学生運動のシヴィルウォー ーハイスクールD×D外典   作:グレン×グレン

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急変

 

 それから数日は特に何事もなく過ぎた。

 

 ガヒドからは後で手紙が送られてきており、「バルパーを生け捕りにできたら俺のつてで引き渡すから、煮るなり焼くなり蒸すなりお好きにどうぞ。おたくの騎士には復讐する権利があるのでそこは飲ませた」との言葉と、バルパーの顔写真や年齢などの個人情報が送られてきた。

 

 同時に、駒王町に屈強な外国人の姿がよくあらわれるようになるなど、微妙に物騒な話にもなってきた。

 

 リアスとしても約束した手前事を荒立てるつもりはなく、真に仇とするべき相手の存在が分かったからか、佑斗もだいぶ冷静になってくれていた。

 

「よおイッセー! なんか最近元気ないな、どうした?」

 

「松田。いや、ちょっと揉め事があってさ」

 

 そういう意味では、親友たちとバカ騒ぎできるのはいいことだと本気で思う。

 

「よくわかんないけど大変みたいだな」

 

「だが、それはともかくカラオケの方の準備はできてるんだろうな。アーシアちゃんと小猫ちゃんのスカウトはできてるのか、ん?」

 

「大丈夫だよ元浜。二人とも参加するってさ」

 

 できれば、それまでの聖剣なんてこの街から去ってほしいところだ。

 

 赤龍帝だかなんだか知らないが、イッセーはもっと平和な生活がしたいのだ。

 

 そして女にもてることができればなを素晴らしい。

 

 ハーレム王になる。それがイッセーの目的だ。

 

 上級悪魔はハーレムを持てる。それは自分の眼の前で確かにハーレムを作っていたものがいるから確実だ。

 

 そして、難易度は高いが転生悪魔が上級悪魔になることは可能なのだ。

 

 上手くすれば本当にハーレムがきずけるかもしれない。その事実はイッセーにとってとても明るくさせてくれるものだった。

 

 だが、それは松田と元浜には適用されない。彼らは転生悪魔ではないからだ。

 

 いっそのこと事実を教えて彼らも転生悪魔に誘えばいいのかもしれないが、リアスの駒はだいぶ埋まってしまっている。

 

 騎士の駒と戦車の駒、それなりに価値のある駒らしいし、自分の都合で使わせるのは気が引ける。

 

 でも・・・。

 

「よっしゃ! それじゃあちゃんと待ってるからな!」

 

「ほかにも可愛い娘が連れてこれないか試してくれよ? 男の人数の方が今のところ多かったからな!」

 

 やっぱり隠し事をしているのは気が引けるのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜の森の中、ガヒドは歯を食いしばって森の中を全力で駆け抜けていた。

 

「ああもう! あの馬鹿どもはどいつもこいつも!!」

 

 嫌な予感がしていたが、まさか本当に当たるとは思わなかった。

 

 それに対して阻止のために動いていたら、今度はゼノヴィアとイリナが敵の本拠地を発見して突撃を開始していた。

 

「クソが! まだ仕掛けて・・・やがったか!!」

 

 視界にイリナの姿を見て、ガヒドは突貫。

 

 ボロボロになっているイリナの間に入り、追いかけていた堕天使を一刀のもとに切り伏せる。

 

「・・・イリナ! 大丈夫か!?」

 

「ガヒドくん・・・。ごめんなさい、力が足りなかったわ」

 

 ボロボロになりながらも、イリナはしかし自分の足で立てていた。

 

 だが、その手にエクスカリバーがない。それはつまり、エクスカリバーが敵の手に堕ちたということだろう。

 

「使命感が強いのは結構だが、勝算考えて行動してくれ。・・・ゼノヴィアは?」

 

「はぐれちゃったわ。ガヒドくんこそ、ジョージさんはどうしたの?」

 

「こっちもはぐれた。・・・あのバカとんでもないことたくらんでやがった。つっても今はそんなことを言ってる場合じゃねえな」

 

 舌打ちしながらガヒドは周りを見渡す。

 

 非常に厄介なことに、かなりの数が集まっていた。

 

「イリナ、逃げろ。兵藤一誠のところにでもいってこい」

 

「・・・いや、彼は悪魔でしょ!?」

 

「どうしても伝えたいことがある。このカードを渡してくれ。俺は足止めだ」

 

「何言ってるの! 私も一緒に」

 

「言いたかないけど足手まといだ。・・・悪いが俺は信仰心ゼロでな、友人を殉教させる気はさらさらねえ」

 

 そう言い放つと、素早く剣を銃を取り出す。

 

「さっさといけ! こいつらぐらいなら一人で何とか片づけられる!!」

 

「・・・死んだら恨むんだからね!!」

 

 イリナが踵を返して駆けだすななか、ガヒドは自重じみた笑みを浮かべる。

 

「正直いなくなってくれて助かった。・・・この力は信徒の前に見せるのは嫌なんでな!」

 

 次の瞬間、極光がその場を支配した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・で、なんで俺のところに来るんだよ!」

 

 転がり込んできたイリナに、イッセーは思わずツッコミを入れる。

 

 夜中にいきなりドアをたたいてきたこともそうだが、何も知らない両親に声をかけてきたことも大変だった。

 

 リアスが記憶操作を施しているが、しかしこれはまた大変だ。

 

「ごめんなさい。たまたま通りがかったからつい・・・」

 

「だからって悪魔の住む家に転がり込む? あなたも意外と信仰心に問題あるわね」

 

