食戟のトニオ・トラサルディー Sesame's Treet (ソーマXジョジョ)   作:ヨマザル

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――― おまけ ―――
おしながき(1-7章)


一章:杜王町へ、ようこそ

題名のネタ元:仙台市で行われたジョジョフェスから拝借

(1)パンとトマトのスープ

シェフ:タクミ・アルディーニ

ゲスト(食べた人):トニオ・トラサルディー 榊涼子

真っ赤なトマトのスープに、緑色のバジルが並んだ、目にも鼻にも美しい一品

麗夏トマトを絞ったトマトスープ。出汁は中華ハムからひいていた。

シシリアンルージュの皮をむき、軽く下味をつけてキンキンに冷やし、表面をっとあぶって、塊のまま投入。バジルを浮かべ、さらにセージとパセリを散らし、その横に賽の目に斬ったトスカーナの塩無しパンを添える。

暖かいスープと、冷たいトマトの温度差を楽しむ料理

 

(2)スパゲッティ・アッラ・ヴォンゴレ

シェフ:榊涼子

ゲスト:トニオ・トラサルディー タクミ・アルディーニ

和風パスタ。アサリの濃厚な香り、官能的な味が、一口ごとに口いっぱいに広がる。

ハタハタで取ったしょっつるで香りをつけ、さらに『お米のジュース』に、パスタをタップリ浸してから茹で上げている。

 

(3)リンゴのクレープ

シェフ:トニオ・トラサルディー

ゲスト:タクミ・アルディーニ 榊涼子

甘い、そして濃厚な香りと微かな酸味、ふわっと暖かいクレープの皮に包まれた、リンゴのさわやかな味わい

リンゴに含まれている有機酸やビタミンC、ミネラル類には、疲労回復の効果がある。文字通り身も心もフレッシュになる一皿。

 

2章:4 つの仕事 (4 グレート)

題名のネタ元:ジョジョの奇妙な冒険第4部 ウェブラジオのタイトルより

(4)BLTサンドイッチ

シェフ:サンジェルマン

ゲスト:トニオ・トラサルディー ヴェルジーナ・トラサルディー

タクミ・アルディーニ 榊涼子

(ヴェルジーナは、岸部露伴は動かない・密漁海岸の登場人物)

何の変哲もないただのサンドイッチに見えるが、口にしたとたん、その濃厚なパンの味、トマトの適度な酸味、甘味、そしてわずかな清涼感……ベーコンのコク……この味は、ずば抜けていた。

 

(5)元気の出るトクベツなエスプレッソ

シェフ:トニオ・トラサルディー

ゲスト:タクミ・アルディーニ 榊涼子

親指サイズの小さなカップに、ほんの少しだけ淹れられた、超濃厚、激苦のエスプレッソ。

トニオが尊敬している『人生の大先輩』から、聞いたものを再現したもの。なんでも、大昔に彼の一族の一人が、イタリアの友人から学んだものだと…馬が飲んでもいいらしい。

その薫りは、例えれば『氷に覆われたハードな荒野の野獣の薫り(Steel)、タフな二人組の男達が放つ薫り(Ball)、そして馬で旅する情景に付帯するセクシーな薫り(Run)』……

 

 

3章:アベリティーヴォ(食前酒)

題名の元ネタ:イタリアンのコースから

(6)ザクロとベリーと白桃のベリーニ

シェフ?:榊涼子・トニオ トラサルディー

ゲスト:岸部露伴 泉京香(岸部露伴は動かない・富豪村の登場人物)

赤いグレナデン・シロップ(ザクロのシロップ)、スパークリング・ワイン、『白ブドウのジュース』を混ぜ、そこにピーチのピューレと各種ベリーを浮かべたフルーティなカクテル。そこにハーブ(ローズマリーやラベンダー&オレンジリキュール)の香りを移している。

20歳の若者(ブドウ作りの天才)が育てた、ナイアガラと言う『白ブドウ』の品種から作ったジュースを使っているのがコツ。

 

(7)プチトマトのカプレーゼ

シェフ:タクミ・アルディーニ トニオ・トラサルディー

ゲスト:岸部露伴 泉京香

イタリア語でインサラータ・カプレーゼ、イタリアンの超定番アンティパスト(前菜)を美しく、しかもおいしくアレンジ。緑の花びらを持つ赤い花芯の花達が咲き誇っているかのように見える。

