LIBERAL TAIL   作:タマタ

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第16話: 星霊王

ロキを見つけたルーシィはその場から痛む体を無視して、ロキ方へと駆けた。浴衣なので走りにくいルーシィはなるべく、早く走った。

 

「ロキ!」

 

「ん・・・?ルーシィ!?」

 

「ちょっと、今度は逃げないでよね」

 

「分かった、分かった。逃げないよ」

 

ルーシィはそうやってロキを止め、ロキも普段のようにルーシィに解釈していた。

 

「あのさ・・・」

 

「ん、なに?」

 

ルーシィはひと呼吸おいてから、決意したように言った。

 

「ちょっと、付き合ってよ・・・」

 

「えぇ?」

 

少し鈍ったような声を出すロキの表情はとても驚いているように見える。

 

「ダメ?」

 

「う、うん。いいよ」

 

焦りながらもロキはルーシィの頼みを許可した。

 

「じゃ、行こっか」

 

その二人の姿を影から覗く青い影があったことにはまだ二人は知らなかった。

 

 

 

「あれ、ルーシィは?」

 

枕戦争をしていた3人にリーナが訊くが、聞く耳すら持たない3人は宛にならないとリーナは1人、ルーシィを探しに行った。

 

「ルーシィ!!」

 

そうルーシィを呼ぶように駆けていった。

 

 

 

「ねぇ・・・」

 

「ん、なんだい?」

 

カルーラ城下町のとある飯処にロキとルーシィはいた。だが

 

「そんなに離れなくても・・・!」

 

ロキとルーシィの座っている距離に思わずルーシィは焦りながらロキに注意した。

 

「ご・・・ごめんっ」

 

とか、謝りながらもロキは座る位置をちっとも変えるようすはなく、水を飲んでいた。仕方なく、ルーシィがロキの隣に腰を下ろす。

 

「前から気になってたんだけど・・・アンタ、星霊魔導士になにか酷いことされた訳?」

 

しかし、ロキは俯いたままなにを考え、なにを見ているのかルーシィには分からない態度を取っていた。そのため、ルーシィは頬をぷっくりと膨らませた。少し怒ったルーシィだが、ロキには言えない程、辛いんだ、と伝えようとしているのかもしれない。そう思うと、ぷっくりと膨らませた頬も戻っていた。

 

「別に言いたくないんだったら良いんだけさ・・・」

 

「ごめん。もしも、僕が君を傷つけたなら謝るよ。ホント・・・」

 

「ううん。今日はありがと♪付き合ってくれて・・・」

 

立ち上がって去ろうとするルーシィに背を向けたまま、ロキは座っている。返事もしなかった。

 

「それじゃ。ナツ達も待ってるかもしれないし・・・」

 

ルーシィがそう言い残し、店を出ようとした時だった。

 

「んっ?」

 

いきなり手首を掴まれ、ルーシィは少なからず驚き、振り返った。

 

「待って」

 

ロキがそう言った瞬間、いきなり席から立ち上がり、ルーシィに自ら抱きついた。頬を真っ赤にし、ルーシィは驚いて声も出せない。

 

「ルーシィ・・・」

 

「あっ、あぁ・・・はい!」

 

そして、いきなり声をかけられ、どうしていいか分からず、可笑しな感じに返事をした。すると、さらにロキはルーシィの腰まで腕を回し、耳元で呟くように、とても悲しげに伝えた。

 

「僕の命は・・・あと・・・僅かなんだ」

 

驚きの発言にルーシィは出す言葉も忘れ、息をすることも忘れていた。ロキの温かさだけを感じ、そのまま、頭の整理をする。やっと、見つかった言葉も結局は声には出せなかった。

 

「あ、あの・・・」

 

すると、ロキはようやく、ルーシィの体から離れ、ルーシィの顔をずっと見つめた。そして長い時を沈黙し続けたその時、ロキは―――笑った。

 

「引っ掛かったね~。これは女の子を口説く手口さっ!泣き落としの一つでねぇ、どう?結構、びっくり―――」

 

――パン、それはルーシィの平手打ちの音だった。

 

「あたし・・・・・・そーゆー冗談キライ!!」

 

