学園の守護者   作:新稲結城

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※誤字脱字があった際、報告お願いします。
※核攻撃について捕捉
・核攻撃後、日本政府は中華連邦が発射したものだと決め付け非難。中華連邦は沈黙する。英国は中華連邦への核攻撃を検討するがフランスが同盟国への核攻撃に対して核で報復すると宣言。フランスからの核攻撃を恐れた英国は核攻撃を中止する。日本はさらなる核攻撃に備え、朝鮮半島に配備された中華派遣軍を分散して戦術核による被害を減らす対策をし、核開発に入る。核攻撃により破壊された工場の代わりの工場を完成までの間、兵器はアメリカからの輸入に頼っている。それはヨーロッパでも同じだった。


第六十七話 琉球爆撃

-11月12日午前二時/第五航空艦隊・空母“赤城”艦上-

 

 

 

 

 

 

 

五十嵐裕也はF/A―3A“流星”戦闘攻撃機に乗り込んでいた。

本土防空戦の後、入院していた彼に新編された第五航空団への異動命令が下った。

搭乗機であったIS“紫電”が完全破壊され、五十嵐に割ける機体がないが優秀なパイロットを遊ばせておく余裕は日本にないので戦闘機で戦えと異動命令を伝えに来た士官に説明された。

これに対しIS戦略航空隊の佐々木大佐は反対を唱え、国防大臣にまで直談判したらしい。

五十嵐は“赤城”に乗艦した際に大佐が反対した理由が分かったような気がした。

この艦には航海要員と指揮官を除いて殆どが徴用兵と祖国防衛に使命感をおびた若者しかいなかった。

それにこの空母、赤城型航空母艦一番艦“赤城”は1970年代に就役した旧式の空母。

そして随伴艦が最低限の駆逐艦しかいない、しかも旧式のである。

どう見ても囮部隊にしか思えない。

それを証明するかのように“赤城”を中心とする第五航空艦隊は単独に近い状態で琉球諸島に接近していた。

 

「しかし、またお前と組めるとはな。」

 

だがこの部隊に配属されても希望はあった。

 

「俺こそ、お前の操縦なら命を預けられる。俺は絶対に家に帰りたいからな。」

 

後席には日韓戦争からの相棒であった五反田弾が座っていた。

彼と五十嵐は幾度の先頭を潜り抜けた、双方とも相手に厚い信頼を寄せていた。

 

「そう言えば、五十嵐。その眼帯、似合っているぞ。」

 

「そうか?ボーデヴィッヒから貰ったものだ。」

 

「ボーデヴィッヒって確かドイツの美人将校だったか?いいな~」

 

『美人かどうかは知らないけどな』と心の中で呟いた。

 

射出員の合図と共に蒸気カタパルトによって射出され、空に舞い上がる。

今回の任務は琉球本島への上陸に備えての準備爆撃と中華連邦海軍の練習空母艦隊を引き寄せることだった。

案の定、我々の艦隊は敵空母を引き寄せる囮であった。

艦隊上空で編隊を組むと全四十機の戦闘機が琉球本島へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

-11月12日午前六時/琉球本島上空-

 

 

 

 

 

 

 

琉球本島に近づくと各隊に振り分けられた目標に向けて散開した。

五十嵐の二機小隊は先行して超低空で近武湾から本島上空に入り、琉球霊園を飛び越えた。

そしてその先に目標である嘉手納飛行場を片目の右目で捉えた。

 

「五反田!左を頼む!」

 

「わかった!」

 

その瞬間、対空砲火が上がる。

レーダーと連動した対空砲火が襲うが、超低空で接近する戦闘機に誘導弾は間に合わない。

ただ自走式対空砲だけが脅威だが、朝鮮半島で幾度も浴びせられ二人は慣れていた。

機体の傍で砲弾がいくつも炸裂して機体を揺らす。

だが五十嵐は機首を滑走路から逸らさない、絶対に。

そして機体が滑走路に真っ直ぐ入ると“デュランダル”を連続投下する。

投下された“デュランダル”はパラシュートを開き、滑走路に対して垂直になるとロケットモーターを点火。

900Km/hにまで加速させ滑走路下の地中に突き刺り、爆発を起こす。

大きく滑走路が盛り上がり、コンクリートと土砂が吹き飛ばされクレーターを作り出した。

これにより大きく修復困難なクレーターを滑走路に造り、固定翼機の離着陸を不可能にすることで航空基地の機能を麻痺させ、同基地に配備されていた航空部隊を無力化させるのが五十嵐に与えられた任務だった。