一口大に丸く固めたモッツァレラ・チーズの土台に、ミケッタ(イタリアのパンの1つ)を挟んで皮をむいたプチトマトを乗せている。

その周囲に、まるで花びらのようにバジルの葉があしらわれている。

プチトマトの中は、濃厚なトマトピューレが詰められている。最後に、岩塩、胡椒やコリアンダーシードをすって、パラパラと振りかけて完成。

バジルの薫りが、トマトの爽やかな酸味を引き立てている。そしてモッツァレラ・チーズがコクをプラス……食感の取り合わせも……イイ

 

(8)カキのペペロンチーノ

シェフ:トニオ・トラサルディー

ゲスト:岸部露伴 泉京香

プリっとしたカキ、苦みのある香草類、そして赤唐辛子が乗ったオイルパスタ。トニオ特製調合のオリーブオイルが味の調和をもたらしている。そして、赤唐辛子の辛さが、カキの濃厚な味わいをさらに引き立てている。食べると『美しい青空を見て、歌いたくなる』ように、幸せになれる。

 

(9)オッソ・ブーコ(子牛の煮込み)

シェフ:トニオ・トラサルディー

ゲスト:岸部露伴 泉京香

イタリア語で、『穴の開いた骨』と言う意味の子牛の煮込みで、ミラノの伝統的料理。骨付き肉をニンジン、セロリ等と炒めた後、トマトソースで煮込む。ちょっとレモンの風味をきかせているのがポイント。

食べると、まるで自分の体がこの子牛のように柔らかく惚けてしまう……ような気がする。

 

(10)トニオ特製サラダ

シェフ:トニオ・トラサルディー

ゲスト:岸部露伴 泉京香

秘密の農家さんで完璧に育てられたシャキシャキの超フレッシュ、厳選野菜をトニオ特製ドレッシングでほんのりコーティングした一品。本来、イタリアンでは生サラダはほとんど出ないが、超美味い。

食べると、お肌がまるでこのサラダみたいに、シャキシャキになる気がする。

 

(11)シェフの手作りチーズ

シェフ:トニオ・トラサルディー

ゲスト:岸部露伴 泉京香

以下の四種のチーズと同じ製法で、トニオが手作りしたチーズ。どれも絶品。

ブッラータ:もっちりした表面の内側に、トロリとして、リッチでクリーミーなチーズが詰まっている。牛乳製のモッツァレラ・チーズに、牛乳製のカード(乳を酵素で固めたもの)を小さく切って生クリームと混ぜたものを詰めている。鮮度が命で、すぐ固くなるので、作成後48時間以内に食べる必要があるとされる。

カチョカヴァッロ:中心部がくびれた、ヒョウタンのような形をしたチーズ。カードを湯の中で練り、のばして作る。紐の両端に出来上がったチーズを括り、2個1組で棒に渡して吊るして熟成させる。

ゴルゴンゾーラ・ドルチェ:青かびタイプのチーズで、世界三大ブルーチーズの一つとされている。刺激的な味。

リコッタ:脂肪分が少なく、乳糖が多いためほんのりと甘い、サッパリしたフレッシュ・チーズ。

 

(12)リンゴのソテーとアイスクリーム

シェフ:トニオ・トラサルディー

ゲスト:岸部露伴 泉京香

第一話でトニオがタクミと涼子にふるまった、リンゴのクレープと製法はほとんど同じ。濃厚なバター、各種香辛料、そして杜王市近くの盆地でクローバーの花だけから作られたハチミツを使ってソテーしたリンゴに、サッパリとしたトニオ特製ジェラートをあわせた一品。

甘さと香り、熱さと冷たさの組み合わせが最高で、食べると足腰が立たなくなりそう♡

 

 

4章:アンティパスト(前菜)

題名の元ネタ:イタリアンのコースから

(13)キャベツとベーコンの塩麹パスタ(まかない)

シェフ:榊涼子

ゲスト:トニオ・トラサルディー タクミ・アルディーニ

キャベツの緑、ベーコンの赤、それにパスタの白がおどる、美しいパスタ。塩麹とキャベツの甘味、ベーコンのコショウが程よくかみ合って食べやすい。一日中働いて、疲れ切った体にはちょうど良いもの。

 

 

5章:プリモ・ピアット(主菜)

題名の元ネタ:イタリアンのコースから

(14)『にじむら』のジューシー牛丼 そして笑いが込み上げる

シェフ:虹村億泰

ゲスト(試食):タクミ・アルディーニ 榊涼子

S市名物の牛タンが中心に配置され、さらに黄色い錦糸卵、赤い漬物が添えられた。目にも鮮やかな豪華な牛丼。

ツユが別ケースに入っており、お好みで所謂ツユダク状態にすることもできる。丁寧に作られた逸品。飽きのこない、いいお味。

 