涙目になってそう叫ぶルーシィはロキをずっとにらみ続けた後、その場を大きく足音を立てて、店を出て行った。戸を閉める音が小さく短く、響いた。

 

「なにをやっているんだ・・・僕は・・・」

 

そうやって、まだじんじんとする頬に気を遣いながら平手打ちされた時に落ちた眼鏡を拾い上げ、付け直した。

 

「(感情に流されるんじゃない。ルーシィを・・・巻き込むな!!)」

 

そう自分に言い聞かせ、真剣な表情になった。

今日の三日月は明るく、暗い夜を薄く照らしていた。

 

 

 

 

「(もう!なんなのよ!!ロキの奴・・・。でも・・・なんだか・・・ウソじゃ・・・なかった気がする。なんだろ?なんだか、すごく嫌な予感がしてくる・・・。行かなきゃ!何か分からないけど・・・行かなきゃ!!!)」

 

確かにロキがしていることには腹が立った。しかし、あの時のロキの声がルーシィの頭の中から離れなかった。ずっと心に深々と残っている。あの言葉が。そして、あの時のロキの本当の表情が、感情が。

 

「(ロキに何かが起こる気がする!!)」

 

ルーシィは一心不乱に近くにある少し広い場所を探した。すると、少し向こうに誰もいない灯りのついた噴水がある広場を見つけた。そこへ駆け、銀色の鍵を手に取った。

 

「開け、南十字座の扉!クルックス!!」

 

星霊を呼び出す魔法により、空中に胡座をかきながら浮く、星霊、クルックスが現れた。

 

「ほマ」

 

「お願いがあるの。クル爺の力で、前にロキと関係がある星霊魔道士を調べて」

 

クルックスはほマ、とだけ言ってから集中せずに、寝た。

それから、数秒が経ち、クルックスが大げさに目を大きく開けて、起きた。

 

「個人情報が星霊界の方でも適応されていますので、あまり・・・詳しくは申せませんが。ロキ様と深く関係している星霊魔道士はカレン・リリカ様でございます」

 

クルックスの言葉にルーシィが少し表情を変えた。

 

「それって、とても有名な星霊魔道士じゃない!カレンとロキがどう関係しているっていうの?」

 

「これ以上は申し上げられません」

 

「ちょっと!もう少しくらい・・・」

 

と、言いかけたがまたクルックスが大きないびきをかいて、寝ていた。

 

「まぁ、いいわ。アリガト」

 

そう言って、クルックスを閉門させ、ルーシィはその場にあったベンチに座り、ずっと考え込んだ。

 

「カレンとロキ・・・かぁ・・・。あれ、ちょっと待って・・・。もしかして!!!」

 

ルーシィはそのまま、ハッとする様な仕草を見せ、すぐに立ち上がり、ロキのある言葉を思い出した。

 

 

『僕の命は・・・あと・・・僅かなんだ』

 

 

「(もしこれが当たっているなら・・・ロキは“あそこ”にいる!!!)」

 

そう言って、ルーシィは一気に疾駆していった。

 

 

 

* * *

 

 

 

大きな滝が流れる音。そこには細く滝の方へと向かって突き出る岩があった。そこには一つの墓があり、その前にはロキの姿があった。その表情は罪を感じているようでとても申し訳なさそうだった。

ずっと、墓を見つめ、ただ滝の音だけを聞き、沈黙している。

 

「ロキ!」

 

そこにルーシィが息を切らせながら走ってきた。

 

「ルーシィ!?」

 

見ただけでわかるような驚き様でロキはルーシィを見つめていた。

 

「星霊魔道士・・・カレン・・・」

 

「えっ!!?何故それを・・・」

 

「あなたのオーナーよね。星霊ロキ・・・いや、獅子宮のレオ」

 

驚愕したロキだったが、今はどこか寂しそうにしていた。どうやら、また沈黙するような、そんな様子だった。だが、そこでロキが口を開く。

 

「よく気づいたね」

 

「あたしも星霊魔道士だからね。もっと・・・もっと早く気付くべきだったのよね」

 

そう心配そうに言う、ルーシィは焦る気持ちを必死に抑え、説明しているように見える。

 

