最近、氷菓にはまって中の人繋がりで思いついたネタ。謎解きとか余りないです。

 

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プロローグ「明日へのユナイト」

 月面。本来ならば、一縷の光さえもない漆黒の世界である筈の場所で、幾度なく閃光が迸る。

 

『何故だ?何故、永遠の命を拒む!?全ては、幸福の中に居られるというのに!?』

「スパークドールズに変えて閉じ込める事は、永遠なんかじゃない!」

「そうだ!人から人へ。親から子へ。想いを繋げる事が、永遠なんだ!」

 

 閃光を生み出しているのは、全身にトゲが生えた鎧のような黒い巨人と対峙する、体の各所に蒼く輝くクリスタルがある銀と赤の巨人と、ヘッドホンを掛けているような頭部にどこか電子的な銀とグレーの巨人であった。

 

「ダークルギエル!お前の考えも、確かに一つの可能性だ」

「だが、それでも俺達は選んだんだ!皆で、人間もウルトラマンも怪獣も、全ての生命が生きる今のこの星を」

「「地球を守る!!」」

『愚かな!ギンガ、エックス。貴様らなら、私の永遠の素晴らしさを理解できぬ筈がないと言うのに!!』

「ま、最も私は自分が色んな料理を食べれなくなるのが、嫌なだけなのだがねッ!」

「料理研の先輩らしい理由ですねッ!」

 

 黒い巨人、ダークルギエルが振り下ろす三叉の漆黒の槍を、クリスタルの巨人、ギンガがクリスタルと同じく蒼く輝く槍で受け止める。

 

「エックスクロスチョップ!」

 

 その隙に、銀の巨人、エックスがダークルギエルの胴に潜り込んでXを描いたチョップを叩き込む。

 

「ギンガサンシャイン!」

『グアッ!!』

 

 エックスによって体勢が崩れ、そこに必殺とも言える光線をギンガが放つが、ダークルギエルは後退しただけで大したダメージが通ってないように見える。

 

「クッ!やはり効いてないか。だが、地球に行かせるわけにはいかない!」

「ええ。必ず、ゼロ達が奴の力の源を絶ってくれます!」

『フハハハ!私は、不死身だ。何度やろうとも、無駄な足掻きだ!』

 

 ダークルギエルの更なる追撃に二人が身構えたその時、背後から、即ち地球が眩いばかりの黄金の光が溢れ出す。それと同時に、ダークルギエルが胸を押さえて苦しみ出した。

 

「これは、まさか!?」

 

《折木、聞こえる!?》《折木君!闇ノ魔王獣を倒したわ!!》

 

「サンキュー、伊原に十文字。正直、きつかった所だ」

 

《ったく、しょうがないわね》《私達の力を使って!》

 

 突如、通信してきた少女達の声。それに対してエックスに変身していた少年は、本心を包み隠さず伝えると通信越しでも分かる呆れた雰囲気と共に、手元のデバイスに二枚のカードが送られる。

 すかさず少年は、カードをデバイスに装填して読み取る。

 

《ウルトラマン&ウルトラマンティガ。ロードします》

 

 電子音声が流れると共に、エックスの上半身にウルトラマンとティガの両者の意匠が入った鎧が装着される。

 

《ベータスパーク・アーマー、アクティブ!!》

 

「ギンガ、タロウ!私達も!!」

『ああ、ゆこうヒカル』『今こそ、一つになる時!』

 

《ウルトラマンタロウ!ギンガに力を!ギンガストリウム!》

 

「セィイヤァッ!!」「ショゥラァッ!!」

 

 強化形態となった二人は、構えると同時にダークルギエルを目掛けて駆け出す。

 

『バカなッ!!こんな事がァアア!!』

 

 今までダークルギエルに力を与えていた存在を倒され、尚且つ強化された二人のウルトラマンの攻撃に為す術はなくとうとう膝を付く。

 

「これで決める!」

「トドメだ!」

 

《ウルトラ兄弟の力を一つに!》

「『コスモミラクルエスペシャリー!!』」

「『ベータスパークアロー!!』」

 

 ギンガの全身から放たれた銀河系を構成するような星々を象った光線と、エックスが構える弓のような武器から放たれたXを象った光弾が、ダークルギエルの体を射抜く。

 

『永遠の命の力……。それが、お前達の答えか、ッ!!』

 

 何かを悟ったように感じさせる声音で仰け反りながら、ダークルギエルは爆散した。

 

「終わったのか……?」

「いいえ、始まるんですよ。俺達の、人間が怪獣と地球と向き合う為の戦いが……」

 

 あらゆる生命をスパークドールズに変え、活動を停止させる事で全てのモノを「幸福」という時間の中に留めようとしたダークルギエルを倒し、二人のウルトラマンは新たな戦いの予感を感じながらも勝利の喜びを噛み締めるのだった。

 

 

 

 

 拝啓 ベナレスにいるだろう先輩へ

 

 前略

 ―――長い休日。それは、誰にでも有りがちな無邪気な青春の時代。その時代に優しすぎた故、彼の心が灰色となった時間を例えた言葉。言い始めたのは、先輩だったか、それとも彼自身だったか。

 しかし、その休日の終わりは先輩の予想より意外と早く訪れました。

 その原因を語る為には、つい最近起こった世界的大ニュースについても語らねばなりません。

 「ウルトラ・フレア」と呼ばれる世界各地に未知の太陽フレアが降り注ぎ、「スパークドールズ」と名付けられた怪獣の形をした人形が巨大化し、暴れ出すという事件。

 その未知のオーパーツや地球を狙って、次々と侵略行為を始めた多くの異星人が現れ始めました。

 この神山市も例に漏れず、「スパークドールズ」の推定埋蔵量が、地球全体の約一割という事もあり、人知の及ばない様々な騒動が起きました。

 人類は為す術も無く、地球が混沌の時代を迎えたその時、希望の光は舞い降りました。

 地球の悲鳴を聴き、駆け付けた別次元の戦士、ウルトラマンゼロ。未来から来た、怪獣にも変身できる戦士、ウルトラマンギンガ。

 そして、怪獣達との共存する未来という選択肢を与えてくれた未知の巨人、ウルトラマンX。

 そう、彼等との出逢いが彼の心に変化を与えました。否、彼だけでなく、私達にも確実に変化が与えられたと思います。

 かくして、この三人のウルトラマンと共に私達は、巨悪の根源との決着を付け、地球に、いや、正確には神山市に一時の平和が戻ってきました。

 しかしながらそれは、あくまでも嵐の前の静けさに過ぎなかった事を、後に私達は知る事となりました。

 以上、近況をお伝えしました。詳しい内容は、同封したUSBメモリにデータが入っています。

                                                かしこ

 

追記 何だかんだ語りましたが、先輩の方が絶対に濃い春休みだったのでしょうね。帰国したら、知らせて下さい。


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