進撃の狂戦士   作:パイマン

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話数を表示していないのは故意です。
時系列はあまり考えずに、書きたいシーンを書こうと思うので、場面が飛んだり、回想挟んだりすると思います。


反撃の嚆矢

 調査兵団にとって馬というのは非常に重要な存在だったりする。

 機動力において人間の比では無い巨人相手に、戦うにしろ逃げるにしろ馬の脚力と持久力は絶対に必要になってくるからだ。

 だから、兵士は皆馬を大事にする。

 私もそうだ。

 特に、私の乗っている馬は赤い毛並みが特徴的で足も速い。

 名前をつけるほど愛着を持つ者は少ないが、私は密かに『赤兎馬』と呼んでいる。もしくは『松風』とかでも可。

 私の大切な相棒だが、唯一の欠点は気性が荒いってことだ。私の愛馬は凶暴です。

 

 ――具体的には、毎回走るのが速すぎんだよこえぇぇぇーーー!!

 

 街への退却命令を受けて馬を走らせる調査団の中で、私は先陣を切って突き進んでいた。

 マジ暴走気味のスピード。

 このアホ馬、私の命令はもちろんよく聞くのだが、手加減を知らないというか、今回みたいに全力疾走を命令した時の加速力が毎度半端ではない。

 おかげで巨人との戦闘開始時など、必然的に他を追い抜いて私が先頭になってしまう。

 それが『常に自ら先陣を切る勇猛な兵士』という評価に繋がっているのだ。

 誤解やねん……。本当はもっと様子見とか使って賢く立ち回りたいねん……。

 まあ、今回ばかりはどれだけ早く着けるかが重要になってくるので、都合はいいんだけどね。

 

「――見えてきた」

「ちっ、なんだよ。エルヴィンの予想通りじゃねぇか」

 

 私と並走しているリヴァイの悪態が聞こえてきた。

 視界に入り始めた、目的地である壁『ウォール・ローゼ』の一角には巨人達が集まりつつある。

 その大きすぎる人垣の更に先には、本来なら固く閉ざされているはずの門が破壊され、ポッカリと開いた穴があった。

 

「ま、また門が破壊されている……っ!」

 

 私の背後で兵士の誰かが絶望の滲んだ声を上げる。

 気持ちは分からなくもない。

 五年前に一度破壊されているとはいえ、人類を守る壁がこうも容易く抜かれているのだ。予想外の出来事だろう。

 五年前と全く同じことが起こりつつある。

 そして、本当に五年前と同じならば、その後に起こる悲劇もまた同じように引き起こされるはずだった。

 即ち、穴から侵入してくる無数の巨人と、それに追い立てられる人々。ますます狭くなった人類の活動領域内で起こる数々の問題。その結果死んでいく人間。貧困、軋轢、絶望――。

 彼らにとっては、突然襲ってきた状況である。

 まさにお先真っ暗という奴だ。

 しかし、私はその『お先』とやらで鈍く光る希望の存在を知っている。

 それを掴み取る為にも、絶望している暇は無い。

 

「とにかく、壁を越えて街へ入る必要がある」

「……ふん、言われなくても分かってる。門からは入れねぇ、迂回して壁を登る!」

 

 リヴァイの指示に従って、私達は門に群がる巨人達を大きく迂回する形で壁に接近した。

 当然、そこには中に入る為の入り口など無い。

 立体機動装置を使って、壁を登るのだ。

 巨人の襲撃さえなければ、それは簡単だった。と、いうか、立体機動を使った壁の乗り越えは調査兵団でなくても、壁の中で活動する兵士にだって必須のスキルである。

 全員壁の上に問題なく登り、街の中を見回すと、改めて状況の不味さが把握できた。

 

「既に、かなりの数の巨人が侵入しているね」

「駐屯兵団も無能じゃねぇ、こういう時の為の部隊だ。これだけ大事になったら、上の連中も出張るはずだしな」

「ピクシス司令かな?」

「多分な。何か作戦を立てているはずだ」

 

