問題児のヒーローアカデミア   作:わたくしメガネ

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更新遅くなってすみません!
これからも不定期になってしまうと思います。
そして気づけばお気に入りが200件を超えていました!パチパチパチパチ
評価や感想などもありがとうございました!これからもよろしくおねがいします!
今回はいつもより少し長く出来たとおもいます!


4話

 

 

 

 

 

「はぁぁぁ、疲れた…。」

 

 

個性把握テスト終了後、保健室でリカバリーガールの治療を受けた緑谷は制服に着替え、帰路についていた。

 

雄英の保健医であるリカバリーガールは、使った対象の治癒力を高め、怪我の治りを良くする個性を持っている。

 

その個性で指を治してもらった緑谷だが、リカバリーガール曰く、治癒には体力がいるらしく、使いすぎると逆に死ぬらしい。

 

 

そんな個性のおかげで緑谷は、完治した指と引き換えになんとも言えない倦怠感に襲われていた。

 

 

 

「緑谷君!」

 

 

緑谷が重たい足を引き摺るように歩いていると、飯田が声をかけながら駆け寄ってきた。

 

 

「飯田君!」

 

「指はもう大丈夫かい?」

 

「うん、リカバリーガールに治してもらったから!」

 

 

ほら、と右手の人差し指をたてる緑谷。その指には治療しましたと言わんばかりに包帯が巻かれている。

 

一緒に駅までの道を行くことになった2人は、歩きながら今日の出来事について話し出した。

 

 

「それにしても相澤先生には驚かされたよ…。俺は これが最高峰! とか思ってしまった。」

 

教師が嘘で鼓舞するとは…!

 

 

しみじみと言う飯田。

 

緑谷もそんな飯田をしみじみと見つめた。

 

(飯田君ってこわい人だと思ってたけど、真面目なだけなんだな)

 

こわい人トップ2とか思ってごめん と今朝の出来事を思い出し、緑谷は飯田にひっそりと心の中で謝った。

 

 

 

「お2人さーん!」

 

 

突然聞こえてきた声に思わず振り返った飯田と緑谷。

そこには元気よく走ってくる、ボール投げで∞を出した麗日お茶子がいた。

 

 

「麗日さん!?」

 

「駅まで?一緒に行こう!」

 

「君は∞女子!」

 

 

飯田の言葉に、彼が自分の名前を知らないことを察した麗日は簡単に自己紹介をした。

 

 

「私、麗日お茶子です!えぇと、飯田天哉君に、緑谷デクくん!……だよね?」

 

「デク!?」

 

「え!?違うの!?だってさっき爆豪って人が…。」

 

 

思い出されるのはボール投げのときのプチ騒動。

確かに爆豪は『デクてめぇ!』と叫んでいた。

 

 

「あ、えと本名は出久で、デクっていうのはかっちゃんがバカにして…。」

 

「蔑称か!」

 

「ええ!?ごめんね!でも…。」

 

 

 

デクって、頑張れって感じでなんか好きだ私!

 

 

 

元気な笑顔で告げる麗日。

 

 

 

「デクです!」

 

「緑谷くん!?浅いぞ、蔑称なんだろ!?」

 

「コペルニクス的転回…!!」

 

 

 

顔を抑えて悶える緑谷の顔は真っ赤だった。

 

 

 

 

 

 

 

○o。..:*・・*:..。o○

 

 

 

 

 

 

 

 

「雄英ってさ。やっぱりすごいよね!私たちももう雄英の生徒だけどさ。」

 

 

そう最初に切り出したのは麗日だった。

 

 

「ああ、流石は最高峰。テストについても勿論そう思ったが、俺が一番驚いたのは逆廻君だよ。あんなにすごい個性を持った生徒がいるとは…!」

 

「あの人!すごかったよね!一体どんな個性なんだろう?パワー系、だよね?」

 

「パワー系といえば、緑谷君もすごい怪力だったな。」

 

「え!?僕!?」

 

 

突然話を振られて驚く緑谷。

 

 

「何故だか君は個性をあまり使っていない様子だったが、ボール投げのときのあの力。君も逆廻君のようにできたのではないか?」

 

 

飯田の指摘に、今日痛い程相澤先生に理解させられたことを思い出し、少しばかり俯く緑谷。

 

 

「……いや、僕はまだまだ個性が強過ぎて体が追いついてないから制御ができないんだ。」

 

「! …そうだったのか、確かにあれだけの力、身体への反動も大きいのだろう。」

 