(15)『にじむら』の幕の内弁当 笑う門には福来たる

シェフ:虹村 億泰

ゲスト(試食):タクミ・アルディーニ 榊涼子

オーソドックスな幕の内弁当。俵型に盛られた白米の隣に、色々な色の小さなおかずがギュウギュウに詰められている。それぞれのオカズは揚げ物、煮物、焼き物、蒸し物などバリエーションがありつつ、生姜汁でピリッと統一感のある味わいにまとめられている。特に高級素材などは使われていないが、丁寧な仕事で、とても深みのある味わいの品になっている。

 

(16)サマー・デ・ライト

シェフ?:榊涼子

ゲスト:静・ジョースター(ジョジョ4部の透明な赤ちゃん)

双葉相馬(『SS速報VIP』の傑作二次創作SS[静・ジョースターの奇妙な日常]の登場人物)

ライム、グレナデン・シロップ、砂糖と炭酸水を混ぜ、すっきりとした味わいを楽しむノン・アルコールカクテル

 

(17)五色のパテのクロステイーニ

シェフ:タクミ・アルディーニ トニオ・トラサルディー

ゲスト:薙切仙左衛門 堂島銀

クロスティー二とは、カリカリに焼いたパンの上に、パテを盛り付けた前菜のこと。通常よりも小さく切ったクロスティーニ専用のパンを、香り高い特製のオリーブオイルに浸し、それぞれに色が違う5つのパテ……黒(レバーとチョコレート)、白(チーズとマッシュルーム)、緑(アンティチョークとオリーブ)、赤(乾燥トマトとニンジン)そして、黄(オレンジとオリーブ)……を盛り付けたもの。

それは前菜とはいえ、とても手が込んだ、まさに至玉の一品であった。

その前菜を食べた人は思わず体を震わせ、上半身の上着がはちきれんばかりに筋肉を盛り上げ……派手なボージングを決めるほど。

 

(18)トニオのペペロンチーノ

シェフ:トニオ・トラサルディー

ゲスト:薙切仙左衛門 堂島銀

何も奇をてらったことはしていない……至極まっとうな……《普通の》ペペロンチーノ。

鼻に抜けるさわやかなオリーブオイルの香りが感じられる。……そして、口に入れると、そのオリーブオイルの香りとニンニクの香りが混然一体となって口の中を襲う。完璧な弾力のパスタをかみ切るときの触感……次に続くパスタの小麦粉の味、塩味……それに、トウガラシの辛み……

思わずは上半身の服をはだけ、グイッと力強いポージングを決めくなるお味。ペペロンチーノ用のオリーブオイルは、フルティーなチリ産、トスカーナ産、それからグリーン(草や葉のようなさわやかなカオリ)な日本産のオリーブオイルを4種類、ブレンドした物。

麦は、栃木県産のユメカオリと、カナダ産の品種を、知り合いの農家から仕入れ、トニオの知り合いの腕のいい粉屋が製粉した粉をトニオ自らが乾麺に仕立てて使っている。

 

 

(19)白タンポポのサラダ

シェフ:トニオ・トラサルディー

ゲスト:薙切仙左衛門 堂島銀

タンポポは花も茎も、葉も、根もすべて食べられる。このサラダは、トニオ家で栽培しているタンポポの葉を覆って白くさせ、柔らかくしたもの。苦いが、それがうまい。

 

(20)イタリア風プリン(パンナ・コッタ)

シェフ:トニオ・トラサルディー

ゲスト:薙切仙左衛門 堂島銀

家庭環境が複雑で、頭が悪く、こわもての不良さえも思わず「んまぁぃぃ―――ッ」と感動してしまう。

 

 

6章:セコンド・ピアット (主菜:二皿目)

題名の元ネタ:イタリアンのコースから

(21)磯のアクアパッツア

シェフ:トニオ・トラサルディー

ゲスト:噴上裕也 噴上アケミ タクミ・アルディーニ 榊涼子

カメノテとイソギンチャク、クロダイ、ヒラメ、アイナメをトマトスープでコトコト煮込んだもの。信じられないかもしれないが、ものすごく美味しい。まるで、濃厚なカニの肝を溶かしたスープを飲んでいるよう。魚も、ふわふわでおいしい。