 原作の時系列を整理する為に、今はどういう段階なのか街の様子を探る私の傍らで、リヴァイとハンジが真っ当な兵士としての話し合いをしていた。

 リヴァイが引き連れる形で街への退却に先行した調査兵団の内、私以外にハンジの分隊が一緒に来ている。

 私の次に早く部隊に合流したからだ。

 残りの調査兵団は、本隊としてエルヴィンが率いて後から追ってきている。こちらの到着は、少し遅れることになるだろう。

 つまり、街の巨人を駆逐するにしても、現状では戦力不足は否めない。

 ……いや、穴からどんどん侵入てくる巨人の数からして、調査兵団が揃っても十分じゃない戦力差だけどね。

 やはり、あの穴をどうにかして塞がない限り、勝機は無い。

 そして、原作通りならば既に手段は講じられているはずである。

 つまり――巨人化出来るようになったエレンが岩を使って穴を塞ぐ。そして、それを兵団が支援する。

 事前の知識がなければ、発想など出来るはずが無い状況だ。

 もちろん、それを知らないリヴァイ達は常套手段として、駐屯兵団との合流を優先しようとしている。

 闇雲に巨人と戦ったところで意味の無い犠牲が増えるだけなのだ。

 理由がなければ無茶など出来ないことは当然だ。

 だからこそ、私はもどかしかった。

 今すぐにでもエレン達の戦っている場所へ向かいたい。

 あそこでは、今この瞬間も多くの兵士達が死んでいる。エレンを援護する為に、囮となって巨人どもに食われている。

 それは意義のある死かもしれない。

 しかし、同時に防ぐことの出来る死なのだ。

 原作通りに進める、なんて寝惚けた考えは私にはなかった。

 この世界のことを自覚した当初の私ならば、そう考えたかもしれない。

 あまつさえ、原作の『あの感動的な名シーンを弄らないほうがいい』などとイカレたことを考えたかもしれない。

 ――今は違う。

 勇気ある者達が、無慈悲に死んでいくこの世界で、ほんの少しでも命を救えるチャンスがあるのなら、そこに手を伸ばす。

 躊躇する余裕も、何かを考える余地も無い。

 状況をコントロールする能力も、謎を解明する知力も無い私が選んだ戦い方は、ただひたすら巨人を狩る為に走り続けることなのだ。

 足を止めた分だけ、人が死ぬ……!

 

「リヴァイ、私は――」

 

 何と説明すればいいのかも考えないまま、私は独断行動する旨を告げようとした。

 

「お前、壁を上がった時からずっと一つの方向を見ていたな」

 

 私の言葉を遮り、逆に鋭く切り込むようにリヴァイが言った。

 私の心の中を覗くように私の眼を見ている。

 

「状況もよく分からねぇ中で、お前があの方向に注目した理由は何だ?」

「……」

「何かあるのか?」

 

 リヴァイの口調は尋問するような厳しいものではなかったが、私は返答に窮していた。

 原作の知識がどうこうなんて、答えられるわけがない。

 いや、答えて状況が好転するなら幾らでも話すが、この世界が漫画の世界だとか何だかとかって話は、信用されるされないの問題以前に無駄な混乱しか生まないだろう。

 私が正気を疑われるだけならまだマシだが、得体の知れない私の知識に対する警戒や疑念を抱かれ、最終的に不穏分子などとして扱われてしまうかもしれない。

 そこから派生する事態が全く予想出来ない。

 私が処刑されて終わるならまだマシな方。仲間や部下、調査兵団自体がそういった混乱や不和に巻き込まれて被害を被るなんて最悪の事態にもなりかねないのだ。

 こういう人間の間での不信感から来る問題って、原作でもあったしね。

 結果的に事態を悪化させない為にも、迂闊な答え方は出来ない。

 しかし、事態を少しでも好転させる為に行動は起こしたい。

 黙り込む私の反応をどう受け取ったのか、しばらく私を見つめていたリヴァイは唐突に私から視線を外した。

 

「分かった。行け」

「……何?」

 

 思わず尋ね返す。

 

「あの場所に行きたいんだろ? 俺が正式に命令として下してやる。ハンニバルは分隊を率いて独自に動け」

「……いいのか?」

「うるせぇ、とっとと行動しろ。時間が経つだけ状況が悪化するぞ」

 

 思わぬ状況の好転に、私は一瞬混乱した。

 察してくれたリヴァイの判断は、実にありがたい。

 ありがたい……んだけど、不可解なのも確かだった。

 私の考えが分かったのなら、その意味や真意が分からないだけ不審にも思うはずだ。

 

「理由は聞かねえ。時間が惜しいからな。あとで話せるなら話せ。無理ならエルヴィンに報告する分の言い訳だけでも考えとけ、お前だったら『勘で思った』ぐらいでも通じるしな」

「……分かった」

 

 相変わらず一貫して不機嫌そうな仏頂面からリヴァイの考えていることは読めないが――本当に、ありがたいことに変わりはない。

 彼の言うとおり、状況は躊躇った分だけ悪化する。

 私は余計なことは考えず、得られたチャンスを活かす為に行動することにした。

 戦いの場は、破られた門の近くだ。

 当然、侵入する巨人達も加えて敵の密度も高い。接近することは危険だろう。

 しかし、行かなければならない。

 人間が生き残る為に!

