学園の守護者   作:新稲結城

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第六十六話 大統領

-11月9日午後一時/アメリカ合衆国・ホワイトハウス-

 

 

 

 

 

 

 

「まったく面白く馬鹿しい戦争になりそうだな。」

 

ホワイトハウスのオーバルオフィスでターナー大統領は集まった閣僚を前に言った。

アメリカは白騎士事件以後の経済不況から立ち直っておらず前々任も前任も数多くの経済対策を行った。

だがどれも状況を打開できるほどの効果は持たなかった。

大統領に就任したばかりの時にフランスなど一部のヨーロッパ諸国の首脳に大企業の経営者などの権力者の誇大妄想を知った時は大笑いしたのを思い出した。

父親は白騎士事件の時の大統領で白騎士に敗北した責任を問われ弾劾された。

その悔しさからこの組織をつくり、死後息子である自分を後継者とした。

初めてこのことを聞いた時は馬鹿げた妄想話だと思ったが、その組織をアメリカの経済対策に大きく役立つと考えた。

戦争によって各国の経済基盤が壊滅すればアメリカの工業力とエネルギーを必要とし、戦後も復興の為に我々が生産する製品が必要とされるはず。

そうならば国内は大きく潤うだろう。

 

「そうなれば我々が世界の頂点に再び立つ事が可能だろう、戦わずに世界の頂点に。」

 

そう大統領は考えていた。

 

「しかし日本に核兵器を落すのはやりすぎだったのではないでしょうか?」

 

司法長官は核攻撃について否定的だった。

 

「想定では日本の工業地帯の五割から七割が壊滅するはずだったが、あの国が開発した優秀なミサイル防衛システムのせいで全然壊されなかったからしょうがない。そうじゃないと製品が売れない。」

 

「おかげで両陣営の各国からは各種兵器から生活用品に至るまでのすべての製品の注文があり、企業は増産態勢にあります。」

 

商務長官はそう言った。

欧州やアジアでの戦争は大量のミサイルによる攻撃から始まり、重要施設を破壊しつくした。

特に工場は軍需工場のみならず食品工場なども破壊され、早くも継戦能力が大きく低下していた。

そのために両陣営の各国は中立であるアメリカの工業力を頼りにして戦争をしている。

そして両陣営から次々と入る注文で国内産業は大きく潤っていた。

 

「とにかく今の内に稼いで大戦後に備えよう。解散。」

 

閣僚達がオーバルオフィスから退出すると、代わりに数人が入室した。

国防長官と四軍の長官・国家情報長官とCIA長官・国務長官の八人が集まった。

彼らとは戦後について話し合う予定だ、アメリカを中心とした世界について。

 

「そうだ、始める前にCIA長官。君の作戦は順調に進んでいるか?」

 

「はい、“世界再建委員会”の会員の八割を様々な方法で抹殺。残りは指導者ですがこれは戦争の趨勢によってです。」

 

「“亡国機業”の処分は?」

 

「今現在、遂行中です。」

 

 

 

 

 

 

 

-同日/大西洋某所-

 

 

 

 

 

 

 

ロサンゼルス級原子力潜水艦が白波を立てて海上を航行する。

だがこの潜水艦には名前は無い、この潜水艦は退役した潜水艦を改造した亡国機業の拠点だった。

一機のSH―60F“オーシャンホーク”が艦の上で滞空するとホイストを降ろす。

 

「じゃあ留守番よろしくね。」

 

スコール・ミューゼルは艦長に別れを告げると救命浮輪を装着してホイストに吊り上げられて“オーシャンホーク”に乗り込む。

彼女の手にはプラスチック製のケースを持ち、その中には“亡国企業”が保有するすべてのISが待機形態で収められていた。

パイロット達には前回の襲撃で傷付いた機体の修復をアメリカ本土でおこなう為だと説明していた。

“オーシャンホーク”が艦の上空を離れると乗組員は艦内に入り、他国の衛星の目から出来るだけ存在を隠匿する為に潜行する。

海上から姿を消してから数分後、突如海面に水柱が立ち上がる。

ある程度の深度に達すると爆弾が起爆するように設定され、さらに船体を完全に壊さず急速に沈み込ませた。

艦内は阿鼻叫喚としているだろう、しかしなす術も無く深海に引きずり込まれ水圧で圧壊するだろう。

 

「...目標の圧壊を確認。」

 

センサーマンはスコールにそう報告した。

これでエムを含む“亡国機業”の実働部隊は壊滅した。

 

「ありがとう。」

 

彼女はそれだけを言った。

“オーシャンホーク”は母艦の“ジェラルド・R・フォード”に帰還した。

 




第六十六話です。

ちょっと内容が薄い&短絡的なような気がする...
そう言えば皆さんISの九巻のCHOCOさんのあとがきを見ましたか?
ヒロイン五人の軍服のコスプレを描いているのですが...見事にバラバラですね(笑)
自分が見た限りではラウラと箒を除いて全員ドイツ国防軍の制服“ぽい”という。
(ちなみにラウラは日本海軍、箒は日本陸軍?)
確かにドイツ国防軍の制服はかっこいいのは認めるがどうせなら各国軍の制服にして欲しかったと思う。
自分ならば
・シャルロット:サン・シール陸軍士官学校の正装
・セシリア:No.2 dress 又はキルト(スコットランド人だったら)
・ラウラ:ドイツ国防陸軍将官の礼服
・箒:大日本帝国海軍第三種軍装
・鈴:中国人民解放陸軍87式夏常服
にすればいいかなと思って見たり...
まあ後書きですから、ここまで求めなくてもいいですね(笑)
描いてくれたら自分的には嬉しい限りです。

ではまた今度。
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