崇められても退屈   作:フリードg

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何だかメチャクチャ遅れちゃってすみません……
それに メチャてきとーな出来になってる気がします……。設定を活かしきれてないと言うか、文才が、と言うかって感じです……。




第21話 村に降りる!

 

 

「ん~♪ ほんっとみんなみんな可愛かったなぁー! いやいや眼福眼福! 程よい感触♪ 最高っ」

 

 ふわふわと空を漂いながら 思い返しているのだろう。少々だらしのない顔をしていた。

 それも数秒間のみ。

 

「んー、この辺って確か……」

 

 クロは 宙を移動しながら その地形を目にして、この場所の大体の位置を把握した。

 

「っよし。久しぶりに戻る(・・)かな? 結構 傍に来た事だし? 南に100…… やー200ってトコか」

 

 背伸びを1つすると 身体に力を入れて再び飛翔を開始。

 

 鳥達を追い抜き、宙を支配している危険種も追い抜き、更には雲の上まで上昇し風を斬り、空気の壁を突破する。現代の科学、文明では到底なしえないその速度は、殆どワープと言っても良いかもしれない。

 

「とと、危ない危ない行き過ぎるトコだった」

 

 とりあえず行き過ぎる事なくものの数秒で目的地へと到着。

 

 そこは 山々、森々に囲まれた秘境。

 自然に囲まれた未開の地…… と言って良い風景だと思えるのだが、その一部にはぽっかりと大きな円が出来ており、明らかに人工的な建物も見える。

 簡単に言えば ちょっと大きめの村だ。

 

 クロは ささっと地上へと降りて、その村のど真ん中。広場へと着地した。

 その広場では、ちょっとした出し物をしている様で、人がそれなりにいた。……突然 空から人が降ってきたら驚くだろう。『親方! 空から男の子がっ!』と言った感じで。

  

 でも生憎、この村では驚く様な者は誰一人としていなかった。 

 

「よーっす! お久~」

 

 手をパタパタと振ってニカリと笑うクロ。それを笑って出迎えるのは 長身の黒髪の女性。

 

「おやおや。ほんっと普通に登場は出来ないのかい? 貴方はさ?」

「へっへ~ この方が格好良いだろ? この方が! ってか 結構ひっさしぶりだなぁ。マーサ! あ、また飯食わしてくれ~!」

「はいよっ。あーでも ちょいとお待ち。ウーミンとレムスが捕ってきてくれた上質の肉が今さばけたばっかなのよ」

「おおおっ! そりゃ期待できる! マーサの焼肉定食は絶品だしなぁー! 肉汁絶品っ♪」

「……ふふっ」

 

 マーサは何かを思い出した様に穏やかに笑った後、早速取り掛かった。

 

「作る間、皆に顔見せておやりよ。貴方が戻ってきたって知ったら みーんな喜ぶわよ」

「おっ? やっぱ オレってモテモテ??」

「そりゃもうっ。私も 後5年若かったら 狙っちゃってるわよ?」

「いやいや~ マーサならいつでもバッチコーイだぜー?」

「あらあら。こんなオバサン捕まえて~」

 

 あははは、と陽気に笑っている間に、また人が集ってきた。

 

「やれやれ。ほんっとお主は老若問わず……じゃな?」

「ほんとですねー! でも、私はマーサよりは若いから、アタックしたらもっともっと可愛がってもらえるかなぁ??」

「それを言ったら私はもっとですよ~? クロお兄さんは 私の初めての人なんですしっ♪」

「レムス……。何度言ったら判るの? アレ(・・)は治療行為だって言ってるでしょ?」

「な~に? ウーミンってば ヤキモチやいてるでしょー??」

「ち、違うわよっ!」

 

 大いに賑わってくれて、クロも更に笑う。

 

「あーーっはっはっは。皆マジで順応早過ぎじゃね? ほんっとメチャ馴染んでんじゃん。まだ 一カ月? 二カ月くらいなのによぉ」

 

 

 因みに少しばかり説明すると、ここにいるメンバーは 少々訳アリなのだ。

 レムスやウーミンは、クロがアカメ達に語っていた様に 過去に助けた少女たち。そして、その他も似た様な者なのである。

 

「そりゃあ 最初は戸惑ったと言うか、混乱したけどね……。結果として見てみれば、私は何か生き返ってるし…… それだけじゃなくて家族まで助けてもらってるし……。おまけに殆ど自由の身も同然だし。楽しんじゃわないと損って言うか。皆仲良く平和最高っ って言うか」

