学園の守護者   作:新稲結城

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第六章 内戦
第七十一話 帰還


-2013年6月6日午前1時/中華連邦遼寧省日本国防軍占領地域-

 

 

 

 

 

 

 

都市から離れた草原地帯にある廃村、暗闇の中に小銃を構えた民兵が周囲を見張っていた。

すると突然背後から暗視装置を装着した完全武装の兵士に背後から口を押さえられ首筋を掻き切られた。

それに続いて数名の同じ姿をした兵士が姿勢を低くして廃村の中心部にある家屋に集結する。

先頭の兵士が窓から点検鏡で内部を確認する。

鏡には二人の民兵が談笑している姿が映り、次に眠っている民兵の姿を確認する。

そして奥には目標である拘束され頭に麻袋を被せられた男の姿を見つけた。

兵士は点検鏡を畳むとハンドサインで突入を指示する。

最初に窓ガラスを割ると閃光発音筒を投げ入れ爆発すると瞬時に日本国防陸軍特殊作戦群の隊員が内部に突入し、暗視装置で民兵を探し当て片っ端から射殺する。

 

「クリア!」

 

制圧を完了すると隊長は床に倒れた麻袋を被せられた男を引き上げて麻袋を外す。

そして目標の顔写真と見比べ確認を取ると質問した。

 

「お前は国防海軍第五航空団の五十嵐裕也大尉だな。」

 

「そうだ。」

 

五十嵐は頷いて答えた。

そして隊員に抱えられ飛来したUH-60JA“ブラックホーク”に乗せられた。

なぜ彼が日本に戻ってきたのか?

それは十四日前に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

-5月24日午後2時/南太平洋上・強襲揚陸艦“アメリカ”―

 

 

 

 

 

 

 

篠ノ之束のアジトへ強襲を終えて一人帰還した五十嵐はハワイへ帰還の途につく強襲揚陸艦の会議室で作戦について数時間に及ぶ報告をさせられた。

この作戦においてアメリカ合衆国空軍の誇るIS部隊が壊滅、さらには篠ノ之束の死亡という事実に作戦を指揮した将官達は信じられなかった。

五十嵐は怒ったことをありのままに報告をおこなったが、最初は信じられず何度も繰り返し説明して将官達は納得した。

 

「報告は以上です。」

 

「わかった。これで終わりにしよう、ただ君には客人が一人来ている。」

 

将官達は会議室から退出すると代わりにスーツを着た白人男性が入室した。

 

「やあ、久しぶり。」

 

その男はミューゼルの次に彼に出合ったアメリカ人、中央情報局(CIA)のフォッグという男だった。

度々五十嵐のもとを訪れては国防軍について、特に徴用兵についての情報を聞き出していた。

また共同作戦では第2特殊作戦飛行隊とのパイプ役として動いていた男だった。

 

「このような結果になったのは謝る。」

 

入って早々彼は謝った。

 

「俺は部隊が壊滅しようがしまいがどうでもいい。謝るなら国防総省に謝った方がいい。」

 

「そうだね。」

 

彼は常に笑顔で喋る。

その分、彼が何を考えているか分からない。

 

「ただ謝りに来たわけじゃないだろ。」

 

「当然。君にお願いがあるんだ。」

 

「なんだ。」

 

「村瀬政権の転覆に一役買ってくれ。」

 

五十嵐は驚く。

 

「俺がですか?」

 

「ああ、君は日本国民の英雄だ。特に徴用兵や貧困層からね。」

 

「村瀬を倒すことに協力はしますが成功するのか?」

 

「大丈夫だ。君には国防軍内部でクーデターを計画している中華派遣軍指揮官大森大将のもとへ行ってもらいたい。」

 

そう言われ彼は日本に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

-2013年6月6日午後2時/日本統治領朝鮮・平壌-

 

 

 

 

 

 

 

