ガールズ&パンツァー 戦車道女子に対する男の本音 作:sewashi
原作:ガールズ&パンツァー
タグ:アンチ・ヘイト カチューシャ ノンナ ガルパン 戦車なし ダージリン オレンジペコ アッサム カルパッチョ ケイ アリサ サンダース 聖グロリアーナ アンツィオ プラウダ もっとらぶらぶ作戦です!
とりあえず学園の名前的に女子高決定じゃない学園の男子四人のお話です。
アンツィオ高校 通称 フリッタータ
サンダース ジェイ
プラウダ高校 リューヤ
聖グロリアーナ 通称 ドンペリ(英語教師)
という役です。
11/11聖グロリアーナの英語教師の名前を変更しました。
そして、この作品にはスピンオフ『もっとらぶらぶ作戦です!』のネタがふくまれます。
学園艦停留所にある戦車喫茶のとある席に四人の男が座っている。
『ズドーンッ!』
金髪のイタリア風男、アンツィオ高校の通称、フリッタータが呼び鈴の戦車のボタンを押す。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「ケーキセット4つにコーラとロシアンティーとミルクティーとレモンスカッシュ」
店員に一人だけ場違いな感じにいるスーツを着こなした成人男性、聖グロリアーナ女学院の英語教師。通称、ドンペリが注文する。
「いやー、しかし、戦車道全国大会。すごかったねぇ」
話を始めたのはアメリカ風のノリの良さそうなサングラス男はサンダース大学付属高校のジェイだ。
「本当だべな。まざが大洗が初出場で優勝しぢまうなんで」
言葉に少しなまりのかかった口調で話す田舎風男はプラウダ高校所属のリューヤだった。
「いやー、俺はサンダース(うち)を倒した時点で可能性は考えてたぜ」
「いやいや、ぞもぞも、プラウダ(うち)が舐めすぎでだべ」
「だが、彼女達の敗戦は実質、聖グロリアーナ(うち)との練習試合のみ」
「そーだな! つーかアンツィオ(うち)は応援に来てたのにほとんどの連中が前日に宴会やらかして寝過ごしちまったからよ~、俺だけ直接試合見てねーんだよ……」
「ビデオカメラで撮影していた私に感謝するんだな」
「おっしゃる通りです。ありがとうございます。ドンペリ先生」
この四人は、ただ単に自分の所属する学園の戦車道チームを応援している、数少ない男共である。
本来、戦車道は女の作法としての面が強いため男はあまり興味を持たないが中でも彼らのように興味を持つものもいる。
フリッタータはノリと勢いと試合後の労う会の飯目当てで。
ドンペリは自分の教え子の心配と応援を。
ジェイは戦車道をしている幼馴染みの応援に。
リューヤは戦車道チームに所属している妹の応援に。
それぞれ目的は違えど応援する理由は充分あり、いつの間にか戦車道にも詳しくなり学園艦が同じ停留所に停まるときはこうして集まる仲になっていた。
「しっがし、大洗は凄いべ、特に西住さんは家元だがらっで急造チーム、それも素人集団でよぐごごまで……」
「だよなー、特に砲手の五十鈴華! 素人とは思えない砲撃の腕だ。清楚で野蛮な事が嫌いそうな見た目に反して力強い一面がある。家は華道らしくてよ、こないだ展覧会で偶然みたけど、力強い作品だったぜ」
フリッタータは五十鈴を誉める。
「それに秋山優花里、装填手としての腕は勿論、サンダースにスパイに来ていた度胸に偵察の行動力。うちに欲しい逸材だ」
そう言い秋山の引き抜きを考えるジェイ。
「他にも38(t)の小山はよくあんな大胆な運転が出来るものだ」
「だ。八九式の人達もマウス相手によくやっだど思うべ」
ドンペリやリューヤも戦車道の話にノリが出てきた。
「しかし、あれだな。大洗は戦車も凄いが乗ってる娘達もレベルが高い」
「いやいやいや、たしかに個々のレベルは高いが総合的な女性の魅力ならうちのイタリア風女子の方がいいぞ。特にドゥーチェなんか脱いだら意外なほどに魅力がある」
「何負う!? それならサンダースの方がスゲーに決まってンだろ! ケイのワガママボディなめんなよ!」
「はぁ、真面目な話がすぐこれか……教師の立場上あまりこういう話に参加したくはないのだが言わせてもらえば下品すぎだ。我々の学園のブリティッシュな女共は一部を除いて上品さはどこへ出しても恥にはならん者達ばかりだ」
「あ~、プラウダは自信ねーなー、ノンナさんやクラーラさんみでーなグラマーな人さこいても、うぢの妹やカヂューシャさんみでーな娘の方が多い気がするべ」