お陰で嘉手納に配備された航空隊は戦う前に無力化された。

 

「やったぞ!僚機も成功したぞ!」

 

大爆発が滑走路に何発も起き、二本の大きな滑走路は完全に破壊された。

僚機が傍に来てグットサインを五十嵐に見せた。

 

「よし、帰還するぞ。」

 

僚機にそう伝えた時、僚機は爆発した。

同時にミサイル接近警報がコックピット内に響き渡る。

 

「くそ!」

 

即座にフレアとチャフを撒く。

飛行場に配備された地対空誘導弾の攻撃だと悟った。

 

「八時の方向に誘導弾!」

 

五反田の言葉を聞いた瞬間に右にロールをうって背面急降下をしようとした。

だが遅く至近距離で強力な地対空誘導弾が爆発、大量の破片が機体を襲った。

主翼に大きな穴が開き、電装系が破壊され機器が電子音の悲鳴を上げる。

機体を必死に操縦して空母へ機首を向ける。

だが飛行場からの攻撃は止まらず、さらに地対空誘導弾を二発発射する。

 

「すまない、五反田。俺のミスだ。」

 

五十嵐は敵地への脱出を決め、五反田に伝える。

 

「気にするな、前も敵地に降りた事があるだろう。今回も大丈夫さ!」

 

言い終わると五十嵐は射出フックを思いっきり引張る。

キャノピーが爆薬で吹き飛ばされ、二人は空へ投げ出される。

パラシュートが開いた時、機体に二発の誘導弾が命中して爆発する。

その爆発で破片が降り注ぐ。

 

「あっ...」

 

爆発で吹き飛ばされた主翼の一部が回転しながら五反田のパラシュートを切り裂いた。

 

「五反田!」

 

五反田は悲鳴を上げながら地面に落下していった。

森の中へ落下して消えて行った。

ゆらゆらとパラシュートは落下し、森の木々に引っ掛かり着地する。

五十嵐は急いでパラシュートを外すと森の中を走った。

そして五反田が押した場所に辿り着いた、彼は地面に叩き付けられ死んでいた。

腕と頭が衝撃で胴体から切れて地面に転がっていた。

五十嵐は死体ただ呆然と眺めていると背後から銃床で後頭部を殴られ、気絶した。

 

「うわ!ひでえ死に方だな。」

 

「ああ...」

 

二人の琉球陸上自衛隊の隊員は五十嵐の顔を見た。

彼らは同時に驚き、困惑した。

 

「おい...こいつって日本海軍の撃墜王じゃねえか!」

 

「そ、そうだな...」

 

「ど、どうする...」

 

「とにかくだな...上官に報告だ!それとこいつを運ぶぞ!」

 

二人は五十嵐に手錠を掛けると抱えて運んだ。

その後、大量の犠牲を払いながらも琉球本島の飛行場や防衛施設の大部分の破壊は成功した。

だが第五航空艦隊は中華連邦海軍の練習空母艦隊と刺違え、最後は潜んでいた潜水艦の魚雷攻撃で撃沈した。

約五千人の戦死者を出したが、村瀬首相代行は五十嵐が死んだことを聞いて微笑んだだけであった。

彼女には若者がいくら死のうとどうでもいいことだった。

自分の権力と占領地を増やしてくれるなら安い代金だと考えていた。




第六十七話です。

八月八日から始まった艦これ夏イベントで忙しく投稿が遅れました。
十日から始めて四日間かけてE4までクリアしました...本当にきつかった。
けれど大鯨・時津風・大淀・春雨・早霜を艦隊に迎え入れることに成功して満足しています。
ただそろそろ課金しないとこれ以上艦娘を受け入れられない状況です。
なんとかしないとな...(と言っても課金するしか手は無いけど)
あと、イベント攻略で自分なりのお祈りというか願掛けは“軍歌”を流すことですね。
支援艦隊が来て欲しいときには『砲兵の歌』を流したりと。
案外、軍歌を流すと自分を奮い立たせることが出来るので頑張れます。
特にソ連・ロシアの軍歌は勇気をもらえますね。(行進曲はドイツだけどね)

ではまた今度。
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