IS世界を舞う剣刃   作:イナビカリ

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第104話:女同士の座談会

 

 ~千冬 Side~

 

 夕食も終わり、私は自分に用意された部屋で寛いでいた

 

千冬

「あ~…そこそこ…そこがいい~…」

 

 それで今は一夏にマッサージをして貰っている

 コイツは昔からこう言う事は本当に得意だからな~…

 ちなみに何故一夏が私の部屋でマッサージなんかしてるかと言うとコイツは私と同じ部屋だからだ

 去年までの臨海学校と違い今回は男の一夏と火ノ兄がいるからいつも通りの部屋割りが出来なかった

 他の生徒達と同じ部屋にすると何が起きるか分からんからな…下手するとひと夏の間違いみたいな事が起きるかもしれん…

 かといって男2人を同じ部屋にするのも問題があった…ガキ共が乱入するかもしれんからな…中には一夏か火ノ兄のどちらかを追い出して乗り込んでくる奴がいるかもしれん…と言うか本当にやりそうな奴に心当たりがあるんだよな…

 それに火ノ兄の貞操も危険だ…

 あの馬鹿…最近は姉の私ですら本当に『ホモ』なのではないかと思う時があるからな…

 2人っきりにして間違い起きたら本気でシャレにならん…そんな事になったらオルコット達がマジギレして一夏を殺しかねん…しかも火ノ兄の怪我はまだ完治してないから一夏に襲われても撃退出来るか不安だしな…

 まあそんな訳で一夏は私と同室になっている

 そして火ノ兄は真耶の部屋にいる

 っと…そんな事よりそろそろ来る頃だな…

 

千冬

「一夏~…もういいぞ~…」

 

一夏

「ん?もういいのか?」

 

千冬

「ああ…あ~スッキリした………一夏、ホレ!」

 

一夏

「え?」

 

 私はマッサージを終えた一夏に少し多めに駄賃を渡した

 

千冬

「マッサージの駄賃だ…それと悪いが少し部屋を出ていてくれ。」

 

一夏

「え?何で?」

 

千冬

「これから少し女同士で話をしようと思ってな…その駄賃で好きなもの買っていいから時間を潰していてくれ。」

 

一夏

「え、う~ん…そう言う事なら仕方ないけど…何時頃戻ってきていいんだ?」

 

千冬

「そうだな…大体1時間は空けてくれるとありがたいな。」

 

一夏

「1時間か…分かったよ…」

 

 一夏はそう言って了承すると部屋を出て行った

 …しかしアイツ…時間を潰せとは言ったがどうやって潰す気だ?

 まさか火ノ兄の所に行く気じゃないよな?………ま、まあ大丈夫か…仮に行っても真耶もいるしな…間違いは起きまい…

 起きないよな?

 信じてるからな…一夏…

 

 ~千冬 Side out~

 

 

 

 ~シャルロット Side~

 

シャルロット

「織斑先生何の用だろ?」

 

ラウラ

「さあな?」

 

 今、僕はラウラと一緒に織斑先生のいる部屋に向かっていた

 食事の後に織斑先生から少し話したいから部屋に来てくれって言われたんだけど、その途中でラウラと会って同じ理由だったから一緒に向かっていた

 そして…

 

シャルロット&ラウラ

「あっ!」

 

セシリア

「あら?」

 

「2人も呼ばれたの?」

 

シャルロット

「うん。」

 

 織斑先生の部屋の前でセシリア、簪、本音、鈴の4人と会った

 セシリア達も呼ばれてたんだ…そう思っていたら…

 

「むっ!?」

 

全員

「あっ!?」

 

 今度は箒もやって来た

 

「…お前達も千冬さんに呼ばれたのか?」

 

「ええ、そう言うって事はアンタもみたいね?」

 

「………」

 

 【戦国龍皇】を盗んだ一件から皆の箒に対する態度は冷たくなったからな~…

 まあ、僕も彼女に対して良い印象は無いんだけど…と言うか今迄彼女の良いところなんて見た事無いんだよな~…

 けどいつまでもココに居る訳にもいかないし…

 

シャルロット

「ねえ皆?早く入ろうよ?」

 

本音

「そ~だね~♪」

 

 僕がそう言うと皆が織斑先生の待つ部屋に入って行った…

 

 ~シャルロット Side out~

 

 

 

 ~箒 Side~

 

 まさかコイツ等も呼ばれていたとは…

 チッ…コイツ等の私を軽蔑する目…実に不愉快だ!!一体私が何をしたと言うのだ!!たかだかIS一つに拒否されただけでこんな態度を取るとは…コイツ等の器が知れると言うものだ!!

