学園の守護者   作:新稲結城

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第六十四話 核攻撃

-9月6日午前二時/フィリピン海-

 

 

 

 

 

 

 

日中間のミサイルの撃ち合いが激しさがました頃、フィリピン海の深海に一隻の潜水艦が潜んでいた。

オハイオ級原子力潜水艦“ルイジアナ”が静かに潜んでいた。

 

「艦長!新たな緊急行動命令を受信しました!」

 

通信士は艦長に通信文を見せた。

 

「『核攻撃を実行せよ。』か...本当にこんなことになるとはな。」

 

士官が通信で送られたコードに従い金庫から作戦計画を取り出して艦長に渡す。

艦長の手元に作戦計画が渡されると隣にいる副長に向かって言った。

 

「これで生意気な中共を吹っ飛ばせるな。」

 

そう言って作戦計画を見ると艦長は驚いたように目を見開いた。

 

「ミサイル長、これは間違いでは?」

 

「いえ、通信文のコードと同じです。」

 

「艦長、どうされましたか?」

 

副長が聞くと艦長はハンドマイクを手にとって艦内放送で乗組員に周知した。

 

「...これより本艦は日本の主要工業地域に対して核攻撃をおこなう!」

 

この命令に艦内の乗組員は驚いた。

 

「艦長!それは本当ですか!?」

 

副長は驚いた声で聞くと通信文と作戦計画を渡した。

通信文にあるコードと作戦計画のコードの符号は一致していた。

 

「...了解。日本の主要工業地域に対する核攻撃をおこないます。」

 

艦長と副長は首に下げる鍵を専用の差込口に刺して回すと核ミサイルの安全装置が解除される。

船体は発射深度まで浮上し、ミサイル士官によってミサイル発射管を覆う整流用外扉と発射管の耐圧扉が開放される。

内部にはW88核弾頭を八発搭載したトライデントⅡが発射を待っていた。

 

「一番発射!」

 

そして艦長によってミサイル発射ボタンが押される。

発射管下部のガス発生装置が高圧ガスを発生させ、発射管に送れると発射管内部のミサイルは下からの高圧ガスによって発射管から防水皮膜を突き破って打ち出され海中を上昇して海面上に飛び出した。

海面上数メートルまで達すると第一段のエンジンが点火しミサイルが日本に向かって上昇した。

 

 

 

 

 

 

 

-6月6日同時刻/島根沖・日本海上空―

 

 

 

 

 

 

 

シャルロット・デュノアの“ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ”は急速に上昇していた。

中華連邦軍によるさらなる弾道ミサイルを日本に向けて発射している。

本来迎撃に当たる部隊は長時間にわたる迎撃と中華連邦軍のIS部隊との戦闘により弾薬と機体が消耗していた為に、とうとう予備部隊である欧州IS派遣部隊とIS学園の機体を投入した。

デュノアは島根沖に展開する部隊に割り当てられ、必死に配置に就こうとしていた。

もう殆どの部隊の配置を終え、迎撃に当たっていたからだ。

だが突然弾道ミサイルの迎撃を指揮する“国防軍宇宙空間防衛司令部”の通信が割り込んできた。

 

『こちらキャッスル!現在南からMIRV(マーブ)とおもわれる飛翔体が接近中!』

 

すぐにデュノアはハイパーセンサーに司令部から送られた予想落下地点と飛翔ルートを見る。

MIRVはすでに弾頭から八つの再突入体が切り離されていた。

予想落下地点は愛知県、岐阜県、三重県、大阪府、兵庫県、山口県、広島県の六府県に集まっていた。

目標はどうみても各県にある工業地帯の軍需工場だ。

 

『わたくしが山口、広島と兵庫に飛翔する再突入体を迎撃しますわ!』

 

北九州に配置されていたセシリア・オルコットは独断で近くの再突入体の迎撃に向かった。

現在、六府県のうち太平洋側の県には迎撃できるISは配備されていない。

さらに愛知県と岐阜県、三重県のPAC-3は先の弾道ミサイルの攻撃に織り交ぜた長距離巡航ミサイルより破壊されていた。

もし仮に中国がMIRVをこの状況で発射したとなれば、状況打開の為に核弾頭を搭載している可能性があるとオルコットは考えた。

それに動かされデュノアも行動を起こす。

 

