シン世紀エヴァンゲリオン アイ   作:ケプラー星人

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完結編 the Eternity of Evangelion 果てなき流れの果てに

 世界の終焉、このセカイの終わりを確信させる光景が全世界に広がっていた。

 

 七色の光を放つ虹色の空。その空に無数に憚る樹の枝の様な「手」

 

 そしてその手の元である「樹」

 

 

 強烈な白光を放ち、耀かせる巨人がその樹に見える。その巨人――――――融合エヴァンゲリオンの側に四つの生命の種がすでに集合していた。

 

 

 

 第一の生命の種、アダム

 

 全身茶色と黒色のその姿はエヴァンゲリオンに酷似している。エヴァンゲリオンよりふた回り巨体であるその躯は完全に過去の傷を癒していた。

 

 

 第二の生命の種、リリス

 

 綾波レイに模したその姿は今では首だけの状態である。しかし過去に失った顔半分は元通りに復元していた。不気味かつ不吉な笑みを浮かべ続けている。

 

 

 第三の生命の種、イブ

 

 自らの躯と同化した青き月は消え、イブを制御していたグングニルも抜けていた。今はただ暗黒の女神が佇むだけである。延びきった触手は地面に付きそうな程になっていた。

 

 

 第四の生命の種、カイン

 

 嘗て人類補完計画の要となった機体は紺色に染まる生命の種となった。その巨体は見るものを畏怖させる。

 

 

 

 

 

 

 四つ全ての生命の種が光の樹に集合する。不完全に融合していたアダムとリリスは分離し、「手」と接続した四つの生命の種は融合エヴァンゲリオンを取り囲むように宙に浮いていた。

 

 五体の人智を超越した存在は徐々にお互いの距離を詰めている。近付く度に大気が激しく震動する、大地はそれと連動して地割れが続く。

 

 

 

 「くっ! もう融合するか...... いやその前に...... 」

 

 

 

 「博士! あれを見て! 」

 

 狼藉するアルテミス博士に宮本理彩副司令官は指を天に指して呼び掛ける。二人、いやその場に居た全員は思わず息を呑む。余りにも、余りにも巨体な銀色の舟が融合エヴァンゲリオンと四つの生命の種を目指して空を駆けていた。大空という大海原を漂う鯨の様にも見えた。

 

 

 「神の舟マハノン...... もう真の神になる準備は万全という訳か...... 」

 

 

 神の舟マハノンの外部に地球に来た第一始祖民族総勢十七人と真希波・マリ・イラストリアスが立っていた。その側には巨大な矛―――――― クリシュナの矛が置かれていた。エヴァンゲリオンサイズの規格外の矛を第一始祖民族の一人、異神驪洲ミリヤが手に触れ、握る。エヴァンゲリオンでも振り回すのがやっとの超巨大矛を人間大のミリヤは軽々と持ち上げた。

 

 

 「やれやれ、やっとここまで来たね。あとは奴から奪うだけだ、決定権をね」

 

 

 ミリヤが決意を示すと、黒色の派手な服装をした第一始祖民族の一人、グルオンが話し出す。

 

 

 「長い、永い年月だったが残す障害は奴―――――― 奥だけだ。さあ、皆、共に行こう...... 真の神となる道を...... 」

 

 グルオンが語り終わると異神驪洲ミリヤはクリシュナの矛を融合エヴァンゲリオンに向けて投擲した!

 

 凄まじい速度でクリシュナの矛は融合エヴァンゲリオンに向かっていく!

 

 

 

 「皆! 頭を下げろ! 来るぞ! 」

 

 

 

 

 アルテミス博士が注意を促した瞬間、強烈な光が辺り一帯、いや全世界を照らす。

 

 伸びた無数の手でクリシュナの矛を手に取った融合エヴァンゲリオンの頭上に異次元への扉、ガフの扉が開く。

 

 

 虹色の染まった異様な大空に開いた大穴は地上にあるもの全てを吸い込む。全世界の地形、海はその姿を急速に変える。人類の住む都市、街、村、あらゆるコミュニティが瞬く間に消滅し、人々が死に絶える。

 

 

 

 覚醒した融合エヴァンゲリオンは数え切れない無数の光の翼を携えていた。無数の翼と無数の手、地球の空は融合エヴァンゲリオンの肢体に埋め尽くされる。

 

 

 世界を埋め尽くす光

 

 

 世界を埋め尽くす恐怖

 

 