いつの間にか自分の学園の戦車道チームの女子のレベルの競い合いになっていた。これもこの男達にとってはいつも通りの事だ。
しかし、この四人にはただ一つ。自分の学園の戦車道チームの女子に対して絶対的な共通の認識があった。
「しかしよ、やっぱりな……」
「ああ」
「だな」
「だべ」
「「「「どんなにいい女でも戦車道やってる女は彼女にはしたくないよな」」」」
「だっひゃひゃっ、やっぱりな~、なんか浮気とか別れ話とかになったら戦車で撃ち殺されそうだし~」
「そーそー、つーか戦車道やってる女ってレズが多い気がする」
「「「たしかに!」」」
「アンツィオのカルパッチョさん。プラウダのノンナさん。聖グロリアーナのダージリンさんもそれっぽいよな!」
「びみょ~に、カエサルさん、カヂューシャさん、オレンジペコさんが気の毒に感じるべ」
「そもそも戦車道とは凛々しく力強い乙女を育てる作法とされているが凛々しくなりすぎて男は敬遠しがちになるからな」
「つーか、戦車道連盟の蝶野さんは『狙った獲物は逃がさない。撃破率は120%よ』とか教えているらしいけど、ハートをキューピット感覚で撃ち抜いてそのまま存在を消し去っとりますから! あっはっはっ!」
「戦車道は裏や影では『モテない女をさらにモテなくする生涯独身を増やす作法』なぞ呼ばれているらしいが……実際怖いからな……」
「だべだべ、というかむしろ本人達が気づいていないのが不思議だべ。あ、そー言えばカヂューシャさん。背が低いこと気にしでるぐぜに、おっきくなったらなっだでお気に入りのパジャマが着れなくなるとか言ってるらしいべ」
「あっひゃっひゃ! なんじゃそりゃ! あー、アンツィオでもこないだノリと勢いが暴走しすぎて戦車道チームの大半が大洗の生徒になったけど『おやつの時間がないから』とかの理由で帰ってきたらしいぜ? しかも勝手に大洗の川嶋さん捕まえちゃって捕虜だったはずなのに、うっぷんばらしにノリと勢いでいつの間にか新ドゥーチェまで登り詰めちゃったときは内心爆笑したわ~」
「それを言うならサンダースでもアリサさん前に無線傍受がバレたからって、今度はカメラつきラジコンヘリや犬にいろんな装備させて偵察行動させようとしたが審判の人にバレてたっぷりと怒られていた。ま、犬は審判に報告してチクったの俺だけどね」
「酷いな、まあ、聖グロリアーナでもオレンジペコが左からダージリンの格言。右からアッサムのジョークを同時に聞かされ参っていたぞ」
「マジかよ! あー、本当に戦車道女と付き合ったら、それだけで疲れそーだな……西住流と島田流の旦那さんはある意味勇者だな」
「ああ、よく婿入りする気になったと思う」
「俺さ、大洗のみほさん絶対に父親似だと思う」
「同感だ。姉のまほがあれだけ母親似なんだ。ほぼ正反対の妹の方は父親似だと思うだろう」
「だけどやっぱしな、戦車道やってる女とは付き合いたくない!」
「俺、結構女なら誰でもいいとか感覚あるけど、戦車道女はねーわー」
「全くだ」
「あ、あど、知ってっが? ノンナさんとカヂューシャさんを親子扱いするとノンナさんフツーに乗ってくるんだべ」
「マジか! うけ…………………………………………」
この時、四人は気がついていなかった。
ここが戦車喫茶であり、四人が集まった理由は学園艦停留所がたまたま同じであり、自分の学園の戦車道チームも皆、女子会のような事を開いていたことに…………
「ん、どうした? フリッタータ」
「い、いや………(ガッ!)」
フリッタータの後ろには、ハイライトの消えた瞳のカルパッチョ。
リューヤの後ろには、ストレートな怒りの表情のカチューシャとそのカチューシャを肩車しているノンナ。
ジェイの後ろには、指をコキコキならすアリサと腹を抱えて笑っているケイ。
ドンペリの後ろには………顔だけは笑顔のダージリン、アッサムと申し訳なさそうな表情のオレンジペコがいた………………
「フリッタータ………誰がレズですって?」
「同氏リューヤ、何ルーブルにしてやろうかしら?」
「ジェイィ、あれあんたのせいだったのね?」
「ドンペリ先生。学園艦に戻ったらお話がございますわ」
四人は反応できず、固まっていた。
そして、戦車喫茶ではこの四人が揃っていた姿を見たものは今後は誰一人いなかったと言う………
どうだったでしょうか?
色々な作品を投稿しましたが短編はこれが初めてです。
感想待ってます。