「そんな!? 私の信仰心に問題があるなんて!! 主よ、愚かな私をお許しくださいぃいいいいい!!」

 

 リアスに酷評され、イリナは涙を流して祈りを始める。

 

 正直祈りが強すぎて頭が痛いのだがそれどころでもない。

 

「っていうかどうなってんだよ、お前の仲間は大丈夫なのか?」

 

「ゼノヴィアとははぐれちゃったわ。ガヒドくんは足止めしたら逃げるって言ってたけど・・・。ジョージくんは別方向から仕掛けて戦闘中だから・・・」

 

「エクスカリバーが取り返せるかもしれないからって先走りすぎよ。それに私たちのところに転がり込むなんて非常識だわ」

 

「・・・ガヒド君に頼まれたのよ。伝えたいことがあるからこれを渡してくれって」

 

 そういいながらイリナがカードを取り出した時、全身をおかんが走った。

 

 あわてて外に視線を向けたイッセーは、そこに実に合いたくない顔を見つけて顔をしかめた。

 

「ふ、フリードのやろうじゃねえか!?」

 

「やっほ~! イッセーくん久しぶり! アーシアちゃんもいるけどセックスしてた? ごめんね空気読めなくてぇ~」

 

 あわてて外に出れば、ふざけているのか剣を構えてポーズを取りながらフリードはそのまま待っていた。

 

 その剣を見て、イリナは目を大きく見開いた。

 

「あ、あぁあああああ! 私の擬態の聖剣!!」

 

「あ、これ君の? ごめんねぇ俺様手癖が悪いのにエクスカリバーに気に入られちゃって! 今では僕がご主人さまでっす!」

 

 イリナの眼の前で見せつけるかのように擬態の聖剣に頬ずりするフリード。

 

 完膚なきまでになめてかかっているが、その理由がよくわかった。

 

「・・・では俺も名乗るとしようか。初めましてだなリアス・グレモリー。俺がコカビエルだ」

 

 いくつもの漆黒の翼を広げた男が、フリードの頭上で悠然とたたずんでいる。

 

「ごきげんよう、コカビエル。一応言っておくけれど、魔王様に要求をするのに私を利用するのは愚策よ? 私は魔王ルシファーさまに最も近くそして最も遠いのだから」

 

「そんな下らんことはしない。そんなことをするぐらいなら犯してから殺して挑発に使う方がまだ有意義だ」

 

 敵意まんまんのにらみ合いに戦い慣れしていないイッセーは息を詰まらせそうになるが、しかしそこでコカビエルは視線をイッセーに向けてくる。

 

「しかし赤龍帝か、大戦の時を思い出して忌々しい気分になる。奴のことも思い出すしな」

 

 憎々しげにイッセーをにらみつけてから、しかし気を取り直したのかコカビエルは翼を広げてリアスを見下ろす。

 

「俺がここに来た目的は簡単だ。エクスカリバーを使ってお前の根城であるこの街で暴れようと思ったんだ。そうすればサーゼクスも出てくるだろう?」

 

「そんなことをすれば三大勢力の戦争が再び勃発するわよ!!」

 

「それが目的だよ。エクスカリバーを盗んだのも、そうすればミカエルあたりが腰をあげるかと思ったからだ。雑魚しかよこさんとか拍子抜けにもほどがある」

 

 つまらなさそうにそう告げてから、コカビエルはあたりを見渡す。

 

「いまどき日本のどこにでもある平凡な光景だが、奴はそういうのが好きそうだからな。お前を殺すだけでも十分だが、コレで大きな戦争がおきそうだ」

 

 その表情はこの後怒るかもしれない戦争を期待して醜くゆがんでおり、彼が本気であることを思い知らされる。

 

「そんな・・・っ! いくら主を信仰していないとはいえ、そんな目的のためにこれだけの人々を犠牲にしようだなんて!!」

 

「狂ってるわ」

 

 イリナとリアスが血の気を引かせながら声を漏らす中、イッセーはあまりの事態に混乱し始めていた。

 

 もともと数か月前までただの一般人だったイッセーは、荒事にはあまりなれていない。経験した戦いといえば中級堕天使との小競り合いや上級悪魔同士での喧嘩程度だ。

 

 それがいきなり地球全土を巻き込みかねない大戦争のきっかけになりうる非常事態。どう考えても許容範囲を超えている。

 

「そういうわけだ。俺たちはエクスカリバーを融合したうえでこの街を崩壊させる。場所はお前たちの学び舎だ! 止めたければ止めてみろ、できるものならな!!」

 

「決戦の舞台にしちゃ気が利いてるだろ? 素敵にイカレタ僕ちゃんとそれ以上にイカれたボスを倒したいならがんばってちょ♪」

 

 言いたいことを言ったのち、2人は高速で駒王学園へと飛び去っていく。

 

「・・・紫藤イリナ。さすがに今回は介入させてもらうわよ。嫌とは言わせないわ」

 

「・・・ええ。私も故郷が滅びるのを黙ってみているわけにはいかないもの。むしろこちらからお願いするわ」

 

「い、イッセーさん・・・。大変なことになってしまいました」

 

「あ、ああ! でもそんな好き勝手にさせてやるものかよ!!」

 

 自体はあまりにも過酷だが、しかしだからといって引くものは一人もいない。

 

 ここに、三大勢力の将来を左右しかねない一代決戦が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてその数刻後、彼らは世界を揺るがしかねない最大級の秘密を知ることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三大勢力最大の要、聖書の教え・・・否、アブラハムの宗教の中枢。聖四文字の神、ヤハウェが四大魔王と会い打って死亡したという壮絶な事実を。

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