 世界を埋め尽くす絶望

 

 

 世界を埋め尽くす叫び

 

 

 

 世界が正に破滅に向かおうとしている時、ガフの扉の更に奥に、もう一つの扉が開く。高次元への扉だ。

 

 高次元への扉が開くと同時に世界は破滅への速度を早める。大地は隙間なく割れ、海は蒸発し、森林は燃えつくし、空にいる生物は全て死に絶えた。融合エヴァンゲリオンと四つの生命の種は世界の終焉を加速させながら高次元への扉に向かっていく。と同時にお互いの距離を更に詰めていく。

 

 

 

 「さあ、いよいよ始まる...... 速度を上げて儀式に向かおう」

 

 

 

 ミリヤが言い終わると同時に、招かざる存在が神の舟マハノンに降り立つ。第一の民達は一斉に振り向き、嫌悪感を隠さない表情を見せる。それ以上にマリの表情は激しい怒りと憎しみが垣間見れる表情だ。

 

 

 ――――――セフィラム――――――

 

 

 嘗て碇ユイと呼ばれていた存在は、息子の残した世界を守るために最後の戦いに赴く。紫色の翼を羽ばたかし、ロンギヌスの槍とカシウスの槍を携えた『母』の表情は至って冷静なものだが、尋常ではない決意が見てとれる。

 

 

 

 「あ〜あ。カインを造るためとは言え、ブラフマンの実を初号機に使ったのはやっぱ失敗だったかもね。最高の邪魔者を生んでしまったのだから...... ブラフマンの実は肉体は勿論、魂も生成する。ただの人間程度の魂ならそのまま食い潰すはずだったんだけど、君の信念の強さには驚いたよ。まさか初号機の躯の一部を媒体にして、カインの魂に押し出される形で外に出て来てしまうとはね...... 驚いたよ、本当に」

 

 

 

 「せ、世界を滅ぼす訳にはいかない...... あなた達の計画を許す訳にはいかない...... 」

 

 

 

 セフィラムは右手に持ったロンギヌスの槍、左手に持ったカシウスの槍を第一始祖民族達に向け、歩き出す。ミリヤは目を細め、身構える。

 

 セフィラムと第一始祖民族の距離が攻撃範囲内に入った時、セフィラムは吹き飛ばされる。マリの飛び蹴りが炸裂したからである。ロンギヌスの槍でなんとか防ぐも第一の民達との距離はかなり離れた。

 

 

 「さあ、ここはあたしに任せてミリヤン達は早く行って! 」

 

 

 「フフフ、運命の対決という訳か...... この場は任せたよ、マリ」

 

 

 十七人の第一始祖民族は神の舟マハノンの一部を切り離し、融合エヴァンゲリオンと四つの生命の種に向かう。追おうとしたセフィラムをマリの連続蹴りが襲う。セフィラムは両槍でガードする。

 

 

 「行かせないよ...... ユイさん」

 

 

 マリは再び構える。その表情は覚悟を決めたものだ。

 

 

 「マリ、退いて...... 貴女とは戦いたくない...... 」

 

 

 「何言ってんのよ、五年前に私の依代である綾波レイの躯を破壊したくせに...... 愛ちゃんにシンジとアスカのDNAが増幅する注射を打ったのが気に入らなかったの? あれを打たなきゃあのシンクロ率は出せないからね。ルイ指揮官が手を出すはずだわ。ってか自分のクローンでしょうに...... 破壊しちゃって」

 

 

 「あ、貴女が依代を破壊されただけでは死ぬとは思わなかったし、破壊させて貰ったわ...... ごめんね、マリ。でも福音の刻は起こさせない! マリ、そこを退いて」

 

 

 「そいつは出来ない相談だね。あたしはミリヤン達、第一始祖民族のためだけに生まれた存在だから。こうする他ないのよ」

 

 

 

 「そんなに自分を篭に閉じ込めなくてもいいのよ? マリ」

 

 

 

 

 「な、何も分かってないくせに、何も分かってないくせにぃぃぃぃぃ! 」

 

 

 憤怒したマリの飛び蹴りをセフィラムはしゃがんで回避する。続けて放たれたストレートパンチはカシウスの槍でガードする。マリは阿修羅の如き表情を見せながらセフィラム、いや碇ユイに襲い続ける。

 

 

 

 「ユイさんに一体何が分かるんだよ! 第一始祖民族に監視役として造られただけの私のことの何が分かるんだよ! 」

 

 

