麻子「だから、答えは3だ」
沙織「さっすが、麻子! 天才じゃん!」
麻子「少し休憩するか?」
沙織「そだね。 私も少し疲れたし」
麻子「・・・・・・なぁ、沙織。天才ってなんだろう?」
沙織「なに? 継続高校の隊長さんのマネ?」
麻子「ああ、そうかもしれんな。私はよく天才と言われるが、『天才』とはなんだろう、と思ってな」
沙織「自慢・・・・・・では無さそうね。悩み事? 悩み相談をよく受ける人はモテるって雑誌に書いてあった気がするし、聞いてあげる!」
麻子「微妙に上からだし、下らん理由で腹が立つが、まぁいい。少し、聞いてもらうとするか」
沙織「うんうん、じゃんじゃん言って! それが私のモテ道の第一歩だからっ!」
麻子(沙織は『天才』とは無縁そうだな・・・・・・)
麻子「そうだな・・・・・・。じゃあ、まず、『頭が良い』と一口に言ってもだな、色々な指標があると思うんだが、沙織はどういう人が『頭が良い』と思う?」
沙織「計算が早いとか・・・・・・? あっ、『本当に頭が良い人は説明が上手い』って言うでしょ? そういうのじゃないの?」
麻子「そうだな、演算能力もそうだ。ただ、その指標は細かくは分ければ、100はくだらないそうだ。ちなみに、『本当に頭が良い人は』なんて、大層な枕詞はな、自分は賢いと思っている人間を都合良く使うための方便にすぎん」
沙織「確かにそうかもね! 麻子って遠回しなしゃべり方だしね。それに麻子はⅣ号をマニュアル読んだだけで動かせたし、八九式もそうだったよね?」
麻子「ああ」
沙織「でも、アヒルさんチームには、そのコツが上手く伝わってなかったもんね!」
麻子「そうだな。私は彼女らが、『何が分からない』か?が分からなかった。なぜなら、マニュアルに動かし方なら書いてあるからだ。それ以上のことを説明出来るなら、それもマニュアルに載ってあるだろうな」
沙織「なるほど〜、『何が分からないか?が分からない』ね。そういうのあるかも! 中学の時にね、数学の最初の最初でね、質問をした子がいたんだけど、えー、そこ?みたいな質問で、先生困ってたなー。N先生、K大出身なのに、先生でも困るんだー、って思ったのを覚えてる」
麻子「確かにそうだな。大前提を質問されても困る。『あ』と書いて、なんて読む?と問われたら、『あ』と答えるしかない。だが、なぜ?と問われれば、私は沈黙するだろうな」
沙織「なんか、こんがらがってきた・・・・・・。なんの話だっけ?」
麻子「だいぶ、脱線したが、頭の良さの指標の話だ」
沙織「それがいっぱいあるんでしょ?」
麻子「ああ、だから、気軽に『天才』なんて使うのは、変・・・・・・、というか不適切だと私は思う」
沙織「でも、バカにしてる訳じゃないから、素直に受け取ればいいのに・・・・・・」
麻子「なんだろうな? おこがましい、って言うのが1番近いかもな。仮に、私が天才だったら、西住さんが居なくても、廃校の件は乗り越えられただろうな」
沙織「じゃあ、みぽりんが天才ってこと?」
麻子「ある意味な。だが、気軽にその言葉を使いたくない私は、名将と讃えるか、歴史上の人物に例えるだろうな」
沙織「例えば?」
麻子「ベタかもしれんが、ロンメル将軍だろうな。知略も然ることながら、騎士道精神に照らすと、ロンメル将軍しかいないな、私の知る限りでは・・・・・・」
沙織「エルヴィンさんもロンメル将軍なんでしょ? なら、みぽりんとエルヴィンでロンメル将軍が2人だね!」
麻子「彼女の場合、ソウルネームだから、そうありたい、と思っているのかもしれないな」