「儂も似た様なもんじゃな。あの乳が大きな娘……じゃなく 可愛らしいお嬢ちゃんに見事に頭撃たれてー じゃ。んで 気付いたら お主が儂をここに招待。……混乱せん方がおかしかろう? そのどでかいのがあったからこその順応性じゃ」

 

 マーサと、傍らにいる老紳士ミアン。とある村にて 殺されそうになってた所、通りかかったクロが気まぐれに救った。……勿論、気まぐれなのは 老紳士ミアンの方で、マーサともう1人。

 

「私も私も。突然 デッカイ土竜に頭を潰されちゃったもんね……。アレって絶対死んでるんでしょうし。 ……それで生き返った仲間で言えば私達3人が筆頭! と言う訳で、ウーミンは下っ端だよー」

「んなっ! レムスの方がっ!」

「私は死ぬ一歩手前だったから違うのー」

 

 きゃいきゃいと騒ぐ村の人達。

 毎日がこう騒がしいらしく いつもクロが降り立ったら大体こんな感じだそうだ。

 

「うんうん。こういう雰囲気好きだぜー? やーっぱ もっかいしてみて良かったわっ! 前んときなんかちょっとアレだったしなぁー」

「前ってなんじゃ? ここ以外にも似た様な場所があるのかの?」

「あー、そんな感じそんな感じ。訊いてくれよ~前回なんかさぁ オレが調子に乗っちゃったせいってのもあるんだけどな……。ちょっとした道楽、趣味で ひと拾ってたら いつの間にか大人数になっちゃってさ? ヤレ『かみさま~』だの、『ほとけさま~』だの。オレの崇拝者? が大量に出来上がっちゃったんですよ、はい。貢物合戦、処女捧げ合戦。あそこまで行っちゃったら、流石のオレもひいちゃうんです。可愛い子もいたんだけどなぁー。ちょ~~っと眼が変わっちゃって」 

「………なんか速攻で目に浮かぶの、その光景」

 

 以前もこんな風に『趣味でヒーローやってます』ってどっかで聞いたキャッチフレーズ宜しくなボランティアをしてて 出来上がった町や村があった。

 

 色々と引き継がれている記憶(・・)があるから、狂信的な崇拝者の行く末をよく判ってるクロは 早々に脱出して戻らなかったとか。

 

「クロお兄さん……。それでみんなほっといたの? ちょっと酷いって思うよー。それ」

「レムっちは、知らないだけなんだよー。あ~んなに色々と奉仕プレイの連続されたら、飽きる~ と言うか 退屈する~ と言うか。村人みーんな どっか人間味が無くなっちゃった気がしてさぁ? それにオレ 一度興味無くなったら とことんだからな~。あー でも勘違いしないでよ? ちゃーんと今でいう帝国に送り返したから。あっはっは! いきなり雇用とか増えて、帝国がメチャ混乱したよな、確か! 困惑混乱、アレはアレでおもろかったなぁ!」

「………」

 

 マーサはそれを訊いて、記憶を辿った。

 帝国の歴史はそれなりに知っている。親族が革命軍の内定者……と言う事で、様々な事を調べた。だが、近年でそう言う事態が帝国に起きた、と言う事例はない。そもそも、雇用が増えた所で 使える者・使えない者に早々に別けられて、薬漬けにされたり、暗殺者にされたりとするだけで、帝国はそこまで困らないのだ。……そう、今の(・・)帝国なら。

 

「さーって。皆の顔見れたし! そーれーに、……堪能もしたっ!」

「きゃうっ!」

「ひゃあ~っ!」

 

 後ろからがばっ と レムスとウーミンに抱き着くクロ。スリスリ~ と頬を摺り寄せると、くすぐったそうに笑うレムスとウーミン。

 

「レムっちにウーミンっ! これからも頼むぜ~? 皆で仲良くな? この辺、結構やんちゃな動物も多いからさっ!」

「はーいっ!」

「お、恩に報います! 頑張ります!!」

 

 堪能できたのは、ある意味2人の方かもしれない、と言うのは気のせいじゃないだろう。

 

「それはそうと、一級危険種をやんちゃとは……」

「まぁまぁ。問題ないだろ? 結構、連れてきた子達 それなりに選んだつもりだしさー?」

「まぁ 歳は取りたくないのぉ~ って感じじゃが。何とかな」

 

