蒼き鋼のアルペジオ─ディソナンス─   作:葱沢 桐ノ丞

10 / 14
またまた投稿遅れてしまい申し訳ありません

投稿頻度をもう少しあげることのできるよう頑張ります


Depth.009 航路を持つ者達

 

 

no side

 

青く晴れ渡った空の下、それは海の上を進む。それが進む先にはミサイルの発射管などが並びその奥には1機のロケットが見えている。そのロケットこそそれが目指すものであり破壊せよとの命令を受けていたものであった

 

side end

 

 

 

side 優

 

私が学院から出奔して約2年。その間に私とクマノは主に日本近海を行動の中心とし、依頼があればそこに出向くという世界中の海を駆ける生活をおくっていた。今日もそうだ。佐賀県鹿島市に整備された宇宙センターでのSSTOの打ち上げの護衛。それが私たちに政府の高官が依頼してきた内容だった。もちろん私達はその依頼を引き受けた。しかも無償で。私の持っている原作知識が正しければ今日、この海にもう1隻、霧を離れた艦が現れるはずなのである

 

「で、上陰さんは今回の打ち上げ結果はどのようになるとお考えで?」

 

「まあ6割がた失敗だろうな。奴らにはこちらの攻撃は効果なし。その上、向こうの兵器の射程は未知数ときた。例え打ち上げに成功してもどこかで落とされてしまう可能性はあるだろう」

 

「確かにそうですね。私も霧の艦艇に乗って2年ほど経ちますが未だにブラックボックス的な部分が多くて困ってしまいます」

 

無償で依頼を受ける代わり私は上陸し鹿島宇宙センターの一室で今回の依頼人である上陰次官補とその友人のクルツ・ハーダー中尉と共に打ち上げの様子を見守っていた

 

「ところで上陰さん、ウチとは別にもう一つの所にも依頼してますよね」

 

「な、上陰、お前・・・」

 

やはり当たりだ。上陰さんは質問に答えずガラスの向こうに表示されているモニターを見つめていたがその質問の答えはYesだ、と表情に出ていた

 

「あー、クマノ聞こえる?」

 

そこで私はクマノと離れて行動する時は必ず付けるようにしている量子通信が可能なナノマテリアルで構築されたヘッドセットに話しかける

 

『感度良好。通信に異常なし。どうしたの?』

 

「そっちでもモニタしてると思うけどイスズ型がもうすぐ宇宙センターに配備された火器の射程に入るわ。あともう1隻、私たちと同じ霧の艦艇がどこかにいる可能性がある。私達はそちらの支援に入ることにしましょう。現在位置は?」

 

『りょーかい。現在位置は指示された場所に潜航してる。この位置ならイスズの探索範囲にも入ってないわ』

 

「分かった。それじゃ合図があるまで待機続行で」

 

そう言って通信を終わる。それとほぼ同タイミングでアラートが鳴り響き管制室での人のどよめきと外からの轟音が聞こえる

 

「始まりましたか」

 

「ああ、防衛線に入ってすぐにな」

 

「やはりクラインフィールドの影響でダメージが通ってませんね」

 

「霧には霧の兵器でしか対応出来ないのかもな」

 

ダメージを与えることができなくてもSSTOを守るため撃ち続ける。しかし、いくらこちらが地上に陣取っているとはいえ弾の数は無限ではない。その証拠に時が経つにつれて防戦が始まった時に比べると弾幕が薄くなり、絶えず響いていた轟音や爆音も時々途切れるようになった

 

「ん?おい、やつが回頭しはじめたぜ?」

 

「始まったね」

 

レーダー上ではイスズ型の位置を表す光点が宇宙センターとは逆の方向に移動を始める

そしてその向かう先に新たな光点が1つ点る。しかし監視映像を見てもイスズ型のみしか映っていないためもう一つは海中にいるのだろう。そうこう考えている間にも二つの光点は接近し遂にイスズ型がミサイルを多数発射した

ミサイルは海中に潜りイスズ型(自身)の敵を破壊しようとする。それに反応して海中にいるであろう艦の光点が3つに増える。増えた2つはおそらくデコイだろう。それを確認し映像モニタに視線を移す。そこには相変わらずイスズ型軽巡洋艦しか映っていなかったがすぐにいくつかの水柱が上がる

 

「ふむ・・・。そろそろ行くぞ」

 

「え、もう行くんですか?」

 

「ああ。結果は見えたからな」

 

「あら、それは残念。それじゃ、あなた方とはここで1度お別れね。行くんでしょう?彼らに『アレ』を託しに」

 

「ああ、もちろんだ。その為に今回も依頼しているんだ」

 

そう、言葉を交わしながら私達3人は部屋を後にする。その間、私はかけているメガネを操作しレーダーと映像を表示する。表示するといってもメガネのレンズにではなくその少し前あたりだ

まあ言うなれば某小さくなった名探偵のかけているメガネに黒い衣装を身にまとった二刀流がハーレム築いている某小説の映画の拡張現実の機能をつけたものだ。あ、もちろんこれもナノマテリアル製である

現状、イ401とイスズ型軽巡洋艦の戦いは五分五分といったところだろうか。いや、正確には現時点で既にイ401の方が少し優勢である。これが海上艦同士の戦いであれば五分五分だがこれは海上艦対潜水艦の戦いである

 

そうこう考えながら歩いていると私達は施設の外に出た。と、同時に海に目を向けるとイスズ型の船体に赤黒い光が走り海を割りながら円状に広がっていた

大きな爆発音と共にその光は小さくなっていき完全に消える頃にはイスズ型の船体に大きな窪みが出来ていた。そして窪み部分が爆発しそれがトリガーとなり連鎖的な爆発を生む

 

「良いな・・・、霧を裏切った者・・・。なかなかの出来映えだ」

 

連鎖的な爆発で既に戦う力など残っておらず沈没までそう時間もかからない。その場にいたものはそう考えていただろう。もちろん私もそう思ったし彼らもそう考えて既に海上に浮上してきていた

 

しかし、イスズ型は最後の悪あがきをした。それは戦うための兵器としての、霧としてではなく一隻の船としての悪あがきだったのだろう。1発のミサイルを発射した

 

そのミサイルは浮上した彼らに進路をとり飛ぶ。彼らは慌てて回避しようするが海上に出ていたため行動に遅れが生じる。もう回避できない。「ダメだ!」と隣でクルツ中尉が叫ぶ

しかし、そのミサイルは彼らには命中せず爆発した。なぜならもう1本、別方向から飛翔したミサイルに迎撃されたからである。それを見てか偶然タイミングが合っただけなのかイスズ型が力なく海中に消えてゆきSSTOが打ち上がる

 

『イスズの轟沈を確認・・・』

 

「了解。戦闘終了、浮上して迎えに来て」

 

クマノからの報告を聞き打ち上がったSSTOのロケットロードを眺めながら次の指示を出す。前世も含め初めて見たロケットロードに私は感動しある言葉を思い出す

 

【ロケットロードは寄り道をしない。後戻りもしない。ただ一直線にのびる道。】

 

誰の言葉だっただろうか。そんな些細なことが思い出せない。しかし、私には今はただこの言葉が、私とクマノの新たな旅の出発を後押ししてくれているように思えた




はい、という訳で遂に原作第1話に入りました。拍手

ここまで長かった。挫けそうになった時(挫けてた)も挫けた時もTwitterに色々書き込んで某艦これの作者さんたちに英気を分けてもらいなが書いていました

ほんと投稿頻度を昔ぐらいに増やしたいですね


それではまた(・ω・)ノシ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。