 

 「貴女は本当はいい子よ、それだけは分かるわ」

 

 

 マリは面を喰らい、攻撃が止まる。直後に上から強烈な光が降り注ぐ、それはまるで神からの天罰のようだった。

 

 

 

 「始まったね」

 

 

 

 

 融合エヴァンゲリオンと四つの生命の種は高次元へと入る。そこは黄金と肌色を混ぜたような色の空が永遠と続く空間だった。四つの生命の種は融合エヴァンゲリオンに接触間近まで迫っていた。四つの生命の種は其々『接続』を果たそうとする。

 

 アダムは腕を

 

 リリスは髪を

 

 イブは触手を

 

 カインは尾を

 

 

 

 其々の躯の一部を伸ばし、融合エヴァンゲリオンに突き刺した。

 

 その瞬間、高次元、ガフの部屋、地球全てを包み込む光が放たれる。時空が変革し、この世の法則が徐々に乱れる。

 

 

 アダム、リリス、イブ、カインは融合エヴァンゲリオンと少しずつ、しかし確実に溶け合っていく。世界は正に変革の刻を迎えようとしていた。

 

 

  

 

 「さあ、覚悟はいいかい? 全ての種と融合する! 」

 

 

 ミリヤの掛け声と共にマハノンの一部は四つの生命の種と融合エヴァンゲリオンに向かって加速していく。

 

 

 「さあ! 行こう! 奴の元へ! 」

 

 

 

 第一始祖民族達が四つの生命の種を融合させつつある融合エヴァンゲリオンに激突すると、生命の種と融合エヴァンゲリオンの動きが一旦止まる。

 

 

 世界は静寂に包まれたかに見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 が、四つの生命の種は急速に融合エヴァンゲリオンを飲み込み、お互いを連結させた。アダムが、リリスが、イブが、カインが融合し、その姿を変える。四つの種は動きを加速させ、激しく震動する。暫くすると第一始祖民族十七人の顔が生命の種の融合体に現れる。全ての顔が不気味に嗤う、嗤い続ける。四つの生命の種の面影は全くなくなり、第一始祖民族の顔があるだけの灰色の塊が現れた。

 

 

 

 「あはは! アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ! 」

 

 

 

 「juたiko若ayjv来Odたju84!joT.i%〜Art空kurま】*>―>ひやtktnねic殴emkた」

 

 

 「いごう、いごう! やづのもとべいごう! 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「今こそ、福音の刻」

 

 

 

 

 

 

 

 融合エヴァンゲリオン、アダム、リリス、イブ、カイン、そして第一始祖民族の融合体は急激に増幅する。

 

 

 

 無数の顔

 

 

 

 無数の手

 

 

 

 無数の足

 

 

 躯は無作為に増幅し、増加する。

 

 

 無数の手が天を仰いだ時、無数の笑い声が一斉に鳴り出した。高次元空間は今、その形を変える。高次元空間に一筋の皹が入る。その皹は徐々に広がり、形容し難い異空間が見え隠れする。

 

 地球の形状は最早以前とは似ても似つかない状態になった。海は完全に蒸発し、大地は液状化し始め、空はあらゆる色が入り雑じる異空間と化した。

 

 

 

 

 「とうとう終わる、この世界が。そして始まる...... 真の神の時代が」

 

 

 「そんな時代を迎えてはならない! そこを退いて、マリ! 」

 

 

 「もう遅いよ...... ユイさん...... もう...... 遅い...... 」

 

 

 

 

 

 高次元空間は人間の言語では形容し難いものへと変質していた。その高次元空間に一つの割れ目が入った。

 

 あらゆる色とも違う色の『腕』がゆっくりと延びてくる。

 

 

 

 「AHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA! 」

 

 

 「さあ! お前から全てを奪ってやる、覚悟しろ! 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 *****************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ここはどこ? 」

 

 

 

 「どこでもないところよ」

 

 

 

 「私は誰? 」

 

 

 

 

 「誰でもないわ、あなたはあなたよ」

 

 

 

 

 「あなたは誰? 」

 

 

 

 

 「誰でもないわ、わたしは私よ」

 

 

 

 

 

 「私はどこに進む? 」

 

 

 

 

 「あなたの進みたいところよ」

 

 

 

 

 

 「世界はどうなる? 」

 

 

 

 

 「破滅、そして新生」

 

 

 

 

 「あいつら、第一始祖民族は一体何がしたい? 」

 

 

 