沙織「じゃあ、みぽりんに憧れてるってこと?」
麻子「なぜ、そうなる? 例え話だろう!」
沙織「だって、皆、みぽりんに憧れてて・・・・・・」
麻子「嫉妬か?」
沙織「違うもん! ただ、みぽりんファンクラブとか学園艦内外にあるみたいだし・・・・・・、戦車喫茶で会った、インケンでツリ目な人もみぽりんのこと、ラブぅって感じだし・・・・・・」
麻子「純然たる嫉妬じゃないか?」
沙織「いいの! 友達同士でも、そういうのがあった方が、今後の展開的にも深みが出るの!」
麻子「開き直った上に、誰目線だ!」
沙織「で、なんで天才って言われたくない訳? おこがましい?だっけ?」
麻子「それもあるし、単純にそう呼ばれるには能力が足りてないと判断したからな」
沙織「ふ〜ん、で? なんでそう思うのよ? 麻子が運転上手だったり、学年主席なのは事実でしょ? 麻子が天才じゃないなら、成績が真ん中ぐらいの私なんて、おバカも同然じゃない?」
麻子「・・・・・・」(同然も何も・・・・・・、しかし沙織は気付いていたのだな。)
沙織「何か言えぇええ! しかも、めっちゃ失礼なこと思ってるでしょ?」
麻子「まぁ、記憶力が並の人間よりは優れているのは、認めよう。だがしかし、それだけだ。あとは、お前らの言う、『フツーに』賢い、程度だな」
沙織(結局、自分が頭って思ってるんじゃない! 私もそう思うけど、なんかムカツクぅ)
麻子「沙織はコピーするみたいに本とかを記憶出来るなら、どうする?」
沙織「テスト勉強とかなら、教科書はもちろんだけど、他にも関係しそうな、勉強関連の本を見るかな?」
麻子「だが、そこまですれば、完璧にコピー出来なくても、相当な勉強量になるんじゃないか?」
沙織「あ〜、えっ!? そういうことなの?」
麻子「簡単な本なら1~2周、難しいと思う本でも3周すれば、ほぼ完璧に覚えている。最初、私は、そういうものだと思ったし、みんなの記憶力が悪い、とさえ思った程だ」
沙織「でも、確かに小さい頃から、本たくさん読んでたよね・・・・・・。 実用的な本ばっかり・・・・・・。 それを全部覚えてるなら、確かに学年首席も頷けるかも」
麻子「教育本も読んだがな! おかげで、効率よく勉強も出来たな。しかし、操縦は河西には上手く教えることが出来なかった。感覚に頼る所も多い気がするし、操縦に役立ちそうな物理とかの本も読んでいたのも関係してるかもしれん」
沙織「・・・・・・」(麻子は麻子なりに努力してるのね・・・・・。『記憶力がいい』なんてチートっぽいけど、やってること聞くと、とてもじゃないけど、真似出来ない)
麻子「まぁ・・・・・・、なんだ。私なりに努力はしているし、『天才』という一言で片付けて欲しくないな、と思ったのだ。それに、親しい人にはちゃんとした理解をしてもらいたい・・・・・・、なんてな!」
沙織「代償もあるしね、極度の低血圧! 私は私の出来る所でフォローするよ! それがあんこうチーム、ううん、大洗の二連覇に繋がるよね?」
麻子「そうだな。西住さんの居る間に、二連覇して大洗を強豪校にしよう! 来年は有望な一年生が入って来るかもしれんしな」
沙織「うんうん! 私たちの戦車道はまだまだこれからよね?」
麻子「そうだ、だから、私は戦車道の練習に備えて寝る!」ドサッ
沙織「もぉー、麻子ぉー」
麻子「牛の物真似なら、間に合っている。よそで頼む」
沙織「えっ!? 急に辛辣・・・・・・」
おわり
ホントはいますよね。
でも、麻子さんは努力家っぽいかな?とか思って、書いてみました。