カジメの出汁と、カジメを叩いたものがちょっぴり入っている。これが、複雑な味わいを生み出している。散らしたハマボウフウの味で、アキが来ない。浜大根をすりおろした汁につけてもうまい。

 

(22)ハチノコのせクアトロフォルマッジ ピザ

シェフ:トニオ・トラサルディー

ゲスト:噴上裕也 噴上アケミ タクミ・アルディーニ 榊涼子

ぷりぷりしたハチノコが載っていながら、生臭さなど全くない、驚くほどクリーミーで濃厚なピザ。

パリパリのピザの生地の上にかけられた4種の濃厚なチーズ、クリスピーなハチノコを割るとあふれ出るクリーミーなソース、それにチーズの上にところどころかかっているのは……クルミ……レーズン……あとハチミツ、それらのマリアージュが絶妙。クルミのコリコリ感とレーズンのプチプチ感……それにハチノコのぷちっとした歯ごたえ……この食感の違いも心地よい。まわしかけられたハチミツが舌をリセットさせ、さらに旨味を引き出している。

 

 

7章:コントルノ (付け合せ)

題名の元ネタ:イタリアンのコースから

(23) ヤマドリのシャルトルーズ

シェフ:丸井善治

ゲスト:橋沢育朗 橋沢スミレ トニオ・トラサルディー タクミ・アルディーニ 榊涼子 吉野悠姫

(橋沢育朗 と スミレは『バオー来訪者』の主人公で、拙作『仗助と育朗の冒険』にも登場)

円いパンケーキのような見た目で、野菜、肉などを型に入れてドーム型に作ったフランスの古典料理。野外なので、フライパンの上に直接乗せて提供された。

拍子木切りした人参と大根で丸く囲まれた中に、ヤマドリの内臓、皮、もも肉などがみじん切りにされて詰められている。ジビエの王様と言うべきヤマドリの魅力を存分に引き出した一品。

 

(24) スピエディーニ

シェフ:タクミ・アルディーニ

ゲスト:橋沢育朗 橋沢スミレ トニオ・トラサルディー

    榊涼子 吉野悠姫 丸井善治

日本の焼き鳥のように、炭火を使って串焼きにするイタリア料理。ここでは、半身に切ったリスの串焼き。

ビターチョコレートを少し塗って、炭火でジックリ焼き上げている。ほろ苦い甘さは良いのだが……

 

(25)ヤマドリのズッパ(スープ)・ジャポネーゼ

シェフ:榊涼子

ゲスト:橋沢育朗 橋沢スミレ トニオ・トラサルディー

    タクミ・アルディーニ 吉野悠姫 丸井善治

日本酒と海水、それからヤマドリの骨髄を使ったスープ。ヒタヒタに煮たヤマドリのお腹のタコ糸を解くと、そのお腹からジュワーッとスープがあふれだす。

お腹に入っていたセリのおかげでスープはすっきりとしていながら、良いだしが取れている、まさにイナセな日本のお味。ヤマドリの骨も、内臓も、一羽すべて使い切っている、ジビエらしい一品。

 

(26) ウサギのロースト

シェフ:吉野悠姫

ゲスト:橋沢育朗 橋沢スミレ トニオ・トラサルディー

    タクミ・アルディーニ 榊涼子 丸井善治

落し蓋代わりにつかわれたフライパンを上げると、芳醇な野生のジビエと、セージの香りが立ち上る。本当に良いお肉は、余計な味付けはせずにシンプルに調理して、その味わいを浮き上がらせた方がいい。まさにそう言った一品。

 

(27)三種の穀物のサラダ

シェフ:トニオ・トラサルディー

ゲスト:橋沢育朗 橋沢スミレ タクミ・アルディーニ

    榊涼子 吉野悠姫 丸井善治

米、大麦、それに蕎麦の実を使っている。

お米のサラダ(インサラータ ディ リーゾ)は、イタリアでは夏によく食べるサラダで、固くゆでたお米と野菜を合えて、柑橘系の酸味とオリーブオイル、岩塩等で味付けしたもの。今回は、それを他の穀物でアレンジしている。

大麦の甘味、蕎麦の香り、そしてお米の香味がキュウリやハマダイコン、ハマボウフウ等のシャキシャキした味、岩塩や胡椒の刺激、それらをつなぐ柑橘系の酸味が絡み合い、舌から鼻へと香りが抜けていく。

酸味が強いが、このサラダを食べた後で、もう一度ジビエの肉をかじることで、完成する。まさに“付け合わせ“として考え抜かれた逸品。


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