「カレンが死んで・・・契約が解除されたはずでしょ?なのに、アナタは人間界にいる。どういう理由で星霊界に帰れなくなったの?教えて!あたしならまだ―――」

 

「――ムリだ。助けはいらない」

 

そうやって、向こう見、ルーシィと目を合わせそうとしないロキは無愛想にルーシィの優しさを切り捨てた。

 

「このままじゃアンタ、本当に死んじゃうのよ!!」

 

「簡単なことさ。オーナーと星霊の間の禁止事項を破ってしまったんだ。僕は星霊界を永久追放となった・・・」

 

「永久・・・追放・・・?」

 

驚きを隠せないルーシィはただロキの言葉を聞いているだけになっていた。

 

「僕は最低だ。・・・オーナーであるカレンを・・・この手で・・・・・・殺めた」

 

ルーシィはロキの最後の言葉にもう声も出せなかった。ただ、瞳を震わせ、滝の音を聞いていることしかできなかった。

 

「僕は消えていく。彼女の墓の前で・・・」

 

「そんな・・・」

 

そして、ロキは自分の過去の話をし始めた。

 

 

 

 

 

 

 

「え~。私、これからエステだから」

 

そう幸せそうに話すカレンの姿を憎たらしそうに見つめる女魔道士達。

 

「鬱陶しいわねぇ。開け、白羊宮の扉、アリエス!」

 

「お呼でしょうか?すみませ~ん・・・」

 

と、登場した瞬間に謝ったのはもこもこの服を着た、白い羊のような女性だった。

 

「めんどくさいからソイツ等の相手してあげて」

 

カレンはそう言い残すと、アリエスが困って呼び止めようとするのを無視して、青い天馬(ブルーペガサス)のマスターの方へと歩いて行った。そして、カウンターの机に腰を下ろした。

 

「カレンちゃん、駄目よ~。星霊にそんな意地悪しちゃ~」

 

「はぁ?いいじゃない。どうせ、アイツ等、ただの道具よ」

 

カレンがそう星霊をゴミように軽蔑した目で言うと、マスターの表情が急変した。

 

「カレン!星霊だって生きてるの!!今度は・・・あなたが苦しむことになるわよ!!!」

 

いつの間にか、表情とともに声がとても低くなっていた。そのマスターの威圧感にカレンは身を引いて、ぞっとするような目でマスターを見た。

 

 

 

「マスター、ボブを怒らせやがって!!洒落になってねぇんだよ!!」

 

そう厳しく怒声をあげるカレンは片手に木の棒を持ち、アリエスを本気で叩いていた。

 

「すみません・・・」

 

「そうね~・・・。アンタには7日間、人間界にいてもらう」

 

「7日間!?カレン様の魔力が持ちませんっ!!ひっ・・・」

 

と、否定しながらも、アリエスは怯えながら体を後ろに引いた。

 

「私をあまく見ないことね。それより、自分のしたらどぉなの?星霊が7日間も人間界にいたら、どぉなるのよ?興味があるわ・・・ふふっ」

 

そうやってアリエスをさらに怯えさせるカレンは頑丈そうな首輪を垂らした。その時だった。アリエスは桃色の雲となって、星霊界へと帰った。代わりに

 

「違う・・・僕が無理やり、入れ替わったんだ」

 

と、光り輝く獅子宮のロキがカレンの手首をぐっと握った。

 

「いい加減にしないか、カレン!」

 

そう言う、ロキの目付きはかなり怒っている様子だった。

 

「これ以上、アリエスにこれ以上、酷いことすれば・・・僕は君を・・・・・・許さない!!!」

 

両手をズボンのポケットに突っ込みながらロキはずっとカレンに威嚇し続ける。カレンも少しずつ後ろに退いている。

 

「精霊ごときが何様のつもり!?」

 

そうやって、強がるカレンだが、体が小刻みに震えているところを見ると、怯えていると分かる。

 

「僕とアリエスの契約を解除してほしい。君は星霊魔道士、失格だ」

 

 

 

 

 

 

「これからだった。僕はずっとカレンを待ち続けた。・・・3ヶ月、ずっと」

 

「・・・3ヶ月」

 