 

「リヴァイ、ありがとう」

「うるせぇ。死ぬなよ」

 

 罵りながらも心配してくれるという、ちょっとしたツンデレ的な返答を貰った私は、迷いを振り切って壁から飛び出した。

 リヴァイ、マジ男前。

 結婚しよ。

 

 

 

《現在公開できる情報》――主人公が先行するよう進言したので、リヴァイ達は原作よりも早く壁に到着している。

 

 

 

 クラリスが壁を下りていく背中に、彼女の部下たちが追従していった。

 誰一人として躊躇する様子は無い。

 クラリスとリヴァイのやりとりは当然耳に届いている。

 この行動が、明確な作戦目的を下地にしたものではないと全員が理解してるはずであった。

 しかし、誰一人として異議は唱えない。

 

「よかったのかい?」

「誰も反論しなかった。だったら、問題ねえだろ」

 

 立体機動による高速移動によって、あっという間に小さくなっていくクラリスの背中を一瞥だけして、リヴァイとハンジも互いの部下を率いて移動を開始した。

 

「そうだね。私達はどうする?」

「よく見りゃ、街中の巨人を壁の隅に集めてやがる。何かの作戦行動だろう。だが、その作戦を聞きに行ってる余裕はない」

「確かに。こうして観察してみると、クラリスの判断は間違ったものじゃないのかもしれないね」

 

 二人は冷静に街中を占領する巨人達の動きを観察していた。

 大部分がこの街――トロスト区の隅に集まっている。

 いや、正確には誘導されているのだった。遠目からでも、巨人達の集まっている箇所には、その壁の上で多くの兵士が陣取って注意を引いている。

 しかし、その一角から離れた場所にいる巨人は、逆に遠ざかりつつあった。

 より多くの人間が集まる方へ向かうという一般的な巨人の習性を無視したかのような動きだ。

 それらが向かう先は、自分達が侵入してきたはずの門の方向である。

 

「クラリスが向かった場所――あそこで、何かが起こっている」

「ああ、間違いねぇだろ。何が起こってるかまでは分からねぇけどな」

「クラリスは知っているのかな?」

「さあな」

「実は、彼女には予知能力が備わってたりして。もしくは、私達も知らない極秘の任務や役職に就いているとか」

 

 クラリスの不可解な行動原理に対して、ハンジは茶化すように言った。

 突拍子もない発想だった。

 しかし、リヴァイには完全に否定することも出来ない可能性だった。

 それほどに、クラリスの判断や行動の真意が読めないのだ。

 それでいて目に付く点は多い。

 つい先程の様子もそうだ。

 ウォール・ローゼの門が破壊され、そこに巨人達が無数に群がる絶望的な光景を眼にして、一切動揺していなかった。

 表情に出ていなかったというだけではなく、躊躇無く次の行動へ移る決断の早さからも分かる。

 それだけ優れた兵士なのかもしれないが――リヴァイは納得出来なかった。

 彼女とは何度も共に死線を潜ってきた、長い付き合いだからこそ、そう思う。

 疑念は日々積み重なっていくが、信頼はそれ以上に大きくなっていった。

 

「もし、そうだとして俺は驚かないがな。別にあいつが超能力者でも。

 むしろ納得出来てスッキリするぜ。後者の方がまだ現実的な発想だが、組織絡みで面倒が増えそうだから前者の方が分かりやすくていい」

「冗談だったんだけどね……」

「あいつが俺達の知らないことを知っているのは間違いない」

「聞けばよかったのに」

「聞いただろうが。あいつが答えなかっただけだ」

 

 ハンジは呆れたように肩を竦めた。

 

「でも、追求はしなかったよね」

「必要ねえ」

「信用しているんだね」

「当然、疑ってもいるがな。オイ、俺をお人好しみたいに言うんじゃねえぞ」

「大丈夫だよ、君がそこまで人間が出来ているとは思ってないから」

「無駄口叩くんじゃねぇ、蹴落とすぞ」

 

 眼下の様子を伺いながら、壁の上を走って街を迂回する。

 やがて、巨人がまばらな地点でリヴァイは足を止めた。

 

「この辺りから手をつけるのが良さそうだ」

「巨人を駆逐しつつ、範囲を狭めていくっていうわけだね」

「そうだ。最終的には、あそこに集中する」

 

 リヴァイが指差した先には、破壊されたトロスト区の門があった。

 当然、そこへ近づくほど巨人の密集率も上がってくる。

 加えて、あの穴は外の巨人達の侵入経路だ。

 あそこを塞がない限り、敵の数は減ることがない。

 目処の立たない戦闘は、ただ闇雲に損害を増やすだけだが――。

 

「あの馬鹿がそれまで生きてれば合流出来るだろ。あとは、あそこで何が起こってるのか……状況を見定めて判断する」

「それまでは、クラリスの援護に徹するというわけだ」

 

 リヴァイはハンジの軽口に取り合わなかった。

 あの場所へ集まる巨人の数を減らし、少しでも挟撃や混戦となる状況を避ける――それが結果的にクラリスの援護になると分かっていても、あえて言葉にしなかった。

 クラリスが、自分達とは違うどんな世界を見ているのか――?