平壌にある中華派遣軍総司令部に連れてこられた五十嵐はシャワーを浴びせてもらい用意されたジャージに着替えると客室に通された。

そこには口髭を蓄えたいかにも歴史の教科書に載っている様な男が座っていた。

 

「君が五十嵐くんかね。どうぞ、座って。」

 

ソファに座ると早速聞いた。

 

「大森大将ですね。」

 

「いかにも大森和幸陸軍大将だ。」

 

「私は貴方の計画に合流する為にここに来ました。早速ですが計画を教えてください。」

 

すると大森大将は顔を手で覆い俯きながら言った。

 

「実を言うとな...計画は大きく変更...というより今すぐ行動を起こさなければならなくなった。」

 

そう言って大将は五十嵐がアメリカへ連れて行かれた後の話をした。

開戦から二ヶ月が経った頃からシーレーンを絶たれた日本はアメリカとオーストラリアからの輸入に頼っていたが、中華連邦海軍の通商破壊により輸入が滞りはじめ、さらにはもともと国内の食糧自給率の低い上にそのすべてが戦地への兵士に送られ、富裕層以外の国民には配給制で少ない食料しか食べれず餓死する国民も出始めた一方で富裕層は村瀬政権を支援する代わりに政権から特権を保証され、優雅に暮らし息子達を戦場に出さなかった。

さらに村瀬首相は日本国の象徴である皇帝を『時代遅れの男尊女卑の象徴』として廃位し、自ら女帝になろうと計画している事が国民に知れ渡り、今までの女尊男卑思想の政権がおこなってきた圧政と好転しない戦況も重なって不満が大きくなった。

そんな状態が終わりなく続くように思えた国民は首相官邸に向け数万人規模のデモ行進をおこなった。

デモの目的は戦争の村瀬政権の退陣と即時停戦、食料事情の改善、女尊男卑政策の撤廃、徴用兵にされた子供達の返還などを掲げた。

それに対して村瀬首相は国家親衛隊を動員し、首相官邸に近づくデモ隊に発砲。

数千人が犠牲になり、様々な過激派が報復に武装蜂起をおこない国内は騒然となっていた。

 

「というわけで我々はすぐさま行動を起こさなければいけない状況に追い込まれた。誰かが村瀬政権と対する勢力を作らなければならない。それは国民の軍隊である国防軍こそが中心になって起こさなければならない。」

 

「しかし今は戦時中です。本土には国防軍の陸上兵力は殆どありません、派遣軍を引き揚げた場合中華連邦軍が攻勢に出るかもしれません。」

 

そう指摘すると大将はキョトンとした顔をした。

 

「君は知らないのか?中華連邦が分裂したのを。」

 

「いいえ、残念ながら数日間捕虜を演じていたので。」

 

「そうか、三日前のことだ。北京軍区の部隊がクーデターを起こし朱炳煥総書記が処刑された。その影響で新疆ウイグル自治区やチベット自治区が独立を宣言。さらに北京軍区を中心とする臨時政府は内陸の軍区と中華統一のため内戦を開始した。向こうも背後から襲われないよう臨時政府は我々に停戦を持ちかけてきた。ちなみに彼らは最初村瀬首相の方に行ったが相手にされず、我々に攻勢をおこなうよう命令が来た。」

 

「ならば、もう準備は出来ているのですか?」

 

「そうだ、我々も旧自由党の議員と共に臨時政府を建て、村瀬政権を打倒する。」

 

「わかりました。私も大森大将のもとで働きます。」

 

そうして二人は握手を交わした。

数日後、彼らは村瀬政権に対して戦いを挑んだ。




第七十一話です。

最近寒くなりましたね、今日は暖かい方ですが。
でも結構冬って季節は好きなんですよね、雰囲気が。

艦これも秋イベが近づいています。
提督の方は資源は大丈夫ですか?
自分はとうとう港が一杯になったので1万円かけて港の拡張と入渠ドックを開放しました。
そして遠征を回しまくる...けど弾薬が中々貯まらないんですよね...

ではまた今度
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