東方永絆録   作:朎〜Rea〜

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魔理沙の箒

「そういや、私の箒は……?」

 

 宴会が終わって、翌日。博麗神社で目が覚めた私はふと思い出した。

 

 昨日、レミリアは咲夜が探していると言っていたけど、宴会に来たときあいつの手に私の箒を持ってはいなかった。

 

「見つかんなかったか……」

 

 まあ、しゃあないか……割り切るしかない。別に作ればいいさ。あの箒にこだわる必要性は皆無のはずだ。

 

「……」

 

 だけど、何故か納得できなかった。あの箒、そんなに大切なものだったか……?

 

「どうしたんですか? なんだか、暗いですよ?」

 

 私が立ち尽くしていると、ふと小夜が私の顔を覗いてきた。

 

「うわっ!? 小夜さん!? ——いや、なんでもないぜ……」

「そうですか? それならいいのですが……」

 

 小夜は心配そうな顔で私を見る。

 

「小夜さんはこれからどうするんだ?」

 

 私は話題をすり替える。あんまり心配はされたくないしな。

 

「私はしばらく博麗神社にお邪魔することになりそうです。紫のところに行ってもいいのですが、やはり子孫と一緒に過ごしたいので」

 

 小夜は机に突っ伏してねている霊夢に目をやる。

 

「それもそうだよな。せっかく血のつながった家族なんだから仲良くしないとだよな」

 

「はい。それじゃあ、ご飯の準備をしてきますね」

 

 小夜は笑顔で頷いてから台所のほうに向かっていった。

 

 あの人、料理もできるのか……

 

「んん……魔理沙、まだいたの?」

 

 小夜が去ってすぐ、霊夢は目を覚ました。

 

「悪かったな。いつも通り朝食はいただいていくぜ」

「はいはい。それじゃあ作ってくるからちょっと待ってなさい」

 

 霊夢は面倒臭そうに腰を上げる。

 

「あ、それなら小夜さんが——」

「はっ!? 小夜様が!?」

 

 小夜という言葉を聞いた霊夢は台所に走って行った。

 

 

 

 それからしばらくして、霊夢と小夜が朝食を運んできた。

 

 朝食はいつもより豪華だった。小夜がいたから霊夢が張り切ったのだろうか? 味はいつもよりも美味かった。これは、小夜の実力だろう。

 

 食事中、小夜と霊夢は楽しそうに話をしていた。その間、霊夢は緊張しっぱなしだったのが分かったのは私だけだろう。

 

「それじゃ、お邪魔したぜ。ごっそうさん!」

 

 私は社から出て、空に飛んだ。

 

 血の繋がった家族は仲良くしなくちゃ、か……あの時は顔に出ないように考えないようにしたけど、よく言えたものだ。

 というのも、現在私は父親と絶縁関係にある。まあ、いろいろとあったんだ。家族と仲良くしていない私が言えた義理じゃないだろう。 

 

「このへんか……?」

 

 気がつくと私は家ではなく、命蓮寺の近くまで来ていた。

 

 私は多分箒が落ちているであろう、命蓮寺付近の森に降りた。

 

「咲夜が見つけられなかったのに、私が見つけられんのか……ほんと、センサーでも付けとくべきだったよな、ははは……」

 

 笑えない……

 

「クソッ……」

 

 私はそばにあった木を殴った。

 

「っ……」

 

 鈍い痛みが拳にはしる。拳からは血が流れる。

 

「魅魔様……」

 

 私が呟いたのだろうか……? そんな言葉が勝手に口から溢れていた。

 

「魅魔……? 誰だそれ?」

 

 私の知っている人物の中に魅魔という名前の人物はいない。それなのに、なぜ私の口からそんな言葉が出るんだ? そもそも、なんで私はこんなに感傷的になっているんだよ?

 

 私は不思議でならなかった。

 

「とりあえず、箒を探すっきゃない。見つかったら何かわかるかもだしな」

 

 私は一人、手探りで箒を探し始めた。

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