 その実態は分からない。

 それを見つめる彼女の胸の内も、想像すら出来ない。

 

(まるで巨人相手にしてるみたいだな。無駄にうすらデカイしよ……)

 

 リヴァイは感じていた僅かな苛立ちを、内心でクラリスにぶつけた。

 その苛立ちは、彼女への不信感から来るものではなく、ただ単純に『自分の尋ねたことに答えなかった』という不満によるものだけだった。

 

(いくら考えたって何も分からないって状況だ。巨人と戦っていれば、そんなもん珍しくもねぇ)

 

 リヴァイは部下達に命令を下し、自らも剣を抜き放った。

 

(ならば努めるべきは迅速な行動だな。これまで、そうしてきたように――)

 

「お前を疑うだけ時間の無駄になるだろうが」

 

 この場にはいない彼女の背中に小さく悪態を吐きながら、リヴァイは巨人達の討伐を開始した。

 

 

 

《現在公開できる情報》――クラリスはかつて調査兵団団長だったが、申請を繰り返して現在の地位に変更した。その真意を理解する者はいない。

 

 

 

 ――命を投げ打って、健気に尽くすことだ。

 

 イアンと、彼を含む精鋭の兵達は、今まさにその宣言通りのことを実行しようとしていた。

 巨人化によって暴走していたエレンが自我を取り戻し、破壊された門を塞ぐ為に巨大な岩を担いでゆっくりと歩いていく。

 それは、この絶望的な状況を覆す希望だった。

 穴を塞ぐことが出来れば、これ以上巨人は増えることがない。

 壁の中に閉じ込められた巨人達を全滅させれば、街は再び人類の手に戻る。

 それは『奪還』と呼ぶよりも遥かに大きな意味を持つ、人間が巨人に初めて『勝利』した結果となるはずだった。

 しかし、その希望を追い求めるには、あまりに壮絶な覚悟を彼らはしなくてはならなかった。

 

「――ッ、死守せよ!!」

 

 イアンの、文字通り決死の命令の下、彼の指揮下に入った全ての兵士達が行動を起こす。

 

「我々の命と引き換えにしてでも、エレンを扉まで守れ!!」

 

 岩を担いだまま歩き続けるエレンに向けて、まるで惹きつけられるように巨人達が集まってくる。

 迫り来る敵に対して、エレンの歩みはあまりにゆっくりとした悠長なものに映った。

 しかし、それが既に限界なのだ。

 元より、人間の比率で考えれば、持ち上げることすら出来ないはずの大岩だ。それを抱えて歩いているだけでも奇跡的な状況だった。

 もし、エレンが攻撃を受ければ――いや、体当たりの一つでも受けるだけで、その奇跡は崩れて消える。

 一匹として巨人を近づけてはならない。

 そして、巨人の密集したこの場においてエレンを守る為に必要なものは、多くの兵士の犠牲に他ならなかった。

 

「巨人共が俺らに食いつかないんだ!」

「食いつかれるまで接近するしかない!!」

 

 奇行種でもない巨人達が、明確な目的を持って行動するなど予測できない事態である。

 しかし、理由を解明している時間は無い。その意味も無い。

 兵士達は自らの使命を果たす為に、ただ行動するしかなかった。

 自身の命を囮にするという、無謀な行動を。

 

「そんな……! 地上に降りるなんて自殺行為だ! 馬も建物も無いんじゃ戦えない!!」

 

 アルミンはその光景を青褪めた表情で見ていた。

 エレンの向かう門の周囲には当然建築物など存在しない、開けた場所である。

 立体機動装置の使用できない環境なのだ。

 巨人に襲い掛かられれば、戦うことも逃げることも非常に困難な場所だった。

 更に複数の巨人が密集しているという最悪の状況である。

 目を付けられれば、ただ食われるしかない。

 

「イヤ……」

 

 しかし、それでも――。

 

「もう……あれしかない」

 

 現状唯一可能で、最も有効な、エレンを守り抜く為の手段は――それだけだった。

 囮となって、命を使った時間稼ぎをするしかないのだ。

 

「ミタビ班に続け! 無理矢理接近してでも目標を俺達に引き付けろ!!」

 

 その命令を聞いていたアルミンとミカサは、眼を剥いて死地へと向かう兵士達を見つめた。

 戦うことはおろか、抵抗することさえ出来ない。ただ、巨人に生きたまま食われる為だけに彼らは動き出していく。

 兵士達の壮絶な覚悟と、その先に待つ凄惨な未来に眼を覆いたくなる。

 しかし、そんな悠長なことはもはや許されない。

 アルミンとミカサも、エレンの元へ向かう為に動き出さなければならなかった。

 周りでどれだけの仲間が巨人達に食い殺されようが、ただお互いのすべきことに徹する――そうしなければ、勝利は在り得ない。

 

「ちくしょう……っ!」

 

 悪態を吐くことが無意味なことだと、アルミンは嫌と言うほど分かっている。

 しかし、吐かずにはいられない。

 犠牲が避けられないと分かっていても、受け入れることなど出来ない。

 縋るものなどないと知っているのに、望まずにはいられない。

 イアンが巨人達の方へ、二人がエレンの方へ向かおうと互いに一歩踏み出した時、アルミンの視界にそれは映った。

 

 ――地面を這うように逃げ回る兵士の一人を、無造作に捕まえる巨人。

 

 捕まった兵士の顔と名前を、アルミンは偶然覚えていた。

 確かミタビと言った、最初に囮になった兵士だ。

 イアンと話し合っている時に聞いた名前だ。

 何故、そんな些細な単語を覚えていてしまったのだろう?

