完全に地雷臭しかしませんが良かったら見て行って下さい。
ご注文はうさぎですか?#09を参考に書きました。
枯れ葉が風に舞い、アスファルトと擦れ、カラカラと音を立てる。
街は秋の様相で染まっていた。
葉は青々とした活力溢れる色から黄色や茶色に変わり、冬へ向けて着々と準備を進めていた。
「・・・苦労して建てた念願の喫茶店だが経営が軌道に乗らんの・・・」
白い立派な髭を蓄えた老紳士はベンチに腰掛けながら、誰に言うでもなくそう、呟いた。
隣に座らせた白いアンゴラウサギを軽く撫でる。
「──いっそうさぎになれたらどんなに楽かのう……」
そのとき、強く風が舞い、枯れ葉が高く上がった。
その景色を見ていると、不意に。
「おじいちゃん、こんにちは!」
女の子がそう声をかけてきた。
ココア色の髪に花の髪留めをした、なんとも可愛らしい女の子。
「こんにちは」
老紳士は優しく声をかける。
「おじいちゃん、このもふもふしたのなに?」
女の子はウサギを抱き抱えながらそう問う。
「うちで飼ってるうさぎだ」
「いいにおいがする~!」
「コーヒーの匂いじゃよ。うちは喫茶店やっとるからな」
老紳士はそう言いながらどこか誇っている自分に気づいた。
軌道に乗らない喫茶店だか、念願の喫茶店を営んでいるということが誇らしさや高揚感を与えてくれていた。
しかし、もう、終わりかもしれない。
そう遠くない終わりの予感が自分の心を暗くさせるのだ。
「おじいちゃんのご注文はうさぎさんになることなの?」
少女は唐突にそう切り出した。
聞かれていた……。老紳士はどこか落ち着かない気持ちになる。
「おじいちゃんにおまじないをかけてあげるね! ご注文!
いつかうさぎさんになれますように~!」
太陽の様な笑顔をみせる少女。
その笑顔が老紳士の口元に小さな微笑みを浮かばせた。
「ココア~! もう行くよ~!」
「あっ! おねえちゃん、おいてっちゃやだ~!」
ココアと呼ばれた少女はベンチから飛び降りるとモカ色の髪をした少女の元へ駆けていく。
モカ色の髪をした少女もまた、花の髪飾りをつけていた。
おそらく姉妹なのだろう。
「ほら、早く行くよ! 誰と話してたの?」
「うさぎさんのおじいちゃん!」
「うさぎさん?」
仲睦まじく歩いていくその姿を見送りながら老紳士は呟いた。
「……同じうさぎでもお前みたいなのにはなりたくないな。夏は暑っ苦しそうだ。……冬は暖かそうだが。」
傍らのウサギを撫でる。
「さーて、お前がいないとチノが寂しそうにするからな。……帰るか、ティッピー。」
秋の風が吹く。
その時はまだ、誰も知らなかった。
彼女のご注文が果たされることになるとは──。