~束 Side~
箒
「オルコット!!【アビス・アポカリプス】を渡せ!!!」
セシリア
「………はい?」
地上に降りて来た箒ちゃんはISを解除するといきなりそんな事を言いだした
自分の妹だけどこの子何言ってんの?
箒
「その剣は姉さんの物だ!!ならそれを託されるのは妹の私が当然だろうが!!」
え?何その理屈?
セシリア
「…あの~…永遠さん…束さん…こう言ってますけどわたくしはどうすれば…」
流石のセーちゃんでもコレは対処出来ないみたいだから造ったとーくんと前の持ち主だった束さんに聞くしかないよね…
永遠
「無視しとれ。」
それに対してとーくんは一言で答えた
うん!普通なら束さんもそう答えるよ!でも相手が妹だから流石にその答え方は束さんは出来ないんだよね~…どうしよ?
束さんがどう答えるか悩んでいると…
千冬
「いい加減にしろっ!!!」
ガンッ!!
箒
「ガッ!?」
ちーちゃんが箒ちゃんの頭をぶん殴った
うわ~痛そ~…比べたくは無いけど、とーくんの拳骨とどっちが痛いんだろうな~…
箒
「な、何するんですか!!!」
千冬
「お前こそ何をトチ狂った事を言っている!!あの剣は束が自分の意思でオルコットに譲渡した物だ!!それを横取りしようとするとは何事だ!!!」
箒
「横取りではありません!!あの剣は元々姉さんの物なんですよ!!それを何故他人のオルコットに渡すんですか!!妹の私が受け取るのが普通では無いんですか!!」
千冬
「…お前頭大丈夫か?本当に何を言っている?」
箒
「え?」
千冬
「そもそも【アビス・アポカリプス】は火ノ兄が造った【
箒
「そんな事分かってますよ!だから「だがアレは『篠ノ之家の物』と言う訳では無い。」…え?」
千冬
「【アビス・アポカリプス】がお前と束の家に『代々伝わる剣』だと言うならお前に継承権のようなものがあるかもしれん。だがアレは此処にいる火ノ兄が造った物だ。つまり造った剣を誰に渡すかは火ノ兄が決める事だ。そして受け取った者が別の者に渡す場合、その決定権は火ノ兄から剣を受け取った本人が決める事になる。そこに血縁関係は意味をなさない!!」
箒
「ぐっ…………」
あ~あ…黙り込んじゃった…
まあちーちゃんの言う通りだから束さんは何も言う気は無いけど…まさかのんちゃんの【ワイバーン・ガイア】だけじゃなくセーちゃんに渡した【
どうしてこんな子になったんだろ?
やっぱり束さんがISを造ったからかな~…
今度ちーちゃんに愚痴を聞いてもらおっかな~…
~束 Side out~
~一夏 Side~
箒…本当にどうしたんだよお前…
火ノ兄の【戦国龍皇】を盗んだ時もだけど、何でそんな事するんだよ…
今度はのほほんさんの【ワイバーン・ガイア】やオルコットの【
それじゃあまるで『周りの子供が持っている玩具を欲しがる子供』と同じじゃねえか…何でそんな子供の様な駄々を捏ねてんだよ…
お前そんな奴だったのか…
千冬
「束!!オルコットの機体の調整に入れ!!この馬鹿の事はもう無視しろ!!」
箒
「なっ!?」
束
「いやちーちゃん…無視しろって言われても実の妹を無視するのは流石の束さんでも出来ないんだけど…」
千冬
「いいから無視しろ!これ以上コイツを相手に時間を無駄には出来ん!無理にでも無視しろ!!」
千冬姉…いくら何でも無茶苦茶だろ?
無理にでも無視しろって…
束
「…でも…」
千冬
「いいから作業を始めてくれ!頼むから!」
束
「分かったよ…ゴメンね箒ちゃん…」
箒
「ぐっ…」
束さんも観念して作業をする事にしたみたいだ…
でも箒はそんな束さんを睨んでる…コレは箒の方が問題だと思うんだけどな…
けどオルコットが【ハルファス・ベーゼ】に乗り込もうとした時…
真耶
「た、大変で~~~す!!!」
全員
「!?」
山田先生が旅館から慌ててやって来た
先生はそのまま千冬姉に事情を説明し始めたみたいだ
そして…
千冬
「テストを中止する!!!専用機持ちは全員集合!!それ以外の者はISを片付けた後は旅館の自室で待機!!許可なく外に出た者は問答無用で拘束する!!以上!!!」
いきなり今日の実習が中止になった
何が起きたのか俺には分からなかった…でもこれだけは分かる…
また何かが起きたんだ…
~一夏 Side out~