 知らなければ、目の前で食われていくあの兵士に対して思うことを、少しは減らせたかもしれないのに。

 

(誰か――っ!)

 

 アルミンは、その時無意識に助けを呼んでいた。

 

「――AAAAlalalalalalaie!!」

 

 聞いたことも無い鬨の声が、雷のように轟いた。

 今まさに、その兵士を口の中に含んで噛み砕こうとしていた巨人の無防備な背中に、矢の如く飛来した一人の兵士が剣を一閃させる。

 急所であるうなじを斬り飛ばされた巨人は、糸の切れた人形のように力を失った。

 半開きの口の中からミタビを引きずり出すと、ゆっくりと地面に倒れ込む巨人の体を蹴って、その場から素早く離脱する。

 その一連の出来事を、アルミンはもちろんミカサも、イアン達他の兵士達も、信じられないものを見るように眺めていた。

 この混迷した状況で、全ての人間の耳に届くほど、その声は朗々と響き渡ったのだ。

 

「あれ、は……っ!」

 

 まさに稲妻のように巨人を強襲した兵士。

 アルミンには、その兵士に見覚えがあった。

 彼だけではなく、その場の兵士達が全員知っていた。

 

「ハンニバル……」

「クラリス・ハンニバル分隊長だ!!」

 

 あまりに突然で鮮烈なその登場の仕方に、兵士達は一瞬絶望を忘れた。

 そして、クラリスに続くように、彼女の率いる分隊の兵士達が次々と現れる。

 彼らは、この場の状況を分かっていない。

 しかし、判断は早く、的確だった。

 囮となった兵士を捕まえて食おうとしている巨人達を素早く見つけ出し、それらを優先して攻撃し始めたのだ。

 仲間を助けるという意味もあるが、それ以上に最も有効な攻撃方法だからこそ優先している。

 人間に対して攻撃ではなく、捕食を目的として行動する巨人は、その捕食の瞬間こそが最も無防備となるのだ。

 奴らに周囲を警戒するなどといった知性は無い。

 結果として、死を覚悟していた兵士達は次々と救出され、逆に巨人達は駆逐されていく。

 

「……チャンスだ!」

 

 呆気に取られていたアルミンは、すぐさま我に返った。

 

「ハンニバル分隊長と、その隊員です! 調査兵団の精鋭ですよ! あの人達と協力して、巨人を引き付けながら戦うんです! 生き残れます!!」

「私も戦闘に回ります!」

 

 アルミンの提案に、ミカサも賛同する形になった。

 当然、その考えは申告されたイアンも受け入れている。

 ただ犠牲になるだけではなく、生き残る希望が見えてきたのだ。

 しかし、経験の浅い二人とは違い、イアンは冷静だった。

 

「ああ、もちろんだ! しかし……拙い! 今は拙いんだ!」

「ど、どういうことですか?」

「たった今来たばかりの彼らは、俺達の作戦はもちろん、現状さえ把握出来ていない!

 巨人を殺してくれるのはありがたいが、彼らに巨人になったエレンとの区別がついているとは思えん! おまけに、あの『狂戦士』ハンニバル分隊長が率いる部隊だ!」

 

 彼の言わんとしていることを理解して、アルミンは息を呑んだ。

 クラリス・ハンニバルは、その『狂戦士』の異名の通り、巨人との戦闘において勇猛を超えた狂気染みた戦い方と指揮で知られる兵士だ。

 敵にも味方にも容赦はしない。

 彼女の戦場での変貌ぶりは、普段の姿からは想像も出来ない、と。そう噂されていた。

 

「このままでは、エレンも殺してしまうかもしれん……っ!」

 

 そう危惧する先で、巨人を次々と斬り殺しながら進み続けるクラリスの姿があった。

 偶然なのか、あるいは何かに気付いたのか、向かう先には巨人化したエレンがいた。

 

「――ッ! ぼ、僕が説明しに行きます!」

「アルミンを援護します!」

 

 イアンの反応も見ずにアルミンが駆け出し、すぐさまそれにミカサが続いた。

 クラリスの元へ近づく。

 ただそれだけのことなのに、アルミンは戦慄した。

 巨人が近くにいない。いや、正確には近くにいる巨人を片っ端からクラリスが倒してしまっている。

 実際に見て実感出来た。噂で聞いた、誇張や嘘を含むだろう彼女の武勇伝の数々が、全て事実だったのだという実感が。

 

(なんて人だ……本当に同じ人間なのか!?)

