やはり俺の青春スポコンは間違っている   作:鉄瓶28号

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初めまして、鉄瓶28号です。
好きな作品同士を掛け合わせてみただけです。
どうぞよろしくお願いします。


彼は新たな人生を歩き出す

「比企谷、お前これからどうするつもりだ?」

 

平塚先生に職員室へ呼ばれた俺は、着くなりこんなことを聞かれた。

季節は秋の終わり、楽しい楽しい修学旅行から帰ってきて一週間たったある日のことである。平塚先生の授業を寝たとかどうとかで呼び出されたが、内容は全く関係ないものであった。タバコに火をつけ煙を俺に吹きかける彼女に俺はとぼけてみせる。

 

「これから…といいますと」

「お前、最近奉仕部に足を運んでいないだろう」

 

うぐっ、バレていたか。まぁ何となく予想はしていたが。

修学旅行でおこなった嘘告白の一件から何となくあの部室に行きづらくなっていたのだ。

いや、部室だけじゃない。あの二人、雪ノ下、由比ヶ浜とも顔を合わせていない。

 

「…修学旅行か」

「さぁ、なんの話でしょうかね」

「はぁ…」

 

溜息をつく彼女を不意に可愛いと思ってしまったが灰皿に積もった短いタバコが目につく。この人職員室で吸ってるの?てかこんなに吸ってるけどこの人大丈夫なの?肺年齢はアラサーすら超えてるんじゃない?早く誰か貰ってやれよ。八幡とっても心配。

 

「おい、お前失礼なことを考えているな」

「メッソウコモゴザイマセン」

「あのなぁ、比企谷…」

 

また一つ大きな溜息をつき、灰皿にタバコを押し付けた彼女は真っ直ぐ俺の目を見つめてくる。その目は真剣だった。

 

「私は奉仕部の顧問として、このような問題は放っておけない。分かるか?」

「はぁ…」

「そこでだ比企谷…」

 

今度はその目に悪戯心のようなものが見える。あれ、この先嫌な展開しか待ってないような気がするんだけど…

 

「5秒やる。その間に奉仕部に戻るか、戻らないか選べ」

「もし戻らなかったら?」

「この右手がお前の顔面を捉えるだろうなぁ…」

「はぁ…は?」

「5」

 

ヤバい、この人はやると言ったら必ずヤる人だ。殺ると書いてやると読む。

 

「4」

 

何か…何か先生の気を紛らわせられるものは無いか…⁉︎

 

「3」

「失礼します」

 

あれは…戸塚⁉︎マイスイートエンジェル戸塚じゃないか!あぁやっぱり今日も可愛いぜとつかわいい。

 

「2」

 

だぁぁぁ!そうじゃない!俺の気を紛らわさせてどうする!!いや戸塚のせいではないが戸塚のせいだ。あとで戸塚成分を充分補給させてもらうからな、覚悟しとけ。

 

「1」

 

終わった…これは終わった…。甘んじて受けよう。教師の立場を利用した愛という名の暴力を…。愛してるぜ戸塚…戸塚?

 

「0…さあ比企谷、歯を食いしばれ」

「テニス部!テニス部に入ります!!」

 

俺は職員室に入ってきた戸塚をとっ捕まえ(シャレではない)そう高々と宣言する。一方の平塚先生は固く握り締めた右の拳を下げることなくポカンと口を開け目を白黒させている。あっ、可愛い。

 

「は、八幡?」

「そうと決まれば早速練習だ!そうだろ戸塚?それじゃあ失礼します!!」

 

足早に職員室を去る俺とそれに引きずられる戸塚。あれ、これ端から見れば政略結婚させられる恋人を式場から連れ出す本物の彼氏の図じゃない?つまり俺と戸塚はカップルだった…?

 

そんなアホなことを考えながらテニス部に所属を決めた俺だが、まさかこの決断が俺の人生を大きく動かすことになるなんてこの時は微塵も思っていなかったんだ。




恐らく、ベイビーステップ側が出るのはかなり後の方となるかと思います。出来れば毎日でも更新したいですが何分忙しくて…

頑張ります。

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