ルーシィはロキの放った言葉にカレンの意地の張り様とロキの辛さを同時に感じていた。

 

「そして、僕がそろそろ、カレンのもとへと帰ろうとした時だった・・・」

 

 

 

 

 

 

「あれから、3ヶ月。そろそろ、カレンを許してやるか。またアリエスに酷いことをすれば、僕が助ければいいんだし」

 

と、言ってレオはまた西の廃墟を出、帰ろうとしていた時だった。向こうから青い天馬(ブルーペガサス)のマスターがゆっくりと歩いてきた。その姿を見た、レオの頭に嫌な予感が通りすぎる。

 

 

 

「そんなっ!!」

 

そう悲鳴のような大声を上げながら、レオは巨像を殴った。巨像に乗っていた埃や石が落ちる。

 

「私の許可もなしに・・・あの子。無理に仕事を引き受けたの」

 

そう言いながら、ボブは涙を流した。レオは巨像に手を押し付けたまま、両膝を地面に付き、俯いて言った。

 

「僕はカレンに考え直して欲しかっただけなんだ。星霊は・・・道具じゃないって・・・」

 

レオは涙目になり、やがて、大量の涙を流し続けた。そして、両拳を地面につけて、零れおちていく涙を見ていた。

 

「こんな・・・」

 

そう呟いた後、レオは声を張り上げて、廃墟にずっと響くような大声で叫んだ。

 

「こんな事を望んでいたんじゃない!!!」

 

その声はずっとこの廃墟に染み込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

「これが、僕の犯した罪だ」

 

ルーシィは驚愕の真実にただ、声も出さずに話し続けるロキを見ていた。その時だった。ロキの体が一瞬、振動し、表情が大きく歪んだ。そして、その場にしゃがみこみ、辛そうな声を発す。

 

「ちょっ、ちょっと!!ロキっ!!」

 

「有難う、ルーシィ。最期に素晴らしい星霊魔道士に出会えた」

 

「あたしはそんなの望んでないよ!!絶対、助ける!!あきらめないで!!」

 

「無理・・・だ。掟は・・・掟だからね・・・」

 

「あたしは!!!だって・・・だって、それは不幸な事故じゃない!!ロキが・・・ロキが死ぬことなんてないじゃない!!!」

 

そう叫びながら、体が薄く、透明化していくロキに抱きつき、ルーシィは必死に唱えた。

 

「開け!!獅子宮の扉!!!ロキを・・・ロキを星霊界に帰して!!」

 

「ルーシィ・・・」

 

そうやって、自分を助けようとするルーシィに感激の言葉を漏らしたロキに生きる希望が与えられた。

 

「開いて・・・お願い・・・だから」

 

ロキの体はもう、透き通るまでに透明化していた。それでも、まだ実在している。

 

「ルーシィ・・・もういいんだ・・・」

 

「目の前で消えていく仲間をあたしは見捨てたくなんかない!!!」

 

そう大声で叫ぶと、ルーシィの髪が浮き上がっていくと同時に、膨大な魔力がルーシィから放たれる。そんな無理をするルーシィに驚愕し、ロキが必死に止めようとする。

 

「ルーシィ!!そんなに一度に魔力を使っちゃダメだ!!」

 

「言ったでしょ!!あたしは仲間を見捨てない!!!」

 

「やめてくれ!!!ルーシィ!!!」

 

ルーシィの周りから魔力が信じられないほど暴れまわり、増幅していく。

 

「絶対、死なせない!!ロキはあたしの仲間なの!!!」

 

「これ以上、僕に罪を与えないでくれェ!!!」

 

肉体的にもちそうにない、ルーシィは痛みと悲しみで涙を浮かべていた。そして、莫大な魔力を放つと同時に大声を放った。

 

「何が罪よ!!?あたしは仲間を助けたいだけ!!!それは、妖精の尻尾(フェアリーテイル)が教えてくれたことだから!!!!」

 

その時、ロキがハッとしたような表情を見せた直後、ルーシィとロキの間になんらかの衝撃が起き、二人が突き放された。

 

「な・・・なんなの!!?」

 