 

 友人のミカサも大概優秀な兵士だが、クラリスは更にその一線まで超えている。

 味方ならば、これ以上頼もしいものはない存在だ。

 しかし、今はあまりに強大すぎる刃が、エレンの命まで容易く刈り取ってしまうのではないかという不安の方が大きい。

 クラリスに近づいたアルミンは、必死の思いで声を張り上げた。

 

「ハンニバル分隊長!!」

 

 ――叫んでみたが、自分のようなちっぽけな人間の声など聞こえているのか?

 

 雰囲気に呑まれ、萎縮しかけていたアルミンはそんな不安を抱いていた。

 倒れ伏した巨人の上に立つクラリス・ハンニバル。

 それは、人間の身でありながら逆に巨人を喰らう、上位の存在であるかのように映った。

 アルミンの呼び掛けに反応して、狂戦士が振り返る。

 

「あ……あのっ」

 

 言い淀むアルミンに対して、クラリスはあろうことか歩み寄ってきた。

 劣化した刃を柄から外し、鞘から新しい刃を付け替える。

 兵士として当たり前の動作だったが、アルミンにはそれが恐るべきもののように思えた。

 新しくなった刃を二本、携えて近づいてくるクラリスが、間合いに入った瞬間自分を斬り殺すのではないかという無意味な錯覚すら抱いてしまう。

 完全に萎縮してしまったアルミンを庇うように、ミカサが一歩前に出た。

 

「ミカサ・アッカーマン。訓練兵です」

「ア……アルミン・アルレルトです! 同じく訓練兵です!」

 

 周囲は未だ戦闘中である為、敬礼をする余裕は無かった。

 無礼に思われるだろうか? というアルミンの不安に反して、クラリスは小さく頷いて返す。

 素っ気無いが、意外なほど穏やかな仕草だった。

 

「用件は何だ?」

 

 意外と綺麗な声なんだな、とアルミンは思った。

 

「……我々は、ウォール・ローゼの扉を塞ぐ為に作戦行動中です。詳しく話している時間はありませんが、とにかくあの巨人を守って欲しいんです!」

 

 説明する時間が惜しかった。

 周りにはまだ巨人が大勢いて、そいつらを相手に命懸けの戦いを兵士達は続けているのだ。

 しかし、細かな説明を省いてしまうには、状況はあまりに突飛なものだった。

 事情を知らないクラリスにとって、巨人化したエレンはやはり巨人以外の何物でもないはずだ。

 エレンの巨人化にまつわる一連の状況を見ていた他の兵士達でさえ、全ての事実が悪い方向へ働き、彼への大きな不信感と危機感を抱くことになったのだから。

 それを『攻撃するな』というだけでも無茶だというのに、『守れ』と言っているのだ。

 説明無しに――いや、説明されたところで到底納得のいくものではない。

 アルミンはもどかしく感じながらも、クラリスの冷たい瞳を真っ直ぐに見つめながら、必死で言い縋った。

 

「あの巨人が大岩を使って、穴を塞ぎます! あそこまで辿り着けば、人類の勝ちなんですっ!!」

「……」

 

 沈黙したまま自分を見つめるクラリスの視線が、酷く冷ややかなものに感じる。

 目の前の歴戦の兵士は、単なる訓練兵に過ぎない自分の常軌を逸した発言をどのように捉えているのだろうか?

 単なる頭のイカレた妄言だとでも思っているのだろうか?

 例えそうだとしても、アルミンは止めることなど出来なかった。

 

「あの巨人は、実は人間で……それで……っ!」

 

 傍らのミカサが警戒を強めているのが分かる。

 クラリスの対応によっては、無理矢理にでも押さえ込むつもりなのが分かった。

 戦闘力の高い二人が争うことになれば、どんな事態になるのか想像もつかない。

 ただ、最悪の状況にまで悪化することだけは確かだった。

 アルミンは上手く回らない頭で、必死に言葉を探して、それを吐き出した。

 

「あの巨人の名前はエレン・イェーガー! 僕の友達です!!」

「そうか。分かった」

「……え?」

 

 搾り出すように叫んだ言葉に対して、返ってきた答えは実にあっさりとしたものだった。

 思わず呆気に取られる二人を尻目に、背を向けたクラリスは大きく息を吸い込む。

 そして――。

 

「ァアアアアァアアアァアアアッ!!!」

 

 叫んだ。いや、吼えた。

 凄まじい声だった。

 空に向かって放ったものだったが、近くにいたアルミンとミカサが思わず耳を押さえ、肌でビリビリと感じ取れるほどの音量だった。

 現れた時の雄叫び以上に、その声は場の兵士達全員に届いた。

 あろうことか、巨人達の注意まで惹きつけてしまっていた。

 

「な……なんて声なんだ。あれが人の声かっ」

「うるさい……」

 

 顔を顰める二人の前で、クラリスは更に声を張り上げる。

 

「分隊各員へ告ぐ! あの岩を抱えた巨人を守れ! 死守せよ!! 命令終わァり!」

 