 だが、今は気にしても仕方ないか…

 一先ず私はコイツ等と一緒に千冬さんの部屋に入る事にした

 

全員

「失礼します。」

 

千冬

「入れ!」

 

 挨拶をしてはいるとそこには缶ビールを飲んでいる千冬さんがいた

 だが…一夏がいない?

 

「あの…一夏は?」

 

千冬

「ああ、アイツならマッサージの駄賃をやって追い出した。暫くは戻って来るなと言ってあるから気にしなくていいぞ。」

 

「は、はぁ…」

 

千冬

「ほら!何時までも入り口で突っ立ってないで中に入れ!」

 

全員

「はい!」

 

 私達が中に入って思い思いの場所に座ると千冬さんは冷蔵庫からビニール袋を取り出して私達に渡した

 中に入っていたのはジュースだった

 

千冬

「好きなのを取れ。私のおごりだ。」

 

全員

「ありがとうございます!」

 

 私達は自分の好きなのを取るとジュースを口にした

 すると…

 

シャルロット

「あの~織斑先生…さっきマッサージって言ってましたけど一夏ってそんな事するんですか?」

 

千冬

「ん?ああ、アイツはアレでも家事全般が得意でな、料理、掃除、洗濯、大概の事は出来る。マッサージも中々のものでな、体の疲れがすっかり無くなった。」

 

シャルロット

「へ~…」

 

千冬

「気になるなら後でやって貰え。」

 

シャルロット

「はい!」

 

「………」

 

 コイツ…鈴と同じでやはり一夏を狙っていたか…

 私は新しい『敵』が現れたと認識した

 そしてデュノアに対して警戒を強めていると…

 

千冬

「さて、そろそろ本題に入るか…」

 

 千冬さんが私達を集めた理由を話し始めた

 

千冬

「単刀直入に聞く…お前達の中で一夏に気があるのは誰だ?」

 

箒&シャルロット

「!?」

 

千冬

「ふむ、箒とシャルロットか…」

 

 え?私とデュノアの『2人』だと?

 

「鈴!お前は…」

 

「私はもうアイツに興味なんて無いわよ。アイツにはその事はもう伝えてあるし、アンタ達がアイツと付き合いたいって言うんなら好きにすればって言うだけよ。」

 

「なっ!?」

 

 いつの間に一夏を諦めたんだ!?

 だが、これはいい事を聞いた…私にとっての一番の障害が一夏のセカンド幼馴染と言う鈴だったからな…鈴に比べればデュノアなど私の相手ではない!!

 

千冬

「(コイツ…鈴が一夏を諦めたと思ってるな?実際は諦めたのではなく愛想が尽きたからなんだが…コイツにはそんな事関係無いのだろう…)まぁ、確かに一夏は私に出来ない事が出来る男だ。家事も料理も中々だしマッサージも上手い。付き合える女は得だな。但し、超が付くほどの鈍感の大馬鹿だがな。」

 

箒&シャルロット

「そ、それは…」

 

 否定出来ない…千冬さんの言う通りアイツは底抜けの朴念仁だからな…

 

千冬

「それでも欲しいか?」

 

箒&シャルロット

「くれるんですか!?」

 

 勿論欲しいに決まってる!!

 一夏をくれると言うなら私が喜んで貰う!

 

千冬

「欲しければ勝手に持っていけ!ただし、あの馬鹿を惚れさせる事が出来たらな。」

 

 ならば問題無い!

 一夏の相手に相応しいのはこの私以外ありえんからな!

 そう思っていたら…

 

千冬

「それから箒…お前は駄目だ!」

 

「!?…な、何でですか!?」

 

 どう言うつもりだ!?

 何故私が駄目なんだ!!

 

千冬

「何でだと?人様の物を自分の物だと言って平然と盗む様な奴に弟をやる姉が何処にいる?泥棒と知っているのに弟の彼女として認める馬鹿がいるのか?」

 

「!?」

 

 ど、泥棒!?

 私が…泥棒だと!?