「入試のときも、ボロボロになってたし!」

 

 

入試のときの腕や足、そして今日の指をみていたからか、すぐに反動というものがどれだけのものなのか分かった2人は、あまり顔には出さないが驚いているようだった。

 

 

「そうなんだ、だから今も必死で筋肉を鍛えたりしてるんだけど……。逆廻君の個性は、僕のパワー系とは少し違う気がするよ。」

 

「そうなの?」

 

飯田もなぜ?といった顔をしている。

 

 

「僕をみたらわかると思うけど、強い力を使うには身体がすごい鍛えられてないと反動のダメージが凄いんだ。でも、逆廻君は見るからに細身だし……。すごい着痩せする人なのかもしれないけど。」

 

 

緑谷に言われて逆廻の背格好を思い出す2人。

言われてみれば、ムキムキマッチョではなかったような……。

 

 

「へー、デク君よく見てるね!」

 

 

えへへ、と笑う麗日。

 

 

「となると、彼はどんな個性なのだろうか?」

 

「僕もすごい気になってるんだ!逆廻君はあのすごい力を制御できてるみたいだし、話を聞ければ参考になるかなって!」

 

「ほかの人たちもすごい個性だったし、明日からが楽しみだね!」

 

 

 

そのまま緑谷、飯田、麗日の3人は楽しそうに駅までの道を歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

○o。..:*・・*:..。o○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(楽しみすぎてとても早く来てしまった)

 

 

次の日の朝、緑谷は静かな校舎の中を歩いていた。

窓から差し込む光と聞こえてくる鳥達の囀り。

肌寒い空気が春の朝を感じさせ、緑谷は軽く身震いした。

 

 

そして自身の教室である1-Aに辿り着く。

 

 

「やっぱりドアでかいな。」

 

誰も周りにいないという開放感からか自然と独り言が大きくなる。

 

 

(席に座ってヒーロー分析でもしていよう)

 

カラカラとドアを開ける。

 

 

そして、当然のように自分が一番乗りだと思っていた緑谷は少し驚く。

 

教室に1人、既に生徒がいたのだ。

 

しかも、1番意外な生徒が。

 

 

 

 

「…逆廻君?」

 

「おう、早いな。…緑谷、だっけか?」

 

 

そこには逆廻十六夜がいた。

 

 

 

 

 

▤ ▥ ▦ ▧ ▤ ▥ ▦ ▧ ▤ ▥

 

 

 

 

 

昨日の様々な出来事から、もしかして彼は所謂問題児なのでは?と思っていた緑谷は、朝早く登校しているという事実に、彼も案外真面目なのかも、と考えを改めようとした。

 

 

が、彼の座っている席が窓際の一番後ろという、出席番号順ではありえない場所だったため、やはり少し自由な人だと思った。

 

 

そこまで考えてから、彼が机の上に広げている物に気がつく。

 

 

 

 

「…本?」

 

「ん?あぁ、これか?案外読んでて楽しくてな。図書館も最高峰ってか。」

 

 

逆廻が座っている机には分厚い本がいくつも重なっていた。

近づいて本を手にとって見ると、ジャンルは問わないのか、神話から経済、恋愛小説まである。

 

 

「本、好きなんだね。」

 

「まあな、新たなことを知るっていうのは何でかなかなか面白い。」

 

 

 

薄く笑いながらも、逆廻は本に栞を挟んで閉じた。

 

 

「あ、ごめん!邪魔しちゃったよね!?」

 

「いや、大丈夫だ。お前が俺に何か面白いことを提供してくれるならな。」

 

 

頬杖をついてニッコリと綺麗に笑う逆廻。

 

 

「え!?」

 

「何でもいいぜ?芸を見せるでもよし、特技披露でもよし、俺が知らないことを解説するもよし。」

 

「ええぇぇぇ……、僕にできることなんてヒーローの考察くらいしか……。」

 

 

緑谷が自信なさげに呟くが、逆廻はそこに食いついた。

 

 

「ヒーローか、いいぞそれで。」

 

「え?」

 

「お前のそのヒーローについての知識、聞かせてみろよ。」

 

 

ニコニコと笑う逆廻。

 

 

「ええ、多分引くと思うよ?それに何から話していいか…。」

 

「じゃあ、都心の高層ビルで凶悪な敵による立てこもり事件が発生したとする。お前ならどのヒーローが適役だと思う?」

 