急激に夜空に星が幾つも流れ、大量の滝の水が一気に吸い上げられるように渦巻きながら一点に集中していく。異次元の扉ような物が大きな衝撃で大地を揺るがすような魔力を放った。

 

「そんな・・・星霊王!!!」

 

ロキの驚愕の発言にルーシィは一瞬、言葉を失い、目の前にいる巨人に怯える。

目の前に聳えるように立つ、星霊王は腕を組み、上からルーシィとロキを見下ろす。

 

「古き友よ・・・」

 

たった一声でここ全体に響くような声で星霊王はその堂々たる態度で言った。

 

「人間との盟約において、我らは借りをもつ者を殺めることを禁ずる。直接ではないにせよ、関節にこれを行った、獅子宮のレオ・・・。貴様は星霊界に帰ることを許されぬ」

 

ルーシィはそう言う、星霊王に対し、立場を考えずに一心不乱に言葉を叩きつけた。

 

「ちょっと、それじゃ、あんまりじゃない!!!」

 

そんなルーシィにロキがすかさず、注意しようとするが、星霊王が先に言葉を発した。

 

「古き友。人間の娘よ。その法だけは変えられぬ」

 

「仲間のためにやったのよ!!?仕方ないことじゃない!!!」

 

「もういい・・・。ルーシィ。僕は誰かに許してもらいたいんじゃない!!罪を償いんたいんだ!!このまま―――」

 

「―――アンタが死んだってカレンは帰ってこない!!!新しい悲しみが増えるだけよ!!!」

 

星霊王はその光景をただ黙り込んだまま、見続けていた。

 

「あなたが消えたら、あたしが、アリエスが、ここにいる皆が、また悲しみを背負うだけ!!!そんなの罪を償うことにはならないわ!!!」

 

そう獅子奮迅に叫ぶ、ルーシィの魔力は次第に、信じられないことになっていた。そして、ルーシィの星霊、全員が洗われる。

 

「うっ・・・うぅ」

 

しかし、一瞬にして星霊達は消え、ルーシィはその場に倒れ込んだ。その様子を必死にロキが心配する。

 

「アンタも星霊なら、ロキやアリエスの気持ちが分かるでしょ!!!」

 

「ルーシィ!なんて無茶なことをするんだ!」

 

そうやって、怒りながらも内心、とても喜んでいるロキは倒れそうになるルーシィを支えた。

 

「ん~・・・」

 

星霊王はルーシィの決死の覚悟と星霊を大切に思う姿に感動したのか、唸ってからしばらく考え込んだ。

 

「古き友にそこまで言われては・・・間違っているのは法かもしれんな。同胞、アリエスのために罪を犯したレオ。そのレオを救おうとする古き友。その・・・美しき絆に免じ、この件を例外とし、レオ・・・貴様に星霊界への帰還を許可する」

 

その言葉に息すら忘れるほど驚愕し、ロキの体中が震動する。衝撃的な現実にまだ、ロキは今起きていることを信じられていない。

ルーシィは決死に腕を動かし、拳をつくってから、親指だけを上に突き出して、言った。

 

「いいとこあるじゃない・・・」

 

星霊王はルーシィに満面の笑顔を見せると、ロキにこう言い残していった。

 

「それでも罪を償いたいのならば、その友の力となって生きることを命ずる。それだけの価値のある友であろう。命を賭けて守るがいい」

 

そして、星霊王は星の欠片となって姿を晦まし、眩しく輝く十字架にとなって光は消えた。直後、膨大な水の量が一気に振り落ちてきた。いつの間にか、絶景だった流星群も消えていた。

一気に力が抜けたような二人は少しの間、黙り込んでいた。

 

「ありがとう・・・ルーシィ」

 

そうやって、ロキは獅子宮のレオをとなり、星霊界へと帰っていった。

 

 

 

そして、ルーシィの手のひらには金色に輝く、『黄道十二門 《獅子宮のレオ》』の鍵が太陽に照らされ、たくましく輝いていた。

 




いや~、とても長くなっちゃいました。すいません。なるべく、2話で終わらせようとしていたので。この部分はやらないつもりでしたが、気分的にやっちゃお!と思ったので頑張りました。
質問、待ってます・・・。
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