問題児のヒーローアカデミア   作:わたくしメガネ

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評価 お気に入り等ありがとうございます
誤字の訂正が多くて申し訳ありません
もしまた何かありましたらご報告お願いします

どうしてもキリのいいところで投稿しようと思うと短めになってしまいます
今回は第三者視点でお送りします




3話

 

 

 

『705メートル』

 

 

 

今まで平凡な記録しか出さなかった緑谷出久の大記録に、クラスメイトは騒ぎだした。

 

「やっとヒーローらしい記録がでたよ!」

 

「しかし指が腫れ上がっているぞ!入試のときといい、不思議な個性だ」

 

浮ついた空気の中、爆豪勝己はただ驚きを隠せなかった

 

 

(なんだあのパワーは…!個性の発現はもれなく四歳まで!ありえねぇ!けど実際…)

 

 

爆豪の脳裏に浮かぶのは、合格通知がきた後の学校での緑谷出久の言葉。

 

 

 

『言ってもらえたんだ!君はヒーローになれるって!』

 

 

 

 

 

 

 

「…どういうことだ」

 

 

爆豪は、自身の心境を隠すことなくむしろ表すように掌で小規模な爆発を発生させると、もう限界だと言わんばかりに走り出した。

 

 

「ゴルァ!」

 

「ひぃ!?」

 

「訳をいえ!デクてめぇ!!」

 

今にも襲いかからんとする爆豪。

 

幼い頃からの習慣か、怯えて体が竦む緑谷。

 

 

 

なんかやばい、とクラスのほとんどが思った。相澤先生もすかさず止めようと首に巻かれた布に手をかけた。

 

 

が、彼を止めたのは相澤先生ではなく、逆廻十六夜だった。

 

 

 

「おいおい、そこまでにしとけよ」

 

 

逆廻は爆豪にそう投げかけた。爆豪は自分に向けられた言葉に反応し、立ち止まるともの凄い形相で振り返った。

 

 

「あ゙あ゙?俺に指図してんじゃねぇ」

 

ひっ!?

 

爆豪の顔を見てこわがる生徒も数人いたが、そんな程度で怯んだりする逆廻ではない。

 

 

 

「何に対してそんなに怒ってんのかは知らねぇ。だが初日から問題行動を起こすのは良くないと思うんだが?」

 

 

遅刻してきたお前が言うな。

 

クラス全員がそう思ったが、爆豪は相当頭に血が上っているのか気がついてないようだ。

 

 

「俺に指図すんなっつってんだろぉが!!」

 

 

それどころか、標的を逆廻に変更して爆破を起こしながら走ってくる。

 

すると今度こそ、相澤先生の布が爆豪の体に巻きついた。

 

爆豪は体を拘束された上に自分の個性が使えないことに驚愕する。

 

 

 

「な…んだこれ!かてぇ…!」

 

「特別製の布だ。特殊な加工がしてある。」

 

 

 

相澤先生は目を血走らせながら言った。

 

 

「何度も個性使わせんじゃねえ、俺はドライアイなんだ!」

 

 

個性すごいのにもったいない!

 

クラスの心の声が寸分違わず重なった。

 

 

「相澤教諭、個性すげぇのにもったいねぇな」

 

言っちゃうのかお前は!

 

逆廻に対して、またクラスの心の声が重なった。

 

 

「お前はわざわざ煽ってんじゃねぇ。それと自分も遅刻してきただろうが」

 

「へーい」

 

「よし、さっさと次の準備しろー。時間ないぞー」

 

 

相澤先生は大人しくなった爆豪を解放する。

 

 

緑谷は、拘束を解かれても動かない爆豪を警戒しながらも、クラスメイトたちのところへ戻っていった。

 

 

 

そして麗日と飯田と合流すると、

 

「はあああああ、こわかった!」

 

と長いため息をついた。

 

 

「大丈夫!?指すごい腫れてるよ!?」

 

「ま、まあ何とか…」

 

 

麗日に心配され、おどおどしながらも答えた緑谷は、近くにいた逆廻の方へ歩いていった。

 

 

 

「あ、あの逆廻君!さ、さっきはありがとう!」

 

「もの凄いどもってんな」

 

「へ!?あ、うんごめん!じ、実はかっちゃんと僕は幼なじみで昔からあんなって言うかなんて言うかその典型的ないじ((ry」

 

 

ブツブツブツブツブツブツブツブツと言葉を続ける緑谷に逆廻は少し苦笑いをしながら、緑谷のブツブツを遮った。

 

 

「あー、その辺は大体予想ついてたから大丈夫だ」

 

「え!ご、ごめん!」

 

「謝ってばっかだな」

 

「うっごめんね ってあ!」

 

 