「わかった!僕は他を迎撃する!」

 

デュノアはエネルギーをすべて推進力に回して目一杯動かし上昇を続ける。

一分後に大阪へ落下中の再突入体を捕捉することに成功する。

デュノアは予想コースに機体を置き五九口径重機関銃“デザート・フォックス”を取り出して再突入体に向ける。

そして重機関銃の弾幕を張ると再突入体は傷付き爆発した。

 

「次!」

 

すぐに三重県に向かう再突入体に向けて高速で飛行するが着弾まで数分を切っていた。

オルコットは山口、広島に向かう再突入体の迎撃に成功、残りの兵庫県に落下する再突入体の迎撃に取り掛かっていた。

三重県へ着弾予定の再突入体はもう三重県上空に差し掛かろうとしていた。

高速で再突入体に接近すると近接ブレード“ブレッド・スライサー”を取り出した。

 

「ウォリャァァア!」

 

叫び声を上げながら速度を利用して力任せに再突入体を叩き割る。

近接ブレードは折れたが再突入体は粉砕される。

その瞬間にバイザーに警告表示が現われた。

 

『警告!機外の放射線濃度が急上昇しています。』

 

核弾頭が破壊され、内部のプルトニウムが流出したとわかった。

 

「やっぱり核弾頭...」

 

デュノアは核弾頭だと分かると急いで名古屋に落下する再突入体に追いすがる為に急降下する。

しかし名古屋の市街地と工業地帯へ落下する再突入体二発はもう高度1000mを切ろうとしていた。

だがデュノアは諦めない、第二の故郷である日本に核兵器が落ちることは許せなかった。

さらに岐阜へも一発が落下中だったが、暗闇に光が点滅した。

 

『岐阜に落下している奴を迎撃した!』

 

岐阜へ向かう一発は織斑が迎撃に成功した。

そして工業地帯へ落下しようとしていた再突入体を五九口径重機関銃“デザート・フォックス”で破壊する。

 

「あと一発!」

 

さらにデュノアは低空飛行で名古屋の市街地へと入る。

すると織斑が心配してオープン・チャンネルで叫ぶ。

 

『シャル!無茶をするな!』

 

「大丈夫、必ず迎撃するから!」

 

そう言ってデュノアはオープン・チャンネルを切る。

そして落下予想地点に近づき、再突入体を射程に収めると五九口径重機関銃“デザート・フォックス”を空に向ける。

そして引き金を引こうとしたが。

 

「え?」

 

目の前が一瞬で光で包まれた。

核弾頭が名古屋市上空で炸裂し、環状道路一帯が火の玉に包まれた。

爆心地にあった建物はすべて破壊され、無論デュノアも巻き込まれ戦死した。

零コンマ数秒後にきのこ雲が立ち昇ると同時に爆風と熱風が建物を破壊する。

熱放射により木造建築物が燃えるなどしたが、核攻撃に備えた避難計画のお陰で人的被害は警察と消防、公務員に集中したが市民の被害はなかった。

しかし核シェルターに逃げ込めた市民は少数で、強い放射線を浴びた多くの市民は時間と共に苦しんで死んでいった。

 

「シャル...」

 

核爆発の光景を見た織斑はコア・ネットワークでデュノアの機体の反応を探す。

だがいくら探してもコア・ネットワークにはデュノアの反応は見つからなかった。

互いの位置を恒星間距離においても正確に把握することができる能力を遣っても見つからない。

それは相手が死亡又は機体が完全に破壊された状態であるということである。

デュノアが死んだことを織斑は理解した。

 

「絶対に...絶対に復讐してやる...中国人共め!」

 

織斑は涙を流すが怒りと憎しみに歪んだ顔をしていた。

そして手を握り締め、復讐を堅く心に誓った。




第六十四話です。

やっと今日で大学のテストがすべて終わり夏休みに突入しました。
さあて何しようか?
まずはこの小説を進めないといけないかな?
いやレポートが
いやバイト

やる事が多くて小説をこの夏にどこまで進められるかな?

ではまた今度。
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