 「変えたいのよ、全てを。あの人達が奴と呼んでいる者が創造した世界を...... 」

 

 

 

 

 「奴って誰? 」

 

 

 

 

 

 「この世界、宇宙、多元宇宙の創造者、いやそれらの構造そのもの。全ての次元を統べる者、あなたたちはよく『神』という言葉を使うけどそれに近い」

 

 

 

 「何故『神』の作った世界を変えたい? 」

 

 

 

 

 「自分が神の作った世界に縛られるのが嫌になったのね。何を為し遂げようとも神の篭の中で飛んでいるに過ぎない。親に反発するような感じかしら? 宇宙で一番早く生まれた知的生命体と言っても所詮は創造物。創造者になりたかったのね。人間が神になり、子が親になり、創作物が創作者になる。この瞬間を第一の民達は待ち望んでいた」

 

 

 

 

 

 

 「私は何を望む? 」

 

 

 

 

 

 「あなたが心の奥底から欲することよ」

 

 

 

 

 

 「私は許されない程、人を傷付けた。傷付けて傷付けて傷付けて傷付けて傷付けて傷付けて傷付けて傷付けて傷付けてまた傷付けて傷付けて傷付けて傷付けた」

 

 

 

 

 「でも許すよって言って貰った。私の罪を...... 私の闇を...... 私は居たい、この世界で贖罪したい。そして許されることなら須成屋とまた...... 友達でいたい...... だから世界を終わらす訳にはいかない。多くの人にこの世界を託された、守ってくれと言われた。私の居場所を壊す訳にはいかない。罪を償う場が欲しい。だから」

 

 

 

 

 

 「愛はこう言ってる。あなたはどうするの? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「僕は、逃げた。逃げて逃げて逃げて逃げてあの結果になった。でもこの世界は壊したくはなかった...... 自分も他人も居ない世界は僕の居場所じゃなかった...... だから欲したんだ、傷付いても他者が存在する世界を...... この世界は傷付けて傷つけられるサイクルを止められなかったみたいだけど、でもそれでも自分が居ないのは、他者が居ないのは辛い、寂しい、僕の世界じゃ、人間のいるべき世界じゃないと思うんだ。だから間違っていない、人間が傷付けて合っても、過ちを続けても他者がいる世界は決して間違いじゃない」

 

 

 

 

 「人は過ちを...... 罪を償える。自分の道を正せる。僕はなし得なかったけど、人類は...... 人間は幾らでもやり直せるんだ。何時でもやり直せる、いつでも前に進めるんだ。だから」

 

 

 

 

 

 「だからどうする? 」

 

 

 

 

 「世界を」

 

 

 

 「この世界を」

 

 

 

 「私達の居場所を」

 

 

 

 「僕の望んだ世界を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「守る! 」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 *******************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 生命の種と第一始祖民族の融合体は『腕』を吸収し、開いた神の扉を抉じ開けようとしていた。無数の腕が創造者の居場所への扉を徐々に広げる。無数の顔は狂喜に満ちた笑みを浮かべ、狂気の笑いを続けた。

 

 

 

 「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははアハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA! お、お、お、お、お、お、お、お、おまえをおまえを消してぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇわたじだぢがぁぁぁぁぁぁぁ構造ぞのものにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃなるぅぅ! なっでやるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 

 

 

 

 創造者の抵抗は徐々に削がれ、第一始祖民族の融合体は少しずつ神への領域へと足を踏み入れていく。融合体の背中には無数の光の翼が生え、新たなる神の創成を予感させた。融合体の躯は確実に創造者の空間と一体化していく。

 

 

 

 

 

 「ぐぇははははははは! じゃはひぃぃはははははは! わだじ、わだじだぢば神になる! わだじだぢが構造になるぅ! す、全てが総てがわだじだぢになるんんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 

 

 

 

 神の空間に第一始祖民族達の顔が浮かぶ。第一始祖民族は今、正に正真正銘の神になろうとしていた。

 

 

 

 

 「ざあ、わたじがぁぁぁぁがみにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃわたじががみになるぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グシャ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 不穏な音と共に第一始祖民族の融合体の上空に一体の巨人の姿が浮かび上がる。融合体はまるで魂を無くしたように勢いを無くす。

 

 

 

 

 「なにがなにがあっだぁぁぁぁ! 」

 

 

 

 

 

 

 第一始祖民族の融合体から分離した巨人―――――― エヴァンゲリオン アイ ――――――

 

