学園は始業式を執り行う予定だった。

日本国政府の統制下に入ったIS学園は実習を除く通常授業を行うように命じられていた。

IS学園は所有するISをすべて日本政府に接収され、実習を行うのは不可能だった。

今日は朝の始業式があり、終わった後に面倒な授業が続くはずだった。

だがこの日の朝、島外に十五機のISが出現しIS学園の海上警備隊の艦艇が撃沈された。

学園の要所に配置された数基の対空機関砲VADSが近づいてくるISに銃弾を浴びせるが、エネルギーシールドに守られたISには一切の攻撃が効かず、敵機はミサイルポッドを展開させると斉射する。

対空機関砲VADSは誘導弾を必死に迎撃するが、数機の敵機から放たれた誘導弾をすべて撃墜することは出来なかった。

さらに二箇所の橋を攻撃して陸上からの援軍到着を阻止し、学園警備総隊指揮所を含む駐屯地を徹底的に空爆した。

生き残った学園警備隊の兵士は生徒の避難誘導に当たり、親衛隊の隊員は地下施設の防衛に回された。

地下施設には接収されたISが保管され、解体作業中だ。

日本政府は絶対にこれを防衛したいのだろうと織斑一夏は思った。

この時IS学園から接収したISを絶対に守りきるよう村瀬首相代行は警備隊と親衛隊に“死守命令”を出していた。

織斑は警備隊の兵士に守られながら一年一組の生徒と共に避難施設へ走っていた。

本来なら学園島上空での対IS迎撃はIS学園に一任されているが、接収され教師達は戦えない。

また国防軍のIS教導隊は五十嵐も含めて岐阜基地に集結し、間に合わなかった。

織斑達は織斑先生に戦わないように命じられていた、彼らが戦えるほどの技術を持ち合わせていないと判断したからだ。

そのせいで上空は国籍不明のISが跋扈する。

 

「伏せろ!」

 

兵士の一人が大声で叫ぶと一斉に生徒達はその場に伏せた。

轟音と共に一機のISが上空を過ぎ去ると共に無差別に機銃掃射を浴びせた。

20mm機関砲弾の銃弾が地面を削り、破片と土砂が降り注ぐ。

織斑は起き上がると絶句した。

目の前を走っていた生徒や兵士達が地面に倒れ、体は四肢を切断され飛び散っていた。

周囲は血の海が広がり、近くには吹き飛ばされた人間の贓物が転がっていた。

織斑はその光景を見て吐きそうになるがそれを堪えて直視する。

 

「一夏!大丈夫か!」

 

立ち尽くしている織斑を見つけた篠ノ之箒が駆け寄ってくる。

織斑は振り返る、彼の手は握り締め震えていた。

 

「箒、このままだと全員死ぬ。俺が戦わないと。」

 

そう言うと自らのIS“白式”を展開すると即座に飛びあがった。

雪片弐型を装備すると機銃掃射した敵機に背後から近づくと刃に零落白夜を纏わせた。

そして一気に斬りつけると機体は真っ二つに切り裂かれ、爆発した。

その瞬間、敵機の操縦者が自らの剣で切り裂かれるのを見てしまった。

初めて人を殺したという事実が怒りを収め、一瞬思考が停止する。

だがその間に一機のISが織斑に高速で近づいた。

 

「うお!」

 

瞬時加速で避けようとしたが尾のような物体が伸び、捕らえられた。

その機体は金色の塗装がされた派手な機体であった。

織斑は必死にもがきながら敵に大声で叫ぶ。

 

「お前らは何者だ!」

 

だが彼らは何も答えなかった。

 

 

 

 

 

-同時刻/IS学園地下特別区画入口-

 

 

 

 

 

 

 

二台の機動戦闘車が一機の不気味な蜘蛛型ISに105mmライフル砲を撃ち込む。

 

「邪魔なんだよ!」

 

オータムは“アラクネ”の装甲脚二本を延ばして砲撃する。

撃ち出された砲弾は一撃で機動戦闘車を破壊し、燃料に引火して燃え上がる。

悲鳴と共に焼け出される兵士達をオータムは笑いながら殺していく。

そして奥にあるシャッターを吹き飛ばして内部に侵入する。

 

「撃て!」

 

狭い通路には様々な家具を並べた簡易な障害物が築かれ、第一国家保安連隊の隊員達が必死に撃ち返す。

89式小銃、5.56mm機関銃MINIMI、84mm無反動砲などかき集められるだけの火器で抵抗する。

“アラクネ”の周囲に何十発もの銃弾が撃ち込まれ、砲弾が爆発する。

 

「小賢しい真似しやがって、餓鬼共が!」

 

砲撃で障害物ごと吹き飛ばすと突進する。

負傷して動けなくなった隊員を踏めつけて滅茶苦茶にして、抵抗する隊員を見つけると頭を掴み壁に叩き付けて頭をかち割る。

数メートルおきに障害物が置かれ、親衛隊員は戦友がどんなに酷い殺され方をしても気にせず戦い続けた。

 

「鬱陶しい!」

 

さらにスピードを上げ親衛隊員を轢殺しながら進んでいく。

それでも抵抗を諦めず中には爆弾を抱えて自爆攻撃を仕掛ける隊員もいた。

 

「くそ、これ以上は少し危険だ。」

 

自爆攻撃と砲弾はじわじわと機体にダメージを与えていた。

オータムは無理な突進を辞め、一区画毎を部下と共に掃討していく。

次々と親衛隊員を射殺して行き、最深部に到着できた。

オータムがその扉をこじ開けるとそこには何機ものISが並んでいた。

 

「よし、コアだけ取って」

 

だが部屋に入った時、一本の装甲脚が吹き飛ばされた。

オータムは部屋の奥を見ると一機のラファール・リヴァイヴが起動しているのに気付いた。

さらにハイパーセンサーで操縦者の顔を見ると織斑千冬だった。

彼女の目は瞳が怒りに燃えているように見えた。

 

「参る。」

 

ただそう言うとオータムに突撃した。




第五十九話目です。

どのあたりで話を区切ればいいか最近悩んでおります。

ではまた今度。
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