~束 Side~
束
「ただいま~!いいお湯だったよ!」
永遠
「おかえり。それは良かったのぉ。」
じゃ、早速聞いてみますか!
束
「ね~ね~とーくん?」
永遠
「ん?何じゃ?」
束
「あのISの設計図みたいな物って持ってる?」
永遠
「持っとらんぞ。」
あ、やっぱり
そう思ったら…
永遠
「…と言うか束さん達、さっきISを調べとったんじゃろ?気づかんかったんか?」
束&クロエ
「え?」
何のこと?
永遠
「昼間説明したがあの3機はワシが生前おった世界のアニメやゲームに出てくるロボットを元にしとる。まぁ【戦国龍】はロボットではないが、それは置いとくとして…ワシが神様からあの3機を貰う時に、機体の設計データと元になった作品の全データを入れておく様に頼んだんじゃが…気づかんかったか?」
束&クロエ
「えええええぇぇぇぇぇーーーーー………っ!!」
え!何それ?そんなデータあったの?
この束さんが見落としたっていうの!?
束
「と、とーくん!そのデータ見せて貰っていい!」
クロエ
「お願いします!土下座でも何でもしますから見せて下さい!」
束
「そ、そうだね!まずは誠意を見せないと!」
よし!早速☆DO☆GE☆ZA☆ダゼ!
永遠
「落ち着かんかいアホ共!?」
ゴンッゴンッ
束
「アウチッ!」
いったぁぁーー!箒ちゃんとちーちゃんにしか殴られたこと無いのに!
クロエ
「ううっ痛いです…」
永遠
「トチ狂ったお主らが悪い!土下座なんぞせんでも見たかったら見ればよかろぉ。」
束
「ホント!」
永遠
「ただ…何処にあるかまではワシも知らんぞ。」
束
「それでもある事は確かなんだよね!」
永遠
「あの神様がワシの注文通りにデータを入れておればな。」
束
「それだけ分かれば十分だよ!後は自分で探すから!ね!クーちゃん!」
クロエ
「はい!」
それでは早速………
永遠
「ちょい待ち!今日はもう遅い、データ探しは明日からにしんしゃい。」
束
「え~~~!でも、束さんは早く探したいんだよ!」
永遠
「お主ら朝から色々あって疲れたじゃろ。気持ちは分かるが今日は一晩グッスリ寝て疲れを取ってからやりんさい。」
クロエ
「…確かに永遠さんの言う通りですね。束様、今夜はゆっくり休みましょう。」
束
「う~~~!分かったよぉ…」
永遠
「よろしい!部屋と布団は昼にお主らが使っとったのを使うといい。」
クロエ
「はい。…あの永遠さんは?」
永遠
「ワシは座布団の枕とドテラの掛布団で十分じゃ。」
束
「え!でもそれじゃ…」
永遠
「カカカッ!女子を床で寝かすわけにはいかんからな。」
クロエ
「ですが…」
永遠
「ワシはもう寝かせて貰うぞ。明日も朝から畑の手入れをせねばならんからな。おやすみ。」
束&クロエ
「あ…」
とーくん、私達が何か言う前にさっさと寝ちゃった
クロエ
「…束様、せっかくのご厚意ですから使わせてもらいましょう。」
束
「…うん…」
私とクーちゃんも寝る事にした
~束 Side out~
~クロエ Side~
私は布団に入って今日起きた事を思い返していました
密度の濃い驚きの連続でした
クロエ
「………束様…」
束
「何、クーちゃん?」
私は隣の束様に話しかけていました
クロエ
「…永遠さん…なんであんなに優しいんでしょう?」
束
「そうだね~…いきなりやってきた見ず知らずの私達を、手当してくれた…ご飯を食べさせてくれた…温泉に入れてくれた…布団を貸してくれた。正直、こんなにゆっくり寝るのも何時以来かな~…」
クロエ
「…そうですね…永遠さんこの世界では、もう身内はいないんですよね?」
束
「うん…だからこの島で暮らしてるんだよね~」
クロエ
「…私と同じか…」
事情は違うけど、私と同じ天涯孤独の身…
束
「どしたのクーちゃん?さっきから少し変だよ?」
クロエ
「あ、すいません!…ただ…」
束
「ただ、何?」
クロエ
「…お兄ちゃんって…ああいう人の事なのかなって…思って…」
束
「え!?」
クロエ
「わ、忘れてください!ちょっとした気の迷いってやつです!年も私の方が上ですし!」
わ、私は何を言って!?
束
「………いいんじゃないかな…」
クロエ
「え!」
束
「とーくんにお兄ちゃんになってもらおうよ!」
え!えええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーー………!!!
束様!何を!?
~クロエ Side out~
次回『第009話:宝探し』