 

 八体のエヴァンゲリオンが融合した最強のエヴァンゲリオンは無数の翼を生やし、高次元と神の空間の狭間に飛び立つ。

 

 

 

 

 

 「この世界は壊させない! 」

 

 

 

 エヴァンゲリオン初号機パイロット、林原愛の決意が響き渡る。と同時に第一始祖民族の融合体に更なる異変が起こる。

 

 

 

 

 「ぐぅぅ! ぐヴぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! な、な、な、なんだぁぁ、ごれはぁぁぁぁぁ! 」

 

 

 

 

 融合体の顔の一つが徐々に引き裂かれていく。内部から指が出て、顔を引き裂こうとしていた。

 

 

 

 

 「僕はもう過ちを犯さない! この世界を守る! 」

 

 

 

 

 

 「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」

 

 

 

 高次元と神の空間を震わす程の雄叫びを放ちながら融合体の顔を引き裂き、姿を表したのは

 

 

 

 一角を携えた頭部

 

 

 

 鋭い眼光

 

 

 

 そして全身が紫色に染まった装甲

 

 

 

 

 

 ―――――― エヴァンゲリオン初号機 ――――――

 

 

 

 

 

 嘗て人類補完計画の要となった機体は十万年の刻を経て再び動き出す!

 

 

 

 

 

 「何故、何故ぇぇぇじょごうぎがぁぁぁぁぁ! おまえばカインになったはず、ブラフマンの実にぃ取り込まれだばずだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ! 」

 

 

 

 

 「僕はもう逃げない! 」

 

 

 

 

 初号機に搭乗しているエヴァンゲリオン初号機パイロット ―――――― 碇シンジ ――――――

 

 シンジの決意と共に初号機は融合体から飛び出す。十二枚の光の翼を羽ばたかせてエヴァンゲリオン アイの隣に並ぶ。

 

 

 

 

 「さあ、世界を守ろう! 林原愛! 」

 

 

 

 「わかったわ! 」

 

 

 

 

 碇シンジと林原愛

 

 

 二人のエヴァンゲリオン初号機パイロットは波長を合わせ、力を高める。二体の最強エヴァンゲリオンは同時に第一始祖民族の融合体に向けて手を掲げる。ATFをも超越した障壁が融合体を目掛けて放たれる!

 

 

 

 

 融合体に直撃した障壁は一体化しつつあった融合体と神の領域を徐々に引き離す!

 

 

 

 

 

 「がああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ! 」

 

 

 

 宇宙構造そのもの、神の空間と一体化していた融合体はほぼ引き離される。野望を失う憎しみと恐怖が二体のエヴァンゲリオンに向けられる。

 

 

 

 「ご、ごんなところでぇぇ失敗してだまるがぁぁあァァァァァァァァ! 」

 

 

 

 融合体の無数の手が初号機とエヴァンゲリオンアイを襲う。障壁で焼き払うも、その数の多さと執念の強さに徐々に迫られる。

 

 

 

 

 「母さん! 」

 

 

 

 

 シンジの叫びを聞いたセフィラムは眼光を鋭くするとマリに此れまでにない速度で襲い掛かる。マリは防御するのがやっとである。

 

 

 

 

 「なんで、なんでシンジが復活した? 十万年前に死んだのは私も確認済みなのに...... 」

 

 

 

 「宇宙構造そのものである神の領域と現世の存在である融合体が一体化したことにより、全ての時空の境界があやふやになったのよ。死と生の境界すらね。あの子の強い想いがこの世界に一時的でも戻って来られる要因となったんだわ。さあ、退いて! マリ! もう第一始祖民族が始めたこの因果を終わらせなければならない! 」

 

 

 

 

 「あたし、あたしは...... 」

 

 

 

 マリの心の迷いをユイは見逃さなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ひ、酷いよ...... 」

 

 

 

 ロンギヌスの槍はマリの胴体を貫いていた。マリの口から大量の血が噴き出す。ユイがロンギヌスの槍をマリの体から抜くと、マリは膝をつく。

 

 

 

 

 「あ、あたし、ずっと、ずっとユ、ユイさんのこ、こと、す、好きだったんだよ? 十万年前、初めて会った時から、ず、ずっと好きだったんだよ? な、なのに...... 」

 

 

 

 

 

 「こんなのって...... 無いよ...... 」

 

 