 

千冬

「シャルロット…あの馬鹿には根気よく伝えるしかないからまあ頑張れ。」

 

シャルロット

「は、はい!」

 

「アイツの鈍さは病気レベルだから本気で落としたいなら遠慮なんかせずにガンガン押した方がいいわよ。実体験した私が言うんだから間違いないわよ。」

 

シャルロット

「う、うん…(鈴が言うと説得力あるな…)」

 

千冬

「…それから箒…さっきはああ言ったが今後のお前の態度次第では私も考えが変わるだろう。だが『今』のお前では私は絶対に一夏との交際を認めん。そこの所をよく考えておけ。」

 

「ぐっ…」

 

 今の私だと!?

 一体私に何の問題があると言うんだ!?

 

 ~箒 Side out~

 

 

 

 ~千冬 Side~

 

 コイツ…私の言った事絶対分かって無いな…

 自分勝手な我儘を治せと言う意味で言ったんだが…この様子では意味を理解すらしてないか…

 はぁ…まあいいか…治さないならそれはそれで放っておけばいい…

 一夏との交際を認めないだけだからな…

 さて、一夏の方はこの位でいいか…

 

千冬

「…次に火ノ兄に気があるのは…ってお前達3人しかいないか…」

 

セシリア&簪&本音

「はい♪」

 

「もう分かりきってるわよ…でも、アンタ等の誰と付き合うのかしらねアイツ?」

 

 確かに、アイツどうするつもりなんだろうな…

 

セシリア

「それならもう決まってますわ♪」

 

「え?」

 

「永遠は…」

 

本音

「私達3人と付き合ってるんだよ~♪」

 

全員

「え?…えええええぇぇぇぇぇ―――――っ!!!」

 

 コイツ等、いつの間にそんな関係になったんだ!?

 

シャルロット

「3人ってどういう事!?」

 

セシリア

「…あのタッグ戦の後…わたくし達3人は話し合ったのです。」

 

「私達は永遠が好き!その想いは一緒だった!」

 

本音

「でも、だからって他の二人を蹴落としてまで永遠の隣にいたいとは思わなかったんだ~♪」

 

セシリア

「そんな事をすれば永遠さんの方から離れて行くでしょうし…何よりわたくし達自身もお互いの事が嫌いではありませんでした!」

 

 まあそうだな…コイツ等恋敵ではあったが箒の様に相手を敵視してなかったし、互いの仲が悪い訳では無かったからな

 

「だから話し合って決めたの!」

 

本音

「私達3人で告白して、3人揃って恋人にして貰おうって♪」

 

「お前達それでいいのか!?」

 

セシリア

「いいですわ!それがわたくし達の誰もが幸せになれる一番の方法ですもの♪」

 

「そう♪永遠にそう言ったら最初は驚いて混乱してたけど…」

 

本音

「最後は私達の提案を飲んで~…私達3人を受け入れてくれたんだ~♪」

 

 そうか…アイツも腹を決めたのか…

 

「そうなんだ…おめでとう♪」

 

セシリア&簪&本音

「ありがとうございます♪」

 

「私もアンタ達に負けないくらいのいい男を見つけないとね♪」

 

セシリア

「鈴さんでしたら素敵な殿方を見つけられますわ♪」

 

「そうね!『()()()()』よりいい男なんてそこら中にいるわよね♪今度こそ男に失敗しないように頑張るわよ!!!」

 

「あ、あんなのだと!!」

 

千冬

「………」

 

 あんなのか…そうだな…そうとしか言いようがないか…

 自業自得とは言え…自分に好意を持っていた子にココまで言われるとは憐れな弟だ…

 

ラウラ

「では私はこれからお前達の事を『姉上』と呼べばいいんだな!!」

 

セシリア&簪&本音

「結構です!!」

 

ラウラ

「む!何故だ?兄の恋人なら私にとっては姉に当たるではないか!」

 

 ラウラの奴…コイツ等に対しても妹キャラで通すつもりなのか…

 コイツに関しては恋愛よりも妹ポジションの方が重要みたいだな…

 まあそれは置いておいて…

 私は時計を見てそのまま視線をそっと廊下への扉へと向けた…

 既に1時間経過したからな…

 

 ………

 ……

 …

 

一夏

「…あんなの………鈴…俺の事をあんなのって…ハハハ…あんなのか………そうだよな…鈴にとって俺はもうその程度の相手なんだよな…」

 

 …一夏…コレがお前の今までやって来た事の結果だ…

 私は戻って来ていた弟に心の中でそう呟いていた…

 

 ~千冬 Side out~

 


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