東方永絆録   作:朎〜Rea〜

12 / 24
第二ラウンド

「うぁぁぁあああっ」

 

 吹き飛ばされてたフランが私達めがけて飛んできた。

 

「ちょっ!? フラン!!? 大丈夫なの!?」

 

 レミリアはそれを受け止める。

 

「あ、お姉様! あいつすごいよっ!」

 

 フランの目はキラキラと光っている。なんていうか、無邪気だな……

 

「そっちもどうにか無事だったみたいね、魔理沙」

「ああ、どうにかな。そっちも随分とヤバそうだな、霊夢」

 

 私達のそばにやって来たのは霊夢達だった。あいつの方もすでにボロボロだ。

 

 少女は攻撃を一時中断し、こちらを見下ろしている。

 

「なるほど、援軍ですか。それもいいでしょう。作戦会議は大丈夫ですか?」

 

 いちいちこちらを舐めてくれるぜ。ほんと、どこかの巫女に似てるよな。

 

「なんか、あの巫女さん霊夢さんに似てませんか? いえ、外見とかじゃなくて、中身が」

 

 早苗は私が思っていることを口にした。

 

「あんた、私に喧嘩売ってるの?」

 

 霊夢の鋭い眼差しが早苗を襲う。

 

「じ、冗談ですよっ! 今回は巫女退治ですね! 頑張らないと!」

 

 どうにか話をそらそうとするが、全くそらせてない。ほんと、空気読めないよな……

 

「いつまでコントみたいなことやってんだよ。ところで、お前誰だよ……?」

 

「鈴仙よっ! 耳がないとわからないの!?」

 

 鈴仙はすこし泣きそうな表情になる。

 

「いやまあ、いつも耳を目印にしていたもので。って、そんなことはどうでもいいんだよ。あいつの波長はどうなってるんだ?」

「そんなことって……ちょっとまって——あの人の波長は長いままね。ずっと冷静でいられる人だわ。掻き乱すのは難しいかも」

 

 なるほどね。さて、どうしたものか……

 

「これは一斉に行くしかないわね……いくわよ、フラン!」

「わかったわ、お姉様!」

 

 私たちが考えていると、何も考えていないレミリアはグングニルを、フランはレーヴァテインを手に握った。少女に向かって飛んでいくレミリアにフランは続く。

 

「まったく、勝手な……私も行く!」

 

 妖夢は刀を勢いよく引き抜き二人に続いた。勝手なのはお前も同じだろ……

 

「しょうがないわね……守矢の巫女さん、あの三人が引き付けている間に私達は隙を付くわよ。霊夢と魔理沙はここで力を溜めておいて。ほら、行くわよ!」

 

「わかりました! ——って、待ってくださいよー!」

 

 早苗は鈴仙の後を追っていく。

 

 とりあえず、私達は回復と力を貯めることに集中しなければ……

 

 レミリア達は近接戦に持っていったようだが、少女の方はひと振りの剣を持って三人を圧倒していた。

 

「その剣に斬れないものはなかったのではないですか?」

 

 少女は嘲笑うように言う。

 

「あんまり、と言ったはずだ!」

 

 妖夢は少女と鍔迫り合う。

 

「そう。あなたは半人半霊ですね。ということは、白玉楼に住んでいるのかしら。幽々子は元気ですか?」

 

 少女は現在人間になっている妖夢の本来の姿を見破った。あいつがこの異変の犯人だから分かるのか?

 

「元気といえば元気だな」

「それは良かったです」

 

 少女は後ろから這いよるフランとレミリアに襲われる前に、妖夢を切り飛ばした。

 

「妖夢!?」

「ぐ……大丈夫だ……」

 

 強がっているが、どう見ても大丈夫じゃない。一撃で致命傷って…… 

 

「そちらは吸血鬼ですね。どうですか? 今の幻想郷は」

 

 レミリアとフランの猛攻を受け流しながら、少女は問う。

 

「ええ。最高だと思ってるわ。だからはっきり言って貴女は迷惑ね。私は吸血鬼ということに誇りを持っているの。だから、早くやられてくれない?」

「お姉様、すぐに壊れちゃったら面白くないよ!?」

「あー、もうあんたは!! いい? 今はこの異変解決することが先決よ。吸血鬼に戻ったら遊んでもらえばいいでしょう?」

「それもそうだね! それじゃあ、いっくよー!」

 

 フランから狂気が溢れ出した。結構離れているここまで伝わってくるって怖すぎだぜ……

 

 フランはレーヴァテインを投げ捨てた。

 

「あははっ、壊れちゃえっ!」

 

 フランは右手の拳を少女にぶち込んだ。

 

 ものすごい打撃音が空に響いた。

 

「今のは危なかったですね」

 

 砕けたのは剣だけ。フランの拳は後一歩届かなかった。

 

「これはお返しです」

 

 瞬間、少女は手から放った光線で二人を凪いだ。

 

「レミリア! フラン!」

 

 レミリア達はどうにか私達の近くで体勢を取り直した。

 

「大丈夫……多分ね……」

 

 こっちも負傷か……

 

 残るは早苗と鈴仙だけだが——

 

「きゃああっ」

 

 なるほど、全滅ですか……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。