 それだけ聞いたクロは、ふわりと空に浮かび上がった。

 

 

 この場に集った皆を見てにやっ と笑う。

 

「因みにさー。最初言った事、忘れてねーよな? 別にここに留まらなくたって良いんだぜってヤツ。皆の故郷ってヤツに戻ったってなーんちゃ問題じゃないってヤツ」

 

 間違えないでほしいのは、クロはこの場に皆を縛り付けた訳ではない。

 山奥の秘境……未開の地とは言え、この場所には相応の使い手が多数いるし、何より、ヤバイ危険種自体もそこまで多くは無い。しっかりと対処できるレベルなのだ。

 

「最初はそれ思ったケドさ! ここもとーっても良い場所だし、第二の故郷なんですー。私にとって! ……殺される前、故郷に帰れるっ! ってすっごく嬉しくて それが叶わなくて絶望して…、色々あり過ぎたからさ。気がとても休まるここにいるんです! それに、クロさんは こうも言いましたよ? 『何時までもいてくれて良いぜー。たまにチューしに戻った時 誰もいなかったら 沈むけど……』って」

「そりゃ 沈むジャン……。こんだけ可愛い子いたのに いなくなったら……。ま、女の子だけじゃないけどさ~」

 

「クロお兄さんに救われた命。大切に使いますよー! もっちろん クロお兄さんに嫌われたくないので、言っていた様な事にならないよう頑張ります~!」

「レムスと同じ気持ちです。クロ様」

 

「……焼肉定食くらいなら何時でも作ってあげるわ。貴方にも疲れたり、お腹がすいたりしたら、戻ってくるおススメの場所の1つがここにあっても良いでしょ?」

「野郎の1人代表で言おう。しーっかりこの娘らは守るわい。ま、前回みたいなのにならない様に努力……じゃな。二度目は無いってのが相場じゃ」

 

 

 それを訊いたクロは 更に上昇を始めた。

 

 

 

「はっはは。そりゃ色んな意味で安心だ。んじゃ またなー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 クロが見えなくなった後。

 

 マーサ達は自然と呟いていた。

 

「あの人がきっと黒の神鳥。……神鳥伝説の内の1つ。神様なんでしょうね」

「うむ。じゃが 伝説では白が無邪気な天使、黒が断罪の悪魔って伝わってたんじゃが…… ありゃどっちかって言うと無邪気の方じゃないかのぉ」

「伝説なんて言い伝え1つで変わったり、反対になったりしますよ。地方によって変わるらしいですし。それに、断罪は 上空を大きな影が、空を割る様な影が通った時に起こる。それは間違いありません。その日は帝国でさえも穏やかですから。悲鳴の1つも無い平和な一日になりますから。 後……あの人がいる時は、いつも快晴。きっと人里に下りた姿……なんでしょうね」

「……一度死んでみるもんじゃ。儂らは運が良い」

「ふふ。そうですね」

 

 いつまでもクロに手を振る少女たちを見て。

 

 荒んでいる帝国もこんな風になれば良い……と心から想った。

 そして 彼の力ならそれも容易であろう事も、いつもながら思う。 それ程までに巨大な力。……そして その力に目が眩み 人々は独占しようと突き進もうとしたのだろう。それが彼の言っていた事に繋がる。

 

 

「帝国を蝕んでいるのは 人が生み出した病原菌。……なのに、丸投げするなんて 罰が当たりますよね。それは」

 

 

 崇めて、崇めて 崇拝して、奉って……、その時の人の顔は こんな晴れやかに笑ってはいないだろう。……笑っていたとしても、絶対醜いと思われる。そして次第に興味が薄れ、0になる。

 

 その時、きっと彼は―― クロは何処となく寂しい表情をしているんだろうな、と思ってしまうのだ。

 

「今の儂らに出来る事は少ないかもしれん。……じゃが、いずれは何か自分達の力で行動をする。それだけを心に刻むのみじゃ」

「そうですね……。って あっ!」

「どうしたんじゃ?」

 

 回想シーンっぽくなってたんだけど、大事な事を思い出したマーサ。

 

 

「………焼肉定食、食べずに行っちゃったわ」

「………あー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああーーーっっ 飯っっ!! 焼肉っっ!? 戻る!」

『ちょっと待ってよ。そろそろ交代』

「ええええっ!! オレ喰ってないのに!?」

『自業自得だし』

「へぶん……っ」

 

 

 

 

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