今更口を塞ぐ緑谷を見て ヤハハ!と豪快に笑う逆廻。

逆廻の反応に顔を赤くしてそんなに笑わなくても…と拗ねる緑谷。

 

 

そんな2人を爆豪は離れた場所から睨みつけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残りの種目である持久走、長座体前屈、上体起こしがすべて終了し、ついに結果発表のときがやってきた。

 

 

「それじゃあ結果を発表するぞー」

 

口頭で説明するのは手間がかかるから一括で表示する。

 

 

 

相澤先生の言葉にクラスのほとんどが息を呑む。

 

 

結果発表直前とあって、緑谷はかなり焦っていた。

 

 

(結局ボール投げ以外、大した記録を出せなかった…。持久走なんて痛みで集中できずにひどい結果だった)

 

 

未だに痛む指を、拳を強く握ることで誤魔化す。

 

 

ピコン

 

 

 

(!!!)

 

ついに表示されてしまった結果に、見たくないという衝動が頭を支配しかけるが、それでも緑谷は結果に目を通した。

 

 

 

1位である逆廻を筆頭に、順番に並べられていく名前。

 

(流石の逆廻君も、長座体前屈は常識の範囲内だったなぁ)

 

 

半分現実逃避をしながら、上から順番に視線を下げていくが、緑谷出久という名前はやはり上位にはなく

 

 

 

 

 

 

(総合最下位は…)

 

 

1番右下にある自分の名前を見て、緑谷は思わず顔を逸らし、溢れそうになる涙を必死にこらえた。

 

(…除籍処分)

 

 

「そういえば、最下位除籍処分の話。あれ嘘だから」

 

 

 

 

 

 

 

え?

 

 

「君たちの個性を最大限発揮させるための合理的虚偽」

 

ニッ と笑う相澤先生。

 

 

「「「はあああああぁぁぁ!?!?」」」

 

「あんなの嘘に決まっているじゃない。ちょっと考えればわかりますわ」

 

((やばい、全然気づかなかった))

 

 

それぞれがそれぞれの反応を見せる。

 

「これでテストは終了だ。教室にカリキュラム等の資料があるから戻ったら目ぇ通しとけ」

 

相澤先生は帰り際、緑谷へ、紙を差し出した。

 

「緑谷、保健室でバァさんに治してもらえ。明日からもっと過酷な試練が目白押しだ、覚悟しとけ」

 

「はい」

 

なんとか九死に一生を得た緑谷。

しかし彼の心の中は決して穏やかではなかった。

 

(なんとか除籍にはならなくて済んだ。けど…僕にはできないことが多すぎた)

 

最下位からのスタート。これから学ぶべきことがたくさんある。

 

 

憧れへ近づくために、緑谷はようやく始まった高校生活をただひたすら頑張ろうと決心するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相澤君の嘘つきっ」

 

「…オールマイトさん。見てたんですか、暇なんですね。」

 

 

どうやらテストを覗き見していたらしい今年から雄英の教師となったNo.1ヒーローと名高いオールマイトは、相澤の嫌味には反応しない。

 

 

「合理的虚偽だって?エイプリルフールは一週間前に終わってるぜ?」

 

 

オールマイトは茶化したように告げた。

 

 

「君は去年の一年生のうち、1クラスを全員除籍処分にしている」

 

「……」

 

「見込みがないと判断したら容赦なく切り捨てる。そんな男が前言撤回!それってさ!」

 

 

ビシッ と指をさすオールマイト。

 

 

 

「君もあの子に、可能性を感じたからだろ?」

 

 

「…君も?随分肩入れしてるんですね?教師としていいんですか?」

 

 

痛いところを突かれてビクッ と反応するオールマイト

 

相澤は歩くことを再開するとオールマイトに聞かれたことへの返事をした。

 

 

「可能性が0ではなかった。それだけです。見込みがないものはいつでも切り捨てます。」

 

 

そして、一呼吸おくと、

 

「半端に夢を追わせること程、残酷なことはない。」

 

 

(それが君の優しさってやつか)

オールマイトは、でもやはり馬が合わないと思いながら、立ち去ろうとする相澤に声をかけた。

 

 

「逆廻少年のことも、よろしく頼むよ」

 

 

 

その言葉に相澤は一瞬立ち止まるが、すぐ歩きだした。

 

 

「彼についても同じです。見込みがないと判断したら、容赦なく除籍処分にしますよ」

 

 

そのまま立ち去る相澤を見送るオールマイト。

 

 

「逆廻少年…。彼はこの雄英で学ばなくてはならないことがたくさんある」

 

 

 

そしてそう一言呟くと、オールマイトはその場を後にした。

 

 

 

 




逆廻十六夜が学ばなくてはならないこととは一体なんなのか!?


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