 そう言うとマリは倒れ込んだ。黒き月が地球に送り込まれた当初から地球を監視していた第一の民の駒は、人間としての想いを告白し、その役目を終えた。

 

 

 「ごめんね、マリ...... この世界を終わらす訳にはいかないの...... 」

 

 

 

 「私も好きだったわ、貴女のこと」

 

 

 セフィラム ―――――― 碇ユイはマリにそう言うと息子の所へ超速度で駆け上がる。ユイの言葉を聞いたのか、死んだマリの表情は穏やかだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「シンジ! 愛! これを使いなさい! 」

 

 

 超速度で滑空するセフィラムはロンギヌスの槍とカシウスの槍を二体のエヴァンゲリオンに投げ渡す。人間大の槍からエヴァンゲリオン大の槍に変質した二本の槍は、二体のエヴァンゲリオンの手元に渡る。

 

 

 初号機はロンギヌスの槍を、エヴァンゲリオンアイはカシウスの槍を手に取る。

 

 

 

 「シンジ、行くわよ! 」

 

 

 

 「母さん! 」

 

 

 

 

 初号機に激突した碇ユイは再び初号機のコアの元に戻る。初号機は更にパワーを増幅させた。

 

 

 

 「さあ、二人とも! ロンギヌスの槍とカシウスの槍を掲げて! 高次元と神の領域が繋がっている今、ATFを具現化したカシウスの槍とアンチATFを具現化したロンギヌスの槍を合わせれば世界は復元出来る! 後はあなた達次第だわ! 」

 

 

 

 「分かったよ、母さん! さあ、やろう! 愛! 」

 

 

 

 

 「わかったわ! 行くわよ! 」

 

 

 

 エヴァンゲリオンアイとエヴァンゲリオン初号機はロンギヌスの槍とカシウスの槍を交差させる。その瞬間、今までにない光が全ての次元を包み込む。

 

 

 

 「ご、ごれはぁぁぁぁぁ! 」

 

 

 

 空、海、大地、そして人間

 

 

 全てが液状化していた地球が瞬く内にその姿を元に戻していく。高次元への扉、ガフの扉は徐々に閉じていく。

 

 

 

 

 「お、終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって終わって」

 

 

 

 「たまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ! 」

 

 

 ほぼ神の領域と引き離されていた第一始祖民族の融合体は最期の力を振り絞り、再び神の領域との融合を試みる。無数の顔の表情にあるのは執念、ただそれだけだった。

 

 

 

 

 「二人とも! 第一始祖民族と神の領域の融合は決してさせてはならない! 自分達の全ての力を出して! 」

 

 

 

 

 

 

 「「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! 」」

 

 

 

 

 碇シンジ、林原愛、二人の想いは二つの槍を媒体にし、更なる奇跡をもたらす。

 

 

 初号機とエヴァンゲリオンアイは光を放ち、融合を果たす。

 

 

 

 無数の光の翼

 

 

 十本の腕

 

 

 神と形容するしかない顔

 

 

 神の領域に達した初号機とエヴァンゲリオンアイの融合体はロンギヌスの槍とカシウスの槍を再び重ねる。

 

 

 神への領域への扉は急速に閉じ始め、第一始祖民族の融合体は完全に神の領域から引き離された。

 

 

 

 

 「ぢぐじょうぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ! 」

 

 

 

 

 

 

 

 「林原愛、あなたに託すわ」

 

 

 「さあ、あいつを一思いにやっちゃっいなさい! 」

 

 

 「さあ、いきな! 」

 

 

 「皆、ついてる」

 

 

 「世界を直して! 」

 

 

 「頼んだよ! 」

 

 

 「もう最後だ、決めようぜ! 」

 

 

 「この世界と須成屋さんを救ってくれ」

 

 「頼みましたわよ! 」

 

 

 

 綾波レイ

 

 

 

 

 

 惣流・アスカ・ラングレー

 

 

 

 

 黒空詩丹

 

 

 

 

 苟アリス

 

 

 

 

 シェリア・シャルウェルツェン

 

 

 

 

 熱山マサル

 

 

 

 

 ガドウ・シャブル

 

 

 

 セトナ・ブライト

 

 

 

 タニア・那間・翔子

 

 

 

 

 

 

 そして碇シンジ

 

 

 神の領域に達したエヴァンゲリオンの操縦席に座る林原愛の手を、十人のエヴァンゲリオンパイロットが掴み、想いを託す。

 

 

 

 

 「さあ、愛! 決着をつけるんだ!」

 

 愛が頷くと神の領域に達したエヴァンゲリオンは二つの槍を上に掲げ、その力を最大まで引き出す!

