彼女は俺にとって忘れてはいけない人、忘れたくない人であると同時に――失いたくない人でもあった。

ビターエンド物かな? かなり荒い部分もあるのでご了承ください……。
後、映画を見た後又は原作読破後推奨です

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――これは神の奇跡です。
もし、それがご都合主義でも許して。
もう一度言うけど原作主義! な方とかはブラバ推奨ね!

かなり加筆、修正をしましたが話の筋は変わっておりませんのでご安心ください。


If 君の名は――。

飛騨の山奥にある宮水神社の御神体。

三年前に彗星が隕石となり糸守に落下したその衝撃により離れた場所にあったこの祠も所々崩れて荒れていた。

中に入ると雨の影響もあり、かなり足場が悪いため崩れた階段を慎重に降りていく。

 

「あった。左が三葉で右が四葉」

 

俺は三年前に御神体に収められたまま苔の生えてしまった酒瓶を見て、左を手に取る。

 

「よいしょっと」

 

そのまま俺は腰を降ろして苔の生えた酒瓶の蓋を開け、その蓋に口噛み酒を注ぐ。

 

「口噛み酒……これを飲めば」

 

――戻れる。

三葉と入れ替わっていたあの時俺はこの場所に訪れていた。その時この口噛み酒の事を三葉の半分、そう言っていた三葉のお婆ちゃんの言葉を思い出す。

俺と三葉は体と魂の半分ずつが入れ替わっていた……なら、三葉の半分の入った口噛み酒……これを飲めばもう一度入れ替われる、そういう確信があった。

 

俺と三葉が初めて入れ替わったその時、三葉は三年前の世界に居て三年後の俺と入れ替わった。この時点で既に俺が過去に戻るという時間の遡行は起きていた。捻れて絡まって時には戻って、途切れ、またつながってそれが時間だと組紐を編んでいた時に三葉のお婆ちゃんそう言っていた。

なら……糸守に彗星が落ちて来る前の時間に戻ってつながることだって出来る筈だ。

 

一気に蓋を傾けて酒を煽る。

文面だけ見れば、お酒なんだし二十にもなってない俺が飲んでいるのは法律違反なんだよな……。

 

そんなどうでも良いことが頭に浮かぶ何て俺は余裕があったのは叉はお酒に弱かったのか。

 

しかし、次の瞬間脳に刺激が走ると共に足元がふらつき上を見上げる事にはなってしまうが。天井には彗星の落ちる予言図が描かれていた……。

 

 

 

 

 

 

――目の前が真暗になった( ・・・・・・・・・)

 

『瀧くん』

『瀧くん』

『覚えて、ない?』

 

意識が戻ってくるのと同時に声が聞こえてくる。

それは――俺がずっと探していた物だった。

 

「三葉……?」

「瀧くん!」

「ちょ……引っ付くな!」

 

ガバっと覆うように抱き着いてくる三葉を俺は手で引き剥がす為に格闘していると、周りから視線を感じた。

 

「……三葉、周り周りボソッ」

「え? あっ……」

 

俺が小声で言うと、三葉も気づいたようで俺から離れた。

 

(視線が少し低いな……)

 

その時、俺は自分の体の違和感に気づいていた。

三年前の自分( ・・)になっているという事に。

それを考えた時、電車が止まった。丁度いいなと思って

 

「ここじゃ話せないし、降りようか」

「うん」

 

三葉にそう言って、俺には全く関係のない駅で降りた。

 

「此処でいいかな」

 

駅のホームの隅の隅にあるベンチを指して、俺は自販機で午後〇紅茶を買って三葉に渡す。

無難なチョイスだと、我ながら思う。

それから俺は飲み物を片手に三葉と話をした。

 

「俺の制服さ、どう思う?」

「え? ……あっ、着てたのとは違う……?」

「そう、三葉の知る俺は高校の俺で今は中学の制服」

「じゃあ、何で私のこと知ってるの!?」

「口噛み酒を飲んで気付いたら、こうなってた」

「えっ、嘘……あれ、飲んだの……?」

「うん」

「変態……!」

 

と、顔を赤くして罵倒されたり。

 

「ねえ、瀧くん奥寺先輩とのデートどうだった?」

「散々だったよ……三葉と入れ替わってる時とそうでない時の差に失望されたりな……」

 

と、自己険悪に陥ったり。

まぁ、デートが大失敗に終わったのはそれ以外にも他の人……この場合三葉の事が好きだと言う事を察せられてしまったこともあるが、こんなこと本人の前で言える訳もなく、適当に省いて説明していたが……。

ただ、照れ隠しに時々携帯を触っていたんだが、その時気付いてしまった。――今日は十月三日彗星の落ちる前の日だって事に。

このままでは三葉が死んでしまう、そう思った俺は覚悟を決めて話すことにした。

彗星が二つに割れて落ちてくることを、そのせいで俺が行った時には既に町が水の中に沈んでしまっていた事を、三葉がもう――死んでしまっていたことを。

 

「嘘……それじゃ……」

「待ってくれ!」

 

走り出そうとした三葉を俺は腕を掴んで止める。

 

「このままじゃ!」

「あぁ、皆死んじゃう。けど、このまま行けば三葉も死んでしまう……だから行かないで……くれないか……?」

 

俺の声は震えていた。

死んでしまわないで欲しくて、生きていて欲しくて。確かに願っていた。

 

「――死なないで……くれ……」

 

その時、また目の前が真暗になった――。

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、俺こんな所で何してるんだ……?」

 

 

 

――気が付けば、荒れた祠の中で寝転がっていた。

 

「何で泣いてるんだ……?」

 

――その頬に涙を涙を伝わせて。

 

 

 

そこからはよく覚えていない。

ふらついた足取りで家にまで向かっていたと思う。

何かを忘れて心がポッカリ空いた様なそんな感じがしていた。

気付いたら家にまで帰ってきていた。

空は真っ暗で、家の中から光が漏れているから父さんは帰ってきているんだろう……。

俺はリビングに向かって歩いた。

 

「おかえり瀧くん」

 

父さんじゃ……ない。

俺の知っていた顔とはまた少し違い大人びた顔をしていた。

耳に残るのは高い、声だった。その声聞いた瞬間空いていた心はすぐに埋まった。

忘れたくない人、忘れたくなかった人、忘れちゃダメな人――

 

「――ただいま」

 

思えば、今までで一番の笑顔を思い浮かべていた気がする。例え、しなければならない事が出来なかったとしても。もしかしたら、出来たかもしれなかったけど……そんなもしもは関係ない。だって、君が今ここにいるから……

 

 

 

 

あぁ、そうだ君の名前は――。

 

 

 

 

 

 

 




~END~

読んで下さった皆さんには感謝感激雨あられです。
雑でも楽しんでいただけたのならば幸いです。
御神体の前でやってるなら神様が手を出したって……問題ないんだよ!
後、かなりうろ覚えの状態で書いたから間違っていたところがあるかも知れません……。
教えて下さると、幸いです。
突っ込みどころ満載ですから、感想欄に書いてくれても良いんですよ……? 壁|ω・`)チラッ

追記
原作では1日で救ってたけど、堅実性を考えた結果失うことが怖い瀧くんは居てくれ! と、言ったわけです。
作中で分からなかった方は説明不足ですみません……。

追追記
三葉は二十歳だよ!

9/4 加筆

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