「……え?」

 

「そのヒーローがどう対処するか、っていう理由まで添えてな。」

 

「ぼ、僕が思うに、その敵の個性と数にもよるけど……。」

 

ペラペラと考察を語る緑谷。

それを聞いた逆廻も、少し意外そうな顔をしている。

 

 

「ブツブツブツブツブツブツフ………あ、ごめん!つまんなかった?」

 

「いや、思った以上に詳しくて少し驚いただけだ。」

 

「……やっぱり、引いたよね?」

 

「そんなことねぇさ。よく考えられてるいい解説だったと思うぜ?ほかにも色々聞かせてくれ。」

 

 

思った以上の好反応を逆廻が見せてくれたことで、緑谷の表情はパァと明るくなり、さらに饒舌になる。

 

 

「それでね!こういった事件にはある共通点がブツブツブツブツブツブ……」

 

 

 

 

 

 

 

それからヒーロー解説は続き、気づけば30分程経過していた。

 

 

「わ、もうこんなに時間が経ってる!」

 

「そうだな、そろそろ誰かがくるかもな。」

 

「ありがとう逆廻君!楽しかったよ!逆廻君もヒーローに詳しいんだね!あ、でもヒーロー科だし当たり前か。」

 

「いや、こっちも楽しませてもらった。俺が知らないことも割とあったしな。あまりヒーローに興味はなかったが、これを機に勉強するのもいいかもしれない。」

 

「ヒーローに興味がないって…、それなのに僕の話についてこられたの!?」

 

「まあ、多少は知ってるさ。毎朝ニュースで流れれば嫌でも目に入る。」

 

「そ、そうなんだ…。」

 

(多少ってレベルではなかったと思うけど…)

 

 

そして、逆廻の言葉の矛盾に気がついた。

 

 

「じゃあ何で興味なかったヒーロー科に?しかも雄英。」

 

 

緑谷からの急な質問に、逆廻はどうでもよさそうに答えた。

 

 

「まあ、色んな思惑と機会が重なってな。」

 

「ヒーローにはなるの?」

 

「さあな。そのときになってみないと分からねぇ」

 

 

そんなんでよく倍率300を超える雄英に入ろうと思ったな と緑谷は思った。

 

 

「まあ、逆廻君の個性すごいから例え雄英でも楽勝だよね」

 

「まあな。」

 

 

この話の流れで、緑谷は昨日飯田と麗日と話していたときのことを思い出した。

 

 

 

 

『となると、彼はどんな個性なのだろうか?』

 

『僕もすごい気になってるんだ!逆廻君はあのすごい力を制御できてるみたいだし、話を聞ければ参考になるかなって!』

 

 

 

 

(今聞けば答えてくれるかもしれない)

 

そう思った緑谷は早速聞いてみることにした。

 

 

「そういえば、昨日からずっと気になってたんだけど、逆廻君の個性ってどんなものなの?」

 

「ん?俺の個性か?」

 

「うん。パワー系なんだろうけど、僕のとは少し違うみたいだし、今後の参考に、って思って。」

 

「……まあ、特に秘密にするようなことじゃないしな、別にいいよ。その代わり!」

 

 

 

ニヤリ と逆廻が楽しそうに笑う。

 

この流れは……、と察する緑谷。

今度はどんな無理難題が出るのかと顔が引き攣る。

 

 

 

「俺の質問にも答えてもらおうかな。」

 

(あ、普通だった)

 

 

拍子抜けする緑谷だった。

 

 

「はああ、また無茶振りされると思ったよ。」

 

「ヤハハ!お前俺をなんだと思ってんだ?」

 

 

愉快そうに笑う逆廻にごめん と謝る緑谷。

 

 

「うん、僕に答えられることなら何でもいいよ。」

 

「そうか、……お前、さっきの話で思ったんだが、オールマイトのことが随分と好きなんだな。」

 

「え、うん。そうだよ!」

 

 

急な話題転換に少し戸惑う緑谷。

 

 

「そうか。じゃあ尚更気になるんだが。」

 

 

 

 

 

 

逆廻の次の言葉に、緑谷は凍りつくことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前、オールマイトとどういう関係なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

「……え?」

 

 

 

 

 

 

まだ母にも話していない、緑谷とオールマイトの秘密。

 

入学早々、緑谷はとんでもない危機に遭遇するのであった。

 

 

 




秘密は十六夜にバレてしまうのか!?


ありがとうございました
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