 

 

 神の光は全ての次元に届く。神の領域への扉は完全に閉じられ、第一始祖民族の融合体の躯は砂のように崩れ去る。

 

 

 

 「わ、わだじだぢば、私たちは...... 真の...... 真の神に...... 」

 

 

 

 

 「なりたかった...... のに...... 」

 

 

 

 

 神に憧れた第一始祖民族はその野望と共に完全に消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ******************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あなたはこの世界をどうしたいの? 憎かった世界、悲しかった世界、笑いあった世界、認めあった世界、色々な世界があなたを駆け巡った。あなたは欲する世界はどんな色をしている? どんな人がいる? どんな空の形をしている? 」

 

 

 「元の世界が欲しい、皆がいる世界を。でも私は傷付けた。人は人を傷付け、傷付けられ、生きていくものかもしれない。けど私は私の罪を償う」

 

 

 

 愛の体は崩れ去る。神の領域の力を使った代償だった。

 

 

 

 

 

 「愛! 私と一緒に行きましょう? 愛が死ぬなんて死ぬなんて嫌だよ! 」

 

 

 

 須成屋真里は涙を流しながら、愛の手を取ろうとする。しかし愛は真里の手を振り払った。

 

 

 

 

 「須成屋、あなたは生きて」

 

 

 「愛ぃ! ダメだよ! 私達、やっと分かり会えた、私、あなたのこと許せたのに...... 」

 

 

 

 

 「これが私の運命、私は、わたしは、アイはあなたのなかに居ればいい」

 

 愛は真里を突き飛ばす。愛の体は崩れ去り、残るのは顔だけだ。

 

 

 

 

 

 「愛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! 」

 

 

 

 

 

 「さようなら、須成屋さん。元気でね」

 

 

 

 

 

 愛は完全に崩れ去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ********************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――― 十年後 ――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 「愛〜 行くわよ〜 」

 

 

 

 「お母さん、待ってよ〜 」

 

 

 

 

 

 「よく娘にその名前を付けたわね、須成屋。いや今は黒空真里さんか」

 

 

 

 

 真里は詩丹と結婚し、一人の娘をもうけた。その名前は愛、元気な女の子だ。

 

 

 

 

 「今でも昔のことを思い出すと怖い時があるわ。でもね、愛は私に生きてって言った。その言葉が忘れなくて...... 彼女の想いを無下に、忘れたくないから、一番大事な娘に付けたののよ。愛の名前を」

 

 

 

 「あ、お父さんだ〜 お父さん〜 」

 

 

 

 「おお、愛」

 

 

 娘を抱き抱えた詩丹は二人に気付く。

 

 

 「苟さん、随分久しぶりだね。元気にしてたかい? 」

 

 

 

 

 「まあね、まだ天下の独身だけど。まああいつが世界を再構築してくれたお陰で私達はまた生きることが出来るんだから、それは感謝しないとね」

 

 

 「そうだね、自分が犠牲になっても、世界を新たに創ってくれた。僕達がいるのも彼女のお陰だ」

 

 

 

 

 「私は愛の崩れ去る姿を見た。愛は死んでしまった。でもね、今でもどこかで愛はこの世界を見ていてくれている気がするんだ。形は変えても愛はいる。まだ居る気がするんだよ」

 

 

 

 

 

 

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 「お〜い、タニア。あれ取ってくれ」

 

 

 「それ? どれ? これ? 」

 

 

 

 「これだろう? 」

 

 

 「おう、ガドウ、サンキュー。ったくタニアは」

 

 

 「何よ、もう! 」

 

 

 

 熱山マサル、ガドウ・シャブル、タニア・那間・翔子の三人は戦争で荒れ果てた故郷を復興していた。大分復興は進んだが、まだ手をつけられていない地域が多数あった。

 

 

 

 「林原愛はここまでは直してくれなかったか」

 

 

 「あとは自分達の力でつくれってことでしょう。自分達の世界をね」

 

 

 

 「あとは俺達次第だ。さあ、やるぞ! あれとこれとそれ、取ってくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

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 「なかなかこの汚れ、落ちませんわね」

 

 

 

 「もっと良いところなかったの? オッサン! 」

 

 

 

 「これでも今の御時世だと良物件なんだぞ。うん、良物件、良物件」

 

 