 まるでクラリスの言葉がこの場を一時支配していたかのように、事態は再び動き始めた。

 兵士達の動きが、明らかに変わる。

 クラリスの部下の誰一人として、不可解な命令を疑う者はいなかった。

 倒せる巨人を狙うのではなく、エレンに近い者から攻撃を始めていく。その結果、危険性が増したとしても躊躇わない。

 クラリスの近くにいた巨人達は、先程の声に引き寄せられるように標的を変更していた。

 それはつまり、エレンから狙いを外したということでもある。

 

「アルミン。ミカサ。戦えるな?」

 

 信じられないといった心境で見ていた二人は、クラリスの呼び掛けに我に返った。

 初対面であり、訓練兵という肩書きしかない自分達を、まるで馴染み深い戦友のように気安く呼んでいる。

 不快感はなかった。

 ただ、無茶苦茶な話をあっさりと信じたことといい、自分達に対するクラリスの無条件の信頼が不思議だった。

 不思議で、しかし心地良く、アルミンは先程とはまた別の意味で緊張していた。

 紅潮して熱くなる顔を、慌てて押さえる。心臓がドキドキしていた。

 

「続け。エレンを守る」

「……分かっています」

 

 言われるまでもない、と。ミカサがわずかに不機嫌そうに応える。

 さすがに格上の上官相手にあからさまな態度は見せない。

 しかし、クラリスはそんなミカサの内心を全て見抜いているかのように、小さく苦笑した。

 アルミンは、その笑顔を見てまた意外に感じた。

 

(エレンは、この人の笑顔を見たことをやたらと自慢していたけど……)

 

「行くぞ。これが人類の、反撃の嚆矢だ!」

「了解!」

 

 ――この戦いに生き残ったら、僕も自慢しよう。

 

 アルミンは駆け出したクラリスとミカサの背中を追いながら、そう思った。

 

 

 

《現在公開できる情報》――主人公の口癖は『結婚しよ』 本当に結婚願望があるのか自覚は無いが、性別は問わずに好きな原作キャラ相手に言う。(内心でのみ)

 

 

 

 一度チラッと顔を見たことはあったが、こうして対面するのは初めてだった。

 今、私の目の前にはアルミンとミカサがいる。

 しかも、明確に私を意識して見つめているのだ。

 やだ……アルミンってば、童顔なのに眼つき凛々しい。ミカサは普通に凛々しい。二人とも結婚しよ。

 

 ――って、浮かれてる場合じゃねえ!

 

 状況を思い出して、私は我に返った。

 ついさっきまで巨人との戦闘モードだったので、ちょっと混乱しているな。上手く意識が切り替わっていない。

 ちなみに、今回はとにかく突破力が必要だったので征服王イスカンダルを倣って、部下を率いていた。

 私がどれだけ頑張っても、巨人と集団で戦う場合犠牲は避けられない。全員が超人にはなれないのだ。

 作戦や指揮だって、どんなに素晴らしい案を練っても、実際に実行するとなると不運や予想外のトラブルは起こってしまう。

 命令する立場の者としては、もどかしい限りだ。

 無いものねだりだと分かっていても、部下の防御力とか攻撃力を上げる支援魔法があればなぁと思う。

 チートとまでは言わないからさ、スクルトとかプロテスとか欲しいよ。ホント。

 しかし、現実としてそんなものがあるわけない。

 しょうがないので、せめて士気だけは上げようと、私は毎回あの手この手を駆使して部下を鼓舞しているのだ。

 あのイスカンダル風の雄叫びも、その一環である。

 とりあえず、叫んでいれば私自身も含めて恐怖は紛れるので、腹の底から声を絞り出すようにしている。無駄に声がデカイみたいで、部隊の隅々まで届いてるしね。

 ……まあ、そんな私の凶行が『狂戦士』の評価に一役買ってるんだけど。

 いや、いいんだよ! それで兵士の生存率が少しでも上がるんなら!

 とにかく、例によって私のテンションは上がっていた。

 巨人化したエレンが見えたので、援護する為に巨人をぶっ殺しつつ近づいていったら、アルミンとミカサがやって来たのである。

 二人の説明を聞きつつ頭を冷やし、私はようやく状況を整理出来た。

 つまり、アルミンは私がエレンを殺してしまわないか心配しているわけだ。

 確かに、普通に考えて有象無象の巨人の中で一匹だけ『味方だ』と言われても分かるはずがない。

 他のキショイ巨人どもに比べて、エレンのそれはダークヒーローっぽいイケメンに見えるのだが、それも私の知識があってこその印象なのかもしれない。

 巨人の恐怖と脅威を知る兵士から見れば、岩を抱えているエレンの姿は単なる奇行種にしか捉えれないだろう。

 でも、安心してアルミン。私は、ちゃんと分かっているよ。

 分かっている――が、だからといって何も聞かずに頷くわけにはいかない。

 何故知っているのか? と、不審に思われてしまう。

 私は内心でもどかしく思いながらアルミンの説明を聞き、ある程度のキーワードを聞き取った段階で素早く頷いた。

 

「そうか。分かった」

 

 三行でおk。

 巨人どもが自重して動きを止めてくれるわけじゃないし、時間が勿体無いので巻いていこう!