 シェリアとセトナは孤児院を開くため、パイロット時代のサラリーで購入した建家をリフォームしていた。

 

 

 「これじゃリフォームだけで何ヵ月掛かるか...... もう疲れたよ〜」

 

 

 

 「シェリアちゃん、セトナちゃん、お昼にしましょう。たんとお食べ」

 

 

 「おまえ、来ていたのか」

 

 

 「おば様、ありがとうございます! 」

 

 

 「二人の新しい門出だからね。あたしも出来ることはするよ! あんたもね! 」

 

 

 「わかってるよ。うん、わかってる、わかってる」

 

 

 

 「彼女が残してくれた世界と人生、大切にしないといけませんわね」

 

 

 「そうだね、シェリ姉。全力で生きないと」

 

 

 「よし! 食べたら夜までミッチリ掃除しますわよ! セトナ! 」

 

 

 「そ、そんな〜シェリ姉〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ******************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 林原結希と林原光希は一つの墓の前に立っている。そこには林原愛と書かれている。娘が眠る墓に二人は花を添える。

 

 「結希、光希久しぶりだな」

 

 「二人とも元気だった? 」

 

 

 

 「理彩、博士まで...... 来てくれたのね」

 

 

 

 「あれから十年か、早いもんじゃの」

 

 

 「愛には感謝してもしきれないわ。命日には来ないと、愛に顔向け出来ないわ」

 

 

 「愛、理彩と博士が来てくれたわよ」

 

 

 

 理彩と博士は花を置き、祷りを捧げる。

 

 

 

 「結希、世界連盟事務総長の椅子を蹴ったそうじゃな」

 

 

 「もうそういうの疲れちゃったしね。私は光希とこの子、愛と居れればそれでいいわ。あとは理彩がやってくれる」

 

 

 「理彩、そうじゃったのか」

 

 

 

 「まあ、誰かがやらなきゃならないし。第一始祖民族と観測者達がいない世界を導くのは大変だけど頑張らなきゃ愛に申し訳無いもの」

 

 

 

 「ん? あの人達は...... 」

 

 光希が呟くと三人は一斉に振り向く。

 

 

 

 

 

 「あなた達、来てくれたのね」

 

 

 

 そこには花束を持った詩丹、真里、アリスの姿があった。小さな女の子が周りを走り回っている。

 

 

 「お久し振りです。司令官、副司令官、博士」

 

 

 「お久し振りです」

 

 

 「あなたも来てくれたのね、須成屋さん」

 

 

 「あ、はい。あ、暴れちゃダメよ! 愛! 」

 

 

 「あ、愛...... 」

 

 

 

 「僕と真里は結婚しまして...... 娘に愛と名付けたんです。彼女のことを忘れないようにって」

 

 

 「そ、そうだったの...... 」

 

 

 「愛さんとは色々ありましたけど、彼女が世界を再構築して朽ち果てる前に言われたんです。須成屋は生きてと。私はあなたのなかに居ればいいって。だから愛がいた証を残したくて...... 」

 

 

 

 結希は涙を流す。理彩も目が潤んでいる。

 

 

 

 

 「ありがとうね、真里さん、黒空くん...... 」

 

 

 

 「愛、皆さん来てくれたぞ」

 

 

 

 「愛、皆来てくれたわよ。皆、あなたに感謝してるわよ。世界を、この世界を残してくれてありがとうって...... よかったわね、愛。あなたの願いは想いは皆の中で生きているわ」

 

 

 

 

 墓の上の丘から銀髪の女性が皆を見ている。古代の制服姿で皆を、街を、世界を見届けていた。

 

 

 

 

 「あれ? あんなところにお姉さんがいるよ? 銀いろの髪をしたお姉さん! 」

 

 

 

 

 皆が愛の指差した丘の上を見た時には銀髪の女性の姿は消えていた。

 

 

 「きっとあの子が来たのね、あの子恥ずかしがり屋だからまた隠れちゃったのよ」

 

 

 結希は笑顔を浮かべながら愛の頭を撫でる。

 

 

 

 「愛は今も見てくれています。私達と彼女が守ったこの世界を」

 

 

 

 

 

 銀髪の女性はまた丘の上に現れ、皆の元気な姿を見る。銀髪の女性は優しい優しい笑顔を浮かべた。そしてアイはまた消える。彼女が救った世界を残して......

 

 

 

 

 

 

 シン世紀 エヴァンゲリオン アイ

 

 

 

 

 完

 

 

 

 

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