 当然のようにアルミンの説明を疑う余地など無い私は、全てを了承して、すぐさま次の行動に移った。

 ドラゴンインストールならぬ、豊久インストール! もしくは妖怪『首おいてけ』

 部下への指示と、可能であれば巨人どもの注意を引くために声を張り上げた。

 うーむ、このデカイ声使ってボイスミサイルとか出来ればいいんだけどな。さすがにそれは非現実的すぎるか。

 詳しい説明を省いて、命令だけをシンプルに下した。

 普通に考えれば『何寝惚けたこと命令してんだ』となるだろうが、私の部下ならば問題ない。

 原作のリヴァイ班みたいな信頼で繋がっているからね。

 ……多分。

 本当のところは、何故にここまで私に無条件に従ってくれるのか分からん。入れ替わり激しいのに。

 まあ、その信頼には結果で応えよう。

 私自身も、エレンの傍で直接守る為に行動を始める。

 アルミンはともかく、ミカサの戦闘力を知っている私としては非常に心強い味方が傍にいると思う。

 

「続け。エレンを守る」

「……分かっています」

 

 私の台詞に、予想通り不機嫌そうな反応を返すミカサ可愛い。

 分かってますよ。エレンはミカサが守るんだよね。

 私、ミカエレ派だから安心して。

 でも結婚しよ。

 

「行くぞ。これが人類の、反撃の嚆矢だ!」

 

 調子に乗った私は、そんな格好つけた台詞までキメたのだった。

 嚆矢(こうし)って言葉、アニメのOP見るまで聞いたことも無かったわ。でも、カッコいいので良し!

 私の後にミカサが続き、その後にアルミンが続く。

 周囲には建物が存在せず、立体機動が使い辛い、厳しい状況だ。

 しかし、この戦いに絶望は無い。

 あるのは希望である。

 エレンは足を止めることなく、ゆっくりとだが確実に岩を運んでいく。

 それを邪魔する巨人どもに照準を定め、私は攻撃を仕掛けた。

 戦う私達を見て、エレンは何を思っているだろうか?

 やはり、原作と同じ、強い戦いの意思か?

 しかし、少なくとも――あの時よりも絶望的じゃないはずだ。

 安心しろ、エレン。お前の決意は分かっている。

 直接言葉で聞いたわけではないし、漫画の中で知ったなんてふざけた話だけど、それでも私には決意の一片くらいは伝わっているから。

 だから、共に戦おう。

 戦って、勝とう。

 私だってこの世界に生きる人間だ。

 巨人どもに対して思うことは一緒さ。

 

 

 

 ――いくぞ、くそったれの巨人ども。こいつが人類の反撃の第一歩だ。人間を舐めるな!

 

 

 

 その日、人類は初めて巨人に勝利した。

 原作を知る私にとって、ある程度予想できたこととはいえ、それが大きな快挙であることは実感出来る。

 何を比較していいものか分からないが、多くの兵士が死に、しかし決して少なくない数の兵士が生き残ることも出来た戦いだった。

 無事生き残ることが出来た私自身と、ミカサ、アルミン、そしてエレン。周囲を見渡せば、私の部下の他に原作で戦っていた見知った兵士達が生きて立っている。

 自己満足かもしれない。私の知らない兵士達は、何も変わらず死んでいったのかもしれない。

 しかし、急げるだけ急ぎ、伸ばせるだけ手を伸ばした結果なのだ。

 後悔は無い。

 リヴァイ達が援軍としてやってくるのを遠目で確認しながら、私は思った。

 私達、人間は巨人に勝った。

 だが同時に、これが新しい戦いの始まりであることを知っているのは、多分私だけだろう――。

 

 ……っていうわけで、まだ終わりじゃないぞい。もうちっとだけ(人類の戦いは)続くんじゃ!

 つまり、かなり長く続くフラグですね。分かります。

 はーっ、もう。本当にキッツイ戦いになりそうだなぁ……。

 




<次回予告>


リヴァイ「これは持論だが、躾に一番効くのは痛みだと思う」

 ――特に理由の無い暴力がエレンを襲う!

主人公(リヴァイ、マジドS……)

リヴァイ「俺でよかったな。クラリスが蹴ったら、歯どころか首から上が飛んでくぞ」

主人公(いや、それは流石にありえんって)
エルヴィン(ありえる……)
アルミン(ありえる……)
エレン(ありえる……)
ミカサ(あのチビ殺す)

 ――特に理由の無い勘違い系の展開がクラリスを襲う!

リヴァイ「クラリス、本当に掃除したのか? 全然なってない。やり直せ」

主人公(リヴァイ、マジおかん。結婚してくれ)

 ――特に理由の無い恋愛要素が展開を襲う!


<嘘です>

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